外壁塗装って本当に10年毎にやらないといけないの?業者の嘘なんじゃないの?
『外壁塗装は10年でやらないといけない』『10年ごとに外壁塗装をしないと』という話に、疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、耐久年数は塗料によってバラツキがありますが9割の方が10年~20年の間に外壁塗装をしています。
一般的に外壁塗装をする目安が10年と言われる理由や、10年で塗装工事をすべきか迷った時に確認すべきこと、実際にかかる費用や期間の目安について解説します。
- 外壁塗装を実際に10年ごとにやっている人はいるのか
- 外壁塗装は10年が目安と言われる理由
- 外壁塗装を20年していない場合に起こるリスク
- 外壁塗装をすべきサイン
- 外壁塗装にかかる費用・期間
- 外壁塗装の寿命をなるべく伸ばす5つの方法
目次
外壁塗装を実際に10年ごとにやっている人はいるのか
外壁塗装の一般的な目安は10年と言われていますが、実際には塗料の種類などの条件によって15年から20年程度持つ場合もあります。約9割の人が、築10年が経過しても特に問題がなければ、外壁塗装を15年から20年の間に行っているというデータがあります。
ただし、築10年が経過していなくてもに重大な劣化や雨漏りの問題が発生する場合は、早めにメンテナンスが必要です。築10年経ったら、専門家による外壁の点検をし、あと5年延ばしても問題がないかどうかを確認するのがおすすめです。
なぜ外壁塗装の目安が10年と言われているのか解説します。
外壁塗装は10年が目安と言われる理由
外壁塗装が10年ごとが目安とされる理由は3つあります。
理由1 建ててから築10年までに目立った症状が発生することが多いから
まず、住宅や建物が10年経過すると外壁に目立った症状が現れやすくなります。これらの主な劣化症状には次のようなものがあります。
- チョーキング現象: 壁が白い粉を吹き出す現象。この状態の壁は水を吸収しやすく、修繕が必要です。
- ひび割れ: 壁にひびが入ることがあり、ひびから水が侵入し、建物内部を損傷する可能性が高まります。
- カビやコケの発生: 外壁にカビやコケが生えることがあり、美観を損ねるだけでなく、健康上の問題も引き起こす可能性があります。
- サイディング外壁の反り: サイディング外壁が反り返ることがあり、外観の損傷や保護機能の低下が起こります。
10年が経過すると、これらの問題が外壁に顕著に現れることが多いため、外壁の状態を定期的に点検し、早めに修理や塗装などの対策が必要になってきます。
理由2 外壁塗装に使用される塗料の寿命が10年だから
外壁塗装の耐用年数は塗料の種類や品質、施工条件などにも影響されますが、一般的な目安として10年ごとに塗り替えが必要と言われているからです。
ただし、
- シリコン塗料
- ラジカル制御型塗料
- フッ素塗料
などの耐久性の高い塗料を使用している場合、10年以上も保てることがあります。
しかし、耐用年数が長い塗料を使用していても以下の要因に注意する必要があります。
耐用年数が長い塗料を使っていても絶対大丈夫とは言い切れない理由
- 施工品質: 塗装工事の施工品質が良くない場合、塗膜の耐久性が低下し、耐用年数が短くなることがあります。適切なプロの業者を選び、品質の高い施工を行うことが重要です。
- 環境条件: 屋外の気象条件や気候、地域によっても塗料の寿命は異なります。例えば、日光や雨、気温の変化が激しい地域では、塗料が早く劣化することがあります。
- 適切なメンテナンス: 外壁を定期的にメンテナンスし、汚れやカビを取り除くことが耐用年数を延ばすのに役立ちます。適切なケアが行われない場合、塗料の劣化が早まる可能性が高まります。
- 外壁の状態: 塗装前の外壁の状態や素材によっても寿命が異なります。外壁が劣化している場合、塗料の耐用年数は短くなることがあります。
したがって、外壁の耐用年数は単純に塗料の種類だけでなく、上記の要因にも影響されます。定期的な点検と適切なメンテナンスが外壁を長持ちさせる鍵となります。必要に応じて専門家の意見を仰ぎ、最適な塗装スケジュールを計画することが重要です。
使用している塗料の耐久年数を調べる方法
- 使用している塗料の製品名や品番がわかる場合は、塗料メーカーのHPで塗料の耐久年数を調べる
- 前回施工した時の見積り書などの書類から確認する
- 前回施工した外壁業者に問い合わせる
- 塗料の種類がわかる場合はおおよその耐久年数がわかる
- 塗料の種類がわかる場合は、おおよその耐久年数を下記の表から調べることができます。
塗料の種類 | 耐久年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 約3〜5年 |
