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マンション大規模修繕のグレードアップ工事を解説|資産価値がアップする?

大規模修繕でマンションをグレードアップさせたい人

大規模修繕でマンションをグレードアップさせたい人

マンションの大規模修繕に援助金はある?
大規模修繕でグレードアップできる?
大規模修繕でグレードアップしたマンションの例を見たい!
大規模修繕でグレードアップすれば資産価値は向上する?
大規模修繕で耐震性を維持できる?

マンションの大規模修繕は建物の劣化や損傷を補修し、新築時の状態に近づける重要な工事です。しかし、単なる修繕にとどまらず、マンションの価値を高めるグレードアップ工事も注目を集めています。

グレードアップとは、文字通り「価値を高める」ことを意味し、マンションの資産価値向上や、賃貸物件の収益性アップを目的とした工事を指します。大規模修繕のタイミングに合わせてグレードアップ工事を行うことで、効率的かつ効果的にマンションの魅力を高められるのです。

この記事では、マンションのグレードアップ工事の必要性や、その規模に応じた費用相場、さらには様々な種類のグレードアップ工事について詳しく紹介します。

これからの修繕計画を控えている、マンションオーナーや管理組合の方々は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

大規模修繕について解説

大規模修繕とは、マンションやビルなどの集合住宅において、外壁のひび割れや塗装の剥がれ、屋上の防水工事や設備の劣化など、建物全体の劣化を防ぎ、修繕するために行われます。建物全体の劣化を防ぎ、長期的な安全性と快適性を維持するために行われる大規模な修繕工事です。通常、10年から20年ごとに計画され、外観の美観を保つだけでなく、建物の構造や設備の性能を向上させることを目的としています。

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マンション大規模修繕とセットでグレードアップ工事を実施すべき理由

大規模修繕の本来の目的は、老朽化した建物の外装や共用施設を新築時の性能に戻すことです。

例えば、美術品であれば、原状に忠実に修復することが適切かもしれません。

しかし、マンションの満室経営を目指すのであれば、時代に合った入居者を集め続ける必要があります。

築20年で大規模修繕中の建物では、20年前の状態に戻しても入居者は魅力を感じません。

グレードアップ工事は、安定経営につながる魅力的なポイントを加え、入居率を高めることが目的です。

マンション大規模修繕のグレードアップ工事をするタイミング

グレードアップ工事は、大規模修繕工事とセットで行う方法が効率的です。

例えば、不要なものを撤去したり、足場を組んだりするタイミングで行うと、作業効率が上がります。

さらに、「次の大規模修繕工事の際にグレードアップ工事を行おう」と考えていても、次回工事の際では対応が遅いかもしれません。

例えば、バリアフリー化を検討している場合、次回の大規模修繕が約10年後となり、住民の高齢化も進んでいます。

現在の住民の年齢層や、入居を促したい年齢層を加味して、積極的にグレードアップ工事を行うことが大切です。

大規模修繕とセットで行われるグレードアップ工事には、様々なレベルがあります。

手軽にできるものから、手間暇がかかるものまで選択肢はいくつかあるため、予算やマンションに取り入れたい機能性を加味して選びましょう。

マンション大規模修繕とグレードアップ工事の費用相場

マンションの大規模修繕の費用は、1戸あたり100万円が相場です。

しかし、グレードアップ工事も行う場合、費用相場は75万円~125万円の範囲、中央値は100万円です。

大規模修繕とグレードアップ工事に必要な相場は、工事の種類によって金額は変わりますが、仮に8階建て40戸であれば、費用の目安は3,000万円~5,000万円となります。

マンション大規模修繕と同時に行うグレードアップ工事の種類

グレードアップ工事を検討するにしても、どのような工事をすれば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。

