外壁の種類”サイディング編” 下地補修‐塗装
2021/01/29



外壁サイディングの下地補修が重要な理由|費用・工法・注意点を徹底解説
外壁材として広く普及しているサイディングは、適切なメンテナンスを行うことで長期にわたり建物を保護します。
しかし、経年劣化や外部からの影響により、サイディング本体だけでなく、その下地にもダメージが及ぶことがあります。
下地の劣化を放置すると、雨漏りや建物の耐久性低下といった深刻な問題を引き起こしかねません。
本記事では、外壁サイディングの下地補修がなぜ重要なのか、必要になるケース、具体的な工法、費用相場、そして信頼できる業者の選び方まで、詳しく解説します。
外壁サイディングの下地補修とは?なぜ重要なのか
外壁のサイディングは、建物の顔であると同時に、風雨や紫外線から内部を保護する重要な役割を担っています。このサイディングをしっかりと支え、防水機能を維持しているのが「下地」です。外壁の下地は、主に以下の要素で構成されています。
構造用合板やモルタル:
サイディングが取り付けられる壁の躯体部分。
透湿防水シート(防水紙):
壁内に水の浸入を防ぎつつ、湿気を外部に排出するシート。
胴縁(どうぶち):
サイディングを固定するために、防水シートの上から取り付けられる木材や金属製の部材。
下地補修とは、これらの下地材に発生した劣化や損傷を直す工事です。下地が傷むと、たとえサイディング本体に問題がなくても、以下のような深刻な事態を招く可能性があります。
雨漏り:
防水シートの破れや下地の隙間から雨水が浸入し、壁内部や躯体を腐食させます。
断熱材の劣化:
壁内の断熱材が湿気を含み、断熱性能が著しく低下します。
構造材の腐食:
柱や梁といった建物の構造を支える木材が腐り、建物の耐久性や耐震性が低下します。
シロアリの発生:
湿った木材はシロアリにとって格好の餌場となり、被害が拡大するリスクが高まります。
これらの問題を未然に防ぎ、建物を長期にわたり健康な状態に保つために、サイディングの下地補修は非常に重要なメンテナンスと言えるのです。サイディングの劣化だけでなく、下地の状態にも目を配ることが、家の寿命を延ばす鍵となります。
サイディングの下地補修が必要になる主な症状と原因
サイディング本体の劣化は比較的気づきやすいですが、下地の劣化は表面からは見えにくいため、発見が遅れることがあります。
しかし、サイディングの表面に現れる特定の症状は、下地が傷んでいるサインである可能性があります。
下地補修を検討すべき主な症状と、その原因は以下の通りです。
サイディングの浮き・反り・剥がれ:
下地材(特に胴縁)の腐食や歪み、あるいはサイディング自体への水の浸入が原因で発生します。下地との固定が緩むことで起こります。
サイディングの割れ・欠け:
物理的な衝撃だけでなく、下地の動きや凍害などによってサイディングに応力がかかり発生することがあります。割れ目から雨水が浸入し、下地をさらに劣化させます。
コーキングの劣化(ひび割れ、剥離、肉痩せ):
経年劣化や紫外線による影響が主な原因ですが、コーキングの劣化箇所から雨水が浸入し、防水シートや下地材(胴縁)を濡らしてしまうことで、下地の劣化を促進します。
釘やビスの浮き:
下地の木材(胴縁)が腐食して釘やビスが保持できなくなる、あるいは下地の動きによって釘が押し出されることで起こります。
外壁の雨染み・変色:
防水シートの破れや下地の隙間から雨水が壁内部に浸入し、サイディングの裏側や下地を濡らしているサインです。放置すると構造材の腐食につながります。
建物内部の雨漏り:
最も深刻なサインです。下地や防水層が広範囲に損傷しており、建物の内部にまで雨水が到達している状態です。早急な下地補修が必要です。
これらの症状が見られる場合は、下地が傷んでいる可能性が高いため、専門業者に診断を依頼することをお勧めします。早期発見・早期補修が、被害の拡大を防ぎ、費用を抑える鍵となります。
サイディングの下地補修|具体的な工法と種類
サイディングの下地補修の工法は、下地の損傷範囲や状態によって異なります。主な工法には、部分的な補修から広範囲の交換まで様々な種類があります。それぞれの工法の概要と適用ケース、注意点は以下の通りです。
