大規模修繕でベランダタイルはどうする?対処法を解説
2026/03/04
マンションの大規模修繕工事が近づくと、「ベランダに敷いているタイルはどうすればいいの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
タイルは見た目や快適性のために設置したされていますが、修繕工事では防水工事や下地補修のために撤去を求められるケースがほとんどです。
さらに、「撤去や再設置にかかる費用を誰が負担するのか」という点もトラブルになりやすいですよね。
今回は、大規模修繕におけるベランダタイルの取り扱いについて徹底調査しました!
- 撤去が必要な理由
- 具体的な流れ
- 費用相場
- 防水工事との関係
- トラブルを未然に防ぐためのポイント
こちらについて、施工実績5,000件以上の新東亜工業が専門家の視点で丁寧に解説します。
これから修繕を控えている管理組合の理事・修繕委員やオーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
大規模修繕でベランダタイルの撤去が必要な理由

大規模修繕工事ではベランダも施工範囲に含まれるため、タイルの撤去が求められます。
ここでは、撤去が必要となる根本的な理由を3つの観点から解説していきますね。
ベランダは共用部分|専用使用権の正しい理解
マンションのベランダやバルコニーは、普段は各住戸の居住者が自由に使用していますが、建物の構造上は「共用部分」に位置づけられています。
国土交通省のマンション標準管理規約第14条では、バルコニー等に対して「専用使用権」を認めていますが、あくまでも共用部分の一部となります。
つまり、ベランダの床面や防水層は管理組合の管理対象であり、大規模修繕工事では共用部分として工事範囲に含まれることに。
居住者が個人的に設置したタイルやウッドデッキは「私物」として扱われることになるため、工事の支障になる場合には撤去する責任が設置者側に発生することとなります。
なお、大規模修繕工事の詳細については、新東亜工業のサービスページでもご確認いただけますのでぜひチェックしてみてください。
防水工事にタイル撤去が不可欠な理由
大規模修繕のベランダ工事では、防水層の点検・補修が主な目的となります。
タイルが敷かれたままでは、防水層の状態を正確に確認できません。
目に見えない部分で亀裂や膨れが進行していることもあり、タイルの下で雨水が浸入していた場合は発見が遅れてしまいます。
特にウレタン塗膜防水では塗布面の均一性が重要であり、わずかな凹凸や異物があるだけでも防水性能が大きく低下する可能性があるので注意してください。
そのため、防水工事を適切に実施するためには、ベランダタイルの全面撤去が不可欠となります。
タイルを撤去しないまま工事をするリスク
「タイルはそのままにしておきたい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、撤去せずに工事を進めた場合には次のようなリスクが生じます。
- 防水層の劣化箇所が発見されず、工事後に雨漏りが再発する可能性がある
- 排水口がタイルで塞がれ、水はけ不良やベランダ内の浸水が起こりやすくなる
- 大規模修繕後の防水保証が適用されなくなるケースがある
- 工事中にタイルが破損した場合、責任の所在があいまいになりトラブルの原因になる
タイルを放置したまま工事を進めると、将来的に大きな修繕費用が発生するおそれがあります。管理組合や施工業者の指示には、必ず従うようにしましょう。
ベランダタイルの撤去・保管・再設置の流れ