ウレタン塗料 | 約5〜7年 |
シリコン塗料 | 約7〜10年 |
ピュアアクリル塗料 | 約15年〜 |
フッ素塗料 | 約15年〜 |
無機塗料 | 約15年〜 |
理由3 ハウスメーカーが10年ごとの点検で外壁塗装を勧めたことから定着
ハウスメーカーが定期点検などで10年ごとに声がけしたことから、10年が定着したとも言われています。ハウスメーカーが外壁塗装を10年ごとに勧める理由にはいくつかの要因が絡んでいます。
- 保証期間の節目: 多くのハウスメーカーが新築時から外壁の保証期間を10年間と設定しています。このような保証期間が設けられ¥ている場合、節目の点検や保証の提供を行う際に外壁の状態も確認され、必要に応じて外壁塗装の勧告が行われることがあります。
- 点検と保証の一環: ハウスメーカーは住宅の品質と耐久性を保証する責任を負っており、定期的な点検がその一環として行われます。これにより、外壁の劣化や問題が早期に発見され、適切な修繕が行われることが期待されます。
- 塗装の寿命を考慮: 外壁塗装の寿命は通常10年から20年程度とされており、ハウスメーカーが10年ごとに外壁塗装を提案するのは、一般的な塗料の耐用年数に合わせたものです。外壁の保護機能を維持するために、定期的な塗り替えが必要とされます。
- 住宅価値と外観の維持: 外壁の美観は住宅の外観に大きな影響を与えます。外壁が劣化し、色あせたりひび割れたりすると、住宅の外観が損なわれ、価値やアピールが低下する可能性があります。定期的な外壁塗装は、住宅の外観を美しく保ち、住宅価値を維持する役割を果たします。
外壁塗装を20年していない場合に起こるリスク
外壁塗装を20年も放置すると、住宅にさまざまな問題が発生する可能性があります。以下に、外壁塗装を長期間行わないことによる影響について詳しく説明します。
- 外壁の劣化と損傷: 外壁塗装は建物を外部の要素から保護する役割を果たします。20年もの間、外壁が適切に保護されていないと、劣化や損傷が進行し、外壁材料自体が腐食や崩壊する可能性が高まります。これにより、外観の悪化や構造的な問題が発生することがあります。
- 防水効果の喪失: 外壁塗装は防水効果も持っており、雨水や湿気から建物内部を保護します。外壁の塗料が劣化すると、防水効果が低下し、雨漏りや湿気による問題が発生する可能性があります。
- エネルギー効率の低下: 外壁は建物の断熱材としても機能します。外壁塗装が劣化すると、断熱性能が低下し、冷暖房費用が増加する可能性があります。
- シロアリ被害: 外壁が劣化すると、シロアリや他の害虫が侵入しやすくなります。これにより、建物の構造にダメージを与える可能性があります。
- 外観の劣化: 外壁の外観は建物全体の美しさに影響を与えます。外壁塗装が剥がれ、色あせたり、ひび割れたりすると、建物の外観が劣化し、不注意な印象を与えることがあります。
総合的に言って、外壁塗装を放置することは建物の寿命を短縮し、修繕やリフォームの費用を増加させる可能性が高いです。外壁塗装は定期的に行い、建物を適切に保護するために必要なメンテナンスの一部と考えるべきです。外壁の状態を定期的に点検し、必要ならば外壁塗装をすることをお勧めします。
外壁塗装をすべき劣化のサイン
外壁塗装を行うべきかどうかを検討する際には、外壁の劣化症状を正しく把握することが重要です。
外壁塗装を無駄に行わないために、以下に外壁の劣化症状の段階ごとのチェックポイントと、各段階での問題やリスクを説明します。
段階1:ツヤがなくなってくる
最初は光沢がありツヤツヤしていますが、次第に光沢がなくなっていきます。この段階では再塗装の必要はありません。
段階2:変色や色褪せ
次の段階では、外壁塗料が紫外線などの影響で変色や色あせが始まります。色あせは外壁の見た目に影響を与えるだけでなく、外壁の保護機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。段階2以降は外壁塗装をすることを考えましょう。
色あせによって起こる悪影響
- 外壁保護機能の低下: 色あせた外壁は、紫外線や大気汚染からの保護効果が低下しています。これにより、外壁材料へのダメージや劣化が進行しやすくなります。
- 美観の劣化: 色あせた外壁は、建物全体の外観に悪影響を及ぼします。外壁が魅力的でない状態だと、建物の価値やアピールが低下する可能性があります。
- 寿命のサイン: 外壁塗料には耐用年数があり、その寿命を超えた場合に色あせが発生しやすくなります。したがって、色褪せは外壁塗装の寿命が尽きつつあるサインでもあります。
放置するとどうなる?
