
屋根へのパラペット防水工事とは?費用・施工方法・種類・注意点などを解説
2025/10/01
マンションやビルの屋上には必ずといってよいほど設置されている「パラペット」。
建物の安全性や意匠性を保つ役割を果たす一方で、防水工事において重要なポイントにもなります。
本記事では、パラペット防水工事の役割・劣化症状・施工方法・費用相場・注意点をわかりやすく解説します。
屋上防水を検討中の方、建物の修繕を計画している管理組合やオーナーの方に役立つ内容となっております。
パラペット防水工事を成功させるために必要な知識を、専門用語をできるだけ避けながら分かりやすくお伝えいたします。
目次
パラペットとは?屋根と防水工事の関係
パラペットは、建物の屋上や屋根の端部に設置される低い壁状の構造物です。
主に鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物で採用され、建物の外観を美しく見せる意匠的な役割と、屋上からの転落防止という安全上の役割を担っています。
パラペットが防水工事において重要な理由は、この部分が建物で最も雨水の影響を受けやすい箇所だからです。
屋上に降った雨水は重力によって低い部分に集まり、最終的にはパラペット周辺に集中します。
そのため、パラペット部分の防水処理が不十分だと、建物内部への雨漏りの原因となってしまいます。
特に注意が必要なのは、パラペットと屋上面の接合部分です。
この部分は構造的に複雑で、施工時の納まりが難しく、経年劣化による防水層の破断が起こりやすい箇所となっています。
また、パラペットの上部に設置される笠木(かさぎ)と呼ばれる仕上げ材の隙間からも雨水が浸入する可能性があります。
建物の長寿命化を図るためには、屋上防水工事と併せてパラペット部分の防水工事を適切に行うことが不可欠です。
定期的なメンテナンスと適切な防水工事により、建物の資産価値を維持し、快適な住環境を保つことができます。
パラペット屋根防水工事の種類と特徴
パラペット防水工事には、劣化状況や予算、建物の用途に応じて複数の工法があります。
それぞれの工法には特徴とメリット・デメリットがあるため、専門業者による現地調査を基に最適な工法を選択することが重要です。
シーリング工事による防水補強
シーリング工事は、パラペットのひび割れや接合部の隙間を専用のシーリング材で充填する工法です。
比較的軽微な劣化に対する応急処置として効果的で、工期が短く費用も抑えられるのが特徴です。
使用されるシーリング材は、ウレタン系、シリコン系、変成シリコン系などがあり、それぞれ耐候性や接着性が異なります。
パラペットの材質や劣化状況に応じて適切な材料を選択する必要があります。ただし、シーリング工事は根本的な解決策ではなく、あくまで一時的な補修として考える必要があります。
ウレタン塗膜防水(密着・通気緩衝)
ウレタン塗膜防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
パラペット防水工事で最も多く採用される工法の一つで、複雑な形状にも対応できる柔軟性が特徴です。
密着工法は既存の下地に直接ウレタンを塗布する方法で、工期が短く費用も比較的安価です。
一方、通気緩衝工法は下地との間に通気層を設けることで、下地からの湿気による膨れを防ぐことができます。
パラペット部分は雨水が集中しやすいため、通気緩衝工法の採用が推奨されることが多くあります。
シート防水(塩ビ・ゴム)
シート防水は、工場で製造された防水シートを現場で接着・溶着して防水層を形成する工法です。
品質が安定している上、施工精度が高く、長期間の耐久性を期待できます。
塩ビシートは耐候性に優れ、紫外線による劣化に強いのが特徴です。
ゴムシートは柔軟性が高く、建物の微細な動きにも追従できます。
パラペット部分では、立ち上がり部分の施工が重要になるため、熟練した技術者による施工が必要です。
