屋上防水アスファルト工法の全解説|種類・費用・選び方を現場目線で紹介
2026/03/16
- 「屋上の防水工事を検討している」
- 「アスファルト防水が良いと聞いたことがある」
- 「そう思っていても工法の種類が多くてどれを選べばいいのかわからない」
——そのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
屋上の防水層は、建物を雨水の浸入から守る最後の砦です。
一度劣化が進むと、雨漏りから鉄筋の腐食まで深刻な被害につながります。
特にマンションやビルといった大規模建築物では、アスファルト防水が長年にわたり主力の工法として採用されてきた実績があります。
その理由は、圧倒的な防水性能と耐久性の高さです。
この記事では屋上防水のアスファルト工法について、
- 熱工法
- トーチ工法
- 常温工法の違い
- 費用相場
- 耐用年数
- 劣化サインの見分け方
- 改修時の工法選び
こちらについて、施工実績5,000件超を誇る新東亜工業の現場目線でわかりやすく解説します。
工事の判断に役立てていただければ幸いです。

目次
屋上防水にアスファルト工法が選ばれる理由

屋上防水の工法にはさまざまな種類がありますが、マンションやビルの大規模建築でアスファルト防水が長年選ばれ続けてきたことには理由があります。
まずはその基礎から確認していきましょう。
アスファルト防水とはどんな工法か
アスファルト防水とは、石油精製の過程で生成されるアスファルトを主成分としています。
合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングした「ルーフィングシート」を複数層重ね貼りして、強固な防水層を形成する工法です。
シートを積層することで水密性が高まり、どこか一層が劣化しても他の層がカバーするという二重・三重の防護構造が特徴です。
液体状の防水材を塗る工法とは異なり、工場で均一に製造されたシート材を使用しています。
現場での施工ムラが生じにくく品質が安定しやすい点も高く評価されることも。
また、施工後すぐに防水性能を発揮できるため、雨期前の急ぎの工事にも対応できます。
屋上だけでなく、地下駐車場の天井や地下室など、高い水密性が求められる部位にも広く活用されていることも特徴となっています。
100年以上の実績が示す信頼性
アスファルト防水(熱工法)は、日本国内で100年以上の施工実績を持つ工法です。
長年にわたり病院・学校・公共施設・マンションといった建物に採用され続けてきたことは、その信頼性の高さを物語っています。
国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書」においても、アスファルト防水の施工仕様が明記されていて、官公庁の建築物でも採用されている公的に認められた工法です。
一般社団法人 日本防水材料協会(JWMA)の集計データによると、防水工事全体の約19〜26%をアスファルト系防水が占めていてシート防水と並ぶ主要工法の地位を維持しています。
100年を超える歴史の中で材料や工法が進化し、臭いや煙の少ない「改質アスファルト」や「常温工法」が開発されたことも、現代の建物ニーズに対応し続けている要因です。
どんな建物・屋上に向いているのか
アスファルト防水は、次のような建物・屋上に特に適しています。
- 鉄筋コンクリート(RC)造・鉄骨造のマンション・ビル・商業施設
- 屋上面積が広い(概ね100㎡以上)大規模建築物
- 屋上に人や車両が立ち入る機会が多い建物(歩行頻度が高い屋上)
- 病院・学校・公共施設など漏水が絶対に許されない建物
- 既存の防水層がアスファルト系の建物(改修時の重ね貼りが可能)
- 木造住宅(防水層の重量に構造が耐えられない場合がある)
- 急勾配の屋根・垂直面(水平〜緩勾配面専用の工法)