外壁の色褪せを放置すると、外壁の劣化が進行し、ひび割れや剥がれなどの問題が発生する可能性が高まります。そのため、色褪せが目視できた場合、早めに外壁塗装を検討し、建物の美観を回復させ、保護機能を向上させることが重要です。外壁塗装は建物の寿命を延ばし、価値を維持するための重要なメンテナンス作業の一部です。
段階3:手で触った時に粉がつく
次の段階では、手で触った時に粉がつく「チョーキング現象」が起こります。
チョーキング現象は、外壁塗装の寿命や品質に影響を与える原因になります。建物の外壁がチョーキング現象を示している場合、外壁塗装工事が必要です。
チョーキング現象とは
- 発生原因: チョーキング現象は、主に外壁塗料に使用される顔料と合成樹脂が紫外線や大気中の汚染物質にさらされることで起こります。これらの要因により、外壁塗料中の合成樹脂が分解され、顔料が表面に浮き出て白い粉を形成します。
- 外観: 外壁に白い粉が付着し、手で触ると粉が手に付きます。これにより、外壁の見た目が悪くなります。
- 対処法: チョーキング現象が起きた場合、外壁をきれいに洗浄し、新しい外壁塗装を施すことが一般的な対処方法です。新しい塗料で表面を再び保護し、美観を回復させます。
チョーキング現象を放置するとどうなる?
チョーキング現象を放置すると、外壁に様々な問題が発生する可能性があります。以下は、チョーキング現象の放置がもたらす可能性のある影響についての詳細です。
- 外壁の劣化: チョーキング現象は外壁塗料の劣化を示す兆候です。劣化した塗料は外壁を保護できなくなり、外壁材料自体が劣化しやすくなります。外壁の劣化が進行すると、外壁の表面がひび割れや剥がれる可能性が高まります。
- 防水機能の低下: チョーキング現象により、外壁の防水効果が低下します。雨水や湿気が外壁内部に浸透すると、建物内部への浸水や湿気の侵入リスクが高まります。外壁の防水機能が損なわれると、建物の構造的な問題が発生に繋がります。
- 藻やカビの発生: 外壁の表面が湿っていると、藻やカビの生育に適した環境が整いやすくなります。チョーキングによる防水機能の低下が進むと、外壁に藻やカビが繁殖しやすくなり、建物の外観が損なわれます。
- 外観の悪化: チョーキング現象による色あせや粉状の塗料が外壁に付着すると、建物の外観が劣化し、美観が損なわれます。外壁の美観が悪化すると、建物の価値やアピールが低下する可能性があります。
- 建物全体への影響: チョーキング現象が放置されると、外壁の問題だけでなく、建物全体の耐久性や価値にも影響を与える可能性があります。特に、外壁の構造的な問題が発生すると、建物の修繕費用が増加する可能性があります。
したがって、チョーキング現象を放置せずに早急に対処することが重要です。外壁塗装や修繕が必要な場合、専門家のアドバイスを受け、適切な対策を取ることが建物の保護と長寿命化につながります。
段階4:カビ・コケ・サビの発生
チョーキング現象が起こり防水効果が失われた後は、外壁にカビ、コケ、サビなどの問題が発生しやすくなります。
- コケの発生: 外壁の表面が湿っていると、コケが繁殖しやすくなります。コケは美観を損ね、建物の外観を不鮮明にします。また、コケによって湿度が高まり、外壁材料の劣化や腐食が進行するリスクが増加します。