アスファルト防水
アスファルト防水は、改質アスファルトシートを複数層重ねて防水層を形成する工法です。
防水性能が高く、長期間の耐久性に優れているため、重要な建物で採用されることが多くあります。
トーチ工法と冷工法があり、トーチ工法はバーナーでシートを加熱しながら接着する方法で、冷工法は接着剤を使用する方法です。
パラペット部分では火気使用に制限がある場合もあるため、冷工法が選択されることもあります。
笠木金物交換・カバー工法
パラペットの上部に設置される笠木の劣化が進んでいる場合は、笠木自体の交換やカバー工法による補修が必要になります。
笠木は雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担っているため、適切な施工が求められます。
既存の笠木を撤去して新しいものに交換する方法と、既存の笠木の上から新しい笠木を被せるカバー工法があります。
カバー工法は費用を抑えられる一方、パラペットの高さが若干高くなるため、建物の外観への影響を考慮する必要があります。
パラペット屋根防水工事の施工手順
パラペット防水工事を成功させるためには、適切な施工手順を踏むことが不可欠です。
各工程での品質管理を徹底することで、長期間にわたって建物を雨水から守ることができます。
1.現地調査・劣化診断
工事着手前の現地調査は、最適な工法選択と正確な見積もり算出のために欠かせません。
専門技術者がパラペット部分の劣化状況を詳細に調査し、雨漏りの原因を特定します。
調査項目には、防水層の膨れや破断、笠木の浮きや損傷、シーリング材の劣化状況などが含まれます。
また、赤外線サーモグラフィーを使用して、目視では確認できない内部の湿潤状況を把握することもあります。
この調査結果を基に、最適な工法と施工範囲が決定されます。
2.既存防水層の撤去・下地処理
既存の防水層に重大な劣化が見られる場合は、部分的または全面的な撤去作業を行います。
撤去作業では、下地のコンクリートを傷つけないよう注意深く作業を進めます。
下地処理では、コンクリートのひび割れ補修、不陸調整、プライマー塗布などを行います。
特にパラペット部分は雨水が集中するため、入念な下地処理が後の防水性能を大きく左右します。
必要に応じて、下地の乾燥期間を十分に確保することも重要です。
3.新規防水層の施工
選択された工法に応じて、新しい防水層を施工します。ウレタン塗膜防水の場合は、プライマー塗布、下塗り、中塗り、上塗りの順序で作業を進めます。
各工程間では十分な乾燥時間を確保することが重要です。
パラペット立ち上がり部分では、屋上面との接合部に特に注意を払います。
この部分は応力が集中しやすいため、補強シートの貼り付けや厚塗りによる補強を行います。
また、施工中の天候にも注意を払い、雨天時の作業は避けるのが原則です。
4.仕上げ・笠木の設置・コーキング処理
防水層の施工完了後、トップコートの塗布や保護シートの貼り付けを行います。
これにより紫外線や物理的な損傷から防水層を保護します。
笠木の設置では、適切な勾配を確保して雨水の排水を促進します。
笠木とパラペットとの接合部には、耐候性に優れたシーリング材を充填し、雨水の浸入を完全に防ぎます。
コーキング処理は熟練技術者が行い、美観と防水性能を両立させます。
5.完成検査と保証
施工完了後は、漏水検査や外観検査を実施して施工品質を確認します。
必要に応じて散水試験を行い、実際の雨水による漏水がないことを確認します。
検査に合格した後、施工業者から保証書が発行されます。
保証期間や保証内容を明確にし、アフターサービスの体制についても確認しておくことが重要です。
定期点検の実施により、防水性能を長期間維持することができます。
パラペット屋根防水工事の費用相場
パラペット防水工事の費用は、選択する工法、劣化状況、建物の規模などによって大きく変動します。
適切な予算計画を立てるために、各工法別の費用相場を理解しておくことが重要です。