釘・ビスの打ち直し・増し打ち:
- 概要:浮いてしまった釘やビスを再度打ち込んだり、本数を増やしてサイディングを固定し直す方法です。
- 適用ケース:比較的軽微な釘浮きやサイディングの緩み。下地材の腐食が軽度な場合。
- 注意点:下地材が広範囲に腐食している場合は、釘やビスが効かないためこの工法だけでは不十分です。
劣化した胴縁(どうぶち)の部分交換・補修:
- 概要:腐食したり歪んだりした胴縁を、傷んでいる部分だけ新しい木材に交換する、または補強する方法です。
- 適用ケース:胴縁の腐食や歪みが部分的に発生している場合。
- 注意点:胴縁を取り替えるには、原則としてその部分のサイディングを一度剥がす必要があります。広範囲な場合は張替えの方が効率的なこともあります。
劣化した防水シートの部分補修・張替え:
- 概要:破れや劣化が見られる防水シートを、専用の補修テープで補修したり、傷んだ部分を切り取って新しいシートに張り替える方法です。
- 適用ケース:釘穴周辺の破れや、特定の箇所に限定された防水シートの損傷。
- 注意点:防水シートは重なりを設けて施工する必要があるため、部分補修でも適切な方法で行わないと防水性が損なわれます。
下地材(構造用合板など)の部分補修・張替え:
- 概要:雨水の浸入等で腐食したり強度が低下したりした構造用合板などの下地材を、傷んだ部分だけ交換したり、全体的に新しい合板に張り替えたりする方法です。
- 適用ケース:下地材本体に腐食や強度の低下が見られる場合。雨漏りが発生している箇所。
- 注意点:下地材を交換するには、その上の防水シートや胴縁、サイディングを全て剥がす大掛かりな工事になります。
これらの工法の中から、現地調査に基づいて下地の状態に最も適した方法が選択されます。補修範囲が広がるほど、工期や費用も増加する傾向にあります。
サイディングの下地補修にかかる費用相場と内訳
サイディングの下地補修にかかる費用は、下地の損傷範囲、劣化の程度、選択する工法によって大きく変動します。
そのため、「一律いくら」と示すのは難しいですが、一般的な費用相場と主な費用の内訳を知っておくことは、見積もりを理解する上で役立ちます。
費用相場の目安:
- 部分的な補修(釘浮き直し、コーキング補修、小さな防水テープ補修など):
数千円〜数万円程度/箇所
- 胴縁や防水シートの部分交換・補修:
数万円〜数十万円程度/箇所や㎡あたり
- 下地材(構造用合板など)の部分交換・補修:
1万円〜3万円程度/㎡ (サイディングや防水シートの撤去・再施工費用は別途)
- 壁一面や広範囲の下地材・防水シート・胴縁の交換:
数十万円〜数百万円以上 (足場代、サイディング張替え費用を含む)
主な費用の内訳:
下地補修工事の見積もりには、主に以下の項目が含まれます。
足場設置費用:
高所作業には安全確保のために足場が必要です。建物の規模や形状によって費用は異なりますが、工事費用全体の10%〜20%程度を占めることがあります。
既存外壁材(サイディング)の撤去・処分費用:
補修箇所によっては、サイディングを剥がす必要があります。剥がしたサイディング材の処分費用もかかります。
下地補修工事費用:
胴縁の交換、防水シートの補修・張替え、下地材(構造用合板など)の補修・張替えにかかる材料費と施工費です。
新規外壁材(サイディング)の設置費用:
剥がしたサイディングを元に戻せない場合や、新しいサイディングに張り替える場合の材料費と施工費です。
コーキング工事費用:
サイディングの目地や開口部周りのコーキングを打ち替える費用です。下地補修と同時に行うことが多いです。
その他諸経費: 養生費、交通費、現場管理費などが含まれる場合があります。
正確な費用を知るためには、必ず専門業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを作成してもらうことが重要です。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することをお勧めします。
