改修工事とは?修繕との違いや種類・費用相場・注意点・業者の選び方まで解説

2025/11/19

「建物が古くなってきたけど、改修工事って何をするの?」「修繕工事との違いがよくわからない」このような疑問をお持ちではありませんか。

建物の老朽化は避けられないものですが、適切な対応方法を知らないと、不安ばかりが募ってしまいますよね。

改修工事とは、建物の劣化した箇所を修理するだけでなく、新築時以上の性能や機能を持たせる工事のことです。

単なる修理とは異なり、建物の価値を高め、長く安心して使い続けるための重要な手段となります。

この記事では、改修工事の基本的な知識を丁寧にお伝えします。

修繕工事や改装工事との違い、具体的な工事の種類、気になる費用相場、そして信頼できる業者の選び方まで、実践的な情報を網羅しました。

建物の改修を検討されている方にとって、この記事が確かな判断の一助となれば幸いです。

目次

改修工事とは?基本的な定義と目的

改修工事は建物の寿命を延ばし、価値を高めるための重要な工事です。

まずは改修工事の基本的な定義と、どのような場合に必要になるのかを理解していきましょう。

改修工事は建物の性能を向上させる工事

改修工事とは、建物の劣化した箇所を修理・修復するだけでなく、新築時の状態よりも建物の性能や機能を高める工事を指します。

国土交通省の定義によれば、改修工事は「修繕」と「改良」を組み合わせたものとされています。

具体的には、建物内にバリアフリー機能を追加したり、断熱性能を向上させる塗料を採用したりと、既存建物に新たな機能を追加することで付加価値を高める工事です。

単に元の状態に戻すのではなく、現代のニーズに合わせて建物をグレードアップさせることが改修工事の大きな特徴といえます。

改修工事が必要になるケース

改修工事が必要となる主なケースは、大きく分けて3つあります。

  1. 経年劣化への対応
  2. 時代のニーズへの適応
  3. 資産価値の維持・向上

まず1つ目は経年劣化への対応です。建物は時間の経過とともに必ず劣化していきます。

外壁のひび割れや屋根の損傷、設備の老朽化など、建物の機能が低下した際に、単なる修理だけでなく性能向上も同時に行うことで、より長期的な価値を生み出せます。

2つ目は時代のニーズへの適応です。建てられた当時は最新だった設備も、数十年経てば古くなります。

省エネ性能の向上、防犯設備の強化、耐震性の向上など、現代の基準や居住者の要望に合わせて建物をアップデートする必要が生じます。

3つ目は資産価値の維持・向上です。特に賃貸物件や売却を検討している建物では、改修工事によって市場価値を高めることができます。

適切な改修は入居者の確保や売却時の査定額アップにつながる重要な投資となります。

改修工事と修繕工事の違いとは?

改修工事と修繕工事は混同されがちですが、実は明確な違いがあります。

最も大きな違いは工事の目的にあります。修繕工事は、経年劣化や外的要因によって損傷した建物を新築当初の水準まで回復させることを目的としています。

一方、改修工事は建物を元の状態に戻すだけでなく、新築時以上の性能や機能を持たせることを目指します。

比較項目修繕工事改修工事
目的新築当初の水準まで回復新築時以上の性能・機能向上
工事内容劣化・損傷箇所の修理や取替え修繕+性能向上(改良)
実施タイミング長期修繕計画に基づき定期的
(10〜15年周期)
修繕時+時代のニーズに応じて
費用必要最低限で比較的抑えられる修繕工事より高額になる傾向
効果建物の寿命延長・原状回復資産価値向上・居住性の大幅改善
近いイメージリフォームリノベーション
具体例・外壁の塗り直し
・屋根の葺き替え(同じ材料)
・断熱塗料での塗装
・軽量屋根材への変更

修繕工事は原状回復が目的のため、費用は必要最低限に抑えられることが多いです。

改修工事は性能向上を伴うため、修繕工事よりも費用がかかる傾向にありますが、その分、建物の資産価値向上や居住性の大幅な改善といった長期的なメリットが期待できます。

建物の状態や将来の計画を考慮して、どちらの工事が適しているか判断することが大切です。

多くの場合、修繕が必要なタイミングで同時に改修も行う方が、長期的なコストパフォーマンスが高くなります。

▶関連記事:修繕工事とは?改修・補修との違いから費用相場・工事内容・業者の選び方まで解説

改修工事と改良工事の違いとは?

