下地補修”鉄筋爆裂”
2020/12/11
下地補修”鉄筋爆裂”


鉄筋爆裂の補修方法とは?原因・費用・DIYの注意点まで徹底解説
建物のコンクリート部分に発生する「鉄筋爆裂」。放置すれば建物の強度が低下し、安全性に関わる深刻な問題となります。「どのような補修方法があるのか」「補修費用の相場はいくらなのか」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本記事では、鉄筋爆裂の発生原因から具体的な補修方法、費用相場、DIY補修の注意点まで、建築のプロが分かりやすく解説します。大切な建物を守り、安全で快適な住環境を維持するために、ぜひ参考にしてください。
鉄筋爆裂とは?放置するリスクと発生原因を解説
鉄筋爆裂とは、コンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、その圧力によってコンクリート表面がひび割れたり、剥落したりする現象です。コンクリートが爆発したように見えることから、この名称で呼ばれています。建物の外観を損なうだけでなく、構造耐力を著しく低下させる可能性があるため、早期発見と適切な対処が極めて重要です。
鉄筋が錆びる主な原因には、コンクリートの中性化と塩害があります。コンクリートは本来、強アルカリ性を示し、この特性が鉄筋を錆から保護しています。しかし、長年にわたり大気中の二酸化炭素がコンクリート内部に浸透することで、徐々にアルカリ性が失われていきます(中性化)。中性化が進行すると、鉄筋表面の保護膜が破壊され、水分や酸素と接触することで錆が発生しやすくなります。
また、海岸近くや融雪剤が使用される地域では、塩化物イオンがコンクリート内部に侵入し、鉄筋の腐食を加速させる塩害も大きな要因となります。塩化物イオンは鉄筋の保護膜を破壊するだけでなく、錆の生成を促進する作用があるため、中性化よりも進行が速く、より重大な爆裂を引き起こす可能性があります。
鉄筋爆裂を放置することのリスクは非常に大きいものです。まず、コンクリートの剥落が進み、建物の美観が損なわれるだけでなく、落下した破片が人や物に危害を与える危険性があります。さらに深刻なのは、鉄筋の腐食が進行することで建物の耐震性能が低下する点です。地震などの自然災害発生時に、建物が倒壊するリスクが高まります。
したがって、鉄筋爆裂を発見した場合は、軽微なものであっても放置せず、専門業者に相談して適切な補修を行うことが重要です。早期対応が、建物の寿命延長と安全性確保につながります。
鉄筋爆裂の補修方法:DIYでできることと専門業者に依頼すべきケース
鉄筋爆裂の補修方法は、その規模や進行状況によって異なります。軽微なひび割れや小さな剥がれであれば、DIYでの補修も可能ですが、広範囲の爆裂や構造に関わる深刻なケースでは、専門業者への依頼が必須となります。
DIYで補修できる範囲としては、主に以下のケースが考えられます。
軽微なひび割れ:
幅0.3mm以下の小さなひび割れで、鉄筋が露出していない場合
小さなコンクリートの剥がれ:
剥がれた範囲が限定的で、鉄筋の錆びが軽度な場合
これらのケースでは、市販のひび割れ補修材やモルタル補修材を使用して、比較的容易に補修することができます。補修手順としては、まず剥がれかけたコンクリートや浮いている部分を慎重に除去し、清掃します。その後、適切な補修材をひび割れや剥がれた箇所に充填し、表面を平滑に仕上げます。DIY作業の際は、安全に十分配慮し、保護メガネや手袋などの安全装備を必ず着用してください。また、補修材の選定や使用方法については、製品の取扱説明書を熟読してから実施しましょう。
一方、以下のようなケースでは、専門業者への依頼を強く推奨します。
広範囲にわたる爆裂:
広範囲にコンクリートが剥がれている場合や、複数箇所で爆裂が生じている場合
鉄筋の腐食が深刻な場合:
鉄筋が著しく錆びており、断面が欠損しているような場合
