大規模修繕工事とは何をするの? 防水-塗装
2021/07/07
大規模修繕工事は、マンションやビルなどの長期的な建物維持のために欠かせない重要な作業です。しかし、具体的にどんな作業が含まれているのかや、注意点など知っている方は少ないかもしれません。この記事では、大規模修繕工事の必要性や主な作業内容、進め方について詳しく解説します。初めて大規模修繕工事を計画している方も、ぜひ参考にしてみてください。
大規模修繕工事とは?
マンションやアパートなどの集合住宅では、年月の経過とともに外壁のひび割れや塗装の劣化、設備の老朽化が進行していきます。これらの劣化をそのままにしておくと、建物全体の安全性や快適性が損なわれ、住民の暮らしにも悪影響を及ぼします。こうした状況を未然に防ぐために行われるのが「大規模修繕工事」です。
大規模修繕工事とは、外壁・屋上・共用部・設備など建物全体にわたる広範な修繕作業を計画的に実施するもので、築12年から15年を目安に行われます。第一回目以降も10〜15年ごとに繰り返し実施されるのが一般的です。定期的な修繕は、資産価値の維持や将来的な修繕コストの抑制にもつながり、入居者の満足度や建物のイメージ向上にも貢献します。
大規模修繕工事で実際に何をするのか?
大規模修繕工事では、目に見える外観の補修だけでなく、目に見えにくい内部構造や防水層、配管設備など幅広い箇所が対象となります。以下は代表的な工事項目とその目的です。
外壁の補修・塗装
外壁は、建物の外観を左右するだけでなく、防水性や耐久性を維持する重要な要素です。ひび割れや浮き、剥離などの劣化部分を適切に補修し、その上で塗装を施すことで、雨水の浸入を防ぎ、外壁の耐久性を向上させます。また、新しい塗装を施すことで建物の見た目が改善され、美観を維持できる点もメリットです。特に、紫外線や排気ガスの影響を受けやすい外壁には、高耐候性の塗料を選定することで、劣化の進行を抑えることができます。
屋上防水の改修
屋上に施工された防水層が劣化すると、ひび割れや防水性能の低下が原因で雨漏りが発生する可能性があります。屋上防水改修では、既存の防水層の状態を確認し、新たな防水材を施工することで、建物内部への浸水を防ぎます。防水工法には、シート防水、ウレタン塗膜防水、アスファルト防水などがあり、建物の用途や環境に応じて最適な方法が選定されます。屋上は天候の影響を受けやすいため、適切な防水処理を行うことで長期間にわたり建物の耐久性を維持することができます。
バルコニー・共用廊下の床材改修
バルコニーや共用廊下の床材は、時間とともに摩耗や劣化が進み、塗装が剥がれたり、滑りやすくなることがあります。これらの箇所の改修では、劣化した塗膜を除去し、安全性の高い仕上げ材へと更新します。特にバルコニーは風雨にさらされやすいため、耐候性のある床材を選定することで、長期的な耐久性を確保できます。共用廊下では、転倒事故防止のため、滑りにくい特殊仕上げを施すことが一般的です。
給排水設備の更新・点検
建物の配管設備は、経年劣化によって漏水や詰まりの原因となることがあります。特に築年数が経過した建物では、配管の老朽化が進み、継手部分からの水漏れが発生しやすくなります。大規模修繕工事では、給排水設備の点検を行い、必要に応じて新しい配管へと交換します。また、水圧や排水機能を向上させるための改修も実施されることがあり、居住者の生活環境を改善する重要な工事の一つです。
鉄部塗装
建物の鉄製部分は、時間とともに錆びやすくなるため、適切な防錆塗装を施すことが不可欠です。階段の手すり、扉、フェンスなどの鉄部は、錆が進行すると強度が低下し、安全性に問題が生じることがあります。鉄部塗装では、古い塗膜を除去した後、防錆処理を行い、耐久性の高い塗料を塗布することで、劣化を防止します。
シーリング打ち替え
外壁の目地や窓枠の隙間に充填されているシーリング材は、経年劣化によって硬化し、ひび割れが生じることがあります。この状態になると、防水性が低下し、雨水が建物内部へ侵入するリスクが高まります。シーリング打ち替え工事では、古いシーリング材を除去し、新しい材料を充填することで、防水性を維持し、建物の耐久性を向上させます。
足場の設置・仮設工事