- 狭小・複雑な形状の屋上(シート張りが難しい箇所がある)
- 熱工法の場合は、火気使用が困難な環境・居住者への配慮が難しい現場
シートを複数層積み重ねるため防水層に厚みと重量が生じることから、それに対応できる構造であることが前提となります。
屋上アスファルト防水の3つの工法を徹底比較

屋上のアスファルト防水には、大きく分けて「熱工法」「トーチ工法」「常温工法(冷工法)」の3種類があります。
それぞれ施工方法・コスト・環境への影響が異なるため、建物の状況に合わせた工法選びが重要です。
各工法のさらに詳しい比較はこちらの記事もあわせてご覧ください。
熱工法──防水性能が最高水準の伝統工法
熱工法は、溶融釜でアスファルトを約220〜270℃に加熱・液状化してアスファルトルーフィングシートを2〜4枚交互に積み重ねながら接着・積層する工法です。
日本国内で最も長い歴史を持つアスファルト防水の原型ともいえる工法となっていて、「アスファルト防水」と一般的に呼ばれる場合は、この熱工法を指すことが多いです。
最大の特長は、多層積層による極めて高い水密性と耐久性にあります。
保護コンクリートで押さえる仕様では耐用年数が17〜25年以上に及ぶケースもあり、新築の大型ビル・マンション・公共施設で多く採用されてきました。
一方で、高温のアスファルトを扱うため、
- 施工中に臭いや煙が発生すること
- 大型の溶融釜が必要なこと
- 火傷のリスクを伴う安全管理が求められること
このような点がデメリットです。
改修工事よりも新築施工に向いており、近年の改修工事ではトーチ工法や常温工法が主流になっています。
トーチ工法──改修工事に最も多く採用される現代の主流
トーチ工法は、改質アスファルトシートの裏面をトーチバーナーで炙りながら溶かし、下地に密着させていく工法です。
熱工法のように大型の溶融釜が不要で、必要な機材が比較的コンパクトにまとめられることから、既存建物の屋上改修工事で特に多く採用されています。
臭いや煙の発生も熱工法より少なく、周辺環境への影響を抑えながら施工できます。
耐用年数は露出工法で〜18年程度が目安です。
シート裏面へのバーナーの当て方が均一でないと施工不良になるリスクがあるため、技術的な習熟度が仕上がりの品質を左右します。
改修工事では、現状の防水層の上に重ね貼りできる「かぶせ工法」にも対応しているため、撤去費用を抑えたい場合にも有効な選択肢です。
常温工法(冷工法)──臭いゼロ・環境配慮型の次世代工法
冷工法・常温粘着工法とも呼ばれる常温工法は、自着層(粘着層)を設けた改質アスファルトルーフィングシートを使い、火を一切使用せずに防水層を形成する工法です。
施工時に熱を加えないため、臭いや煙が発生せず居住者や近隣への影響が最小限に抑えられます。
学校・病院・マンションの居住環境に配慮が必要な改修工事で選ばれることが多い工法です。
耐用年数は〜15年程度で、環境配慮型の工法として近年需要が伸びています。
一方で、自着シートの粘着力を十分に発揮させるには下地の乾燥状態と清掃が特に重要に。
下地が湿っている状態での施工は密着不良の原因となります。
施工前の下地確認を徹底することが、長期性能を確保するうえで欠かせません。
| 工法 | 熱工法 | トーチ工法 | 常温工法 |
|---|---|---|---|
| 施工方式 | 高熱アスファルトで積層 | バーナーでシート炙り密着 | 自着シートを貼り付け |
| 臭い・煙 | 多い | 少ない | ほぼなし |
| 火気使用 | あり(溶融釜) | あり(トーチバーナー) | なし |
| 耐用年数(露出) | 17〜25年以上 | 約〜18年 | 約〜15年 |
| 耐用年数(保護) | 約17〜25年超 | — | — |
| 主な用途 | 新築・大規模建築 | 改修工事全般 | 居住環境配慮の改修 |