- カビの発生: コケが生えることで、湿った環境が形成され、カビの発生を促進します。特にカビは建物内部にも侵入し、健康被害やアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
- サビの発生: 外壁に金属部品がある場合、劣化した塗料からの水の浸透や湿度の影響により、サビが発生する可能性があります。サビは金属部品を腐食させ、耐久性を低下させることがあります。
これらの問題が放置されると、建物の外観だけでなく、建物の構造にも悪影響を及ぼす可能性が高まります。
段階5:膨らんでくる
外壁のふくらみ、または気泡状の現象は、外壁材に気泡ができたり、大きなふくらみが現れたり、一部が剥がれたりするトラブルの一つです。
外壁のふくらみの原因
- 1. 塗装の経年劣化: 最も一般的な原因は、外壁の塗装や外壁材料の経年劣化です。外壁や塗装にヒビが入り、雨水や雪が侵入して外壁材料まで到達すると、気泡やふくらみが発生しやすくなります。外壁の状態は日常的に自己点検が難しいため、数年ごとに専門家による点検を受け、ヒビや剥がれなどの劣化状況を確認することが重要です。
- 2. 工事不良: 外壁塗装を行う際、下塗り工程が重要です。下塗りは外壁と塗料が密着するための作業で、不十分に行われると、塗料が外壁の下地から押し上げられ、ふくらみが発生することがあります。また、外壁の塗装は複数の工程に分かれて行われ、塗料がしっかりと乾燥しないうちに次の工程に進むと、塗料中の溶剤が蒸発し、ふくらみの原因になることがあります。
- 3. 材質の不適切: 外壁材料と塗料の組み合わせが適切でない場合、外壁材と塗料の間に隙間ができ、湿気や空気が侵入し、ふくらみを引き起こすことがあります。また、古い材質の外壁材を使用し、現代の塗料と組み合わせた場合にも同様の問題が発生する可能性があります。
外壁のふくらみが早期に発生した場合、外壁塗装業者に連絡して専門家のアドバイスを受けることが重要です。外壁のふくらみは外壁の劣化や施工不良によって引き起こされる問題であり、早めの対処が必要です。
段階6:ひび割れの発生
外壁のひび割れは、経年劣化や耐久性の低下により、外壁が以前の状態を維持できなくなったことを示すサインです。また、地震や振動などの外部要因によってもひび割れが発生しやすくなります。
ひび割れはその大きさに応じて異なる影響を持ちます。以下に主なひび割れのタイプとそれぞれの意味を示します。
大きさ別:ひび割れタイプとそれぞれの意味
- ヘアークラック: 0.3㎜以下の非常に細かいひび割れを指します。これは通常、塗膜の経年劣化が進行していることを示唆します。外壁塗料が劣化し、微細なひび割れが表面に現れることがあります。ただし、ひび割れが0.3㎜以上に広がる場合、建物の構造部分に関連する可能性もあるため注意が必要です。
- 大きなひび割れ: 0.3㎜以上の大きなひび割れは、建物の構造部分に起因することがあります。これは建物の安全性に関わる重要な問題であり、早急に専門家による点検と修復が必要です。地震などの外部要因によっても大きなひび割れが発生する可能性があります。
外壁塗装にかかる費用・期間はどのくらい?
