外壁の種類”タイル編” 下地補修‐塗装

外壁の種類”タイル編” 下地補修‐塗装

外壁の種類”タイル編” 下地補修‐塗装

2021/01/31

外壁タイル下地補修の全て|劣化原因から費用、工法まで徹底解説

外壁タイルは建物の顔とも言える美しい仕上がりをもたらしますが、年月とともに劣化は避けられません。特にタイルの剥がれや浮きといった症状は、表面的な問題だけでなく、その下の「下地」に深刻なトラブルを抱えているサインかもしれません。
外壁タイルの下地の劣化を放置すると、見た目の悪化はもちろんのこと、雨漏りによる建物の構造部分の腐食やタイルの落下といった危険な事態を招く可能性があります。
建物を長く安全に保つためには、外壁タイルの下地補修は非常に重要です。

この記事では、外壁タイルの下地劣化のサインや原因、具体的な補修工法、費用相場、そして適切な業者選びのポイントまで、外壁タイル下地補修に関する情報を網羅的に解説します。
 

外壁タイルの下地劣化サインと放置のリスク

外壁タイルの下地劣化は、様々なサインとなって現れます。これらのサインを見逃さず、早期に対処することが建物の寿命を延ばし、安全性を保つ上で非常に重要です。
劣化の主なサインと、それを放置した場合のリスクについて解説します。

タイルの浮き・膨れ: 
タイル面が部分的に膨らんだり、壁面から浮き上がったりしている状態です。タイルの裏側と下地の間に隙間ができている可能性が高く、打診棒などで叩くと他の箇所と違う鈍い音がすることがあります。


タイルのひび割れ: 
タイル自体にひびが入っている状態です。下地のひび割れや動きが原因でタイルに力が加わって発生する場合と、タイル自体の品質や施工時の問題で発生する場合があります。


タイルの剥がれ・脱落: 
タイルの一部または複数枚が壁面から剥がれ落ちている状態です。これは下地材とタイルが完全に縁を切ってしまっている、最も危険なサインの一つです。


目地のひび割れ・劣化: 
タイルとタイルの間の目地材にひびが入ったり、欠けたりしている状態です。目地材が劣化すると、そこから雨水が下地へと侵入しやすくなります。


エフロレッセンス(白華現象): 
タイル目地やタイルの表面に白い粉のようなものが吹き出ている現象です。コンクリート内部の成分が水とともに染み出し、空気中の二酸化炭素と反応して結晶化したもので、水分が内部に侵入しているサインです。

これらのサインを放置すると、以下のようなリスクが高まります。
タイルの落下による事故: 
浮いたり剥がれたりしたタイルが通行人や車両に落下し、人身・物損事故を引き起こす危険性があります。


雨漏り・内部構造の腐食: 
隙間やひび割れから侵入した雨水が下地を劣化させ、さらに建物の躯体や構造材(木材、鉄骨など)を腐食させます。これにより建物の耐久性が著しく低下します。


断熱性能の低下: 
外壁材の損傷は断熱材の劣化を招き、建物の断熱性能を低下させ、冷暖房効率の悪化につながります。


建物の資産価値低下: 
外観の劣化は建物の美観を損ねるだけでなく、構造的な問題を抱えている可能性を示唆するため、建物の資産価値を低下させます。


これらのリスクを回避するためには、早期の点検と適切な下地補修が不可欠です。
 

外壁タイルの下地補修が必要な主な原因

外壁タイルの下地が劣化する原因は一つではなく、様々な要因が複合的に絡み合っている場合が多いです。主な原因を理解することで、適切な補修方法や予防策を検討する手助けとなります。下地補修が必要となる主な原因について解説します。

施工不良:

 

 

  • モルタルの配合ミスや塗厚不足: 
    タイルを張り付けるモルタルや下地モルタルの配合が不適切だったり、規定の厚みが確保されていなかったりすると、十分な強度や接着力が得られません。
     
  • 下地処理の不備: 
    下地の清掃が不十分であったり、適切なプライマー処理が行われていなかったりすると、下地とモルタル、あるいはモルタルとタイルの間に十分な密着性が確保できません。
     
  • 張り付けモルタルの塗りむら: 
    タイル張り付けモルタルに塗りむらがあると、タイル裏面全体にモルタルが行き渡らず、空隙ができてしまい、その部分から浮きや剥がれが発生しやすくなります。
     
  • 目地詰め不良:
    目地材が隙間なく充填されていないと、そこから雨水が容易に下地に浸入し、劣化を早めます。


経年劣化:

 

  • モルタルの収縮: 
    モルタルは乾燥・硬化する際に収縮する性質があり、これにより微細なひび割れが生じることがあります。
  • 接着力の低下: 
    タイルと下地、あるいは下地モルタルと躯体との間の接着力が、紫外線、雨水、気温変化などの影響を受けて徐々に低下します。