改良工事という言葉も、改修工事と併せて理解しておくと役立ちます。

改良工事とは、建物の性能や機能を向上させる工事のことを指します。建物が劣化していなくても、必要に応じて実施されるのが特徴です。

たとえば、障害者雇用の拡大に向けたバリアフリー化工事や省エネ性能を高めるための設備更新などが改良工事に該当します。

比較項目改良工事改修工事
定義建物の性能・機能をグレードアップ修繕+改良を組み合わせた工事
実施条件建物の劣化有無に関わらず実施可能主に劣化や損傷がある場合に実施
工事内容性能向上のみ(グレードアップ)修繕(原状回復)+改良(グレードアップ)
実施タイミングニーズが生じた時(計画外も多い)修繕が必要な時期に合わせて計画的に
目的機能追加・性能向上原状回復+性能向上の両立
具体例バリアフリー化、省エネ設備導入、防犯設備強化屋根の葺き替え+軽量化・断熱化、外壁修理+遮熱塗装
国土交通省の定義建物各部の性能・機能を向上させること修繕+改良の両方を含む包括的な工事

国土交通省の定義によれば、「修繕」+「改良」=「改修」という関係になります。

つまり、劣化した箇所を元の状態に戻す「修繕」の要素と、性能を向上させる「改良」の要素の両方を含んだ工事が改修工事です。

改修工事と改装工事の違いとは?

改装工事とは、建物の外観や内装を新しく改める工事、つまり模様替えを主な目的とした工事です。

壁紙の張り替え、床材の変更、外壁の塗り直しなど、建物の見た目やデザインを一新することに重点を置いています。

建築基準法には「改装」という用語は存在せず、一般的な用語として使われています。

比較項目改装工事改修工事
主な目的外観・内装の模様替え
(見た目の変更)
建物の性能・機能の向上
重視する点美観・デザイン性機能性・耐久性・安全性
工事内容内外装の表面的な変更修繕+性能向上を伴う包括的工事
実施理由・イメージチェンジ
・用途変更
・デザインの刷新
・経年劣化への対応
・時代ニーズへの適応
法的定義建築基準法上の用語ではない
(一般用語)
国土交通省により定義されている
具体例・壁紙張り替え
・床材変更
・外壁デザイン変更
・店舗の内装変更
・断熱改修
・耐震補強
・バリアフリー化
・省エネ設備導入
効果・建物の印象・雰囲気の変化・建物の資産価値向上
・安全性・利便性の向上

このように、改装工事が「見た目の美しさ」を重視するのに対し、改修工事は「性能・機能の向上」を重視するという明確な違いがあります。

改装工事は建物の外観や雰囲気を変えることでイメージを刷新する工事であり、改修工事は建物の本質的な性能を高める工事といえます。

ただし、大規模な改修工事や改装工事を行う際には、建築基準法に基づく建築確認申請が必要になる場合があります。

具体的には、建物の主要構造部(壁・柱・床・梁・階段)のうち1種類以上の箇所で、その過半(半分以上)を工事する場合が対象となります。

改修工事とリフォーム・リノベーションの違いとは?