外壁塗装の依頼先の選び方
外壁塗装を依頼する際に、適切な事業者を選ぶことは非常に重要です。
- ハウスメーカー
- 工務店
- ホームセンターや家電量販店
- リフォーム業者
- 外壁修繕・塗装の専門事業者
各事業者の特徴と適した人を見ていきましょう。
1. ハウスメーカー
- 特徴: 自宅を建てたハウスメーカーは、建物データを持っており、スムーズな施工が期待できます。信頼感があり、トラブルに対応してくれる場合が多いです。
- 適した人: 大手ハウスメーカーのブランドや信頼性に安心感を持つ人。
2. 工務店
- 特徴: 地域密着型で信頼できる工務店も多く存在し、カスタマイズ性が高い施工が可能です。リーズナブルな価格帯もあります。
- 適した人: 地域に密着した信頼できる事業者を探す人。塗料や色にこだわりたい人。
3. ホームセンターや家電量販店
- 特徴: 買い物ついでに相談しやすく、手軽に依頼できるメリットがあります。ポイントや分割支払いが利用できることもあります。
- 適した人: 対面で気軽に問い合わせたい人。予算が決まっているプランが好きな人。
4. リフォーム事業者
- 特徴: リフォームと一緒に外壁塗装を依頼でき、足場代を節約できる場合もあります。他のリフォームとの一括依頼が可能です。
- 適した人: 他のリフォームも検討している人。
5. 外壁修繕・塗装の専門事業者
- 特徴: 専門的な知識が豊富で、自社施工事業者はマージンが発生しないため、費用が比較的安く抑えられます。
- 適した人: 塗料にこだわりがある人。費用をできるだけ抑えたい人。
適切な事業者を選ぶ際には、予算、デザイン、信頼性、地域性など、個人のニーズに合ったものを重視しましょう。また、実績や口コミを確認することも大切です。外壁塗装は家の保護や美観に関わる大切な工程なので、慎重に選びましょう。
外壁塗装の費用はいくら?
外壁塗装の費用相場は、
- 建物の延床面積
- 塗装面積
- 塗料の種類
- 作業内容
- 地域
によって異なります。一般的な目安として、以下の表に示した坪数別の費用相場を考えることができます。
坪数に応じて塗装面積が増え、それに伴って費用も上昇します。
坪数 | 費用相場 |
---|---|
10坪 | 約20~50万円 |
20坪 | 約40~90万円 |
30坪 | 約60~100万円 |
40坪 | 約80~130万円 |
50坪 | 約90~160万円 |
60坪 | 約120~200万円 |
70坪 | 約140~230万円 |
80坪 | 約160~260万円 |
90坪 | 約180~280万円 |
100坪 | 約200~310万円 |
- 外壁の素材
- 状態
- 塗料の種類
- 色の変更
- 足場の設置
最終的な費用は、依頼業者による現地調査と見積もりが必要です。
外壁塗装にかかる期間の目安は7〜10日間
外壁塗装の工期は一般的に7日から10日前後が目安とされていますが、
- 季節
- 気象条件
- 塗装する建物の状態
- 職人の人数
など、多くの要因に影響を受けます。
特に、雨や湿気の多い季節や悪天候が続く場合、1ヶ月程度に工期が延びることがあります。適切な工程と手間をかけて塗装作業を行うことが、耐久性や品質を保つために非常に重要です。急いで工事を進めることが、後々の問題を引き起こす可能性があるため、業者選びは慎重に行いましょう。
また、工期が短すぎる場合、工事が適切に行われていない可能性もあるため、信頼性のある外壁塗装業者を選ぶことが大切です。建物の外壁の保護や美観の維持のために、きちんとした工事期間と品質の確保が必要です。
外壁塗装工事の工程
外壁塗装工事は以下の主要な工程から成り立っています。
これらの工程が外壁塗装工事の主なステップです。外壁塗装業者とのコミュニケーションを大切にし、必要があれば工程の進捗状況を確認しましょう。
- 挨拶と工事準備:
- まずは近隣への挨拶を行い、工事についての説明と協力をお願いします。
- 工事現場を準備し、足場を組み立てます。飛散防止ネットも設置します。
- 高圧洗浄:
- 外壁や屋根を高圧洗浄機を使用して汚れや古い塗料を除去します。
- 汚れの度合いや気温によっては、洗浄後に十分な乾燥時間を確保します。
- 下地処理:
- 外壁の下地を点検し、必要に応じて修復や補修を行います。これにはひび割れの処理やパテ埋めが含まれます。
