脱気筒とは!?神奈川-防水
2021/02/08
脱気筒とは
脱気筒とは、屋上の防水層と下地(コンクリートなど)の間に、雨や室内の湿気などで発生する水蒸気を外へ排気するための筒のことを指します。屋上の下地は、日常の雨や屋内の
湿気・水分を含んでおり、昼夜の温暖差や太陽の熱により水蒸気を発します。この水蒸気が下地と防水層との間に発生すると防水層の膨らみや、シワの原因になります。防水層が
膨らむことで下地との密着が不良になってしまいます。そうすると防水層の耐久性が弱くなり劣化が促進してしまい、後の雨漏りなどの原因となってしまいます。そうならないように、
通気緩衝シートの通気層を通し湿気を排気する脱気装置が脱気筒です。
ただ、防水層の膨れは施工時に手順を守り、脱気筒を設置していても起こりえます。膨れていることで即座に雨漏り被害を引き起こすかというとそうではありませんが、膨れ箇所が破断して、
シートが破れてしまえばそこから雨水の浸入を許すことにもなるためいつまでも放置をすることはできない状態です。メンテナンスの時期が訪れているとお考え下さい。
脱気筒の取り付け
脱気筒を取り付ける個数は、施工方法や屋上の面積、脱気筒の製品仕様によってもさまざまですが、弊社では50㎡に1個程度で設置する場合が多く、設置する場所は蒸気が上に逃げるため、
勾配の高い位置で、コンクリート下地の目地の部分に設置されています。目地の凹みは排気経路として有利になるからです。
しかし、屋上面積の少ないマンションでは脱気筒が設置されていない場合も多く見受けられます。そのような場合、脱気筒を設置していないことで防水層の劣化が目に余る状態となり、雨漏りの原因になっていることもあります。特に築年数が長くなると膨れが発生しやすくなります。また、脱気筒が設置されている場合でも、自然環境にさらされる屋上は
経年と共に防水層の劣化が進んでいきます。防水層の改修の際は脱気筒も新設し、防水層の寿命を縮めないようにしましょう。
まとめ
今回は防水層に設置する脱気筒について解説しました。
脱気筒は、防水工事における「縁の下の力持ち」といえる存在です。建物の快適性や耐久性を維持するために、脱気筒の役割を理解し、適切に管理することが大切です。
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