実はこれらの言葉は、工事の規模や呼び方によって使い分けられています。

リフォームは一般的に、比較的小規模な工事を指すことが多く、主に一般住宅の部分的な改修に使われます。

キッチンの入れ替えやトイレの改装、壁紙の張り替えなど、住宅の一部を新しくする工事がリフォームと呼ばれることが一般的です。

イメージとしては修繕工事に近く、原状回復や部分的な改善を目的としています。

比較項目リフォームリノベーション改修工事
主な対象・一般住宅
(戸建て・マンション)
・一般住宅
・店舗
・マンション
・施設
・工場
・オフィスビル
工事規模小〜中規模(部分的)大規模(全面的)大規模(建物全体)
目的・原状回復
・部分的改善
・用途・機能の大幅変更
・価値創造
・性能・機能の向上
・資産価値維持
工事内容・設備交換
・内装変更
など部分的な工事
・間取り変更
・スケルトン工事
などを含む大規模工事
・修繕+性能向上を伴う包括的工事
近いイメージ修繕工事改修工事リノベーション
用語の性質一般的な呼称一般的な呼称建築業界の専門用語
費用規模数十万円〜数百万円数百万円〜1,000万円以上数百万円〜数億円
(規模による)
具体例・キッチン交換
・トイレ改装
・壁紙張替え
・間取り変更
・古民家再生
・用途変更
・大規模修繕
・耐震補強
・省エネ改修

このように、リフォームは小規模な部分的工事、リノベーションは建物の価値を大きく変える大規模工事、改修工事は主に大規模建物の計画的な性能向上工事という位置づけになります。

リノベーションは、改修工事により近い概念です。既存の建物に大規模な工事を施し、用途や機能を大きく変更して新たな価値を生み出す工事を指します。

たとえば、古い住宅を現代的なデザインと最新設備を備えた住まいに生まれ変わらせるような工事がリノベーションです。

性能向上を伴う点で、改修工事とリノベーションは同じ方向性を持っているといえるでしょう。

一方、改修工事という言葉は、マンションの大規模修繕、学校や病院などの施設、工場やオフィスビルなど、比較的大規模な建物の工事に対して使われることが多いです。

複数の箇所を同時に工事する場合や、建物全体の性能向上を図る場合に「改修工事」という表現が用いられます。

改修工事の種類|主な工事内容を詳しく解説

改修工事には様々な種類があり、建物の状態やニーズに応じて適切な工事を選択することが重要です。

ここでは代表的な改修工事の種類とその内容について、具体的に見ていきましょう。

屋根・外壁の改修工事

屋根や外壁は、常に雨風や紫外線にさらされているため、建物の中でも特に劣化が進みやすい箇所です。

屋根・外壁の改修工事では、単なる修理だけでなく、断熱性や遮熱性を向上させる工事が行われます。

代表的な工事方法として、既存の屋根の上に新しい屋根材を被せるカバー工法があります。

この方法では、既存屋根と新しい屋根の間に空気層ができるため、断熱効果が期待できます。

また、屋根材を完全に取り替える葺き替え工事では、より軽量で耐久性の高い材料を採用することで、建物の耐震性向上にもつながります。

外壁では、遮熱塗料や断熱塗料を使用した塗装工事により、夏は涼しく冬は暖かい快適な建物環境を実現できます。

塗装工事

建物の塗装工事は、美観の回復だけでなく、建物の耐久性を高め寿命を延ばす重要な役割を果たします。

定期的な塗装は、建物を雨水や紫外線から守り、劣化の進行を遅らせる効果があります。

改修工事としての塗装では、通常の塗料から機能性塗料への変更が効果的です。

遮熱塗料を採用すれば、太陽光を反射して建物内の温度上昇を抑えることができ、特に工場や倉庫などの大空間で冷房費の削減効果が期待できます。

また、断熱塗料を使用すれば、外気温の影響を受けにくくなり、年間を通じて快適な室内環境を保つことができます。

塗装の色や質感を変えることで、建物のイメージを一新することも可能です。

耐震改修工事

地震が多い日本において、建物の耐震性向上は非常に重要な改修工事です。

特に1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物や、経年劣化により構造強度が低下した建物では、耐震改修工事による安全性の確保が求められます。

耐震改修工事には、壁の補強、柱や梁の接合部の強化、筋交いや耐震壁の追加などがあります。

マンションでは片持ちスラブ(張り出したバルコニー部分)の補強工事なども行われます。

また、建物の基礎部分を補強することで、地震時の建物全体の揺れを抑える効果も期待できます。

耐震診断を実施した上で、建物の弱点を把握し、効果的な補強工事を計画することが重要です。

設備工事(空調・給排水・電気など)