- 養生:
- 塗装しない部分(窓、ドア、付属品など)を保護するためにビニールシートやマスキングテープを使用します。
- 塗装作業:
- 塗装作業は主に3つの工程から成り立っています。
- 下塗り: 下地に接着するための下地塗料を塗布します。
- 中塗り: 塗装のベースを作る中塗りを行います。
- 上塗り: 最終的な外観と耐候性を提供する上塗りを施します。
- 各工程で乾燥時間を確保し、塗料が完全に乾燥するまで待ちます。
- 塗装作業は主に3つの工程から成り立っています。
- 点検と見直し:
- 施工後、業者と一緒に外壁の仕上がりを点検し、不備や塗り残しをチェックします。問題があれば修正作業を行います。
- 足場解体と清掃:
- 足場を解体し、工事現場周辺を清掃します。これにより、建物周辺が元の状態に戻ります。
外壁塗装の寿命を伸ばす5つの方法
外壁塗装の耐用年数を伸ばすための5つの方法を紹介します。これらの方法を組み合わせて、外壁塗装の寿命を最大限に延ばすことができます。自分のニーズや予算に合わせて、最適な方法を選択しましょう。優れた塗料と専門家の手による適切な施工が、外壁塗装の耐用年数を向上させます。
優れた防水性と防カビ性を持つ塗料を選ぶことで、外壁塗装の耐久性を向上させます。
耐久性を大幅に向上させたい場合は、高耐久性のフッ素塗料や無機塗料を検討します。これらの塗料は高価ですが、長寿命の外壁塗装を実現します。
耐久性を向上させるために、艶のある塗料、油性塗料、および2液型の塗料を選ぶことが効果的です。これらの塗料は通常、より耐久性が高く、塗装の寿命を延ばします。
外壁塗装の耐久性を向上させるために、日当たりや風通しを改善し、外壁周辺の植栽や物品を管理します。また、定期的な清掃でカビやコケを取り除きます。
下地処理は塗装の耐久性を確保するために非常に重要です。洗浄や補修を適切に行い、塗料がしっかりと密着する下地を作ります。手抜きをしない優良な業者を選びましょう。
メンテナンスが必要ない外壁は存在するのか
結論から言うと、完全メンテナンスフリーの外壁は存在しません。どんなに優れた外壁を使ってもいつかはメンテナンスしなければなりません。
ただ、少ないメンテナンスで長く使い続けられる外壁なら存在します。メンテナンスが少なくて済む外壁を解説します。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは非常に耐久性が高く、色褪せにくい外壁材です。ただし、日本での普及率が低く、初期費用が高いという課題も存在します。長期間住むことを考える場合は、トータルコストが低くなる可能性もあります。定期的なメンテナンスが少なく、耐候性が高いため、住宅の外観を長期間美しく保ちたい方には適しています。
- 普及率が低い: 日本での樹脂系サイディングの普及率は低く、製造メーカーや施工業者が限られています。そのため、利用したい場合、適切な業者を見つけるのが難しいことがあります。
- 費用が高い: 樹脂系サイディングの製造や施工には高いコストがかかることがあります。初期費用が他の外壁材と比べて高いというデメリットがあります。
- デザインの幅が限られる: 樹脂系サイディングのデザインの幅は比較的狭いことがあり、外観の選択肢が制限される場合があります。
- 色褪せしにくい: 樹脂系サイディングは顔料を練りこんでいるため、色褪せしにくいです。外壁の美観を長期間維持できる特性があります。
- 耐候性が高い: 雨、塩害、凍害などの気象条件に強い素材です。外部の厳しい環境にも耐えることができます。
- 目地コーキングが不要: オープンジョイント工法を使用するため、目地コーキングの劣化の心配がありません。
タイル
タイル外壁は耐久性に優れ、美観を長期間維持できる建材です。初期費用は高いものの、長期的な視点で見ればコストパフォーマンスが高いと言えます。特に、長期間同じ家に住むことを考える場合、タイル外壁はおすすめの選択肢の一つです。ただし、定期的なメンテナンスは必要な点に注意が必要です。
- 高い初期費用: タイル外壁の施工には比較的高い初期費用がかかります。そのため、他の外壁塗装と比べて費用が高いと言えます。
- 目地コーキング・目地モルタルの補修が必要: タイル外壁には目地部分にコーキングやモルタルが使用されます。これらの有機物は紫外線による劣化が進行しやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
