外壁の種類”モルタル編”‐下地補修‐塗装

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外壁の種類”モルタル編”‐下地補修‐塗装

2021/01/25

外壁モルタルの下地補修|劣化サインから工法、費用まで徹底ガイド

美しい外観と住まいの耐久性を保つ上で、外壁の健康状態は非常に重要です。特にモルタル外壁は、適切なお手入れを怠るとひび割れや浮きなどの劣化が進み、建物の構造自体に深刻なダメージを与える可能性があります。これらの劣化の多くは、下地部分に問題があるために発生します。

本記事では、モルタル外壁の下地補修が必要な理由、見逃してはいけない劣化サイン、具体的な補修方法、そして気になる費用相場について詳しく解説します。
 

モルタル外壁の下地補修が必要な主な劣化症状

モルタル外壁に以下のような症状が見られる場合、下地に問題が発生しているサインである可能性が高く、早期の下地補修が必要です。
ひび割れ(クラック):
幅0.3mm以下の細いひび割れはヘアークラックと呼ばれ、比較的軽度な表面的なものが多いですが、進行すると下地まで達することがあります。
 

幅0.3mm以上のひび割れは構造クラックや乾燥収縮クラックなどと呼ばれ、下地や建物の構造的な問題を示唆している場合があり、雨水の浸入経路となるため特に注意が必要です。
 

浮きや剥がれ:
外壁の一部がぷくっと膨らんでいる、あるいはパリパリと剥がれてきている状態です。


原因としては、施工不良、経年劣化による接着力の低下、内部への水の浸入による膨張などが考えられます。
 

チョーキング(白亜化):
壁を手で触ると白い粉が付着する現象です。塗膜の劣化の初期症状として現れることが多いですが、チョーキングがひどい場合は塗膜の保護機能が失われ、下地への水の浸入リスクが高まります。


下地が常に湿った状態になると、モルタル自体の劣化や、その奥にある構造材へのダメージにつながります。
 

カビや藻の発生:
日当たりの悪い面や湿気がこもりやすい場所に、黒っぽいカビや緑色の藻が発生している場合があります。


カビや藻の根はモルタル内部にまで食い込むことがあり、下地の劣化を促進させる可能性があります。
 

これらの症状は、見た目の問題だけでなく、建物の耐久性に関わる重要なサインです。早めに専門家による診断を受けることをお勧めします。
 

下地補修をしないと危険!放置するリスク

モルタル外壁の劣化サイン、特にひび割れや浮きなどを放置すると、建物の健康状態に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。

劣化の急速な進行:
小さなひび割れや浮きも、雨風や紫外線にさらされることで徐々に拡大していきます。


劣化箇所から水が浸入しやすくなり、内部で水分が凍結・融解を繰り返すことで、さらにひび割れや剥がれが進行する「凍害」を引き起こすこともあります。


雨水の浸入による内部構造材の損傷:
外壁は建物を雨水から守る一次防水層です。劣化箇所から雨水が建物内部に浸入すると、モルタルの下にある構造用合板や木材などが腐食する原因となります。


鉄骨造やRC造の場合は、鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを破壊する爆裂現象を引き起こす可能性があります。


建物の耐久性・耐震性の低下:
構造材が腐食したり鉄筋が錆びたりすると、建物の骨組みが弱くなり、耐久性が著しく低下します。


地震が発生した際、建物の揺れに耐えきれず、倒壊リスクが高まるなど、耐震性にも悪影響を及ぼします。


雨漏りの発生:
外壁からの水の浸入が進むと、室内の壁や天井にシミができたり、実際に雨漏りが発生したりする可能性があります。


雨漏りは建材を傷めるだけでなく、カビの発生を促し、住む人の健康にも悪影響を及ぼします。


大規模な補修や高額な費用:
劣化を放置してダメージが構造体にまで及んでしまうと、外壁の表面的な補修だけでは済まなくなり、内部の構造材の交換や大規模な改修工事が必要となります。