| 費用目安(㎡) | 6,000円〜9,000円 | 5,500円〜9,000円 | 6,500円〜30,000円 |
保護工法と露出工法の違い|仕上げ方で耐用年数が変わる

アスファルト防水は、施工後の「仕上げ方法」によっても性能と耐用年数が大きく変わります。
大きく分けると、防水層の上にコンクリートを打設して保護する「保護工法」と、防水層をそのまま露出させる「露出工法」の2種類があります。
押さえコンクリート仕上げ(保護工法)
保護工法とは、アスファルト防水層の上にコンクリートやモルタルを打設し、防水層を外的要因から守る仕上げ方法です。
コンクリートが紫外線・風雨・物理的な衝撃を直接遮断するため、防水層の劣化が緩やかに進みます。
建設省(現国土交通省)の総合開発プロジェクトによる標準耐用年数は約17年ほど。
メーカーの研究による平均耐用年数ではさらに長期の実績も報告されています。
屋上に人が頻繁に立ち入る建物や、屋上を歩行・利用スペースとして使う場合に特に適しています。
ただし、コンクリートの重量が加わるため建物への荷重負担が増すこと。
改修時にコンクリートの撤去が必要で工事コストが高くなる点には注意が必要です。
また、押さえコンクリートの劣化状態は目視でも確認できるため、定期点検のサインとして活用できます。
露出仕上げ(露出工法)
露出工法とは、改質アスファルトシートの上面に砂やアルミ箔などの仕上げ材を施した状態で防水層を直接露出させる仕上げ方法です。
コンクリートを打設しない分、施工工程がシンプルで工期が短く、工事費用を抑えやすいというメリットがあります。
改修工事では、この露出工法が多く採用されています。
一方で、防水層が紫外線や気温変化に直接さらされるため、保護工法と比較すると耐用年数は短め。
定期的なトップコートのメンテナンスが重要になります。
露出工法の標準耐用年数は13年程度とされていますが、適切なメンテナンスを行うことで延命が可能です。
どちらを選ぶべきか──現場目線のアドバイス
保護工法と露出工法の選択は、
- 「屋上の使用目的」
- 「建物の構造的な荷重余力」
- 「工事予算とメンテナンス計画」
これらの3点を総合して判断することをお勧めします。
屋上を歩行・利用スペースとして使用する場合や、長期間メンテナンスの手間を省きたい場合は保護工法が適しています。
一方、改修工事でコストを抑えたい場合や、将来の改修工事での撤去コストまで視野に入れる場合は露出工法が合理的な選択に。
建物の構造的な耐荷重を確認せずに保護工法を選ぶと、建物に過大な荷重がかかるリスクがあります。
必ず専門業者による現地調査を経て判断してください。
屋上アスファルト防水の費用相場と内訳

屋上防水のアスファルト工法の費用は、
- 採用する工法
- 仕上げ方法
- 施工面積
- 下地の状態
など複数の要因によって変動します。
ここでは費用の目安と、見積もりを正しく読み解くための内訳を解説します。
詳しくは屋上防水工事の単価・見積もり注意点の記事もご参照ください。
工法別の㎡単価・総費用の目安
屋上のアスファルト防水工事の㎡単価は、工法によって異なります。
以下の表はあくまで目安であり、下地処理の有無・撤去の必要性・足場の設置条件などによって実際の費用は変動します。
| 工法・仕上げ | ㎡単価(目安) | 100㎡の総費用目安 | 耐用年数 |
|---|---|---|---|
| 熱工法(露出) | 6,000円 〜 10,000円 | 60〜100万円 | 約13〜15年 |
| 熱工法(保護コンクリート) | 約7,000〜13,000円 | 70〜130万円 | 約15〜20年 |
| トーチ工法(露出) | 4,500円〜11,000円 | 45〜110万円 | 約12〜18年 |