建物の設備は居住性や利便性に直結するため、時代のニーズに合わせた更新が必要です。

設備の改修工事では、省エネ性能の向上と利便性の改善が主な目的となります。

空調設備では、古い設備を最新の省エネ型エアコンに交換することで、電気代の大幅な削減が可能です。

給排水設備では、配管の老朽化に対応するとともに、節水型の設備に更新することで水道料金の削減にもつながります。

また、バリアフリー化の一環として、エレベーターの新設や手すりの設置、スロープの追加なども設備改修工事に含まれます。

消防設備や防犯設備の更新も、建物の安全性を高める重要な改修工事です。

改修工事の費用相場|建物別・工事別に解説

改修工事を検討する際、最も気になるのが費用です。

工事の規模や内容によって費用は大きく変動しますが、ここでは建物別・工事別の一般的な費用相場をご紹介します。

一戸建ての改修工事費用

一戸建て住宅の改修工事費用は、工事内容の自由度が高いため、坪単価10万円〜70万円ほどと幅広い相場となっています。

部分的な改修であれば比較的低予算で済みますが、全面改修となると高額になります。

工事内容参考費用の目安補足
水回り改修
(キッチン・浴室・トイレなど)
50万円〜150万円設備グレードやレイアウトの変更で変動
外壁塗装1坪あたり 約12,000円足場費用は別途必要になる場合が多い
屋根の葺き替え工事50万円〜100万円屋根材の種類や下地補修の有無で差が出る
耐震補強工事100万円〜300万円建物構造・診断内容に応じて大きく変動
フルリフォーム
(建物スケルトン・全体改修)
1,000万円〜2,000万円間取り変更・配管更新を含む全面的な工事

マンションの改修工事費用

マンションの大規模修繕工事では、一般的に床面積1㎡あたり1万円〜1.5万円が費用相場とされています。

建物の規模によって総額は大きく変動します。

中規模マンション(30〜50戸程度)の場合、大規模修繕工事の総額は5,000万円〜1億円程度が目安です。

小規模な4〜8戸程度の物件では240万円〜350万円程度で実施できることもあります。

工事内容としては、外壁の補修・塗装、屋上防水工事、給排水管の更新などが主な項目です。

マンションでは修繕積立金を活用して計画的に工事を行うことが一般的です。

工場・倉庫の改修工事費用

工場や倉庫などの大規模施設の改修工事では、数百万円から規模によっては数千万円以上の費用がかかることもあります。

建物の用途や劣化状況、工事の緊急度によって費用は大きく変動します。

工場の屋根改修工事では、操業を止めずに施工できるカバー工法を採用することで、生産ラインへの影響を最小限に抑えられます。

スレート屋根の改修では、断熱性能を向上させる工法を採用することで、空調費の削減効果も期待できます。

また、設備の更新工事では省エネ機器への交換により、長期的にはランニングコストの削減につながります。

費用対効果を考慮した計画的な改修が重要です。

改修工事を行うメリット

改修工事には費用がかかりますが、それを上回る様々なメリットがあります。

建物の所有者や利用者にとって、改修工事がもたらす具体的な利点を理解しておきましょう。

建物の安全性が向上する

改修工事の最も重要なメリットは、建物の安全性が大幅に向上することです。

建物は時間の経過とともに、目に見える部分だけでなく、構造部分も劣化していきます。

耐震改修工事により、地震などの災害時でも建物が崩壊するリスクを大幅に減らすことができます。

特にマンションや工場では、多くの人が利用するため、安全性の確保は最優先事項です。

経年劣化による事故のリスクも低減できます。たとえば工場では、建材の劣化による崩落事故などの労働災害を未然に防ぐことができ、従業員が安心して働ける環境を整えられます。

企業イメージの維持という点でも、建物の安全管理は重要な要素です。

使い勝手と利便性が良くなる

改修工事は単なる修理ではなく、建物の機能性や利便性を向上させることができます。

時代とともに変化するニーズに対応することで、より快適な建物環境を実現できます。

バリアフリー化工事により、高齢者や障害のある方にとって使いやすい建物になります。

スロープや手すりの設置、段差の解消、エレベーターの増設などにより、誰もが安全に移動できる空間が生まれます。

また、最新の省エネ設備に更新することで、快適性が向上するだけでなく、光熱費の削減にもつながります。

遮熱・断熱性能を高める工事では、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を実現でき、居住者の満足度が大きく向上します。