大規模修繕におけるベランダタイルの取り扱いは、次のような段階で進めることができます。
- 撤去
- 保管
- 再設置
それぞれの具体的な手順とポイントを確認しておきましょう。
タイル撤去の具体的な手順
ベランダタイルの撤去作業は、工事開始前に完了させておく必要があります。
次にご紹介するステップで進めるのが一般的です。
STEP1
工事スケジュールの確認
管理組合や施工業者から案内される工事説明会に参加し、ベランダの工事時期と片付けの期限を確認しましょう。
工区ごとに工事時期が異なるため、自室がいつ対象になるか把握しておくことが大切です。
STEP2
タイルの状態を写真で記録する
撤去前にベランダタイルの配置や状態を写真に残しておきます。
設置時の参考になるほか、万が一破損や紛失があった場合の証拠にもなります。
STEP3
タイルを1枚ずつ取り外す
ジョイント式タイルの場合は、端のタイルからマイナスドライバーなどを差し込んでジョイント部分を外し、順番に剥がしていきます。
接着式タイルの場合は、下地を傷めないよう慎重にヘラ等で剥がしましょう。
STEP4
タイルの洗浄と乾燥
剥がしたタイルの裏面には汚れやカビが付着していることが多いため、水洗いしてからしっかり乾燥させます。
設置を予定している場合は、この作業が非常に大切になります。
STEP5
保管場所へ移動する
洗浄・乾燥が終わったタイルは、室内やトランクルームなどの保管場所に運びます。
裏面に番号を振っておくと、再設置時に元の配置が分かりやすくなります。
保管時の注意点と保管場所の選び方
撤去したベランダタイルは、工事期間中にわたって保管する必要があります。
この期間は通常2ヶ月から6ヶ月ぐらいかかると考えておきましょう。
タイルの保管場所は室内が基本ですが、スペースが確保できない場合はトランクルームやレンタル倉庫の利用も検討してみてくださいね。
保管方法ですがタイルは湿気や衝撃に弱い製品もあるので、布や緩衝材で包んで保管する方法がおすすめです。
また、タイルの枚数が多い場合は重量もとても重くなってしまうため保管場所の床への負担にも配慮することが大切です。
なお、共用廊下や階段などの共用部にタイルを放置することは、避難経路の確保の観点から禁止されていますので注意してください。
工事完了後の再設置のポイント
大規模修繕が完了し、ベランダが再使用可能になったら、保管しておいたタイルを戻す作業に入ります。
再設置するときは、新しく施工された防水層を傷つけないよう注意が必要です。
また、再設置する前にタイルの破損状況を確認しておきましょう。
劣化が進んでいるタイルは無理に再利用せず、新調することも大切です。
工事後は排水勾配が変わっている可能性もあるため、タイルを敷いた後に水はけを確認し、排水口の周辺にはタイルを敷かないようにすることも重要なポイントです。
大規模修繕のベランダタイル撤去にかかる費用と負担者

ベランダタイルの撤去にはどのくらいの費用がかかるのか、また誰が負担するのか気になりますよね。
ここからは修繕工事でよく寄せられるこの疑問について、具体的な金額の目安と合わせて解説します。
タイルの種類別にみる撤去費用の目安
ベランダに敷いたタイルの撤去費用は、タイルの種類や施工方法、ベランダの広さによって変わってきます。
こちらの表は、一般的なタイルの種類ごとの撤去費用の目安です。
| タイルの種類 | 撤去の難易度 | 費用目安(10㎡あたり) |
|---|---|---|
| ジョイント式タイル(置き型) | 低い(自力で可能) | 0円~6万円程度 |
| 接着式タイル | やや高い | 3万~8万円程度 |
| モルタル固定タイル | 高い(専門業者推奨) | 8万~10万円以上 |
ジョイント式のベランダタイルであれば、道具がなくても手作業で取り外しが可能な場合がほとんどです。
一方、接着式やモルタルで固定されたタイルは、専門業者への依頼が必要になり、費用も高くなる傾向にあります。
また、撤去だけでなく処分を依頼する場合には、別途で廃棄費用がかかることも注意してくださいね。
費用負担の原則|自己負担か管理組合負担か
タイルの撤去費用については、原則として設置した居住者(区分所有者)の自己負担となります。
国土交通省のマンション標準管理規約第21条では、バルコニー等の通常使用に伴う管理は専用使用権を有する者の責任と負担で行うものと定められています。
ベランダに敷いたタイルは居住者が私的に設置した「私物」にあたるため、管理組合が費用を負担するケースはほとんどありません。
修繕に備えて、あらかじめ撤去費用を確保しておくと安心ですね。
賃貸物件の場合のオーナー・入居者の責任範囲
投資用マンションなど賃貸に出している物件では、タイルの設置者が誰かによって費用負担者が変わります。
- オーナーがタイルを設置した場合
- 入居者が自費で設置した場合
いずれの場合も、契約書や管理規約を事前に確認しトラブルを未然に防ぐことが大切です。
ベランダタイルと防水工事の関係を知っておこう