| 常温工法(露出) | 5,000〜10,000円 | 50〜100万円 | 約10〜15年 |
上記の単価は防水工事本体の費用となっていて、
- 足場設置費用(700〜1,000円/㎡程度)
- 既存防水層の撤去費用(1,000〜2,000円/㎡程度)
- 下地処理費用(500〜1,500円/㎡程度)
このような費用はは別途必要になる場合が一般的です。
正確な金額は、現地調査を経た上での見積もりで確認することが重要です。
費用に影響する5つの要因
屋上アスファルト防水の費用は、以下の要因によって大きく変わります。
見積もりを取る際には、次の項目が明細として記載されているかどうかを必ず確認してください。
- 施工面積:面積が広いほど㎡単価は下がる傾向があるが、総費用は増加する
- 下地の状態:ひび割れ・浮き・汚れなどの劣化が激しいほど下地処理費用が加算される
- 撤去の要否:既存防水層を撤去するか、重ね貼り(かぶせ工法)にするかで費用が大きく変わる
- 足場の設置条件:高層建築や狭小敷地では足場設置費用が10〜30万円以上になる場合もある
- 工法と仕上げの選択:熱工法+保護コンクリートは高コストだが長寿命、トーチ・常温は費用を抑えやすい
撤去vs重ね貼り(かぶせ工法)──コスト差の考え方
改修工事では、既存の防水層を全撤去してから新規施工する「撤去工法」と、既存層の上から新しい防水層を重ねる「かぶせ工法(重ね貼り)」の2つの方法があります。
かぶせ工法の場合、撤去費用と廃材処理費用を節約できるため、初期費用を抑えられるのが大きなメリットです。
アスファルト防水は積層性に優れており、既存の露出アスファルト防水の上に新規防水層を重ねることができます。
ただし、既存防水層の下に水分・湿気が閉じ込められている状態でかぶせ工法を行うと、防水層の膨れや剥離が起きるリスクがあります。
かぶせ工法が適切かどうかは、既存防水層の状態調査を経て専門業者が判断します。
費用の安さだけで判断せず、建物の状態に合った工法選択を心がけてください。
アスファルト防水の耐用年数と劣化サイン

屋上のアスファルト防水は耐久性が高い工法ですが、年数の経過とともに必ず劣化してしまいます。
適切なタイミングで補修・改修を行うためにも、耐用年数の目安と劣化サインを正しく把握しておくことが重要です。
防水改修工事のタイミングや費用についての詳細はこちらもご参照ください。
工法・仕上げ別の標準耐用年数
アスファルト防水の耐用年数は、採用した工法と仕上げ方法によって異なります。
以下の数値は一般的な目安であり、
- 建物の立地
- 気象条件
- 使用状況
- 施工精度
などによって実際の寿命は変わります。
定期的な専門業者による点検が、耐用年数を正しく把握するうえで最も確実な方法です。
・熱工法(露出仕上げ):約13〜15年
・熱工法(保護コンクリート仕上げ):約15〜20年
・トーチ工法(露出仕上げ):約12〜18年
・常温工法(露出仕上げ):約10〜15年
・改質アスファルト(保護仕上げ):約15〜20年
※国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」では屋上防水の修繕周期を12〜15年としていて、耐用年数内であってもトップコートのメンテナンス(5〜7年目)が推奨されます。
見逃してはいけない6つの劣化サイン
耐用年数の目安に加え、日常的な目視点検で以下のような症状が確認された場合は、早めに専門業者へ相談することをお勧めします。
- ひび割れ(クラック):防水層や押さえコンクリートにひびが入り、雨水浸入の入口になる
- 膨れ(ふくれ):防水層と下地の間に水分や湿気が入り込み、シートが浮き上がっている状態
- めくれ・剥離:シートの端部や継ぎ目が浮いてめくれ上がっている状態
- 防水層の継ぎ目の開き:シートの重ね合わせ部分に隙間が生じ、水が入り込みやすくなる
