外壁塗装の色はどう決める?人気色やカラー選定で失敗しないためのポイントを解説

2025/12/17

外壁塗装を検討する際、多くの方が最も頭を悩ませるのが「色選び」です。

カタログで見た色と実際に塗った後の印象が違う、近隣の家との調和が取れない、汚れや色褪せが思った以上に目立つなど、色選びで後悔するケースは少なくありません。

外壁は住まいの印象を大きく左右する要素であり、一度塗装すると10年以上その色と付き合うことになるため、慎重に選ぶ必要があります。

本記事では、人気色の特徴から汚れや色褪せに強い色の選び方、実際の施工で失敗しないための具体的なポイントまで、外壁塗装の色選びに必要な知識を網羅的に解説します。

また本記事の理解を深めるためにも、外壁塗装の定義や役割・費用目安・流れなど基本的な情報を理解しておくことをおすすめします。

外壁塗装とはどのようなものなのかは、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

この記事で分かること

  • 外壁塗装で人気の色5選それぞれの特徴・注意点
  • 失敗しない色の選び方|基本の3ステップ
  • 汚れが目立たない色・色褪せしにくい色の選び方
  • プロが教える色決定時の確認ポイント
  • 外壁塗装の色に関するよくある質問と回答

外壁塗装で人気の色5選

外壁塗装の色選びでは、まず人気色の特徴を知ることが重要です。

ここでは、特に人気が高い5つの色系統について、それぞれの特徴・メリット・注意点を詳しく解説します。

外壁塗装で人気の色|グレー系

グレー系は近年特に人気が高い外壁色で、都会的で洗練された印象を与えます。

チャコールグレーからライトグレーまで濃淡の幅が広く、住宅からマンション、ビルまで幅広く採用されています。

中でもグレーにベージュを混ぜた「グレージュ」は、冷たさを抑えつつ上品さを演出できる定番色です。

主張しすぎない中間色のため周囲の景観と調和しやすく、モダン・ナチュラルどちらのデザインにも対応できる汎用性の高さが特徴です。

メリット

  • 砂埃・排気ガスなどの汚れが目立ちにくい
  • モダンで洗練された外観を演出できる
  • 屋根・サッシ・付帯部の色と合わせやすい
  • 住宅・マンション・ビルまで用途が広い

注意点

  • 面積効果により実際は濃く(または薄く)見えやすい
  • 小さな色見本だけで判断すると失敗しやすい
  • 濃色は日射熱を吸収しやすく、南西面は遮熱対策が必要

外壁塗装で人気の色|ベージュ・アイボリー系

ベージュ・アイボリー系は、日本の住宅で最も多く採用されてきた定番色です。

柔らかく温かみのある印象を与え、和風・洋風を問わず幅広い建物デザインに自然に馴染みます。

周囲の住宅や街並みと調和しやすく、主張しすぎない安心感のある色味が特徴です。

明るさと落ち着きを両立できるため、長期間住む住宅や賃貸物件でも選ばれやすいカラーといえます。

メリット

  • 砂埃・黄砂・コケなどの汚れが非常に目立ちにくい
  • 周囲の景観と調和しやすく失敗しにくい
  • 明るく優しい印象で万人受けしやすい
  • 熱を反射しやすく室内温度上昇を抑えやすい