大規模修繕のベランダ工事では、防水工事が最も重要な項目の1つです。
タイルと防水工事がどのように関わっているのか、工法の種類と合わせて理解しておきましょう。
大規模修繕で行われる主な防水工法
ベランダ・バルコニーの防水工事には複数の工法があり、建物の状態や予算に応じて最適な方法が選択されます。
主な工法の特徴を以下にまとめました。
| 工法 | 特徴 | 耐用年数の目安 | 費用目安(1㎡あたり) |
|---|---|---|---|
| ウレタン塗膜防水 | 液状ウレタンを塗布し防水層を形成。 複雑な形状にも対応しやすい | 10〜12年 | 3,000〜7,500円 |
| FRP防水 | ガラス繊維と樹脂で硬い防水層を形成。 耐久性が高く歩行に強い | 10〜12年 | 4,000〜8,000円 |
| シート防水 | 塩化ビニルなどの防水シートを貼り付ける工法。 広い面積に向いている | 10〜15年 | 2,500〜7,500円 |
マンションのベランダではウレタン塗膜防水が最も多く採用されています。
いずれの工法でも、タイルが敷かれた状態では施工面の均一性が確保できないため、タイルの撤去が必須となることがわかりますね。
防水工事の種類と特徴については、新東亜工業のサービスページでも詳しくご案内しています。
防水保証とタイル再設置の注意点
修繕後は、施工業者による防水保証が付くことが一般的です。
しかし、ベランダタイルを再設置することで、防水保証の対象外になるケースもあるため注意が必要です。
タイルを敷くと防水層の点検が困難になるため、万が一の不具合が発見しにくくなります。
施工業者によっては、タイルの再設置を行った箇所について保証を適用しないと明記している場合もありますので、再設置前に必ず保証の条件を確認しておきましょう。
ベランダ防水の費用と工法の詳しい解説もご参照ください。
大規模修繕前にやるべきベランダタイルの準備と片付け

修繕工事をスムーズに進めるには、事前の準備が欠かせません。
タイルの片付けだけでなく、工事説明会での確認事項やそれ以外の私物の対処法もこの機会に押さえておきましょう。
工事説明会で確認すべきポイント
修繕工事の開始前には、管理組合や施工業者が主催する工事説明会が開催されます。
この場で必ず確認しておきたいのは以下の項目です。
- ベランダのタイル撤去が必要かどうか、また期限はいつか
- 撤去や保管を施工業者が手伝ってくれるサービスはあるか
- 工事完了後のタイル再設置は許可されるか(管理規約の制限)
- 防水工事後の保証条件にタイルの制約が含まれるか
- 工事期間中のベランダの使用制限スケジュール
説明会に参加できなかった場合は、管理組合の掲示物や配布資料をしっかりと確認すること。
そして不明な点があれば早めに問い合わせるようにしましょう。
タイル以外に片付けが必要なもの一覧
修繕工事では、ベランダタイルだけでなく、ベランダに置かれているすべての私物の片付けが必要です。
残しておいてよいのは、基本的にエアコンの室外機と物干し竿のみとなります。
工事内容によっては移動が必要な場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
- ベランダタイル
- 人工芝
- ウッドデッキなどの床材
- 植木鉢
- プランター
- 物干し台
- テーブルや椅子などの家具
- BSアンテナ
- 収納ラック
- 室外機カバー
他にも大型の物置やウッドデッキなどは、室内に搬入できないケースもありますよね。
そのような場合はトランクルームの手配を早めに検討することをおすすめします。
現場経験から伝えるスムーズな片付けのコツ
新東亜工業がこれまで手がけてきた修繕工事の現場でも、ベランダの片付けに関するお悩みを多く伺ってきました。
施工実績5,000件以上の経験から、スムーズに片付けを進めるためのコツをお伝えします。
まず、片付けは工事期限の1〜2週間前から始めることを推奨します。
ギリギリに取りかかると、想定以上に荷物が多くて間に合わなかったり、室内にスペースが確保できずに困ったりするケースが少なくありません。
また、ベランダタイルは長年敷いたままにしていると、裏面にカビや汚れが蓄積しています。
撤去作業の際には手袋を着用し、洗浄作業は天候の良い日を選んで行いましょう。
タイルの枚数が多い場合は、段ボール箱に番号を振って箱詰めすると、再設置時に配置を復元しやすくなります。
高齢の方や体力に不安がある方は、無理をせず管理組合や施工業者に相談してください。
新東亜工業でも、ベランダのタイル工事に関するご相談を承っております。
大規模修繕後にベランダタイルを再設置する際の注意点