- 表面の色あせ・白化:紫外線による劣化が進み、防水性能が低下しているサイン
- 排水ドレンの詰まり・錆:ドレン周辺からの水はけが悪くなると防水層へのダメージが加速する
放置すると劣化が急速に進み、大規模な改修が必要になるリスクが高まります。
放置するとどうなる?雨漏り被害の連鎖
劣化サインを見つけても「まだ雨漏りはしていないから大丈夫」と放置するケースもありますよね。
しかし、防水層の劣化を放置すると、被害が連鎖的に広がるリスクがあります。
屋上から浸水した雨水は、コンクリートの中の鉄筋を錆びさせ(中性化)、構造体の強度を低下させます。
また、室内の天井・壁へのシミ・カビの発生、断熱材の性能低下、さらには建物全体の資産価値の低下にもつながります。
マンションや集合住宅の場合、一つのフロアの雨漏りが複数の居住者に影響を及ぼすケースもあります。
修繕コストは、初期段階で対処した場合と比較して数倍〜十数倍に膨らむことも珍しくありません。
劣化のサインを見つけたら、まずは専門業者による無料現地調査を依頼すること。
このような対策をすることが長期的な維持コストを抑える最善の方法です。
屋上アスファルト防水の施工手順と工期の目安

屋上アスファルト防水の施工は、いくつかの工程を正確に踏むことで初めて高い防水性能が発揮されます。
施工の流れを把握しておくことで、工事中の確認ポイントや手抜きのリスクを事前に理解することができます。
防水工事の流れと手抜きを防ぐポイントの詳細記事もあわせてご覧ください。
STEP1
高圧洗浄・下地清掃
屋上全面を高圧洗浄機で洗浄し、コケ・カビ・ホコリ・旧塗膜などの汚れを完全に除去します。
防水層の密着性を確保するうえで最も重要な工程の一つです。
洗浄後は十分に乾燥させてから次の工程に進みます。
STEP2
下地処理(ひび割れ補修・不陸調整)
コンクリートのひび割れ・欠損・浮きなどを専用の補修材で充填・補修します。
下地の凹凸を均す「不陸調整」も行い、均一な防水層が形成できるよう下地を整えます。
この工程が不十分だと防水層の早期剥離の原因となります。
STEP3
ドレン(排水口)の設置・プライマー塗布
排水口(ドレン)の清掃・交換や改修用ドレンの設置を行います。
その後、下地全面にアスファルト系または合成樹脂系のプライマーを均一に塗布し、防水シートとの接着力を高めます。
プライマーの乾燥時間を確保することが重要です。
STEP4
パラペット(立ち上がり部)の処理
屋上の外周に立ち上がった「パラペット」部分は、雨水が特に集まりやすく、防水処理が不十分だと漏水の主要な起点になります。
立ち上がり部にもルーフィングシートを丁寧に貼り付け、端部は金物や専用シーリングで確実に押さえます。
STEP5
アスファルトシートの貼り付け
工法に応じてルーフィングシートを貼り付けます。
熱工法では溶融アスファルトを流しながら、トーチ工法ではバーナーで炙りながら、常温工法では自着層の粘着性を利用して積層します。
STEP6
仕上げ(露出仕上げ or 保護コンクリート打設)
露出工法では防水層の上面に砂面・アルミ箔などで仕上げ完了です。
保護工法では防水層の上に断熱材や保護コンクリートを打設します。
最後に全体の仕上がりと防水層の密着状態を確認して完了となります。
工期の目安は100〜200㎡規模で7〜14日程度です。
他の防水工法との比較──アスファルト・ウレタン・シートの選び方

屋上防水にはアスファルト防水以外にも、
- ウレタン塗膜防水
- シート防水(塩ビ・ゴム)
- FRP防水
といった選択肢があります。
それぞれの特性を正しく比較すること。
そして建物の状況に最適な工法を選ぶことが、長期的なコストパフォーマンスと建物保全の観点から非常に重要です。
各工法の特徴比較一覧
主要な4工法の特徴を以下の表で比較します。
