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コンクリートの打ち継ぎと継ぎ目の種類!継ぎ目に止水処理が必須な理由とは?

コンクリートは、丈夫な建物を建てるために欠かせない素材です。

しかし、適切な方法で施工しなければ、期待した強度が得られないことがあります。

打ち継ぎも同様であり、正しく行わないと不具合が生じたり、強度が低下したりなどのトラブルが起こるため注意が必要です。

しかし、打ち継ぎとは何か、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで、コンクリートの打ち継ぎの概要、止水処理が必要な理由や処理方法について解説します。

コンクリートの打ち継ぎについて

打ち継ぎとは、あらかじめ打設して固めておいたコンクリートに、新しいコンクリートを流し込むことを指します。

例えば、体積や型枠の高さに影響される横圧を考えると、1度にコンクリートを流し込むことが難しい場合があります。

意図的に境界を作り、建物の強度を左右しない位置にコンクリートを流し込まなければなりません。

計画的に打ち継ぎ目を作る方法を「打ち継ぎ」と呼び、作業時にできる境界を「打ち継ぎ目」と呼びます。

コンクリートの打ち継ぎ目の種類

打ち継ぎ目は、大きく分けて水平打ち継ぎ目、縦の継ぎ目の2種類があります。

水平打ち継ぎ目

先に打設したコンクリートの上に新しいコンクリートを打設する際に、水平方向に発生する打ち継ぎ目のことです。

また、表面はレイタンスの影響でもろくなることがあるため、打ち継ぎの前に十分な表面処理を行わなければなりません。

鉛直打ち継ぎ目

先に打設したコンクリートの側面に新しいコンクリートを打設する際に、鉛直に発生する打ち継ぎ目のことです。

鉛直打ち継ぎ目はレイタンスなどの影響は受けませんが、収縮の影響があるため、打ち継ぎ時に表面処理をします。

打ち継ぎと打ち重ねについて

コンクリートの「打ち継ぎ」と「打ち重ね」は間違えやすいですが、それぞれ特徴が異なります。

打ち継ぎは固めたコンクリートに新たに打設すること、打ち重ねは硬化している途中のコンクリートに新しく打設することです。

つまり、コンクリートの状態で異なりますが、施工をするうえでのポイントが異なります。

打ち継ぎは計画的な目地であるため、強度に影響を及ぼさない部分に打設し、可能な限り一体化するように表面処理を行う必要があります。

一方、打ち重ねの場合は、生コンクリートの硬化によって一体化が妨げられる前に打ち継ぎを行い、一体化できる状態にしなければなりません。

そのため、打ち重ねを行う場合は、ミキシングから仕上げまでの標準時間があり、時間を守ることが大切です。

重ね打ちの標準時間は、外気温25度以下で120分以内、外気温25度以上で90分以内です。

打ち継ぎ目の止水処理が必須

打ち継ぎ目は完全に一体化していないため、水漏れが起こりやすい部分です。

そのため、止水という処理を行わなければなりません。

止水処理の方法としては、勾配、伸縮目地、止水板があります。

勾配とは、外壁に向かって勾配をつけることで、雨水が浸透することを抑える方法です。

伸縮目地は、目地に発泡目地板、シーリング材、充填材を使用します。

止水板は、目地面に差し込んで継ぎ目をふさぐ方法で、水やコンクリート成分で膨張するタイプと成形タイプの2種類です。

止水板の材質は、銅、ステンレス板、塩化ビニル樹脂、ゴムなどがあり、目地面の状況に応じたものを使用します。

コンクリートの止水処理が必要な症状とは?

