ウレタン防水 密着工法とは!? 関東-修繕
2021/03/18
ウレタン防水の密着工法とは?メリット・デメリットから費用まで徹底解説
建物の屋上やベランダの防水工事で広く採用されているウレタン防水。その中でも「密着工法」は、比較的コストを抑えやすく、多くの現場で選ばれています。しかし、どのような工法なのか、メリットだけでなくデメリットはないのか、費用はどれくらいかかるのか、疑問に思う方もいるでしょう。
この記事では、ウレタン防水の密着工法について、その基本的な仕組みや特徴、メリット・デメリット、具体的な施工手順、そして気になる費用相場まで、分かりやすく解説します。
ウレタン防水「密着工法」とは?その特徴と仕組み
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布し、化学反応によって硬化させることで弾力性のある防水層を形成する工法です。その施工方法の一つである「密着工法」は、その名の通り、下地(コンクリートなど)にプライマー(下塗り材)を塗布した後、ウレタン樹脂を直接塗り重ねて防水層を下地に密着させる方法を指します。
下地の状態が比較的良好な場合に適しており、新築工事や、既存防水層の状態が良い改修工事などで採用されることが多い工法です。複雑な形状の場所でも施工しやすく、継ぎ目のない均一な防水層を作れるのが大きな利点です。
密着工法の主な特徴は以下の通りです。
下地への直接施工:
既存の防水層がない、または状態が良い場合に、下地に直接ウレタン樹脂を塗布します。
これにより、防水層が下地にしっかりと固定されます。
軽量性:
防水層自体が比較的軽量なため、建物への荷重負担を抑えられます。古い建物や木造建築にも適用しやすい場合があります。
シームレスな仕上がり:
液体状の材料を塗布するため、シート防水のように継ぎ目が生じません。これにより、継ぎ目からの漏水リスクを低減できます。
複雑な形状への対応力:
液体を塗る工法なので、室外機の架台周りや配管周りなど、凹凸や複雑な形状の部分にも隙間なく施工できます。
比較的安価で工期が短い:
他の工法(例:通気緩衝工法)と比較して、工程が少ないため、コストを抑えやすく、工期も短縮できる傾向があります。
ただし、下地の状態に仕上がりが左右されやすいという側面もあります。下地にひび割れや凹凸が多い場合は、それらが防水層に影響を与える可能性があるため、事前の下地処理が非常に重要になります。
ウレタン防水 密着工法のメリット・デメリットを比較
ウレタン防水の密着工法は、多くの利点を持つ一方で、注意すべき点も存在します。メリットとデメリットを理解し、建物の状況や求める性能に合わせて検討することが重要です。
メリット:
- コストパフォーマンス
通気緩衝シートなどを使用しないため、材料費や施工手間が少なく、他のウレタン防水工法と比較して費用を抑えやすい傾向があります。予算を重視する場合に有利です。
- 工期の短縮
施工工程が比較的シンプルなため、全体の工期を短縮しやすいです。早期に防水性能を確保したい場合に適しています。
- 優れた施工性
液体状のウレタン樹脂を使用するため、複雑な形状や狭い箇所にも容易に施工でき、均一な防水層を形成できます。室外機や配管が多い場所にも対応しやすいです。
- 軽量性
防水層が軽量であるため、建物構造への負担が少ないです。耐荷重に制限がある建物でも採用しやすい場合があります。
- シームレスな防水層
塗膜による防水のため、シート防水のような継ぎ目がありません。これにより、剥がれや浮きの原因となる箇所が少なく、漏水リスクを低減できます。
デメリット:
- 下地の影響を受けやすい
下地に直接塗布するため、下地のひび割れや動きに追従できず、防水層が破断する可能性があります。下地の状態が悪い場合は適用が難しいか、入念な下地処理が必要です。
- 下地の水分に弱い
下地に含まれる水分が多い状態で施工すると、硬化不良を起こしたり、施工後に水蒸気によって防水層が膨れたり(フクレ)するリスクがあります。下地の十分な乾燥が不可欠です。
- 通気性がない
防水層が下地に密着しているため、下地からの湿気を逃がす経路がありません。これにより、内部結露やフクレが発生しやすくなる場合があります。
- 既存防水層の撤去が必要な場合がある
改修工事の場合、既存の防水層の種類や状態によっては、完全に撤去してからでないと密着工法を適用できないケースがあり、その場合は撤去費用と手間がかかります。