工法別の費用目安(ウレタン・シート・アスファルト)
各防水工法の単価相場をまとめると以下のようになります。
これらの価格は材料費と施工費を含んだ目安であり、実際の費用は現地の状況により変動する可能性があります。
工法名 | 単価(㎡あたり) | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|
ウレタン塗膜防水(密着) | 4,000~6,000円 | 10~12年 | 複雑形状対応可、工期短 |
ウレタン塗膜防水(通気緩衝) | 5,500~7,500円 | 12~15年 | 膨れ防止効果、高耐久 |
塩ビシート防水 | 6,000~8,000円 | 15~20年 | 高耐候性、品質安定 |
ゴムシート防水 | 5,000~7,000円 | 12~15年 | 高柔軟性、追従性良 |
アスファルト防水 | 6,500~9,000円 | 17~20年 | 高防水性、長期耐久 |
上記の費用相場は標準的な施工条件での目安です。
パラペット部分は立ち上がり施工が必要なため、平面部と比較して割増料金が発生することが一般的です。
また、笠木の交換が必要な場合は、別途費用が加算されます。
劣化状況・建物規模による費用の違い
既存防水層の劣化状況により、必要な工事内容と費用が大きく変わります。
軽微な劣化であれば部分補修で対応できますが、全面改修が必要な場合は費用が大幅に増加します。
建物規模による費用の違いを以下にまとめました。
- 小規模建物(パラペット延長30m未満):㎡単価1.2~1.5倍の割増
- 中規模建物(パラペット延長30~100m):標準単価での施工
- 大規模建物(パラペット延長100m以上):㎡単価0.8~0.9倍のスケールメリット
- 高層建物(5階建て以上):足場費用により総額20~30%増
これらの費用差は、施工効率や材料の調達コスト、足場設置費用などの違いによるものです。
複数の業者から見積もりを取得し、費用対効果を検討することが重要です。
足場設置費や諸経費も含めた総額イメージ
パラペット防水工事では、防水工事費以外にも様々な費用が発生します。
総予算を検討する際は、これらの付帯費用も含めて計算する必要があります。
費用項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
足場設置費 | 800~1,200円/㎡ | 建物高さにより変動 |
養生・清掃費 | 工事費の5~8% | 近隣配慮含む |
産業廃棄物処理 | 30~50円/kg | 撤去量により変動 |
諸経費 | 工事費の10~15% | 現場管理費等 |
例えば、延長50mのパラペットでウレタン塗膜防水を行う場合、立ち上がり高さを1.2mとすると施工面積は60㎡となります。
工事費36万円に足場費等を加えると、総額50~60万円程度の予算が必要になる計算です。
実録!新東亜工業の施工事例|2階建て戸建の外壁塗装・防水工事
雨漏りのトラブルから始まった緊急のご相談。
ここでは、杉並区にある2階建て戸建住宅で実施した「外壁塗装」と「屋上防水工事」の様子を、お客様との実際の会話を交えながらご紹介します。
雨漏りの原因調査から現地調査、見積り説明、打ち合わせ、施工、引き渡しまでを丁寧に追いかけており、これからご自宅の修繕をご検討される方にとっても参考になる事例です。
ご相談内容
雨漏りをきっかけにお電話いただいたことが、今回の工事の発端でした。
地下階の天井から水が垂れてくるという深刻な状況で、当社としても迅速な対応が求められる現場でした。
担当者:お世話になっております。新東亜工業の担当です。
お客様:こんにちは、自宅なんですけど雨漏りしてて、見に来てもらえますか?
担当者:分かりました、早めに伺いますね。明後日の午前10時はいかがでしょう?
お客様:はい、大丈夫です。お願いします!