すべての工事を安全かつ効率的に進めるためには、足場の設置が必要不可欠です。適切な足場を組むことで、作業員の安全を確保しながら、施工の品質を向上させることができます。また、工事期間中の仮設設備として、防護ネットや仮囲いを設置し、工事中の粉塵飛散や周囲への影響を軽減することも重要なポイントです。
これらの工事内容は一律ではなく、建物の構造や使用材料、過去のメンテナンス履歴によっても異なります。工事範囲や仕様は、事前の調査結果や管理組合の方針に基づいて決定されます。
工事項目はどうやって決まる?調査と設計の重要性
大規模修繕工事の内容は、計画立案前に行う詳細な建物調査によって明確になります。専門の建築士や調査会社が、以下のような方法で劣化状況を把握します。
目視調査
建物の外壁や共用部の劣化状況を直接確認する基本的な調査方法です。ひび割れ、変色、コンクリートの剥離、錆の発生など、目視で判別できる損傷がないかを検査します。特に高層建築の場合、足場や高所作業車を使用して詳細な確認を行い、劣化の進行具合を評価します。加えて、室内や屋根部分の調査も実施し、雨漏りや内部構造の異常がないかをチェックすることで、修繕すべき箇所の特定を行います。
打診調査
外壁材の浮きや剥離を確認するための調査方法で、専用の打診棒やハンマーを使用して壁面を軽く叩き、その音の違いによって異常を診断します。健全な外壁は硬く締まった音がしますが、内部に空洞や剥離がある場合は、鈍く軽い音が響きます。特に、タイル張りの外壁やモルタル仕上げの建物では、打診調査による確認が極めて重要です。適切な補修を行わないまま放置すると、外壁材の落下事故につながるため、劣化状態を的確に把握し、修繕の計画を立てることが求められます。
サンプル採取や試験
目視や打診だけでは判別しにくい劣化の進行具合を正確に評価するために、塗膜やコンクリートのサンプルを採取し、科学的な試験を行います。塗膜試験では、塗装の密着度や紫外線による劣化具合を分析し、適切な塗装の再施工方法を判断します。また、コンクリートの試験では、中性化の進行状況や圧縮強度を測定し、建物の耐久性が十分保たれているかを確認します。これらの試験結果を基に、修繕の優先順位を決定し、必要な補修内容を具体化していきます。
このように、大規模修繕工事の工事項目は、詳細な調査と慎重な設計を経て決定されます。確実な調査と適切な設計がなされることで、修繕の必要な部分を的確に補修できるだけでなく、予算管理や施工計画の最適化が可能となり、安全で質の高い修繕工事を実現することができるのです。
居住者に関係する工事ポイント
大規模修繕工事は居住中の建物で行われるため、生活環境にさまざまな影響が及ぶ可能性があります。事前に内容を把握しておくことで、ストレスを軽減できます。
騒音や臭い:
足場の組立てや高圧洗浄、塗装作業などでは大きな音や独特な臭いが発生します。
バルコニーの使用制限:
工事期間中はバルコニーの立ち入りや物干しが制限される場合があります。
日当たりや景観の変化:
足場やネットの設置により、一時的に日差しが遮られることも。
資材搬入や作業員の出入り:
共用部での作業が増えるため、住民の安全管理にも配慮が必要です。
工期の長さ:
一般的に3か月から半年程度の期間がかかり、居住者への丁寧な説明や案内が求められます。
こうした状況を踏まえ、管理会社や施工会社は事前説明会を開いたり、掲示板や回覧板を通じて工事予定や注意点を周知するなど、居住者との信頼関係を大切にしています。
まとめ
大規模修繕工事では、建物全体に関わるさまざまな補修や改修が実施されます。何を目的としてどのような工事が行われるのかを理解することで、住民は工事に対する不安を減らし、主体的に取り組むことができます。
修繕内容を正しく知り、必要に応じて管理組合や専門家に相談することで、トラブルや後悔のない大規模修繕が実現します。
このように、大規模修繕工事は単なるメンテナンスではなく、住まいの価値を守り、より良い生活環境を築くための重要な取り組みです。建物の安全性を確保し、居住者が安心して生活できる環境を提供するためにも、修繕工事の目的や内容を正しく理解し、計画的に進めていくことが大切です。
建物の資産価値を守り、長く快適に暮らせる住環境を維持するためにも、大規模修繕の重要性をしっかり認識しておきましょう。
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