    自然環境による影響:
  • 雨水浸入: 
    劣化箇所や目地、サッシ周りの隙間などから雨水が浸入し、下地材の強度を低下させたり、内部の鉄筋を錆びさせたりします。
     
  • 凍害: 
    浸入した水分が気温低下により凍結・膨張し、モルタルやタイルの内部に圧力をかけて破壊します。寒冷地で特に顕著な現象です。
     
  • 温度変化: 
    昼夜や季節の温度変化による建材の膨張・収縮が繰り返されることで、応力が蓄積し、ひび割れや剥がれの原因となります。
     
  • 地震・振動: 
    地震による建物の揺れや、交通量の多い場所などでの日常的な振動が、外壁に繰り返し加わることで、下地やタイルのひび割れ、浮き、剥がれを引き起こします。

    これらの原因が単独で、あるいは複合的に作用することで、外壁タイルの下地は少しずつ劣化していきます。原因を特定し、それに応じた適切な補修工法を選択することが、補修効果を持続させる鍵となります。

外壁タイルの下地補修の主な工法

外壁タイルの下地補修には、劣化の程度や範囲、下地の種類に応じていくつかの工法があります。それぞれの工法には特徴があり、現場の状況に最適な工法を選択することが重要です。主な下地補修工法について解説します。

注入工法:

  • 特徴:
    タイルの浮きや下地との間にできた隙間に、エポキシ樹脂などの注入材を流し込んで下地とタイルを再接着する工法です。タイルを剥がさずに補修できるため、既存タイルのデザインを維持したい場合や、部分的な浮きが見られる場合に適しています。
     
  • 手順:
    浮いているタイルの目地やタイルの表面に小さな穴を開け、そこに低粘度の注入材を注入します。注入材が硬化することで、タイルと下地が強固に接着されます。穴は目地材などで補修します。
     
  • メリット:
    比較的低コストで施工できる場合が多く、工期も短縮できます。既存タイルの美観を損ないにくいです。
     
  • デメリット:
    下地のひび割れが大きく構造的な問題がある場合や、タイルの剥離範囲が広すぎる場合には適さないことがあります。また、注入材が適切に充填されているか確認が難しい場合もあります。

 

張り替え工法:

  • 特徴:
    劣化が著しい部分や、注入工法では対応できない広範囲の浮き・剥がれ、あるいはタイルの破損が見られる場合に、既存のタイルと下地モルタルを撤去し、新たな下地モルタルを塗り直してタイルを張り直す工法です。
     
  • 手順:
    既存のタイルと下地モルタルを電動工具などで撤去し、躯体の清掃・下地処理を行います。その後、新たにモルタルを塗り付け、乾燥後にタイルを張り付け、目地詰めを行います。
     
  • メリット:
    下地から完全にやり直すため、最も確実で耐久性の高い補修が可能です。構造的な問題も同時に補修しやすいです。
     
  • デメリット:
    注入工法に比べてコストや工期がかかります。また、既存と全く同じタイルが見つからない場合、部分的にタイルの色や風合いが変わってしまう可能性があります。

 

アンカーピンニング工法:

  • 特徴:
    浮きや剥がれが見られるタイルや下地を、躯体に対して物理的に固定する工法です。注入材と併用されることが多く、注入だけでは不安な場合や、より強固な固定が必要な場合に採用されます。
     
  • 手順:
    タイルや下地モルタルを貫通して躯体までドリルで穴を開け、ステンレス製などのアンカーピンを挿入・固定します。固定後、注入材を併用したり、ピンの頭部をモルタルや樹脂で処理したりします。
     
  • メリット:
    タイルや下地材の落下リスクを物理的に抑制でき、高い安全性と耐久性を確保できます。注入工法との併用で、剥離と浮きの両方に対応できます。
     
  • デメリット:
    タイルに穴を開ける必要があるため、仕上がりの見た目に影響を与える場合があります。

    これらの工法は単独で行われることもありますが、現場の状況に応じて複数の工法が組み合わせて採用されることもあります。どの工法が最適かは、専門家による診断に基づいて判断する必要があります。

外壁タイル下地補修の費用相場と変動要因

外壁タイルの下地補修にかかる費用は、建物の状況や採用する工法、業者などによって大きく変動します。正確な費用を知るには現地調査に基づいた見積もりが必要ですが、ここでは一般的な費用相場と、費用が変動する主な要因について解説します。

一般的な費用相場(面積あたり):

  • 注入工法:

1箇所あたり数千円〜、または㎡あたり1万円〜3万円程度。劣化の程度や注入材の種類によって変動します。
 

  • 張り替え工法:

1㎡あたり3万円〜8万円程度。既存材の撤去費用、新規下地・タイル・目地材の費用が含まれます。タイルの種類や張替え範囲、建物の高さによって大きく変動します。
 

  • アンカーピンニング工法:

