屋上防水の単価を知りたい人
屋上防水が劣化して水たまりができている
屋上防水をしたいけどどれくらい費用がかかるかわからない
上記のような悩みを抱えている人は多いでしょう。
実際屋上防水工事には様々な種類があり、工法や業者によって単価は変動します。
そこで今回は屋上防水の単価について解説していきます。
屋上防水の単価を節約する方法も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
単価は工法によって異なる?屋上防水工事の種類
屋上防水の単価は、どの工法を採用するかによって変動します。
では屋上防水工事にはどのような工法があるのでしょうか?主には以下のような工法が挙げられます。
- ウレタン防水
- シート防水
- FPR防水
- アスファルト防水
ここではそれぞれの工法について解説していきます。
工法①:ウレタン防水
ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗ることによって防水層を作る防水工事です。
ウレタンは耐摩耗性が高く、弾力性のある素材のため、車のタイヤ・接着剤・スポンジなどにも使用されています。
ウレタン塗膜防水と呼ばれることもあり、一昔前は耐久性が弱いと言われていました。
しかしウレタン樹脂の研究が進むにつれて耐久性が上り、現在では高い防水性能が求められる屋外でも使用されています。
特に目立った短所もなく、現在の防水工事では主流とされている工法です。
工法②:シート防水
シート防水とは、ゴムシートや塩化ビニル(塩ビ)を既存の防水層の上に貼り付ける防水工事です。
屋上や陸屋根などで採用されることが多く、広範囲の防水対策をする場合にはコストパフォーマンスが良いことで知られています。
ベランダなどの狭い場所でも施工可能ですが、室外機がある場合は塗膜防水を行うことが多いです。
シート防水の耐用年数は10〜15年とウレタン防水よりも長く、メンテナンスの手間がかからないというメリットがあります。
工法③:FPR防水
FPR防水とは、FRP(繊維強化プラスチック)のシートを敷き、その上から樹脂を塗って硬化させる防水工事です。
重量が軽く、耐水性・耐熱性・耐久性に優れているという特徴があり、速乾性があるので工期が短いというメリットがあります。
外見が美しく仕上がり、屋上の防水工事には最適な工法だと言えるでしょう。
しかし紫外線に弱く、経年劣化によってひび割れを起こすリスクがあります。
耐久年数も10年と比較的短めで、コストパフォーマンス面は弱いので注意しましょう。
工法④:アスファルト防水
アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトをしみ込ませたシートを下地に塗り重ねていく工法です。
古くから採用されている工法で、防水性が高く、耐久年数は20年と長期間使い続けることができます。
マンションの屋上などの防水工事には向いていますが、重量が重いので木造建築の建物への防水工事には不向きです。
また工事中に臭いが発生するので、拡散防止対策をする必要があります。
屋上防水工事の費用はどれくらいかかる?
屋上の防水工事と一言で言っても、様々な種類の工法があるということがわかりました。
ではそれぞれの防水工事の施工費用はどれくらいかかるのでしょうか?