工事の概要|工事金額と期間

外壁塗装 施工前

外壁塗装 施工後
以下は、今回の工事内容と建物情報をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
建物種別 | 戸建住宅(2階建て+地下) |
所在地 | 東京都杉並区 |
工事内容 | 外壁塗装、屋上防水、床タイル補修、シーリング打ち替え、鉄部塗装 |
工法 | ウレタン防水(密着工法)、砂骨ローラー仕上げ、シリコン塗料3回塗り、防水クリア塗装など |
特記事項 | 雨漏り対策として床タイルやシーリングの重点補修、改修用ドレン設置 |
工事金額:197万円 / 工事期間:30日間
現地調査で判明した劣化症状
現地調査では、地下の天井からの雨漏りを確認し、屋上や外壁の複数箇所に劣化が見つかりました。
特にALC外壁のシーリング劣化、玄関床タイルのひび、屋上防水層の切れが深刻でした。
担当者:外壁のこの目地、シーリングが硬化してひび割れてますね。
お客様:ほんとだ…全然気にしてなかったです。
担当者:ここから雨水が侵入している可能性があります。タイルのひびも怪しいので補修しますね。
お客様:お願いします!
屋上も既存のウレタン防水が切れており、モルタル補修と再防水を行う必要がありました。
施工中のやり取りと配慮
施工中は進捗報告を欠かさず、生活への配慮も丁寧に行いました。
雨の日の洗濯、騒音、においへの配慮、また材料の仮置き場所や駐車スペースの確認も徹底しました。
担当者:防水工事中なのですが、雪止めが浮いていたので補強しておきますね。
お客様:ありがとうございます。雨漏りしないようにしてくれたら大丈夫です。
お客様のご予定も考慮しながら、帰宅時間に合わせて塗装工程を調整するなど、現場ごとの工夫も随所に。
引き渡し時のご感想
工事が終わり、最も気がかりだった「雨漏り」が無事に止まり、安心されたご様子でした。
担当者:地下の雨漏り、止まりましたか?
お客様:おかげさまで止まってます。高井さんの言う通り、タイルとシーリングが原因だったみたいです。
施工完了後も、今後の相談窓口としてお声がけいただける関係性が築けました。
今回の工事では、以下のような課題を解決しました。
- 地下の雨漏りを止めるため、外壁シーリング・床タイルの補修を実施
- 屋上の防水層を密着工法で補修し直し、改修用ドレンで雨水排出機能を強化
- 外壁の美観と耐久性向上のため、3回塗りでの外壁塗装を実施
また、進捗報告や相談体制、色の決定など、お客様との密なコミュニケーションによって、安心・納得の工事を実現できました。
パラペット屋根防水工事を成功させるポイント
パラペット防水工事を成功させるためには、単に工事を行うだけでなく、計画的かつ戦略的なアプローチが必要です。
長期的な建物保全の観点から、重要なポイントを押さえておきましょう。
劣化症状を早期に見逃さない
パラペット部分の劣化は段階的に進行するため、早期発見・早期対応が修繕費用の抑制につながります。
定期的な点検により、重大な損傷に至る前に適切な対策を講じることができます。
注意すべき劣化症状として以下の項目が挙げられます。
- 防水層の膨れや破断・亀裂の発生
- 笠木の浮きや欠損・変色
- シーリング材の硬化・剥離
- パラペット周辺での水たまりの発生
- 室内での雨漏りや湿気の発生
これらの症状を発見した場合は、専門業者による詳細調査を早急に実施することをお勧めします。
軽微な段階での補修であれば、大規模改修と比較して費用を大幅に抑制できる可能性があります。
屋根防水とセットで施工するメリット
パラペット防水工事は、屋上防水工事と同時に実施することで多くのメリットを享受できます。
総合的な防水性能の向上と工事費用の最適化を図ることができます。
セット施工による具体的なメリットは以下の通りです。
- 足場設置費用の共通化による費用削減
- 防水層の連続性確保による性能向上
- 工期短縮によるコスト削減
- 施工品質の統一化
- 保証体制の一元化
特に大規模修繕工事の時期には、屋上全体の防水計画を策定し、パラペット部分も含めた総合的な改修を検討することが重要です。
長期修繕計画との整合性を図りながら、効率的な工事実施を目指しましょう。
アフター点検・保証体制の確認
工事完了後のアフターフォロー体制は、防水工事の品質を長期間維持するために不可欠です。