これらのメリット・デメリットを総合的に判断し、専門業者と相談の上、最適な工法を選択することが大切です。
ウレタン防水 密着工法の施工手順と費用相場
ウレタン防水の密着工法を適切に行うためには、正しい手順と工程ごとの丁寧な作業が不可欠です。ここでは、一般的な施工手順の概要と、気になる費用相場について解説します。
基本的な施工手順:
- 下地処理・清掃
施工面の汚れ、ゴミ、油分、旧塗膜の浮きなどを高圧洗浄やケレン作業で除去し、清浄な状態にします。ひび割れや欠損部は補修材で平滑に整えます。この工程が防水層の密着性や耐久性を大きく左右します。
- プライマー塗布
下地とウレタン防水材の密着性を高めるためのプライマー(接着剤の役割)を、ローラーや刷毛で均一に塗布します。下地の種類や状態に適したプライマーを選定することが重要です。
- ウレタン防水材塗布(1層目)
プライマーが十分に乾燥した後、ウレタン防水材を規定の塗布量を守りながら、コテやローラーで均一に塗布します。
- (必要な場合)補強布の貼り付け
建物の動きが大きい箇所や、入隅・出隅、ドレン周りなど、特に防水性能を高めたい部分には、ウレタン1層目が硬化する前に補強布(メッシュシート)を貼り付け、密着させます。
- ウレタン防水材塗布(2層目)
1層目が硬化(または指定されたインターバル)した後、再度ウレタン防水材を規定量、均一に塗り重ね、所定の厚みを確保します。
- トップコート塗布
ウレタン防水層が完全に硬化した後、紫外線や摩耗から防水層を保護するためのトップコート(保護仕上げ材)を塗布します。これにより、防水層の耐久性が向上し、美観も保たれます。
費用相場:
ウレタン防水密着工法の費用相場は、一般的に1平方メートルあたり4,000円~7,000円程度が目安とされています。ただし、これはあくまで目安であり、以下の要因によって変動します。
- 施工面積: 面積が広いほど、平方メートルあたりの単価は割安になる傾向があります。
- 下地の状態: 劣化が激しく、下地処理や補修に手間がかかる場合は費用が高くなります。
- 既存防水層の有無と種類: 既存防水層の撤去が必要な場合は、別途撤去費用がかかります。
- 使用する材料: ウレタン材やトップコートの種類(グレード)によって価格が異なります。
- 施工業者: 業者によって単価設定や諸経費が異なります。
正確な費用を知るためには、必ず複数の専門業者に見積もりを依頼し、内訳を確認することが重要です。見積もり時には、施工範囲、手順、使用材料、保証内容などを詳しく確認しましょう。
まとめ:密着工法を理解して最適なウレタン防水を選ぼう
この記事では、ウレタン防水の「密着工法」について、その特徴、メリット・デメリット、施工手順、費用相場を解説しました。
密着工法のポイントをまとめると以下のようになります。
- 概要: 下地に直接ウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法。
- メリット: コストパフォーマンスが高く、工期が短縮でき、複雑な形状にも施工しやすい。軽量で建物への負担も少ない。
- デメリット: 下地の状態(ひび割れ、水分)の影響を受けやすく、通気性がないためフクレのリスクがある。
- 適したケース: 新築工事や、下地の状態が比較的良好な改修工事。
- 費用相場: 1平方メートルあたり4,000円~7,000円程度が目安(条件により変動)。
- 注意点: 下地処理の重要性、下地の乾燥確認、信頼できる業者選び。
ウレタン防水密着工法は、多くの利点を持つ一方で、適用できる条件が限られる側面もあります。特に下地の状態は、防水層の性能と寿命に直結するため、施工前の診断が非常に重要です。
建物の状況や予算、求める防水性能などを総合的に考慮し、必要であれば通気緩衝工法など他の工法とも比較検討することが大切です。最終的な工法の選定や施工は、経験豊富な専門業者に相談し、現地調査に基づいた適切な提案を受けることをお勧めします。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することで、より納得のいく防水工事が実現できるでしょう。適切な防水工事で、大切な建物を雨漏りから守り、長持ちさせましょう。
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