建物の資産価値が上がる

適切な改修工事を行うことで、建物の資産価値を維持または向上させることができます。

一般的に建物の資産価値は築年数とともに下がりますが、改修工事により価値の回復や向上が可能です。

改修工事では、建物の寿命を延ばすだけでなく、新築当初よりも高い性能や機能を持たせることができます。

省エネ性能の向上、耐震性の強化、バリアフリー対応など、現代のニーズに合った建物に生まれ変わることで、市場での評価が高まります。

売却を検討する際には査定額のアップが期待でき、長期保有する場合でも資産としての価値を保つことができます。

入居者募集がしやすくなる(賃貸物件の場合)

賃貸マンションやアパートのオーナーにとって、改修工事は空室リスクを低減し、安定した賃貸経営を実現する有効な手段です。

外観が綺麗で設備が新しい建物は、入居希望者にとって魅力的に映ります。

特に若い世代は、建物の外観や最新設備の有無を重視する傾向があります。

改修工事により建物の見た目と機能性を向上させることで、入居者募集がスムーズになり、空室期間を短縮できます。

また、既存の入居者にとっても住環境が改善されるため、長期間住み続けてもらえる可能性が高まります。

適切な家賃設定も可能になり、投資対効果の高い賃貸経営につながります。

改修工事を依頼する際の注意点とポイント

改修工事を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、工事を依頼する際に知っておくべき注意点を具体的に解説します。

信頼できる業者の選び方

改修工事の成否を左右する最も重要な要素が、施工業者の選定です。

信頼できる業者を選ぶことで、適正な費用で質の高い工事を実現できます。

  • 同規模建物での施工実績の有無を確認
  • 施工事例の提示を依頼
  • 建設業許可の有無
  • 有資格者の在籍(建築士、防水施工技能士 など)
  • 複数社から相見積もりを取る
  • 工事内容・工期・材料の比較検討
  • 極端に安い見積もりに注意
  • アフターサービス・保証内容の確認
  • トラブル対応体制の確認

工事業者を選ぶ際は、まず過去の施工実績を確認することが重要です。

同規模・同条件の建物での事例がある業者は、現場対応力やノウハウが蓄積されています。

また、複数社の見積もりを比較することで、適正価格や工事内容の妥当性が判断できます。

価格だけで選ぶと、後から追加費用や施工不良のリスクが生じる可能性があるため注意が必要です。

さらに、アフターサービスや保証期間、点検体制の有無も必ず確認しましょう。

工事は完了後のフォロー体制が信頼性を左右します。

長期修繕計画との関係

特にマンションなどの集合住宅では、長期修繕計画に基づいた計画的な改修が重要です。

適切な時期に適切な工事を行うことで、建物の価値を長期的に維持できます。

一般的に大規模修繕工事は12〜15年周期で実施されることが推奨されています。

修繕積立金を活用して計画的に工事を行うことで、突然の大きな出費を避けることができます。

長期修繕計画は、建物の劣化状況や将来の修繕費用を予測して作成されるもので、定期的に見直すことも大切です。

計画的な改修により、建物の寿命を延ばし、居住者が安心して長く住み続けられる環境を整えることができます。

建築確認申請が必要なケース

大規模な改修工事を行う際には、建築確認申請が必要になる場合があります。

申請が必要なケースを事前に把握しておくことで、工事がスムーズに進みます。

建築基準法では、建物の主要構造部(壁・柱・床・梁・階段)のうち1種類以上について、その過半(半分以上)にわたって修繕や模様替えを行う場合に建築確認申請が必要とされています。

これを「大規模の修繕」「大規模の模様替え」といいます。申請が必要かどうか判断が難しい場合は、工事業者や建築士に相談しましょう。

申請手続きには時間がかかるため、工事スケジュールに余裕を持って計画することが大切です。

改修工事に関するよくある質問

改修工事を検討する際、多くの方が同じような疑問を持たれます。

ここでは特によくある質問とその回答をまとめました。疑問の解消にお役立てください。

Q.改修工事と修繕工事、どちらを選べばいいですか?