早期に適切な下地補修を行っていれば小規模な工事で済んだものが、放置することで工事の規模が大きくなり、結果として費用が跳ね上がってしまうことになります。


これらのリスクを避けるためにも、劣化サインを見つけたら早めに専門業者に相談し、適切な下地補修を検討することが非常に重要です。
 

外壁モルタル下地補修の代表的な工法

モルタル外壁の下地補修には、劣化の種類や程度に応じていくつかの代表的な工法が存在します。適切な工法を選択することで、外壁の機能と美観を回復させることができます。

ひび割れ補修工法:

Uカット工法:
比較的幅の広いひび割れ(0.3mm以上)に対して行われる工法です。ひび割れ部分をディスクサンダーなどでU字型にカットし、Vカットプライマーやシーリング材、エポキシ樹脂などを充填して補修します。しっかりとした深さまで補修できるため、高い防水性が期待できます。
 

エポキシ樹脂注入工法:
細いひび割れ(0.3mm未満のヘアークラックなど)や、Uカットが難しい場合に用いられます。ひび割れに沿って注入用の器具を取り付け、低粘度のエポキシ樹脂を内部に注入することで、ひび割れを塞ぎ下地との密着性を回復させます。
 

セメント系フィラー工法:
表面的な細いひび割れや欠損部分に、セメント系の補修材(フィラー)を擦り込むように充填して補修する方法です。比較的軽微な劣化に用いられます。

 

浮き補修工法:

エポキシ樹脂注入工法:
浮いている箇所にドリルで穴を開け、低粘度のエポキシ樹脂を注入して下地との接着を強化する方法です。穴の数が多くなる場合もありますが、比較的小規模な浮きに適しています。
 

アンカーピンニング工法:
浮きが広範囲にわたる場合や、より確実に固定したい場合に用いられます。浮いている部分に穴を開け、ステンレス製のピン(アンカーピン)を挿入し、ピンと浮いているモルタル、そして下地の間にエポキシ樹脂を注入して固定します。構造的な一体性を回復させる効果が高い工法です。

部分的な左官補修:

剥がれてしまった箇所や、欠損が大きくモルタル自体を補修する必要がある場合に行われます。既存のモルタルに合わせて調合した補修用モルタルを、コテを使って塗り付けて形を整える工法です。周囲の模様に合わせるには熟練の技術が必要です。

 

これらの工法は単独で行われることもありますが、複数の工法を組み合わせて劣化状況に合わせた最適な補修計画が立てられます。どの工法が適しているかは、専門家による診断によって判断されることが重要です。

 

モルタル外壁の下地補修にかかる費用相場

モルタル外壁の下地補修にかかる費用は、劣化の種類、範囲、程度、選択される工法、建物の規模、そして依頼する業者によって大きく変動します。正確な費用を知るためには、現地調査に基づいた見積もりを取ることが不可欠ですが、一般的な相場を把握しておくと参考になります。

ひび割れ補修の費用:

Uカット工法:
1mあたり1,500円〜3,000円程度が目安です。ひび割れの幅や深さ、作業の難易度によって変動します。
 

エポキシ樹脂注入工法:
1mあたり2,000円~4,000円程度が目安です。こちらもひび割れの状況や注入箇所によって幅があります。
 

セメント系フィラー工法:
比較的安価で、軽微なひび割れであればメートル単価ではなく一式で計上されることもあります。

 

浮き補修の費用:

エポキシ樹脂注入工法:
1箇所あたり3,000円〜8,000円程度が目安です。浮きの大きさや注入箇所の数によって変わります。

アンカーピンニング工法:
1箇所あたり5,000円〜15,000円程度が目安です。ピンの本数や注入範囲によって変動します。

 

部分的な左官補修の費用:

補修する面積や深さ、既存の模様合わせの有無などによって大きく変動します。
小さな補修であれば数万円程度で済むこともありますが、広範囲の場合は数十万円かかることもあります。

 

その他の費用:

下地補修だけでなく、足場の設置費用(1㎡あたり800円〜1,500円程度)、高圧洗浄費用(1㎡あたり150円〜300円程度)、養生費用、廃材処理費用、諸経費などが別途必要になります。
 