建物の構造に関わる部分の損傷:
柱や梁など、建物の耐震性に直結する部分に爆裂が発生している場合。
DIYでの補修に不安がある場合:
自分で適切に補修できる自信がない場合。
専門業者は、爆裂の原因を正確に診断し、最適な補修方法を提案します。鉄筋の錆を除去するケレン作業や、防錆処理、断面修復、必要に応じた鉄筋の補強など、専門知識と技術に基づいた補修を行うため、建物の耐久性と安全性を確実に確保できます。また、再発防止策や今後のメンテナンス計画についても適切なアドバイスを受けられるでしょう。
DIYで費用を節約できるケースもありますが、不適切な補修はかえって状況を悪化させる可能性があります。建物の安全性を考慮すると、不安な場合は迷わず専門業者に相談することが賢明な選択と言えるでしょう。
鉄筋爆裂の補修費用相場と費用を抑えるためのポイント
鉄筋爆裂の補修費用は、爆裂の規模、範囲、深さ、鉄筋の腐食状態、使用する補修材料、作業場所の高さや作業難易度など、様々な要因によって大きく変動します。そのため、一律に「○○円」と提示することは困難ですが、一般的な費用相場と、コストを抑えるためのポイントについて解説します。
一般的な費用相場としては、軽微なひび割れ補修であれば数万円程度で対応可能な場合もありますが、広範囲の爆裂や鉄筋補修が必要なケースでは、数十万円から数百万円に達することもあります。特に、高所作業が必要な場合や、特殊な補修工法を適用する場合は、費用が高額になる傾向があります。
費用内訳の主な項目としては、以下のものが挙げられます。
調査費用:
爆裂の原因や範囲、鉄筋の腐食状況などを詳細に調査するための費用。
仮設工事費用:
高所作業に必要な足場設置費用など。
下地処理費用:
剥落したコンクリートの除去、鉄筋の清掃、防錆処理などの費用。
補修材料費:
モルタル、ポリマーセメント系補修材、エポキシ樹脂系補修材などの材料費用。
左官工事費用:
補修材の塗布、成形、仕上げなどの施工費用。
諸経費:
業者の人件費、車両費、管理費など。
鉄筋爆裂の補修費用を効果的に抑えるためのポイントとしては、以下の点が重要です。
複数の業者から見積もりを取得する:
複数の専門業者に見積もり依頼し、費用や提案内容を比較検討することで、適正価格で高品質な補修を提供する業者を選定できます。
早期発見・早期対応:
爆裂が軽微な段階で補修を実施することで、被害拡大を防ぎ、結果的に補修費用を抑制できます。放置するほど補修範囲が拡大し、費用も高額化する傾向があります。
DIYで対応可能な範囲は自分で実施する:
軽微なひび割れなど、DIYで対応可能なケースでは、市販の補修材を活用することで費用削減できます。ただし、無理な作業は失敗リスクもあるため、慎重に判断しましょう。
補助金や助成金制度を活用する:
自治体によっては、建物の老朽化対策や耐震性向上を目的とした補助金制度が設けられている場合があります。利用可能な制度がないか確認してみましょう。
長期的視点で検討する:
安価な補修材や一時的な応急措置は、再劣化を招き、結果的に総費用が増大することがあります。長期的な耐久性を考慮した適切な補修方法を選択することが、最終的なコスト削減につながります。
費用面は重要な考慮点ですが、建物の安全性と耐用年数を考えると、適切な補修実施が最優先事項です。複数業者からの見積もりを取得し、十分に比較検討した上で、信頼できる専門業者に依頼することをお勧めします。
DIYで鉄筋爆裂を補修する際の注意点と限界
軽微な鉄筋爆裂であればDIY補修も可能ですが、いくつか重要な注意点と限界があります。安易なDIY施工は、かえって建物の耐久性を損ねたり、爆裂再発リスクを高めたりする恐れがあるため、慎重な判断が必要です。
DIYで鉄筋爆裂を補修する際の主な注意点は以下の通りです。
安全性の確保:
作業中は保護メガネ、手袋、マスクなどの安全装備を必ず着用し、粉塵や落下物から身を守りましょう。高所作業を行う場合は、安定した足場を確保し、転落防止措置を徹底してください。