注意点

  • 色味の差が微妙で、印象の違いが分かりにくい
  • 面積効果で想像以上に白っぽく見えることがある
  • 必ず大きなサンプルで屋外確認が必要

外壁塗装で人気の色|ホワイト系

ホワイト系は清潔感と明るさを兼ね備えた外壁色で、住宅全体を開放的に見せる効果があります。

純白からオフホワイトまで幅があり、シンプルモダンから洋風住宅まで幅広く対応可能です。

外壁を明るく見せたい場合や、建物を大きく・軽やかに見せたい場合に適しています。

アクセントカラーとの相性も良く、デザイン性を高めやすい色です。

メリット

  • 住宅全体が明るく、広く見える
  • 光を反射しやすく夏の暑さ対策になる
  • シンプルで飽きが来にくい
  • アクセントカラーを活かしやすい

注意点

  • 雨だれ・カビ・黒ずみが非常に目立ちやすい
  • 交通量の多い立地では汚れやすい
  • 純白は眩しく見えるためオフホワイトが無難

外壁塗装で人気の色|ブラウン系

ブラウン系は木や土といった自然素材を連想させる色で、落ち着きと温かみのある外観を演出します。

ライトブラウンからダークブラウンまで幅広く、和風住宅やナチュラルテイストの建物と相性が良いのが特徴です。

重厚感がありながら派手すぎず、周囲の緑や植栽とも自然に調和します。

住宅だけでなく、店舗併用住宅などにも適した色です。

メリット

  • 自然環境や和風住宅と相性が良い
  • 落ち着きと高級感を演出できる
  • ある程度汚れが目立ちにくい
  • ナチュラル・アースカラーとして使いやすい

注意点

  • 濃色は紫外線による色褪せが起こりやすい
  • 耐候性の高い塗料選びが重要
  • 南西面では熱吸収による室温上昇に注意

外壁塗装で人気の色|ブラック・ネイビー系

ブラックやネイビーなどのダークカラーは、重厚感と高級感を強く演出できる外壁色です。

近年はデザイン住宅や都市型住宅を中心に採用が増えています。

直線的でシャープな印象を与え、建物全体を引き締めて見せる効果があります。

周囲との差別化を図りたい場合や、スタイリッシュな外観を重視する場合に適した色です。

メリット

  • 高級感・重厚感のある外観になる
  • デザイン性が高く差別化しやすい
  • モダン住宅との相性が非常に良い
  • 一定の汚れは目立ちにくい

注意点

  • 熱を吸収しやすく夏場は室温が上がりやすい
  • 遮熱塗料の併用を検討した方がよい
  • 周囲との調和を欠くと威圧感が出やすい
  • 水垢や白っぽい汚れは目立ちやすい

H2: 外壁塗装の色の選び方|基本の3ステップ

外壁塗装の色選びで失敗しないためには、段階を踏んで慎重に進めることが重要です。

ここでは、プロも推奨する基本の3ステップを解説します。

Step1. 理想のイメージを明確にする

色選びの第一歩は、どのような印象の住まいにしたいかを明確にすることです。

「モダンでスタイリッシュ」「温かみのあるナチュラル」「和風で落ち着いた雰囲気」など、理想とするイメージを具体的に言葉にしましょう。

家族全員で話し合い、共通のイメージを持つことが大切です。

また、近隣で気に入った外観の住宅があれば写真を撮っておくと、業者との打ち合わせで具体的なイメージを共有しやすくなります。

住宅のスタイル(洋風・和風・モダンなど)、周辺環境(住宅街・幹線道路沿い・緑豊かな環境など)、屋根やサッシの色との相性も考慮に入れると、より具体的なイメージが固まります。

Step2. 色見本で候補を2〜3色に絞り込む

イメージが固まったら、塗料メーカーのカタログや色見本帳を使って候補色を2〜3色に絞り込みます。

この段階では、汚れの目立ちにくさや色褪せのしやすさなど、実用面も考慮しましょう。

日本塗料工業会の色見本帳には数百色が掲載されていますが、選択肢が多すぎると逆に迷ってしまうため、まずは大まかな色系統(グレー系、ベージュ系など)を決め、その中から明度や彩度の異なる数色をピックアップすることをおすすめします。

また、この時点ではカタログの小さな色見本で十分ですが、「面積効果」で実際には色が異なって見えることを念頭に置いておきましょう。

Step3. 屋外の自然光で最終確認する

候補が絞り込めたら、必ずA4サイズ以上の大きな「塗り板」サンプルを業者に依頼し、屋外の自然光下で確認します。

これは色選びで最も重要なステップです。室内の照明と屋外の自然光では色の見え方が大きく異なり、晴天時と曇天時、朝・昼・夕方でも印象が変わります

塗り板を実際の外壁に当ててみて、様々な時間帯や天候で確認することで、塗装後のイメージとのギャップを最小限に抑えられます。

また、日向と日陰の両方で色を確認することも重要です。

可能であれば、近隣で同じ色を使用している住宅を見学させてもらうのも有効な方法です。

外壁塗装の色選びで知っておくべき重要知識

色の見た目だけでなく、実用面での知識も外壁塗装の色選びには不可欠です。

ここでは、汚れ・色褪せ・温度の3つの観点から重要なポイントを解説します。

以下の表に、外壁色ごとの特徴や注意点を分かりやすく整理してまとめました。

観点分類該当する色特徴・注意点
汚れの目立ちやすさ汚れが目立ちにくい色グレー、ベージュ、アイボリー、クリーム、ライトブラウン汚れの色と近く、視覚的に目立ちにくい。
特にグレーは汚れに強い。
汚れが目立ちやすい色ホワイト、ブラック、赤、青、黄など汚れとのコントラストが強く、黒ずみや水垢が目立ちやすい。
色褪せのしやすさ色褪せしにくい色白、黒、グレー、ベージュ、ブラウン紫外線に強く、長期間色味を保ちやすい。
色褪せしやすい色赤、紫、青、黄、緑など紫外線の影響で退色しやすく、耐候性塗料が推奨。
室内温度への影響濃い色(ダークカラー)ブラック、ネイビー、濃いグレー、濃いブラウン熱を吸収しやすく、夏場は室温上昇に注意。
明るい色(ライトカラー)ホワイト、ベージュ、アイボリー、ライトグレー光を反射しやすく、夏の暑さ対策に有効。