下地補修後に塗装工事を行う場合は、別途塗装費用(塗料の種類や工法による)が発生します。

 

費用は業者によっても異なるため、複数の業者から見積もりを取り、内容をしっかり比較検討することが重要です。安さだけで判断せず、工事内容やアフターフォローなども含めて総合的に評価することをお勧めします。

 

信頼できる業者選びのポイント

モルタル外壁の下地補修は、建物の構造に関わる重要な工事です。信頼できる業者に依頼することで、適切な診断と確実な施工が期待でき、安心して任せることができます。以下のポイントを参考に、後悔しない業者選びを行いましょう。

建設業許可または関連する許可の有無:

一定規模以上の工事を行う業者は、建設業許可(建築工事業や左官工事業など)が必要です。許可番号を確認することで、信頼性の一つの目安となります。塗装工事も行う場合は、塗装工事業の許可があるかどうかも確認すると良いでしょう。

 

豊富な施工実績と専門性:

モルタル外壁の補修に関する実績が豊富にある業者を選びましょう。過去の施工事例や、どのような工法に対応しているかを確認することが重要です。モルタル補修に特化した専門業者であれば、より的確な診断と高度な技術が期待できます。

 

資格保有者の在籍:

外壁診断士、建築士、施工管理技士、塗装技能士、左官技能士などの資格を持つ職人や担当者がいるかどうかも重要なポイントです。専門知識を持った担当者であれば、建物の状態を正確に診断し、適切な提案をしてくれます。

 

丁寧な現地調査と詳細な見積もり:

建物の状態をしっかりと目視や打診などで調査し、劣化状況を具体的に説明してくれる業者を選びましょう。

見積もりは、工事内容、使用材料、数量、単価などが明確に記載されているかを確認します。
「一式」といった曖昧な表現が多い見積もりには注意が必要です。なぜその工事が必要なのか、費用はどのように算出されているのかを丁寧に説明してくれる業者は信頼できます。

 

保証内容とアフターフォロー:

工事後の保証制度があるか確認しましょう。保証期間や保証対象範囲が明確になっている業者は安心できます。また、工事後の定期的な点検や、何か問題が発生した際の対応など、アフターフォロー体制が整っているかも重要な選定基準です。

 

顧客からの評判や口コミ:

インターネット上の口コミサイトやSNS、地域の評判なども参考にしてみましょう。実際にその業者に依頼した人の声は、業者の実情を知る上で役立ちます。ただし、口コミは個人の主観によるものもあるため、複数の情報を比較することが大切です。

 

これらのポイントを踏まえ、複数の業者から相見積もりを取り、担当者とのコミュニケーションを通じて信頼できる業者を見つけることが成功の鍵となります。

 

まとめ

モルタル外壁の健康状態は、住まいの耐久性や資産価値に大きく影響します。ひび割れや浮き、剥がれといった劣化サインを見逃さず、早期に適切な下地補修を行うことが非常に重要です。これらの症状は見た目の問題だけでなく、放置すると雨水の浸入を招き、建物の構造材の腐食や耐久性・耐震性の低下、さらには雨漏りといった深刻なトラブルに発展するリスクがあります。

下地補修には、劣化の種類や状態に応じてUカット工法、エポキシ樹脂注入工法、アンカーピンニング工法、左官補修など、様々な工法が存在します。どの工法を選択するかは、専門家による正確な診断に基づいて決定されるべきです。

補修費用は、劣化の範囲や工法によって異なりますが、早期に対応することで大規模な工事を防ぎ、結果として費用を抑えることにつながります。信頼できる業者を選ぶためには、許可の有無、実績、資格保有者の在籍、丁寧な診断と見積もり、保証・アフターフォローなどをしっかりと確認し、複数の業者を比較検討することが大切です。

定期的な外壁の点検を行い、劣化の初期段階で発見し、適切な下地補修を施すことで、大切な住まいを長く安全に保つことができます。外壁のことで気になる点があれば、まずは専門業者に相談してみることをお勧めします。

 

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