下地補修”ひび割れ” 大規模修繕-東京
2021/03/30
外壁・基礎の下地ひび割れ補修ガイド|原因からDIY・業者依頼の判断基準まで解説
建物の外壁や基礎に見られるひび割れは、見た目の問題だけでなく、建物の耐久性や安全性に関わる重要なサインです。下地に発生したひび割れを放置すると、雨水の浸入や構造体の劣化につながる可能性があります。
この記事では、下地ひび割れが発生する主な原因、放置するリスク、そして代表的な補修方法について詳しく解説します。
下地ひび割れが発生する主な原因とは?
建物の下地、特にコンクリートやモルタル部分にひび割れが発生する原因は多岐にわたります。原因を特定することは、適切な補修方法を選び、再発を防止するために非常に重要です。主な原因を理解し、ご自身の建物の状況と照らし合わせてみましょう。
代表的なひび割れの原因は以下の通りです。
乾燥収縮:
コンクリートやモルタルは、施工後の水和反応や乾燥過程で水分が蒸発し、体積が収縮します。この収縮が内部応力となり、特に表面付近に微細なひび割れ(ヘアークラック)を引き起こすことがあります。建物の構造的な強度に直ちに影響を与えることは少ないですが、放置すると劣化が進行する可能性があります。
温度変化による伸縮:
材料は温度変化によって膨張と収縮を繰り返します。特に日射を受ける外壁などは、昼夜の寒暖差や季節による温度変化の影響を受けやすいです。この伸縮に部材が追従できなくなると、ひび割れが発生することがあります。異なる素材が接する部分などでも起こりやすい現象です。
建物の不同沈下:
地盤の強度にばらつきがあったり、一部の地盤が沈下したりすると、建物全体に歪みが生じ、基礎や外壁に応力が集中してひび割れが発生します。特に窓の四隅などに斜め方向のひび割れが見られる場合は、不同沈下の可能性が考えられます。構造的な問題に発展するリスクがあるため、注意が必要です。
地震や振動:
地震の揺れや、近隣の工事、大型車両の通行などによる振動は、建物に大きな負荷を与えます。繰り返し負荷がかかることで、構造体にひび割れが生じることがあります。特に大きな地震の後には、建物の点検を行い、ひび割れの有無を確認することが重要です。
経年劣化:
コンクリートの中性化(アルカリ性の低下)や、紫外線、雨風などによる材料自体の劣化もひび割れの原因となります。長年にわたり外部環境に晒されることで、材料の耐久性が低下し、ひび割れが発生しやすくなります。
これらの原因は単独で発生することもあれば、複合的に作用することもあります。ひび割れの形状や場所、幅などを観察し、原因を推測することが大切です。
ひび割れを放置するリスクと早期補修の重要性
下地に発生したひび割れは、たとえ小さなものであっても、放置することで様々なリスクを引き起こす可能性があります。建物の健全性を維持し、長期的なコストを抑えるためにも、早期発見と適切な補修が非常に重要です。ひび割れを放置した場合に起こりうる主なリスクを理解しておきましょう。
ひび割れ放置による代表的なリスクは以下の通りです。
雨水の浸入とそれに伴う劣化:
ひび割れは雨水の浸入経路となります。壁内部に水が浸入すると、断熱材の効果を低下させたり、木造部分の腐食を引き起こしたりします。コンクリート内部の鉄筋に水が達すると、錆が発生し膨張することで、コンクリートを内部から破壊(爆裂)させる原因にもなります。結果として、雨漏りや構造体の強度低下につながります。
コンクリートの中性化促進:
通常アルカリ性のコンクリートは、空気中の二酸化炭素に触れることで徐々に中性化します。ひび割れがあると、二酸化炭素が内部まで侵入しやすくなり、中性化の進行を早めます。コンクリートが中性化すると、内部の鉄筋を保護する能力が失われ、鉄筋の腐食が進行しやすくなります。
構造的な強度の低下:
特に基礎部分や構造躯体に関わるひび割れを放置すると、建物の耐震性など、構造的な強度が低下する恐れがあります。不同沈下や大きな地震によるひび割れは、特に注意が必要です。放置することで、建物の安全性そのものが脅かされる可能性があります。
美観の損ない:
ひび割れは建物の外観を損ないます。汚れが付着しやすくなったり、ひび割れが目立つことで、建物全体の印象が悪くなります。美観の悪化は、心理的な不快感だけでなく、建物の資産価値にも影響を与える可能性があります。