信頼できる施工業者は、充実したアフターサービスを提供しています。
確認すべきアフターサービスの内容として以下の項目があります。
- 保証期間と保証範囲の明確化
- 定期点検サービスの実施
- 緊急時対応体制の整備
- メンテナンス用部材の確保
- 施工記録・図面の提供
保証書には、保証期間、保証対象、免責事項などが明記されているため、内容を十分に確認しておくことが重要です。
また、定期点検を受けることで、保証期間中の不具合を早期発見し、無償修理の対象とすることができます。
専門業者選びのチェックポイント
パラペット防水工事の成功は、信頼できる専門業者の選択にかかっています。
技術力、実績、対応力などを総合的に評価し、最適な業者を選定することが重要です。
業者選定時の重要なチェックポイントをご紹介します。
- 防水工事業の許可・資格の保有状況
- パラペット防水工事の施工実績
- 現地調査の詳細さと提案力
- 見積もりの透明性と詳細度
- 施工体制と品質管理システム
- アフターサービスの充実度
- 財務状況と事業継続性
複数の業者から見積もりを取得し、価格だけでなく提案内容や対応品質も比較検討することをお勧めします。
極端に安価な見積もりには注意が必要で、必要な工程が省略されている可能性もあります。
適正価格で高品質な工事を提供する業者を選択しましょう。
補助金・助成金でパラペット防水工事費を抑える方法
パラペット防水工事費用の負担軽減を図るため、国や自治体が提供する各種補助制度の活用を検討することができます。
適用条件を満たす場合は、工事費用の一部が補助される可能性があります。
国・自治体の防水工事補助制度
建物の長寿命化や省エネルギー化を目的とした補助制度が、国や各自治体で実施されています。
これらの制度を活用することで、防水工事費用を大幅に削減できる場合があります。
主な補助制度として以下のようなものがあります。
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 各自治体の住宅リフォーム助成制度
- マンション共用部分リフォーム融資
- 災害復旧関連の修繕補助制度
補助制度の内容は年度ごとに変更される場合があるため、工事計画の策定時には最新の情報を確認することが重要です。
また、申請手続きには一定の期間を要するため、余裕をもったスケジュール設定が必要です。
省エネ・ヒートアイランド対策との関連
近年、都市部のヒートアイランド現象緩和や建物の省エネルギー化が重要な課題となっています。
パラペット防水工事と併せて遮熱・断熱対策を実施することで、環境対策関連の補助制度を活用できる可能性があります。
環境対策との関連で検討できる施策として以下があります。
- 遮熱性能を持つ防水材料の採用
- 屋上緑化工事との組み合わせ
- 太陽光発電システム設置との連携
- 高反射率塗料による省エネ対策
- 断熱材設置による建物性能向上
これらの対策を防水工事と同時に実施することで、複数の補助制度を重複して活用できる可能性があります。
ただし、各制度の適用条件や併用可能性については、事前に十分な確認が必要です。
申請手続きの流れと注意点
補助金・助成金の申請には、適切な手続きと必要書類の準備が不可欠です。
申請から交付まで数か月を要する場合もあるため、工事スケジュールとの調整が重要になります。
一般的な申請手続きの流れは以下の通りです。
- 補助制度の調査・適用条件の確認
- 申請書類の準備・施工業者との調整
- 事前申請の提出・審査結果の通知
- 工事着手・中間検査の実施
- 工事完了・完了報告書の提出
- 最終検査・補助金の交付決定
申請時の注意点として、工事着手前の事前申請が必須であることが挙げられます。
工事を開始してからでは申請できない制度が多いため、計画段階での情報収集と早期申請が重要です。
また、申請書類の不備や手続きの遅れにより、補助を受けられなくなる場合もあるため、専門業者のサポートを受けることをお勧めします。
パラペット屋根防水工事に関するよくある質問【FAQ】
パラペット防水工事に関して、多くのお客様から寄せられる疑問にお答えします。
これらの情報が、適切な判断を行うための参考になれば幸いです。
Q.パラペットの防水工事は何年ごとに必要ですか?