失敗しない!サイディング下地補修業者の選び方・注意点
サイディングの下地補修は、建物の耐久性や防水性に関わる重要な工事です。信頼できる業者を選ぶことが、工事の成功と安心につながります。
ここでは、失敗しないための業者の選び方と注意点をご紹介します。
信頼できる業者の特徴:
豊富な実績と専門知識:
サイディングや下地補修に関する実績が多く、専門知識を持った担当者がいるかを確認しましょう。過去の施工事例を見せてもらうのも良い方法です。
詳細な現地調査と見積もり:
事前に建物の状態をしっかりと調査し、劣化状況や必要な工事内容、費用について分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。曖昧な見積もりしか出さない業者は避けるべきです。
建築業に関する許可や資格:
建設業許可(建築工事業や板金工事業など)や外壁診断士、建築施工管理技士などの資格を持っているかどうかも信頼の一つの目安になります。
アフターフォローや保証:
工事後の保証制度や定期的な点検といったアフターフォローが充実している業者を選ぶと安心です。
契約内容の明確さ:
工事内容、工期、費用、支払い条件などが契約書に明確に記載されているか確認しましょう。口約束だけで済ませない業者を選んでください。
地域での評判: 地元の業者であれば、近隣での評判や口コミも参考にできます。
業者選びの注意点:
飛び込み営業には注意:
事前に連絡していない業者からの訪問販売や、大幅な値引きを提示して即決を迫る業者には注意が必要です。悪質な業者の可能性があります。
複数業者から見積もりを取る:
最低でも3社程度から見積もりを取り、内容や金額、担当者の対応などを比較検討しましょう。これにより、適正価格や各業者の強みが見えてきます。
見積もりの内容をしっかり確認する:
一式計上になっている項目がないか、必要な工事が全て含まれているか、使用する材料は何かなどを詳しく確認しましょう。
契約前に疑問点を解消する:
工事内容や費用について少しでも疑問や不安があれば、契約前に納得いくまで質問し、解消しておきましょう。
大切な家を守るための下地補修です。焦らず慎重に業者を選び、納得のいく工事を行うことが重要です。
まとめ|大切な家を守るための下地補修
外壁サイディングの下地補修は、建物の美観だけでなく、構造全体の健康を維持するために欠かせないメンテナンスです。サイディング本体の劣化サインを見逃さず、さらに下地の傷みに繋がる可能性がある症状(浮き、反り、割れ、コーキング劣化など)にも注意を払うことが大切です。
下地の劣化を放置すると、雨漏り、構造材の腐食、断熱性能の低下、シロアリ被害といった深刻な問題を引き起こし、結果として大規模な修繕が必要になったり、建物の寿命を縮めたりするリスクが高まります。
下地補修が必要になった場合は、損傷範囲や劣化状況に応じた適切な工法(釘打ち直し、胴縁・防水シート・下地材の部分/全体交換など)を選択する必要があります。これらの工事には専門的な知識と技術が求められるため、信頼できる専門業者に診断と施工を依頼することが極めて重要です。
信頼できる業者を選ぶためには、実績、資格、詳細な見積もり、アフターフォローなどを確認し、複数の業者から見積もりを取って比較検討することが有効です。飛び込み営業や即決を迫る業者には注意し、契約内容をしっかりと確認しましょう。
定期的な外壁診断を受けることで、下地の早期劣化を発見し、軽微なうちに補修を行うことが可能です。これにより、将来的な大規模修繕を防ぎ、大切な家を長く快適に維持することにつながります。外壁は常に建物を守る盾です。その機能を十全に発揮させるためにも、下地補修の重要性を認識し、適切なタイミングでメンテナンスを行いましょう。
修繕をご検討されてましたらお気軽にご相談ください!
☆☆工事担当者が現地にて詳しく調査させて頂きます。☆☆
現地調査、お見積りは無料にてさせて頂きます。
まずはメールにてお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。