補修コストの増大:
初期の軽微なひび割れであれば、比較的簡単な補修で済む場合が多いです。しかし、放置してひび割れが拡大したり、内部の劣化が進行したりすると、より大規模で複雑な補修が必要となり、結果的に補修費用が高額になるケースが少なくありません。
これらのリスクを回避するためには、定期的な点検でひび割れを早期に発見し、原因と状態に応じた適切な補修を速やかに行うことが不可欠です。
下地ひび割れの代表的な補修方法とその選び方
下地のひび割れ補修には、ひび割れの幅や深さ、原因、そして求められる仕上がりのレベルに応じて様々な方法が存在します。適切な補修方法を選択することが、再発防止と建物の保護につながります。ここでは代表的な補修方法と、DIYで行うか専門業者に依頼するかの判断基準について解説します。
代表的な下地ひび割れの補修方法は以下の通りです。
シーリング材充填(フィラー処理):
主に幅0.3mm程度の比較的軽微なひび割れ(ヘアークラック)に用いられる方法です。ひび割れ部分にプライマー(下塗り材)を塗布した後、弾性のあるシーリング材やセメント系のフィラー材を充填します。比較的簡易な作業で、水の浸入を防ぐことを主な目的とします。DIYでも行いやすい補修方法の一つです。
Uカットシール工法:
幅0.3mm~1.0mm程度のやや進行したひび割れに適用されることが多い工法です。ひび割れに沿って電動工具などでU字型の溝(カット)を設け、清掃後にプライマーを塗布し、シーリング材を充填します。溝を作ることでシーリング材の充填量を確保し、接着面積を増やして防水性と耐久性を高めます。専用の工具が必要となる場合があります。
エポキシ樹脂注入工法(低圧注入):
主に構造的な強度回復が必要とされる、幅0.2mm以上のひび割れに対して行われます。ひび割れに沿って注入用のパイプ(座金)を設置し、そこから低圧でエポキシ樹脂を注入します。硬化するとひび割れ内部でコンクリートと一体化し、強度を回復させるとともに水の浸入を防ぎます。専門的な技術と知識が必要な工法です。
ビックス工法(微細注入):
ヘアークラックなど、非常に微細なひび割れに対して、低粘度のエポキシ樹脂などを浸透させる方法です。ひび割れ内部に樹脂を行き渡らせ、水の浸入防止や劣化進行の抑制を図ります。
DIYと業者依頼の判断基準:
DIYが可能な場合: 幅0.3mm未満のヘアークラックで、高所作業でなく、原因が乾燥収縮など比較的軽微なものと考えられる場合。シーリング材充填(フィラー処理)などが該当します。
業者依頼を推奨する場合:
ひび割れの幅が広い(0.3mm以上)、深い、数が多い、構造に関わる箇所(基礎など)に発生している、原因が不明または不同沈下などが疑われる、高所での作業が必要、専門的な工法(Uカット、樹脂注入など)が必要な場合。
安全面や確実な補修効果、再発防止の観点からは、少しでも判断に迷う場合は専門業者に相談することをおすすめします。業者は適切な診断に基づき、最適な補修方法を提案してくれます。
まとめ
この記事では、建物の下地に発生するひび割れについて、その主な原因、放置した場合のリスク、そして代表的な補修方法と選び方を解説しました。
- ひび割れの原因: 乾燥収縮、温度変化、不同沈下、地震、経年劣化など様々です。原因を特定することが適切な対策の第一歩です。
- 放置するリスク: 雨水浸入による内部劣化、構造強度の低下、美観の損失、補修コストの増大など、多くの問題を引き起こす可能性があります。
- 補修方法: シーリング材充填、Uカットシール工法、エポキシ樹脂注入工法などがあり、ひび割れの状態に応じて選択します。
- DIYと業者依頼: 軽微なヘアークラックはDIYも可能ですが、幅が広い、深い、構造に関わるひび割れや高所作業は、安全と確実性のために専門業者への依頼が推奨されます。
下地のひび割れは、建物の健康状態を示す重要なサインです。小さなひび割れだからと安易に考えず、早期に発見し、原因と状態に合った適切な補修を行うことが、建物を長持ちさせ、安全で快適な状態を維持するために不可欠です。定期的な点検を心がけ、必要であれば専門家の診断を受けることを検討しましょう。
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