パラペット防水工事の実施時期は、採用する防水工法と建物の使用環境により大きく異なります。
一般的には、ウレタン塗膜防水で10~15年、シート防水で15~20年、アスファルト防水で17~20年程度が目安とされています。
ただし、海岸近くの建物や工場地帯など、厳しい環境条件下では劣化が早まる可能性があります。
また、建物の使用状況や維持管理の状況によっても耐用年数は変動します。
重要なのは定期的な点検を実施し、劣化症状が現れた段階で適切な対応を取ることです。
Q.パラペットの笠木交換と防水工事は同時に行った方が良いですか?
笠木の劣化が認められる場合は、防水工事と同時に交換することを強くお勧めします。
笠木は雨水の浸入を防ぐ最後の砦であり、この部分の不具合は建物全体の防水性能に大きな影響を与えます。
同時施工のメリットとして、工事費用の削減、工期の短縮、施工品質の向上、保証体制の一元化などが挙げられます。
また、防水層と笠木の取り合い部分の施工精度も向上するため、長期的な防水性能の維持に有効です。
Q.防水工事だけで雨漏りは完全に防げますか?
適切に施工された防水工事により、パラペット部分からの雨漏りは高い確率で防ぐことができます。
ただし、建物の雨漏り原因は複合的であることが多く、パラペット以外の部分に原因がある場合もあります。
雨漏りの完全な解決のためには、建物全体の防水状況を把握し、必要に応じて他の部分の補修も検討する必要があります。
専門業者による詳細な調査を基に、総合的な対策を立案することが重要です。
Q.費用を抑えるコツはありますか?
パラペット防水工事の費用を抑えるためのコツとして、複数の方法があります。
最も効果的なのは、劣化が軽微な段階での早期対応です。大規模な改修が必要になる前に補修を行うことで、費用を大幅に削減できます。
その他の費用削減方法として、屋上防水工事との同時施工、複数業者からの相見積もり取得、補助金制度の活用、適切な工法の選択などがあります。
ただし、過度な費用削減は品質低下につながる可能性があるため、適正価格での施工を心がけることが重要です。
Q.DIYで補修するのは可能ですか?
パラペット防水工事は高度な専門技術と経験を要する工事のため、DIYでの施工はお勧めできません。
不適切な施工により防水性能が損なわれ、かえって被害が拡大する可能性があります。
軽微なシーリング補修程度であれば、応急処置としてDIYで対応することも可能ですが、根本的な解決には専門業者による適切な工事が必要です。
また、高所作業となるため、安全面からも専門業者への依頼をお勧めします。
まとめ
パラペット屋根防水工事は、建物の長寿命化と資産価値維持のために欠かせない重要な工事です。
本記事では、工法の種類から費用相場、施工手順、成功のポイントまで幅広く解説してまいりました。
パラペット防水工事を成功させるための重要なポイントをまとめると以下のようになります。
- 定期的な点検により劣化症状を早期発見する
- 建物の状況に応じた最適な工法を選択する
- 信頼できる専門業者を選定し適切な施工を行う
- 屋上防水工事との同時施工でコストメリットを活用する
- 補助金制度を活用して費用負担を軽減する
- 充実したアフターサービス体制で長期的な品質を維持する
- 適正価格での施工により品質と費用のバランスを図る
これらのポイントを押さえることで、効果的なパラペット防水工事を実現し、建物を長期間にわたって雨水から守ることができます。
工事の実施を検討される際は、複数の専門業者から提案を受け、十分な比較検討を行った上で最適な判断を行うことをお勧めします。
建物の維持管理は継続的な取り組みが重要であり、計画的なメンテナンスにより快適で安全な建物環境を維持していきましょう。