ここでは屋上防水工事の単価を工法ごとに紹介していきます。
ウレタン防水の単価
屋上をウレタン防水した時の単価は、1㎡あたり通気緩衝工法だと5,500~6,500円、密着工法だと4,000~5,500円ほどです。
しかしあくまでウレタン防水の単価ですので、その他にも諸経費がかかります。
屋上防水1回あたりにかかる費用としては以下の通りです。
作業内容 | 単価(㎡あたり) |
高圧洗浄 | 200~300円 |
下地処理 | 200円 |
下地補修 | 200~300円 |
改修用ドレン設置 | 15,000円/箇所 |
脱気筒設置 | 10,000~12,000円/箇所 |
発生材処分費 | 10,000~30,000円 |
管理費 | 10,000~30,000円 |
諸経費 | 10,000~30,000円 |
足場仮設 | 700~900円 |
一般的な屋上をウレタン防水すると、諸経費込みで約80万円ほどかかります。
施工箇所によっては作業を削減・追加するので費用は多少変動します。
シート防水の単価
シート防水の単価は、1㎡あたり約8,000円です。
屋上にシート防水を施工するのにかかる費用としては以下のようなものがあります。
作業内容 | 単価(㎡あたり) |
下地処理 | 100〜600円 |
下地補修 | 2,000〜3,000円 |
塩ビシート防水(平場) | 5,000〜6,000円 |
塩ビシート防水(立ち上がり) | 3,000〜5,000円 |
末端処理 | 2,000〜3,000円 |
改修用ドレン | 13,000〜15,000円/箇所 |
脱気筒 | 12,000〜15000円/箇所 |
発生材処分費 | 10,000〜30,000円/一式 |
現場経費 | 約10% |
シート防水には密着工法・機械固定工法の2種類があり、単価は基本的に同じです。
しかし機械固定法は脱気筒という部材を使用するので、若干費用が高くなります。
FPR防水の単価
FPR防水の単価は、1㎡あたり約9,000円です。
屋上にFPR防水を施工するのにかかる費用としては以下のようなものがあります。
作業内容 | 単価(㎡あたり) |
高圧洗浄 | 200~300円 |
下地処理 | 200円 |
下地補修 | 200~300円 |
改修用ドレン設置 | 15,000円/箇所 |
廃材処分費用 | 10,000~30,000円 |
管理費 | 10,000~30,000円 |
諸経費 | 10,000~30,000円 |
足場仮設 | 700~900円 |
FPR防水は防水性能が高いため、他の防水工事に比べると高額に設定されています。
しかし耐用年数が10年前後と長く、メンテナンスも頻繁には必要ないため、長い目で見るとコストを抑えることにも繋がるでしょう。
アスファルト防水の単価
アスファルト防水の単価は、1㎡あたり約5,000〜8,000円です。
屋上にアスファルト防水を施工するのにかかる費用としては以下のようなものがあります。
作業内容 | 単価(㎡あたり) |
高圧洗浄 | 200~300円 |
下地補修 | 5,000円 |
立ち上がり防水撤去 | 250円 |
仮防水 | 100〜200円 |
平場 改質アスファルト防水 | 100円 |
立ち上がり 改質アスファルト防水 | 500円 |
新規脱気筒設置 | 15,000円 |
改修ドレン設置 | 6500円 |
保護塗料塗布 | 100円 |
アスファルト防水は、屋上での防水工事に採用されることが多い工法です。
効率よく屋上の防水工事を済ませたい人は、外壁塗装なども一緒に依頼すると良いでしょう。
単価だけで選ばない!屋上防水工事で損しないためのチェックポイント
屋上の防水工事を行う際は、単価だけで業者を選んでしまうとトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
ここでは屋上防水工事で損しないためのチェックポイントを紹介していきます。主なチェックポイントは以下の通りです。
- 単価が相場と合っているか
- 工法が明記されているか
- 防水工事の工程が記載されているか
- 使用する資材が明記されているか
チェックポイント①:単価が相場と合っているか
屋上防水工事で損しないためのチェックポイント、1つ目は単価が相場と合っているかという点です。
施工業者に見積もりを取った時、その金額が相場と大きくかけ離れていないかは非常に重要です。
工事費用があまりに高すぎる場合は、こちらに専門知識がないことに付け込み、法外なお金を請求している可能性があります。