外壁にひび割れやチョーキングなどを発見した場合は、止水処理が必要な可能性が高いです。

止水処理が必要かどうかを確認し、状況に応じて工事を行いましょう。

チョーキング

チョーキングとは、外壁の表面にチョークのような粉がつくことです。

手で触れてみて白い粉がついた場合、チョーキングの可能性があります。

太陽の熱や紫外線、雨などによって塗膜が劣化し、放置すると塗膜がはがれたり、外壁に水が侵入するため、メンテナンスが必要です。

コンクリート内部に水が染み込むと、ひび割れや浮きなどにより、外壁に深刻なダメージを与えます。

クラック

クラックとは、外壁の亀裂やひび割れを指します。

主な原因はコンクリート打設時に不純物が混入した場合と、地震や雨風などの外力によるものです。

幅1mm以上のひび割れを見つけたら、点検をおすすめします。

また、放置するとひび割れが広がり、壁の一部が落下する恐れがあるため注意が必要です。

タイルが浮く

コンクリートの中に空気の層が発生し、一部が膨らんだ状態のことです。

施工から年月が経つとコンクリート内に水が染み込み、水が太陽で温められて蒸発する際に空気の層ができます。

日が当たりやすい南側は浮きが発生しやすく、放っておくと浮きが進行し、タイルやコンクリートが落下する恐れがあります。

施工から時間が経つにつれて外壁の劣化は進行するため、定期的にどの部分が劣化しているか点検することが重要です。

コンクリートの打ち継ぎや止水処理の価格相場

コンクリートの打ち継ぎは、ひび割れ・目地止水処理が約20,000円/mです。

コンクリートの打ち継ぎや止水処理の価格は、状況によって大きく異なります。

価格相場を公表している業者はほとんどないため、見積もりを取って確認しましょう。

コンクリートの打ち継ぎや止水処理を依頼する業者の選び方

補修工事を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取ることが大切です。

しかし、工事を依頼した経験がないと相場がわからず、悪徳業者に依頼すると必要以上の金額を請求されるリスクがあるでしょう。

高額請求やトラブルを避け、優良業者を選ぶためのポイントを解説します。

創業から数年経過している

業者設立から数年が経過している塗装業者を選ぶ方法がおすすめです。

立ち上げたばかりの業者は、職人の技術不足が懸念されます。

熱意があり真摯な対応をしていても、経験不足により失敗してしまっては元も子もありません。

施工経験が全くない、もしくは数少ない経験しかない業者に依頼せず、実績のある業者を選びましょう。

アフターフォローがある

アフターフォローの内容は、重要なポイントです。

なかには、工事が終わってから発覚する瑕疵もあります。

アフターフォローがないと、工事が終わり何か不具合があった場合に、対応してもらえない可能性が高いです。

大規模なリフォームをする際は、アフターフォローが整っている業者に依頼しましょう。

ホームページで価格の目安を確認

ホームページに価格表が掲載されていない業者は要注意です。

価格がわからないと、適正価格で工事をしてくれるのか判断できません。

言い値で契約させられることもあるため、契約前にホームページの価格表をチェックしましょう。

口コミのチェック

ホームページに掲載されている口コミよりも、他の媒体に書かれている口コミをチェックしましょう。

また、口コミをチェックする際は、複数のサイトを確認することで信頼性を高められます。

複数の業者に見積もりを依頼

外壁工事を依頼する際は、複数の業者に見積もりを依頼し、工法や費用を比較しましょう。

相見積もりに関しては、少なくとも3社から取ることをおすすめします。

ホームページに「専門業者」「実績が豊富」と書いてある業者でも、実態は違うケースが少なくありません。

また、ホームページに記載されている価格以外に、説明なく追加料金が加算されることもあります。

トラブルを予防するためにも、依頼前に複数の業者に問い合わせをして、内容を十分理解したうえで検討することが大切です。

コンクリートの打ち継ぎや止水処理は早めに依頼しよう

基礎のひび割れは、コンクリートの乾燥よる収縮でも発生するため、こまめな点検をしましょう。

小さなひび割れでも、放置すると建物の耐久性を低下させます。

構造に大きな不具合が発生している場合は、早急に補修を検討しなければなりません。

工事が必要な症状が表れている際や、1度も点検や工事を行っていない場合は注意が必要です。

どのような工事が必要か、具体的な価格や担当者の対応を確認するためにも、相見積もりを取って優良業者を見つけましょう。

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