原因特定と適切な補修材選定:
鉄筋爆裂の根本原因を特定せずに補修しても、再発する可能性が高いです。また、ひび割れの幅や深さ、コンクリート素材に適した補修材を選定する必要があります。ホームセンターなどで専門家に相談し、適切なアドバイスを得ることをお勧めします。
下地処理の徹底:
補修前に、剥がれかけたコンクリートや浮いている部分を完全に除去し、入念に清掃することが不可欠です。汚れや油分が残っていると、補修材の接着不良を引き起こし、早期剥離の原因となります。
鉄筋の適切な処理:
鉄筋露出がある場合は、ワイヤーブラシなどで丁寧に錆を除去し、防錆塗料を塗布します。錆が残ったまま補修すると、内部で腐食が進行し、再び爆裂を引き起こす要因となります。
補修後の養生:
補修材が完全に硬化するまでは、直射日光や雨水を避け、適切な養生を行うことが重要です。養生不足は、ひび割れや強度低下の原因となります。
記録保存:
補修日時、箇所、方法などの記録を残しておくことで、今後の経過観察やメンテナンス計画に活用できます。
一方、DIY補修には明確な限界もあります。以下のようなケースでは、専門業者への依頼を強く推奨します。
構造的な損傷がある場合:
柱や梁など、建物の構造耐力に関わる部分の爆裂は、専門知識と技術が不可欠なため、DIY補修は危険です。
広範囲の爆裂の場合:
広範囲にわたる爆裂は、複合的な原因が考えられ、DIYでの完全補修は困難です。
鉄筋の腐食が著しい場合:
鉄筋断面が大きく欠損しているケースでは、補強などの専門的処置が必要です。
高所作業が必要な場合:
高所での作業は重大な事故リスクを伴うため、専門業者に依頼するべきです。
専門工具や特殊材料が必要な場合:
DIYでは入手困難な特殊工具や補修材料が必要となるケースがあります。
DIY補修は費用削減というメリットがありますが、安全性や確実性の面では専門業者に劣ります。自身の技術力や知識、爆裂状況などを総合的に判断し、無理のない範囲で実施しましょう。少しでも不安がある場合は、躊躇せず専門業者に相談することが最善です。
まとめ|鉄筋爆裂は早期発見と適切な対応が建物の寿命を左右する
本記事では、鉄筋爆裂の発生原因、放置リスク、効果的な補修方法、費用相場、DIY補修の注意点について詳細に解説してきました。
鉄筋爆裂は、コンクリートの中性化や塩害によって内部鉄筋が錆び、膨張することで発生する現象です。建物の外観を損なうだけでなく、構造耐力を著しく低下させるリスクがあります。放置すれば、コンクリート剥落による危険性や、建物の耐震性能低下といった深刻な問題に発展するため、早期発見と適切な対応が極めて重要です。
補修方法には、軽微なひび割れなどDIYで対応可能なケースもありますが、広範囲の爆裂や構造に関わる損傷、鉄筋の著しい腐食が見られる場合は、専門業者への依頼が不可欠です。DIY補修を選択する場合は、安全確保、原因特定、適切な補修材選定、徹底した下地処理など、数多くの注意点があります。
補修費用は、爆裂の規模や範囲、鉄筋の腐食状態などによって大きく変動しますが、複数業者からの見積もり比較や、早期対応によって費用を抑制することが可能です。また、自治体の補助金制度活用も検討価値があります。
最も重要なのは、建物の安全性を最優先に考え、適切な補修を実施することです。鉄筋爆裂を発見した際は、軽微なものであっても放置せず、専門業者に相談することをお勧めします。早期の適切な対応が、建物の耐用年数を延ばし、安全で快適な生活環境を守ることにつながります。
建物の維持管理には、定期的な点検と適切なメンテナンスが不可欠です。鉄筋爆裂の初期症状を見逃さず、迅速に対処することで、大切な建物を長期間安全に使用し続けることができるでしょう。
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