| 比較項目 | アスファルト防水 | ウレタン塗膜防水 | シート防水(塩ビ) | FRP防水 |
|---|---|---|---|---|
| 耐用年数 | 20〜30年超 | 10〜15年 | 10〜15年 | 10〜15年 |
| ㎡単価目安 | 5,500〜8,000円 | 5,000〜7,000円 | 4,000〜5,500円 | 4,000~7,500円 |
| 防水性能 | ◎ 最高水準 | ○ 高い | ○ 高い | ○ 高い |
| 施工のしやすさ | △ 専門技術が必要 | ◎ 複雑な形状も対応 | ○ 品質安定 | ○ 硬化が速い |
| 重量 | △ 重い | ◎ 軽い | ◎ 軽い | ◎ 軽い |
| 主な用途 | マンション・ビル・公共施設 | 住宅〜中規模ビル全般 | 大規模建築・工場 | 住宅ベランダ・小規模屋上 |
| 施工中の臭い | 工法による(熱は多い) | あり(ウレタン臭) | 少ない | あり(刺激臭) |
費用・耐用年数・施工性のバランスを総合的に判断することが工法選びの基本となります。
改修か新規かで変わる工法の選び方
工法選びでは、「新築工事か改修工事か」という前提条件が重要な判断軸になります。
新築大規模建築では熱工法によるアスファルト防水が防水性能・耐久性の両面で最も信頼性が高く、今もなお第一選択肢として採用されています。
一方、改修工事では建物の構造・既存防水層の種類・居住者への影響・工期の制約などを考慮して工法を選ぶ必要があります。
既存の防水層がアスファルト系であれば、アスファルト系工法でのかぶせ施工が最も親和性が高く、既存層が保険として残る利点もあります。
一方、既存が保護コンクリート仕上げの場合は、撤去後にウレタン防水の通気緩衝工法や塩ビシート防水の機械固定工法が選ばれるケースも多くあります。
新東亜工業の防水工事サービスでは、現地調査のうえで最適な工法をご提案しています。
新東亜工業が現場で実感する工法選定のポイント
創業16年・施工実績5,000件超の現場経験から、工法選定で特に重要だと感じているポイントをお伝えします。
まず、「耐用年数が長い=必ずしも最適ではない」という視点を持つことです。
たとえば、築40年のRC造マンションで大規模修繕を検討している場合、建物の残存耐用年数と防水工事の耐用年数のバランスを考えることが大切です。
次に、「今の建物の状態に合った工法」を選ぶことが長期コストを最小化するということ。
下地の状態が悪いまま高コストな工法を採用しても、下地処理が不十分であれば短期間で再施工が必要になります。
✔ 建物の構造(RC造・鉄骨造・木造)と荷重余力を確認した
✔ 既存防水層の種類(アスファルト系・ウレタン・シート)を把握した
✔ 屋上の使用目的(歩行・設備設置・非歩行)を整理した
✔ 居住者・近隣への臭い・騒音の影響を考慮した
✔ 長期修繕計画との整合性(次回の改修時期)を確認した
✔ 複数の業者から見積もりを取り、施工内容の明細を比較した
費用の大小よりも、下地処理を含めた施工品質の確保が最優先事項です。
当社では不要な工事は提案しない誠実な姿勢で、現地調査の結果に基づき最適なご提案をいたします。
よくある質問(FAQ)

- アスファルト防水とウレタン防水、どちらが長持ちしますか?
- 一般的には、アスファルト防水の方が長い耐用年数を持ちます。
露出仕上げで13〜15年、保護コンクリート仕上げでは約15〜20年が目安です。
ウレタン塗膜防水の耐用年数は10〜14年程度が一般的で、5〜7年目でのトップコート塗り替えも必要になります。
ただし、アスファルト防水は初期費用が高く建物への荷重負担も大きくなりがち。
建物の規模・構造・メンテナンス計画を総合的に考慮して選ぶことが重要です。
- 施工中の臭いや煙は避けられませんか?