外壁塗装の色選びは、建物の印象を左右するだけでなく、快適性やメンテナンス性、将来的なコストにも大きく関わります。

汚れや色褪せ、熱の影響といった実用面を踏まえ、立地や用途に合った色を選ぶことが、後悔しない外壁塗装への近道です。

外壁塗装の色を決める際に確認すべき7つのポイント

色選びの最終段階で、必ずチェックすべき7つのポイントを解説します。

これらを確認することで、色選びでの後悔を大幅に減らすことができます。

大きな色見本(A4サイズ以上の塗り板)で確認する

カタログの小さな色見本だけで色を決めることは絶対に避けましょう。「面積効果」により、小さなサンプルと大きな面積では色の見え方が大きく異なります。

明るい色はより明るく、暗い色はより暗く、鮮やかな色はより鮮やかに見えます。必ずA4サイズ以上の「塗り板」と呼ばれる実際に塗装されたサンプル板を業者に依頼し、外壁に当てて確認することが重要です。

塗り板の入手には1,000〜2,000円程度の費用がかかることもありますが、後悔しない色選びのためには必要な投資です。

屋外の自然光で確認する

室内の蛍光灯やLED照明の下で見た色と、屋外の自然光の下で見た色は、印象が大きく異なります。

室内照明は青白い光が多いため、色が実際よりも冷たく見えたり、色味が正確に判断できなかったりします。

必ず屋外で、できれば晴れた日の自然光の下で色を確認しましょう。

さらに、曇りの日、朝、昼、夕方など、異なる時間帯や天候でも確認できればベストです。

光の条件によって色の見え方は変化するため、様々な条件下での確認が理想的です。

艶(つや)の有無・程度を確認する

同じ色でも、艶の有無や程度によって印象は大きく変わります。

艶ありは光沢があり、高級感や清潔感がある一方、艶消し(マット)は落ち着いた上品な印象を与えます。

艶ありは汚れが付きにくく落ちやすいメリットがありますが、光の反射が強く眩しく感じることもあります。

艶消しは柔らかい質感ですが、艶ありに比べて汚れが付きやすい傾向があります。

また、「3分艶」「5分艶」「7分艶」など、艶の程度を調整できる塗料もあります。

色と併せて艶の程度も必ず確認し、サンプルで質感を確かめましょう。

周辺環境との調和を確認する

外壁の色は、単独で決めるのではなく、周辺環境との調和を考慮することが重要です。

近隣の住宅と大きく異なる色にすると、浮いて見えたり、違和感を与えたりする可能性があります。

特に住宅密集地では、周囲との調和を意識した色選びが求められます。

また、自治体によっては景観条例で使用できる色に制限がある場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