ポイントは、マンションの性能をアップさせることです。

そこで、マンションの大規模修繕と同時に実施したいグレードアップ工事の種類と、それぞれのポイントを紹介します。

マンション大規模修繕でデザイン性を高めるグレードアップ工事

大規模修繕に代表される、外壁の補修や塗り替えの際のグレードアップ設計変更です。

築年数の古いマンションでは、外壁がクリーム色やベージュ色であることが多いです。

配色を変えるだけでも入居者が魅力を感じる外観デザインになり、印象も良いでしょう。

例えば、単色から2色に変更しても、塗料代はほとんど変わりません。

デザイン部門を持つ塗装会社であれば、通常価格より1割程度高くなるところもあります。

ただし、デザイン会社に外注すると高くつく場合があるため注意が必要です。

外観は重要なため、施工会社を選ぶ際は、見積もり価格だけではなく、デザインセンスもチェックしましょう。

グレードアップによるバリアフリー設計による高齢化対策をマンション大規模修繕で実施

少子高齢化が進む現代、マンションに住む方も高齢化しています。

全国のマンション居住者の約4割を60歳以上の高齢者が占めており、今後も数は増え続けると予想されています。

そのため、マンションでは各部屋の専有部分だけではなく、特に共用部分はバリアフリー化によるグレードアップが求められるでしょう。

高齢者が安心して快適に暮らせることで、「高齢者が暮らしやすいマンション」として認知されれば、資産価値の向上も期待できます。

マンション大規模修繕で二重窓へのグレードアップによる遮熱・遮音性強化

住宅の中で、音や熱が最も外に漏れる箇所は窓やドアなどの開口部でそとにす。

新しい賃貸マンションやアパートではペアガラスの採用が増えていますが、古い賃貸住宅では単板ガラスの窓が一般的です。

ペアガラスも単板ガラスも、断熱性を高める効果はあります。

ただし、防音効果は期待できません。

二重窓は、窓枠ごとペアガラスに交換するよりも割安になることが多いです。

また、二重窓を設置する場合、室内側に設置するタイプと室外側に設置するタイプがあります。

マンションの大規模修繕の際には、二重窓で室内の快適性を高めるグレードアップ工事を検討しましょう。

大規模修繕で屋根外断熱グレードアップによるマンション断熱化

マンションの屋上は、一般的に無断熱か内断熱のどちらかです。

しかし、いずれの場合も屋上のコンクリートスラブには直射日光が当たり、熱が逃げず、特に最上階の部屋は断熱性が低いでしょう。

結露も発生しやすいことが、「夏は暑く、冬は寒い」といわれる所以です。

そのため、屋上防水工事と合わせて断熱グレードアップ工事が推奨されています。

断熱性を高める省エネ工事には、自治体から公的補助金が出る場合もあるため確認しましょう。

マンション大規模修繕の防犯対策グレードアップで安全な暮らしを提供

犯罪は日々巧妙化しており、マンションの共用部分にも防犯対策が求められています。

近年ではエントランスにオートロックを設置しているマンションも多いです。

しかし、オートロックが設置されていないマンションでは、大規模修繕と合わせて導入を検討する必要があります。

また、各部屋の玄関ドアの鍵をシリンダー錠に交換するだけではなく、防犯カメラなどの監視システムを設置するなど、建物内部の防犯対策も有効です。

防犯対策については、自治体の補助金制度はないため、予算に応じてできることから実施していきましょう。

マンション大規模修繕のグレードアップでゴミ収集ボックスを設置して清潔感を向上

古い賃貸マンションではブロック塀で囲まれたゴミ置き場があり、収集日にゴミを出すだけで、カラス除けのネットで覆われていることが多いです。

ネットがかけられていないとゴミが散乱しやすく、見た目もよくありません。

第一印象として、清潔感は大切です。

新築の場合、外から中身が見えない密閉型のゴミ収集ボックスを設置するマンションが増えています。

設置スペースがないときは、折りたたみ式もおすすめです。

マンション大規模修繕で災害に強いマンションにグレードアップする

現在、日本では南海トラフ巨大地震の発生が懸念されています。

マンションの防災工事を実施することで、災害に強いマンションとして認知されるでしょう。

マンションでできる具体的な災害対策としては、自家発電が可能な太陽光発電システムの設置、耐震補強が挙げられます。

1981年5月以前に建てられたマンションは「旧耐震基準」で建てられている可能性があります。

