外壁の種類”ALC編” 下地補修‐塗装

外壁の種類”ALC編” 下地補修‐塗装

外壁の種類”ALC編” 下地補修‐塗装

2021/01/27

ALC外壁の下地補修はなぜ必要?劣化サインから正しい補修方法まで徹底解説

ALC(軽量気泡コンクリート)は、その軽量性や断熱性から多くの住宅や建築物で外壁材として採用されています。
しかし、ALC材そのものや、目地、固定部分などの「下地」は、経年劣化や外部からの影響を受けやすい箇所でもあります。
下地材が傷むと、見た目が悪くなるだけでなく、建物の耐久性や防水性にも深刻な影響を及ぼしかねません。
手遅れになる前に適切な下地補修を行うことが、ALC外壁、ひいては建物全体の寿命を延ばすために非常に重要です。

この記事では、ALC外壁に下地補修が必要となるサインから、具体的な補修方法、そして補修を怠るリスクまでを詳しく解説します。
 

ALC外壁の下地補修が必要なサインとは?

ALC外壁は、セメント・生石灰・珪石などを主原料とし、気泡を含ませて軽量化した建材です。軽量でありながら高い断熱性や耐火性を持つ一方で、吸水性が高い性質も持っています。そのため、表面の塗装や目地のシーリング材が劣化し、ALC材そのものが雨水などの影響を受けやすくなると、様々な劣化症状が現れます。

これらの症状は、単なる見た目の問題ではなく、下地材が傷んでいるサインである可能性が高いです。
下地補修が必要な代表的なサインには、以下のようなものがあります。
クラック(ひび割れ): 
髪の毛のような細いものから、幅が広く深くまで達するものまで様々です。クラックから雨水が浸入し、内部の腐食や強度低下を招く可能性があります。


欠けや剥がれ: 
ALC板の角や表面の一部が欠けたり剥がれたりしています。物理的な衝撃や、内部で発生した腐食によって起こります。


ALC板の浮きやひび割れ: 
ALC板を固定している金具などが劣化したり、内部で錆が発生・膨張したりすることで、ALC板自体が浮いたりひび割れたりします。


シーリング材の劣化: 
目地やサッシ周りのシーリング材が痩せたり、ひび割れたり、剥がれたりしています。シーリング材は水の浸入を防ぐ重要な役割を担っており、劣化すると下地に直接ダメージを与えます。


爆裂(ばくれつ): 
ALC板の内部で錆が発生し、膨張して表面が破壊される現象です。鉄筋や固定金物が錆びることで起こり、ALC材の強度を著しく低下させます。


白華(はっか)現象: 
ALC内部の成分が雨水とともに表面に染み出し、白っぽい粉状や結晶となって現れる現象です。美観を損ねるだけでなく、ALC材が水分を含んでいるサインでもあります。


これらのサインを見つけたら、軽微なものであっても注意が必要です。放置すると劣化が進行し、大規模な補修が必要になる可能性が高まります。
 

ALC下地補修の具体的な工法と手順

ALC外壁の下地補修は、劣化の種類や進行度合いによって最適な工法が異なります。主な補修工法には、以下のようなものがあります。
クラック補修:
ヘアークラック(軽微なひび割れ):
微弾性フィラーなどの下塗り材を塗布することで埋めることが可能です。


構造クラック(幅が広い・深いひび割れ):
ひび割れに沿ってU字型にカットし、シーリング材やエポキシ樹脂、セメント系またはポリマーセメント系の充填材を注入・充填して補修します。必要に応じて、ひび割れの両側に補強用の金具(ステープル)を打ち込むこともあります。


欠け・爆裂補修:
欠けたり爆裂したりした部分の脆弱なALC材を撤去し、清掃します。
必要に応じて、内部の鉄筋や固定金物の錆を除去し、防錆処理を行います。
補修材(セメント系充填材、樹脂モルタル、エポキシ樹脂など)を充填して整形します。


ALC板の浮き・ひび割れ補修:
浮いているALC板を専用のビスなどで再度固定します。
ひび割れはクラック補修と同様の方法で行います。
劣化が激しい場合は、部分的にALC板を新しいものに交換することもあります。


シーリング打ち替え:
既存の劣化したシーリング材を全て撤去します。
目地内の清掃を行い、プライマーを塗布します。
新しいシーリング材を充填し、ヘラで押さえて表面を整えます。
この作業は、外壁塗装を行う前に下地処理として必ず行われます。
 

これらの下地補修は、通常、外壁全体の塗り替えを行う前に行われます。おおまかな手順としては、まず高圧洗浄などで外壁全体の汚れを落とし、次に劣化部分の調査、補修、そして最後に下地材の調整(フィラー塗布など)を行い、その後にようやく本塗装へと移ります。下地補修は、その後の仕上げ材の性能を最大限に引き出し、長持ちさせるために不可欠な工程です。
 