緑豊かな環境ではアースカラーが馴染みやすく、都市部ではモダンなグレーやホワイトが調和しやすい傾向があります。

屋根・サッシ・玄関ドアとの色の相性を確認する

外壁の色は、屋根、サッシ(窓枠)、玄関ドアなど、他の部位の色とのバランスを考慮して選ぶ必要があります。

これらの部位は塗装しないことが多いため、既存の色と新しい外壁色の相性を必ずチェックしましょう。

一般的に、外壁・屋根・付帯部を合わせて3色以内に収めるとまとまりのある外観になります。

屋根が黒系なら外壁は明るめの色、屋根が茶系なら外壁はベージュ系やアイボリー系が調和しやすいです。

サッシが白なら暖色系や中間色、黒なら寒色系やモダンな色が相性が良い傾向があります。

カラーシミュレーションは参考程度にする

最近では、住宅の写真に色を当てはめるカラーシミュレーションソフトやアプリが普及しています。

これらは便利なツールですが、あくまで「参考程度」にとどめることが重要です。

画面上の色と実際の塗料の色は異なり、モニターの設定や印刷の条件によっても色が変わります。

また、実際の外壁は光の当たり方や質感によって見え方が変化しますが、シミュレーションではこれを再現できません。

シミュレーションは色の大まかな方向性を確認する程度に留め、最終決定は必ず実物の塗り板で行いましょう。

試し塗りサービスを活用する

可能であれば、「試し塗り」サービスを利用することを強くおすすめします。

試し塗りとは、実際の外壁の一部(目立たない場所)に候補色を塗装し、仕上がりを確認できるサービスです。

全ての業者が提供しているわけではなく、追加費用がかかる場合もありますが、実際の外壁材に塗った時の色や質感を確認できるため、色選びの精度が飛躍的に向上します。

特に、色見本と実物の差が気になる場合や、高額な塗装工事で絶対に失敗したくない場合は、試し塗りを依頼する価値があります。

外壁塗装の色に関するよくある質問【FAQ】

ここでは、外壁塗装の色に関するよくある質問を紹介します。

おすすめの色やおしゃれにするポイントなど役立つ情報をわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

Q1. 外壁塗装で一番おすすめの色は何ですか?

A. 「絶対にこれ」という正解はありませんが、総合的に見て「グレー」「ベージュ」「アイボリー」の3色がおすすめです。

これらの色は、汚れが目立ちにくく、色褪せもしにくく、周辺環境との調和も取りやすい万能色です。

特に初めての外壁塗装で迷っている方、実用性を重視したい方には、これらの中間色を選ぶことで失敗のリスクを大幅に減らせます。

ただし、最終的には住宅のスタイル、周辺環境、個人の好みを総合的に考慮して選ぶことが大切です。

Q2. 外壁塗装で避けた方が良い色はありますか?

A. 避けた方が良いのは、「極端に明るい純白」「極端に暗い真黒」、そして「彩度の高い原色(赤・青・黄など)」です。

純白と真黒は汚れが非常に目立ちやすく、原色系は色褪せが早く、周辺環境とも調和しにくい傾向があります。

また、原色は面積効果で予想以上に強い印象になり、飽きやすいというデメリットもあります。

どうしてもこれらの色を使いたい場合は、アクセントカラーとして部分的に取り入れるか、トーンを落とした(彩度を下げた)色を選ぶことをおすすめします。

Q3. 外壁塗装をおしゃれに見せるポイントは?

A. おしゃれな外壁にするポイントは、「色の組み合わせ」と「バランス」です。

単色ではなく、ツートンカラーで塗り分けると立体感が生まれ、デザイン性が高まります。

ツートンの場合、ベースカラーとアクセントカラーの比率を7:3または8:2程度にすると、まとまりのある外観になります。

また、付帯部(雨樋、破風板など)の色を工夫することでも、印象を大きく変えられます。

さらに、艶の程度を調整したり、部分的に質感の異なる塗料を使ったりすることで、より個性的でおしゃれな外壁を実現できます。

プロの塗装業者に相談し、施工事例を参考にすることもおすすめです。

Q4. 外壁塗装の色は何年くらいで塗り替えが必要ですか?

A. 外壁塗装の塗り替え時期は、使用する塗料の種類によって大きく異なります。

一般的なアクリル塗料は5〜7年、ウレタン塗料は7〜10年、シリコン塗料は10〜15年、フッ素塗料は15〜20年、無機塗料は20〜25年が目安です。

ただし、色によっても耐久性が変わります。

白・黒・グレーなどの無機顔料を使った色は色褪せしにくく、長持ちしやすい傾向があります。

一方、赤・青・黄などの鮮やかな原色は有機顔料を多く含むため、同じ塗料でも色褪せが早く進みます

また、日当たりの強い南面や西面、交通量の多い道路沿いでは劣化が早まります。

定期的に外壁の状態をチェックし、色褪せ、チョーキング(白い粉が付く現象)、ひび割れなどが見られたら、塗り替えを検討するタイミングです。

まとめ

外壁塗装の色選びは、住まいの印象を大きく左右する重要な決断です。

色見本と実際の仕上がりが異なる「面積効果」や、室内と屋外での色の見え方の違いを理解し、慎重に進めることが失敗を防ぐ鍵となります。

色選びで押さえるべき5つのポイント

  • グレー・ベージュ・アイボリーなど汚れが目立たない中間色を基本に検討。
  • A4サイズ以上の塗り板を屋外の自然光下で必ず確認し、面積効果を考慮
  • 屋根・サッシ・玄関ドアとの色の相性を確認し、全体で3色以内に収める
  • 色褪せしにくい色を選ぶか、高品質な塗料で色褪せ対策を行う
  • カラーシミュレーションは参考程度にし、最終判断は実物サンプルで行う

外壁塗装は10年以上付き合う大きな投資です。

焦らず、段階を踏んで色を選び、できれば複数の業者から提案を受けて比較検討しましょう。

不安な点があれば、経験豊富な塗装業者に相談し、施工実績を確認することも大切です。

理想の色を見つけ、満足度の高い外壁塗装を実現しましょう。

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