耐震診断を行って耐震基準を満たしていないことが判明した場合は、耐震補強を検討しなければなりません。

耐震診断の結果は、Is値(構造耐震指標)で計算されます。

Is値が0.6未満の場合は、耐震補強を行いましょう。

現在建設中のマンションは新耐震基準で建てられているため、震度6~7程度の揺れでも倒壊しない構造です。

しかし、安全が保証されているわけではありません。

柱の補強、耐震スリットの新設、外枠の新設などの耐震補強工事を実施しているマンションも多いです。

マンションのグレードアップ工事の計画と進め方

グレードアップ工事は、単なる修繕ではなく、マンションの価値向上を目的とした工事です。そのため、通常の大規模修繕工事とは異なり、居住者のニーズや資金計画、業者選定のプロセスがより重要になります。

ここでは、グレードアップ工事を成功させるために必要な計画の立て方と具体的な進め方について解説します。

ニーズの把握と優先順位の設定

グレードアップ工事を計画する際、まずは住民の意見を収集し、どのような改修が求められているのかを明確にすることが重要です。すべての希望を実現することは難しいため、効果やコストを考慮しながら優先順位を決定する必要があります。

居住者アンケートの実施

  • アンケートの目的
    • 住民の不満点や改善希望を把握する。
    • 高齢者や子育て世帯、単身世帯など、さまざまな層の意見を取り入れる
    • 必要性の高い工事を選定するための基礎データを得る。
  • アンケートの実施方法
    • 紙のアンケートとオンラインフォームを併用し、回答率を高める。
    • 選択式の質問に加えて自由記述欄を設け、具体的な要望を把握する
    • 例:「エントランスの美観向上に関心がありますか?(はい/いいえ)」
    • 「共用部分の防犯対策として、防犯カメラの増設を希望しますか?」

必要性や効果を考慮した優先順位の決定

アンケート結果をもとに、管理組合や専門家と協議し、実施すべきグレードアップ工事の優先順位を決定します。

  • 優先度の決め方
    • 安全性に関わる改修(例:バリアフリー化、防犯設備の強化)を最優先。
    • 居住者満足度を向上させる改修(例:エントランスのリニューアル、共用部の快適性向上)を次の優先事項とする。
    • 資産価値向上につながる改修(例:外観の美観向上、省エネ設備の導入)は予算に応じて実施。

このように、「安全性」→「快適性」→「資産価値向上」の順で優先順位を決定するのが一般的です。

予算の確保と資金計画

グレードアップ工事は、通常の修繕工事に比べて費用がかかるため、適切な資金計画を立て、無理のない範囲で実施することが重要です。

修繕積立金の見直し

  • 現在の修繕積立金の残高を確認し、グレードアップ工事にどの程度の資金を割けるかを検討する。
  • 修繕積立金が不足する場合、以下の方法を検討。
    • 一時金の徴収(住民負担が発生するため、慎重に検討)
    • 段階的な改修計画(一度に全てを行わず、数年に分けて実施)
    • 長期的な視点で積立額を見直し、将来のグレードアップ工事に備える

助成金や補助金の活用方法

グレードアップ工事の内容によっては、国や自治体の補助金を活用することで、住民負担を軽減することが可能です。

  • 活用できる可能性のある補助金
    • 耐震改修補助金(耐震補強を伴う場合)
    • 省エネ改修助成制度(LED照明の導入、高断熱窓への交換など)
    • バリアフリー改修補助金(エレベーター改修、手すり設置など)
  • 補助金を活用する際のポイント
    • 申請には事前の審査が必要な場合が多いため、計画段階で情報収集を行う
    • 自治体ごとに条件が異なるため、最新の助成制度を確認する
    • 施工業者やコンサルタントに相談し、最適な補助金を活用する

マンションのグレードアップの工事業者選定と契約のポイント

グレードアップ工事は、通常の修繕工事よりもデザイン性や機能性が求められるため、適切な業者を選ぶことが重要です。施工業者によって提案内容や費用が大きく異なるため、慎重に比較・検討しましょう。

複数業者からの見積もり取得

  • 最低でも3社以上の業者から見積もりを取得し、工事内容と費用を比較する。
  • 「一式」と記載された見積もりは要注意(詳細な内訳を明示してもらう)。
  • 見積もりに「追加工事費」の記載があるか確認し、予算超過を防ぐ