- 地震や衝撃による割れ、剥離の可能性: タイルは割れや剥離のリスクがあるため、地震や強い衝撃を受けた場合に損傷する可能性があります。
- 半永久的な耐久性: タイル自体はほぼ半永久的に使用できます。そのため、外壁の素材としては非常に長寿命です。
- 水を吸わず、汚れにくい: タイルは水を吸収しづらく、汚れが付きにくい素材です。外壁の美観を長期間維持しやすい特性があります。
金属製サイディング
金属系サイディングは耐久性が高く、メンテナンスの頻度が低いため、長期的なコストパフォーマンスが良い外壁材と言えます。特に、地震に強い特性を持つため、地震が頻発する地域での利用が有益です。また、デザインの多様性も魅力的で、外観をカスタマイズしたい方に適しています。
- 傷がつくと錆びやすい: 金属系サイディングには傷がつくと、その部分から錆びが発生しやすいというデメリットがあります。特に大きな衝撃を受けた場合、傷がつく可能性が高まります。
- 海沿い地域では塩害を受けやすい: 海沿いの地域では、海水中に含まれる塩分が外壁に付着し、錆びや腐食のリスクが高まります。
- 色褪せや錆びが気になる場合は塗装が必要: 一部の金属系サイディングは、時間と共に色褪せや錆びが発生することがあり、その際に塗装が必要です。
- 軽量で地震に強い: 金属系サイディングは比較的軽量でありながら、地震などの自然災害に強い特性があります。建物全体の耐震性を向上させる助けになります。
- 凍害に強い: 金属は凍結に対して強い素材であり、寒冷地域でも安定性を維持します。
- 多様なデザインの製品がある: 金属系サイディングは多くの種類やデザインがあり、外観を自分の好みに合わせてカスタマイズすることができます。
- 塗装の頻度が低い: 金属系サイディングは錆びにくく、色褪せしにくいため、塗装の頻度が比較的低く済みます。
外壁塗装工事でよくある質問
Q
外壁塗装の費用はどのくらいかかりますか?
A
一般的には、40坪の住宅(塗装面積160㎡、シリコン塗料)で90万円〜120万円程度が相場です。塗装面積や使用する塗料の種類によって異なります。
Q
工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
外壁のみの場合は約10日、外壁と屋根を同時に行う場合は約14日程度かかります。ただ、天候や建物の状態によって日数は変わることがあります。
Q
工事中の生活にどんな影響がありますか?
A
騒音や臭気が発生することがあります。また、足場の設置や養生シートのために窓が開けられないことや、洗濯物が干せないこともあります。事前に工事開始のご連絡はいたしますので、ご安心ください。
まとめ
この記事の要点を以下にまとめました。
実際には、外壁塗装を10年ごとに行っている人は限られています。多くの場合、建物所有者は塗装の必要性を実際の状態に応じて判断し、必要に応じて行います。適切なケアが行われない場合、建物の外観や構造に影響が出る可能性があります。
外壁塗装の寿命は通常約10年が目安とされます。これは、外壁塗装が劣化し、外部要因によるダメージや劣化から建物を保護する期間として設定されています。耐用年数は条件によって異なることに留意する必要があります。
外壁塗装を20年間行わない場合、外壁材料の劣化や色あせ、塗膜の剥がれ、カビや藻の発生など、建物にさまざまなリスクが生じる可能性があります。これらの問題は、建物の寿命を短縮し、修復費用を増やすことにつながります。
外壁塗装が必要なサインには、外壁の色あせ、剥がれ、ひび割れ、カビや藻の発生、外部からの浸水跡、断熱効果の低下、劣化した防水性が挙げられます。これらの兆候が見られた場合、外壁塗装の検討が必要です。
外壁塗装の費用は建物のサイズや状態によって異なりますが、一般的な価格帯としては10坪の建物で約20~50万円程度からです。期間は一般的には7~10日間が目安ですが、季節や天候、塗料の種類などによって変動することがあります。
- 耐久性の高い塗料を選ぶ。
- 艶あり、油性塗料、2液型の塗料を検討する。
- 外壁や周囲のケアを行い、日当たりや風通しを改善する。
- 下地処理を丁寧に行い、塗装の品質を確保する。
- 防水性や防カビ性に優れた塗料を選ぶ。