1本あたり数千円〜。注入工法と併用される場合、注入費用に加算されます。


上記はあくまで目安であり、以下の要因によって費用は大きく変動します。
 

劣化の程度と範囲:
軽微な浮きが数箇所あるだけの場合と、広範囲でタイルの剥離や下地の構造的なひび割れが発生している場合では、必要な補修範囲と工法が異なるため費用も大きく変わります。劣化が進んでいるほど高額になる傾向があります。
 

建物の高さと足場の要否:
補修箇所が高い位置にある場合、安全に作業を行うために足場の設置が必要となります。足場費用は補修費用全体の大きな割合を占めることがあり、建物の高さが高くなるほど費用も増加します。
 

採用する工法:
前述の通り、工法によって材料費や手間が異なるため、費用が変わります。一般的には、注入工法が比較的安価で、張り替え工法やアンカーピンニング工法は高価になる傾向があります。
 

使用する材料の種類:
注入材の種類(エポキシ樹脂など)、張り替えるタイルの種類(高級タイルか普及品か)、目地材の種類などによって材料費が変動します。
 

業者の選定:
業者によって見積もり内容や単価設定が異なります。複数の業者から相見積もりを取ることで、適正な価格を判断しやすくなります。
 

立地条件:
作業スペースの確保のしやすさや、資材運搬の容易さなども費用に影響する場合があります。
 

費用を検討する際は、単に金額の安さだけでなく、提示された工法が建物の状況に適切か、保証内容はどうなっているかなども含めて総合的に判断することが重要です。不明な点は必ず業者に確認し、納得した上で契約を進めましょう。

業者選びのポイント

外壁タイルの下地補修は専門的な知識と技術を必要とする工事です。信頼できる業者を選ぶことは、適切な診断と施工を受け、安心して建物を任せるために非常に重要です。数ある業者の中から、どのようにして信頼できる業者を選べば良いのでしょうか。業者選びの主なポイントについて解説します。

豊富な実績と専門性: 
外壁タイルや下地補修に関する豊富な実績があるか確認しましょう。特に、様々な種類のタイルや下地に対応した経験があるか、過去の施工事例を見せてもらうと参考になります。


資格・許認可の有無:
 建設業許可や外装劣化診断士、外壁診断士などの関連資格を保有しているか確認しましょう。


詳細な現地調査と見積もり: 
契約前に必ず建物の状況を詳細に調査し、劣化箇所や原因、必要な補修工法、それぞれの費用などを明確に記載した見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。


適切な診断力: 
なぜ下地が劣化しているのか、どのような工法が最も適しているのかを正確に診断できる能力があるかが重要です。


保証やアフターサービス: 
施工後の保証期間や保証内容、アフターサービス体制がしっかりしているか確認しましょう。


コミュニケーションと担当者の対応: 
担当者が質問に丁寧に答え、こちらの要望や不安をしっかりと聞いてくれるかどうかも重要なポイントです。信頼関係を築ける相手か見極めましょう。


複数の業者から相見積もりを取る: 
複数の業者から見積もりを取ることで、費用相場を把握でき、提示された工法や内容が適切か比較検討できます。


これらのポイントを踏まえて慎重に業者を選定することで、外壁タイルの下地補修を成功させ、建物の安全性と美観を長く保つことができます。
 

まとめ

外壁タイルの下地補修は、建物の美観を保つだけでなく、安全性を確保し、建物の寿命を延ばすために欠かせないメンテナンスです。タイルの浮き、ひび割れ、剥がれなどのサインを見つけたら、放置せず早期に専門家による診断を受けることが非常に重要です。
この記事では、以下の点について解説しました。
下地劣化のサインと放置のリスク: 
タイルの異常は下地からのサインであり、放置するとタイルの落下や雨漏りによる構造材の腐食など、重大な問題を引き起こす可能性があります。


下地補修が必要な原因: 
施工不良、経年劣化、雨水浸入、凍害、地震・振動など、様々な要因が複合的に下地の劣化を招きます。


主な補修工法: 
注入工法、張り替え工法、アンカーピンニング工法などがあり、劣化状況や下地の種類によって最適な工法が異なります。


費用相場と変動要因: 
補修費用は劣化の程度、建物の高さ、工法など様々な要因で変動するため、複数の業者から見積もりを取り比較検討することが大切です。


信頼できる業者選びのポイント: 
実績、資格、詳細な診断と見積もり、保証内容などを確認し、慎重に業者を選びましょう。
外壁タイルの下地補修は専門的な工事であり、自己判断や不適切な方法での補修はかえって状況を悪化させる可能性があります。必ず外壁タイルや下地補修に関する専門知識と技術を持った信頼できる業者に相談し、適切な診断と施工を依頼してください。定期的な点検と早期のメンテナンスが、建物を長く安全に使い続けるための鍵となります。

修繕をご検討されてましたらお気軽にご相談ください!

☆☆工事担当者が現地にて詳しく調査させて頂きます。☆☆

現地調査、お見積りは無料にてさせて頂きます。

まずはメールにてお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。