実績や評判の確認

  • 同規模のマンションでの施工実績があるかを確認する。
  • 過去の工事実績を写真や事例付きで提示できる業者を選ぶ
  • 口コミや管理組合の評価を確認し、信頼性の高い業者を選定

契約内容の精査とリスク管理

  • 契約前に以下のポイントを必ず確認する。
    • 施工スケジュール
    • 追加費用の発生条件
    • 工事保証(アフターメンテナンスの有無)
  • 契約書に不明点がある場合は、管理組合の専門家やコンサルタントに確認する。
  • 長期間の保証がついているかをチェックし、アフターサービスの充実した業者を選ぶ

グレードアップ工事は、住民のニーズを反映しながら、計画的に進めることが成功の鍵となります。適切な優先順位を設定し、資金計画を慎重に立て、信頼できる業者を選定することで、マンションの資産価値を向上させ、住みやすい環境を実現することが可能です。

マンション大規模修繕や中規模修繕では共用部分と専有部分を正しく理解しよう

マンション大規模修繕や中規模修繕を計画するためには、共用部分と専有部分の違いを理解しておくことが非常に重要です。これらの区別を明確にしておくことで、修繕の対象範囲や費用分担がスムーズになります。

共用部分と専有部分の違いとは?

まず、マンションにおける共用部分と専有部分の違いを確認しましょう。共用部分とはマンション全体の住民が利用するスペースを指し、管理組合がその維持管理を行います。一方、専有部分は各住戸の居住者が専属的に利用するスペースで、その管理や修繕は住民自身が行う責任があります。

以下の表で、共用部分と専有部分を比較してみましょう。

項目共用部分専有部分
定義住民全員が利用する共有スペース各住戸の住民が専属的に利用するスペース
具体例エントランス、廊下、階段、屋上、外壁、駐車場室内の床、壁、天井、窓枠内側、専用庭
管理責任管理組合が責任を負う各住民が責任を負う
修繕費用管理費・修繕積立金で賄う住民自身が負担
修繕対象の例外壁塗装、防水工事、エレベーター点検室内の壁紙の張り替え、設備の修理

マンションの大規模修繕・中規模修繕を行う際には管理側、住民側双方がしっかりと共用部分と専有部分を把握しておきましょう。

大規模修繕や中規模修繕におけるマンション共用部分と専有部分の関係

マンションの大規模修繕や中規模修繕では、主に共用部分が修繕対象となります。具体的には、外壁や屋上の防水工事、廊下や階段の補修が該当します。一方、専有部分については各住民が自費で修繕を行うことが原則です。

ただし、バルコニーや窓枠など、一部の専有部分が特例的に共用部分とみなされるケースもあります。管理規約によって異なるため、修繕計画を立てる際には必ず事前確認が必要です。住民全員で協力し、計画をスムーズに進めることが、マンションの快適な生活を守るポイントとなります。

大規模修繕工事でよくある質問

ここでは大規模修繕工事に関する質問について回答します

Q

大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。

Q

バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?

A

バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。

Q

工事期間中、エアコンは使えますか?

A

基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。

Q

大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?

A

塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。

Q

大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?

A

できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。

Q

修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?

A

築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。

Q

大規模修繕工事の費用相場は一般的にいくらですか?

A

大規模修繕工事の費用について一般的な相場としては、1戸あたり約100万円前後が目安です。マンション全体の規模が大きい場合には、修繕費用が1億円を超えることもあります。また、マンションの劣化が激しい場合や、質の高い塗装を希望する場合には、さらに費用が高くなることがあります。

大規模修繕の際にマンションの設備をグレードアップさせよう

マンションで行われる大規模修繕は、新築時の状態に近づけるための工事です。

しかし、2回目以降の大規模修繕からは「グレードアップ工事」も行うことが求められます。

グレードアップ工事は、マンションの性能を現在の住環境や生活水準に合わせてグレードアップし、より住みやすい環境にして資産価値を高める方法です。

グレードアップ工事には様々な種類があるため、2回目以降の大規模修繕の予算を基に検討しましょう。

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