- 工法の選択によって大きく異なります。
従来の熱工法では溶融釜でアスファルトを高温加熱するため、臭いや煙が発生します。
一方、トーチ工法はバーナーを使いますが熱工法ほどの臭いは発生しません。
常温工法(冷工法)は火を使用しないため、臭いや煙はほぼゼロです。
居住中のマンションや病院・学校など、臭いへの配慮が必要な建物では常温工法やトーチ工法を採用することで、居住者・近隣への影響を最小化できます。
工法選びについては事前の打ち合わせで相談してください。
- 既存のアスファルト防水層の上に重ねて施工できますか?
- アスファルト防水は積層性に優れており、既存の露出アスファルト防水の状態が比較的良好であれば、新規防水層を重ね貼りする「かぶせ工法」が可能です。
撤去費用・廃材処理費を省けるため、コストを抑えられるメリットがあります。
ただし、既存防水層の下に水分が閉じ込められている場合や、膨れ・剥離が広範囲に及ぶ場合は、かぶせ工法では性能が確保できないケースもあります。
適切な工法は現地調査のうえで判断しますので、まずはご相談ください。
- アスファルト防水は木造住宅にも対応できますか?
- 一般的には、木造住宅へのアスファルト防水の施工は推奨されません。
アスファルト防水の防水層とコンクリートを組み合わせた場合、重量が大きくなるため、木造建築の構造に過大な荷重をかけるリスクがあります。
木造住宅の屋上(陸屋根)や屋根には、軽量で施工性の高いウレタン塗膜防水やFRP防水が適しています。
ただし建物の構造・屋根形状によって最適解は異なりますので、専門業者による現地確認を経てご判断ください。
- 工事費用の目安を教えてください。
- 屋上のアスファルト防水工事の費用は、採用する工法・仕上げ方法・施工面積・下地の状態によって異なります。
防水工事本体の㎡単価は概ね6,000〜10,000円程度が目安ですが、これに足場設置費・下地処理費・既存防水層の撤去費(必要な場合)が加算されます。
例えば100㎡の屋上でトーチ工法(露出仕上げ)を施工する場合、防水工事本体で60〜80万円程度が目安です。
正確な費用は現地調査後のお見積もりでご確認ください。
新東亜工業では現地調査・お見積もりを無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、屋上防水のアスファルト工法について、工法の種類から費用相場・耐用年数・劣化サイン・工法選びのポイントまでを解説しました。
最後に要点を整理します。
- 屋上アスファルト防水は100年以上の実績を持つ、防水性能・耐久性が最高水準の工法
- 工法は「熱工法(新築・大規模向け)」「トーチ工法(改修の主流)」「常温工法(臭いゼロ・環境配慮型)」の3種類
- 仕上げは「保護コンクリート工法(耐用年数17〜25年超)」と「露出工法(13〜15年)」で性能が変わる
- 費用目安は㎡単価6,000〜10,000円。足場・下地処理・撤去費用が別途加算される
- ひび割れ・膨れ・めくれ・継ぎ目の開きなど劣化サインが出たら早めに専門業者へ相談を
- 工法選びは「建物の構造・既存防水層の種類・使用目的・メンテナンス計画」の4点を軸に判断する
屋上防水は、建物を長期にわたって守るための最も重要な工事のひとつです。
アスファルト防水の工法選びに迷ったとき、費用の適正価格が気になったとき、劣化サインを発見したときは、一人で判断しようとせず、まずは専門業者への相談からスタートすることをお勧めします。
株式会社新東亜工業は、創業16年・施工実績5,000件以上の実績を持つ防水工事の専門会社です。
元請け施工により中間マージンゼロで、一軒家からマンション・ビルまで建物規模を問わず対応しています。
大規模修繕工事との同時施工も承っており、不要な工事はご提案しない誠実な姿勢で、お客様の建物を長期的にサポートします。
現地調査・お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください。