ALC下地補修を怠ることで起きるリスク

ALC外壁に劣化のサインが現れているにも関わらず、下地補修をせずに放置したり、見た目だけの応急処置で済ませてしまったりすると、様々なリスクが発生します。これらのリスクは、建物の寿命や安全性、さらには住む人の健康にも関わる重要な問題です。下地補修を怠ることで起こりうる主なリスクは以下の通りです。
劣化の進行と拡大: 
小さなひび割れや欠けであっても、放置することで雨水などが浸入し、内部のALC材の劣化や鉄筋の錆を加速させます。劣化範囲が広がり、補修がより困難で費用のかかるものになります。


雨水の浸入と構造材の腐食: 
下地材の損傷やシーリング材の劣化箇所から雨水が壁の内部に浸入しやすくなります。木造住宅であれば土台や柱などの構造材が腐食し、建物の強度低下を招きます。


断熱性能の低下: 
ALC材は気泡を含むことで高い断熱性を発揮していますが、水を含んでしまうとその性能が著しく低下します。


カビやシロアリの発生: 
湿った環境は、カビやシロアリなどの害虫にとって好都合な繁殖場所となります。カビは健康被害の原因となる可能性があり、シロアリは木材を食害して建物の構造に致命的なダメージを与えることがあります。


美観の損なわれ: 
劣化症状が進行すると、外壁全体の見た目が著しく悪化します。ひび割れ、欠け、爆裂などは、建物の価値を低下させる要因となります。


大規模な改修工事が必要になる可能性: 
軽微な下地補修で済んだはずのものが、放置によってALC板自体の交換や、建物の構造に関わるほどの深刻なダメージに至ると、補修費用が大幅に増加し、工事期間も長期化します。


これらのリスクを避けるためには、劣化のサインを見逃さず、早期に適切な下地補修を行うことが非常に重要です。
 

専門業者にALC下地補修を依頼するメリットと選び方

ALC外壁の下地補修は、建物の耐久性に関わる重要な工事であり、専門的な知識と技術が必要です。DIYでの補修は、かえって劣化を進行させたり、安全上のリスクを伴ったりする可能性があります。そのため、専門の業者に依頼することが強く推奨されます。専門業者に依頼するメリットは以下の通りです。
適切な診断と最適な工法の提案: 
経験豊富な専門業者であれば、劣化の原因や進行度合いを正確に診断し、現場の状況に合わせた最適な補修工法を提案してくれます。見えない部分の劣化も見抜くことができます。


高い技術力と確実な施工: 
ALC材や補修材に関する専門知識、適切な工具・機材を用いて、確実で丁寧な施工を行います。補修箇所が再び劣化しにくいよう、下地処理から仕上げまで適切に行います。


安全な施工: 
高所での作業や、電動工具の使用など、危険を伴う作業も安全管理を徹底して行います。


保証とアフターフォロー: 
多くの専門業者では、施工に対して保証期間を設けています。万が一、補修箇所に不具合が生じた場合でも、適切に対応してもらえます。


信頼できる専門業者を選ぶためのポイントは以下の通りです。
ALC外壁の補修実績が豊富か: 
ALC材特有の性質を理解し、多くの補修実績がある業者を選びましょう。


資格や許可を持っているか: 
建設業許可や、塗装技能士、外壁診断士などの関連資格を持っているか確認しましょう。


診断・見積もりが丁寧で明確か: 
劣化状況の診断内容や、工事内容、費用内訳などが明確に記載された見積もりを提出してくれるか確認しましょう。あいまいな表現が多い業者は避けましょう。


説明が分かりやすいか: 
専門用語ばかりを使わず、素人にも分かりやすく説明してくれるかどうかも重要な判断基準です。


アフターフォローや保証があるか: 
施工後の保証期間や、定期的な点検などのアフターフォローがあるか確認しましょう。


近隣への配慮があるか: 養生や騒音など、工事中の近隣への配慮をしっかり行ってくれるかも確認しましょう。
複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することで、より信頼できる業者を選ぶことができます。
 

まとめ:ALC外壁の下地補修は早期発見・早期対応が鍵

ALC外壁は、軽量で断熱性に優れる反面、適切なメンテナンスを怠ると劣化が進みやすい特性を持っています。特に、下地材であるALC板そのものや、目地、固定部分などが傷むと、建物の防水性や耐久性に深刻な影響を及ぼします。

この記事では、ALC外壁の下地補修が必要なサインとして、クラック、欠け、爆裂、シーリング材の劣化などを挙げました。これらのサインを見つけたら、放置せずに専門業者に相談することが重要です。下地補修を怠ることは、雨水の浸入による構造材の腐食、断熱性能の低下、カビやシロアリの発生、そして最終的には大規模な改修工事が必要になるリスクを高めます。

適切な下地補修を行うことで、ALC外壁の寿命を延ばし、建物を長く安全に保つことができます。下地補修には、クラック補修、欠け・爆裂補修、シーリング打ち替えなど、劣化状況に応じた様々な工法があります。これらの専門的な判断と確実な施工を行うためには、ALC外壁の補修実績が豊富な専門業者に依頼することが最も安心です。

ALC外壁の下地補修は、早期発見・早期対応が何よりも重要です。定期的に外壁の状態をチェックし、少しでも気になる箇所があれば、信頼できる専門業者に診断を依頼することをおすすめします。適切なメンテナンスで、大切な住まいを長く守りましょう。


 

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