大規模修繕の基礎知識を解説

大規模修繕の基礎知識を解説

大規模修繕の基礎知識を解説

2025/05/29

マンションなどの集合住宅を長く快適に保つためには、定期的な「大規模修繕」が欠かせません。しかし、初めて耳にする方にとっては、「そもそも何のためにやるの?」「いつやるの?」「いくらかかるの?」と疑問が尽きないのではないでしょうか。

この記事では、初心者の方にもわかりやすく、大規模修繕の基本から費用、進め方、注意点までを5つのポイントに整理して解説します。

大規模修繕って何をするの?

大規模修繕とは、マンションや集合住宅などの建物全体に対して、劣化部分をまとめて補修・更新する大がかりな工事のことです。

たとえば以下のような作業が含まれます。

  • 外壁のひび割れ補修や塗り替え
  • 屋上やバルコニーの防水工事
  • 共用部分の設備(照明・インターホンなど)の交換
  • 廊下や階段の補修

小さな修理(補修工事)とは違い、建物全体を一斉に点検・整備するのが特徴です。建物の美観だけでなく、安全性や防水性、資産価値を守るためにも重要な工事です。

実施するタイミングはいつが目安?

大規模修繕は、建物が劣化してから行うのではなく、「計画的に」実施するのが基本です。多くのマンションでは以下のスケジュールが一般的です。

  • 1回目の修繕:築12〜15年目
  • 2回目以降:おおむね12年周期

この周期は、防水層や塗装、外壁素材などの耐用年数に基づいて設定されています。

ただし、地域の気候条件や建物の構造によっても変わるため、定期的な建物診断(劣化調査)をもとに判断するのがベストです。

費用はいくらかかる?相場を把握しよう

大規模修繕は、規模の大きな工事であるため、費用も高額になります。マンションの戸数や建物の広さによって違いますが、あくまで目安として以下のような金額が想定されます。

戸数 費用の目安(総額)
30戸 約3000万~4000万円
50戸 約5000万~7000万円
100戸 約1億円以上になることも

この費用は、月々の「修繕積立金」でまかなわれるのが基本です。しかし、積立が不足している場合には、一時金の徴収や借入れが必要になることもあります。早めに長期修繕計画を立てて、無理のない積立をしておくことが大切です。

どんな流れで進む?スムーズな準備のポイント

大規模修繕は、準備に1年以上かかることもある大きなプロジェクトです。おおまかな流れは以下のようになります。

こうしたプロセスを通して、住民全体が納得したうえで進めることが、トラブルを防ぐポイントです。

トラブルを避けるために知っておくべきこと

大規模修繕では、以下のようなトラブルが起こることがあります。

こうしたトラブルを避けるためには、「わかりやすい説明」と「こまめな情報共有」が何より大切です。また、信頼できる業者を選ぶことも非常に重要です。

選定時には次の点をチェックしましょう。

相見積もりを取り、価格だけでなく内容や対応姿勢も比較すると安心です。

まとめ

大規模修繕は、建物を長持ちさせ、安全で快適に暮らすために必要な工事です。費用も期間も大きくなるため、計画的に進めることが大切です。

初心者の方にとっては難しく感じるかもしれませんが、正しい情報を知り、信頼できる業者と協力すれば、スムーズに乗り越えられます。住まいを大切に守る第一歩として、大規模修繕について今から少しずつ理解を深めていきましょう。

  • 建物診断:劣化状況を確認して、どこを直すべきか判断します。
  • 長期修繕計画の見直し:いつ・どこを・いくらで直すか、全体の計画を立て直します。
  • 施工業者の選定:複数社から見積もりを取り、実績や保証内容を確認して選びます。
  • 総会での承認・合意形成:住民への説明会を通して理解と合意を得ることが大切です。
  • 工事着工・完了後の確認:工事中は騒音や足場などの影響があるため、情報共有をこまめに行いましょう。
    • 「説明が足りない」「勝手に進んでいる」と感じる住民の不満
    • 工事中の騒音や臭いによる生活への影響
    • 工事の手抜きや仕上がりの不具合
    • 実績があるか
    • 一級施工管理技士など専門資格を持つ技術者がいるか
    • 工事後の保証やアフターサービスがあるか

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