工事が完了してベランダが使えるようになると、「また同じようにタイルを敷きたい」と考える方も多いですよね。
ここからは、修繕後のタイル再設置にあたって押さえておくべき注意点を解説します。
管理規約の確認と再設置の可否
修繕後のタイル再設置は、多くのマンションで認められていますが、すべてのマンションで自由に行えるわけではありません。
防水層の保護を目的として、修繕後のタイル敷設を禁止している管理組合もあります。
再設置が許可されている場合でも、
- 「取り外し可能なジョイント式に限る」
- 「排水口の周辺にはタイルを敷かないこと」
- 「通気性を確保するため隙間なく敷き詰めないこと」
などといった条件が付けられることがあります。
再設置を検討する際は、必ず事前に管理組合へ確認をとるようにしましょう。
再設置におすすめのタイルの選び方
大規模修繕を機にタイルを新調するなら、次回の修繕を見据えた選び方がポイントとなります。
マンションの修繕工事は12〜15年ごとに行われるのが一般的であり、再度撤去が必要になることを想定しておく必要があります。
- ジョイント式で簡単に着脱でき、工具不要で撤去できるもの
- 軽量で室内保管がしやすい素材(樹脂製・人工木製など)
- 裏面に通気性がある構造で、防水層への負荷が少ないもの
- 耐候性が高く、10年以上の使用に耐えられる製品
接着式やモルタル固定のタイルは高級感がある一方、次回の大規模修繕で撤去の手間と費用が増大しますので慎重に検討しましょう。
なお、ベランダの床仕上げとしては長尺シート工事も選択肢の1つです。
歩行性や美観にも優れており、防水層を保護する効果も期待できます。
よくある質問

大規模修繕のベランダタイルに関して、よく寄せられるご質問にお答えします。
- 大規模修繕でベランダのタイルは必ず撤去しないといけませんか?
- ほとんどのケースでは撤去が求められます。
ベランダの床面は防水工事の対象であり、タイルが敷かれたままでは防水層の点検・補修が行えません。
工事の品質と将来の安全性を確保するため、管理組合や施工業者の指示に従って撤去しましょう。
- タイルの撤去費用は管理組合が負担してくれますか?
- ベランダに敷いたタイルは居住者が個人で設置した私物にあたるため、撤去費用は原則として設置した方の自己負担です。
管理組合の修繕積立金から支出されることは通常ありません。
事前に管理規約を確認のうえ、撤去費用を準備しておきましょう。
- 修繕が終わったらベランダにまたタイルを敷いてもよいですか?
- 管理組合の方針や防水層の仕様によって異なります。
再設置が許可されている場合でも、取り外し可能なジョイント式に限るなどの条件があるケースが多いため、必ず事前に確認してください。
また、防水保証の条件にタイルの制約が含まれる場合もあります。
- ベランダの片付けが期限に間に合わない場合はどうなりますか?
- 片付けが完了しないと、自室のベランダだけでなく工事全体のスケジュールにも影響が出る可能性があります。
最悪の場合、施工業者が強制的に撤去・処分するケースもあるため、早めに着手することが大切です。
どうしても間に合わない場合は、管理組合や施工業者に早急に相談しましょう。
- タイルの撤去を業者に依頼する場合、費用はどのくらいですか?
- タイルの種類やベランダの広さによって異なりますが、ジョイント式であれば高い場合は6万円前後、接着式の場合は10㎡あたり3万~8万円ぐらいの金額が目安となります。
複数の業者から見積もりを取り、費用を比較することをおすすめします。
まとめ

修繕工事において、ベランダタイルの撤去は防水工事を適切に実施するうえで欠かせないこととなります。
ベランダは共用部分であり、防水層の点検・補修を行うためにはタイルの全面撤去が求められます。
撤去費用は原則として自己負担となりますが、タイルの種類によっては自力で対応できるものもありますので参考にしてみてください。
工事説明会での情報収集や管理規約の確認を怠らず、計画的に準備を進めることが、トラブル回避の最大のポイントとなるでしょう。
また、工事後にタイルを再設置する際は、防水保証の条件や管理組合のルールを必ず確認してくださいね。
次回の修繕を見据えて、着脱しやすいジョイント式タイルを選ぶことも賢明な判断といえます。
新東亜工業は、創業16年・施工実績5,000件以上の経験を活かし、大規模修繕工事から防水工事、タイル工事まで幅広く対応しております。
元請け施工による中間マージンゼロの適正価格と、不要な工事を提案しない誠実な姿勢で、お客様の大切な建物をお守りします。
ベランダタイルの取り扱いでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。