建物の状態と目的によって選択が変わります。

単純に壊れた箇所を直すだけで十分なら修繕工事で問題ありませんが、同時に性能向上も図りたい場合は改修工事がおすすめです。

たとえば、屋根を直す際に断熱性能も高めたいなら改修工事を選ぶと良いでしょう。

長期的な視点では、修繕のタイミングで改修も行う方が、何度も工事をするよりコストパフォーマンスが高くなることが多いです。

Q.改修工事の最適なタイミングはいつですか?

建物の築年数や劣化状況によって異なりますが、一般的には築10〜15年を目安に検討することをおすすめします。

ただし、目に見える劣化(外壁のひび割れ、雨漏り、設備の不具合など)が発生した時点で、早めに専門家に相談することが大切です。

定期的な建物診断を実施することで、適切なタイミングを逃さずに済みます。

季節的には、外壁や屋根の工事は春や秋の気候が安定した時期が適しています。

Q.改修工事中も建物を使用できますか?

工事の内容と規模によって異なります。外壁や屋根の改修であれば、居住しながら工事を進めることが可能な場合が多いです。

工場の改修でも、カバー工法など操業を止めない工法を選択できるケースがあります。

ただし、大規模なスケルトンリフォームや設備の全面更新では、一時的な退去が必要になることもあります。

工事業者に事前に確認し、生活や業務への影響を最小限に抑える計画を立てましょう。

Q.改修工事に使える補助金はありますか?

はい、様々な補助金制度が用意されています。

耐震改修工事には国や自治体による耐震改修補助金、バリアフリー改修には介護保険の住宅改修費支給制度、省エネ改修には省エネリフォーム補助金などがあります。

自治体によって独自の補助制度を設けている場合もあります。

申請には条件や期限があるため、工事前に必ず確認し、早めに手続きを進めることをおすすめします。

Q.改修工事の費用を抑えるコツはありますか?

まず、複数の箇所をまとめて工事することで、足場の設置費用などを削減できます。

相見積もりを取って適正価格を把握することも重要です。

また、補助金制度を活用することで実質的な負担を減らせます。

ただし、極端な安さを追求すると工事の質が下がる恐れがあるため、適正価格での施工を心がけましょう。

長期的な視点では、安価な材料よりも耐久性の高い材料を選ぶ方が、結果的にコストパフォーマンスが良くなることもあります。

まとめ

この記事では、改修工事の基本的な知識から具体的な工事内容、費用相場、業者選びのポイントまで、幅広く解説してきました。

最後に重要なポイントを振り返りましょう。

  • 改修工事は、建物の性能を新築時以上に向上させる工事
  • 主な改修工事には屋根・外壁工事、塗装工事、耐震改修工事、設備工事などがある
  • 費用相場は一戸建てで坪単価10万円〜70万円、マンションで1㎡あたり1万円〜1.5万円が目安
  • 改修工事のメリットは、安全性の向上、利便性の改善、資産価値の向上、入居者募集の容易化
  • 業者選びでは、実績・相見積もり・アフターサービスを確認する
  • 大規模工事では、建築確認申請が必要な場合があり、各種補助金制度も活用できる

建物は私たちの生活や事業活動の基盤となる大切な資産です。適切な時期に適切な改修工事を行うことで、建物は長く安全に、そして快適に使い続けることができます。

単なる修理で済ませるのではなく、将来を見据えて建物の価値を高める改修工事を検討してみてはいかがでしょうか。

改修工事は決して安い買い物ではありませんが、建物の安全性と快適性、そして資産価値を守るための重要な投資です。

この記事でご紹介した知識を参考に、信頼できる業者とともに、あなたの建物に最適な改修計画を立ててください。

適切な改修工事によって、建物は新たな価値と可能性を持ち、これからも長く皆様の暮らしや事業を支え続けることでしょう。

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