逆に工事費用が安すぎる場合は手抜き工事をされ、施工後にトラブルが発生する可能性が高いです。
一概に単価が相場とかけ離れている業者が悪いとは言い切れませんが、注意しておくと良いでしょう。
チェックポイント②:工法が明記されているか
屋上防水工事で損しないためのチェックポイント、2つ目は工法が明記されているかという点です。
例えばシート防水工事の中にも密着工法・通気緩衝工法などの種類があり、適切な工法で施工しないと、あとでトラブルに発展してしまう可能性があります。
見積もりを取った時には、工法が明確に記載されているかをチェックし、わからないことがあれば積極的に担当者に質問しましょう。
チェックポイント③:防水工事の工程が記載されているか
屋上防水工事で損しないためのチェックポイント、3つ目は防水工事の工程が記載されているかという点です。
防水工事には様々な作業が必要で、その工程1つ1つに費用がかかります。
防水工事の工程が記載されていない場合、本来必要な工程を省いて費用を安く済ませようとしている可能性があるので注意が必要です。
相場よりも大幅に安い費用を請求されたら、担当者に作業工程の話をしっかり聞きましょう。
チェックポイント④:使用する資材が明記されているか
屋上防水工事で損しないためのチェックポイント、4つ目は使用する資材が明記されているかという点です。
屋上の防水工事に限った話ではありませんが、どんな資材を使用しているかによって単価が大きく変動します。
そのためどのメーカーのどんな資材を使用するかが見積書に書かれていると安心です。
施工後に本当にその資材が使用されているのかを確認することができます。
屋上防水の単価を節約する方法
屋上防水工事を行うには多額の費用がかかります。少しでも費用を抑えたいという人は多いでしょう。
ここでは屋上防水の単価を節約する方法について解説していきます。屋上防水の単価を節約する方法としては以下のような方法があります。
- 相見積もりを取る
- トップコート塗装のみで補修できないか確認する
- 火災保険を利用する
それぞれ詳しくみていきましょう。
節約法①:相見積もりを取る
屋上防水の単価を節約する方法、1つ目は相見積もりを取ることです。
相見積もりとは複数の業者から見積書を取り寄せ、その内容を元に比較することです。
相見積もりを行うことで屋上防水の適正単価を知ることができる、提案内容から優良業者を見分けることができるといったメリットがあります。
また相見積もりしている旨を業者に明かすことによって、価格競争が起こる可能性もあるでしょう。
屋上防水工事を検討している人は、最低でも2〜3社相見積もりすることをおすすめします。
一括見積もりなどの無料サービスを利用すれば、効率的に相見積もりを行えるでしょう。
節約法②:トップコート塗装のみで補修できないか確認する
屋上防水の単価を節約する方法、2つ目はトップコート塗装のみで補修できないか確認することです。
トップコートとは、雨風・紫外線から防水層を保護するために行う塗装です。
防水層をコーティングし、保護してくれるので、5年を目安にトップコート塗装を行うと長く使い続けられるでしょう。
トップコート塗装の単価は、1㎡あたり900〜3,000円です。
防水層の劣化が進んでいなければ、トップコートの塗り替えだけで十分な防水効果が期待できます。
トップコートの塗り替えだけであれば新たな防水工事を行う必要がないので、費用を抑えることが可能です。
節約法③:火災保険を利用する
屋上防水の単価を節約する方法、3つ目は火災保険を利用することです。
屋上などを防水工事したのにも関わらず、知らぬ間にひび割れを引き起こしていることがあります。
屋上の補修には火災保険を利用できる可能性があります。
火災保険の補償対象は「偶発的な事故や自然災害による損害」と規定されていることが多いです。
実際に火災保険を利用できるかどうかは、現在加入している火災保険のカスタマーセンターに問い合わせてみましょう。
まとめ
今回は屋上防水の単価について解説してきました。
本記事のまとめ
- 屋上防水の単価は工法によって変動する
- 見積書の内容を精査して、依頼する業者を吟味することが重要
- 屋上の補修には火災保険が利用できる可能性がある
屋上防水と一言で言っても様々な工法が存在し、工法・施工業者によって単価は変動します。
そのため複数業者を相見積もりして、優良業者を選ぶことが非常に重要です。
ぜひ今回の記事を参考に、屋上防水を行ってみてはいかがでしょうか?