【2025年最新版】マンションの大規模修繕費用相場を徹底解説|内訳・地域差・業者選びまで解説

2025/07/24

マンションの大規模修繕では、1回あたり数千万円単位の費用が発生することも珍しくありません。適切な修繕計画と予算管理を行うには、「修繕費用の内訳」や「地域ごとの相場感」、さらに「信頼できる業者選定」が欠かせません。本記事では、大規模修繕の費用相場とその内訳、業者選びや施工の流れまでを網羅的に解説します。これから修繕を検討する管理組合やオーナーの皆様は、ぜひご一読ください。

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目次

大規模修繕とは?マンションに必要な理由と費用の基本

マンションの大規模修繕は、建物の寿命を延ばし、居住者の安全と快適性を守るために行う計画的な工事です。この章では、大規模修繕が必要とされる理由と、それにかかる費用の構造について詳しく解説します。

マンションの長寿命化になぜ大規模修繕が必要か

マンションは年月とともに外壁や屋上、防水層、共用設備などが経年劣化します。紫外線や雨風によるダメージ、地震や気温差による建材の変化も影響を与え、放置すれば雨漏りや構造不良の原因にもなります。大規模修繕はこうした劣化を未然に防ぎ、定期的な補修・更新により、建物全体の機能と安全性を保つ役割を担います。加えて、資産価値を維持するうえでも大規模修繕の実施は欠かせません。

マンション大規模修繕にかかる費用の基本構造

大規模修繕にかかる費用は多岐にわたります。直接的な工事費用だけでなく、足場仮設費、設計監理費、工事期間中の共用部移設・一時対応費、近隣対応費、さらには安全管理費なども必要です。また、建物の階数や構造、敷地条件などによってもコストは大きく変動します。さらに、インフレや資材価格の高騰、人件費の上昇といった社会的要因も加味する必要があります。これらを踏まえ、全体の修繕費用は中規模マンションで数千万円、大規模物件では1億円を超えることもあります。

マンションの大規模修繕費用の内訳と単価目安

実際にかかる費用の内訳を把握することで、修繕計画に必要な予算感を明確にできます。この章では、主要な工事項目ごとの費用目安とその特徴について詳しくご紹介します。

外壁塗装・補修の費用相場(㎡単価・総額)

外壁はマンションの印象を左右する重要な部分であり、劣化が目視でわかりやすいため修繕優先度が高い部位です。ひび割れや塗膜の剥がれが見られる場合には、下地補修のうえで再塗装を行います。足場の設置も必要となるため、1㎡あたりの単価は5,000円〜10,000円が目安です。総額では、中規模マンションで500万〜1,000万円程度が想定され、大型物件ではそれ以上になることもあります。

屋上・バルコニーなど防水工事の価格目安

屋上やバルコニーなどの防水層は、耐用年数の経過に伴い機能が低下し、雨漏りリスクが高まります。防水工法にはウレタン防水・シート防水・FRP防水などがあり、それぞれ費用と耐用年数に違いがあります。一般的な価格帯は、1㎡あたり3,000円〜9,000円ほど。屋上全面を施工する場合、中層階マンションで300万円〜600万円程度になるケースが多く、工法による見積もり差にも注意が必要です。

給排水管・設備更新の修繕コスト

建物内部の給水・排水設備は経年劣化により漏水や詰まりの原因となります。配管の材質(鉄管・鋼管・塩ビ管)によっても劣化スピードが異なるため、築20年を過ぎたあたりで更新を検討すべき項目です。給排水管の交換、揚水ポンプ・給湯器などの設備機器の更新を含めて、1戸あたり20万〜50万円が目安です。施工範囲が広い場合、棟全体で数千万円規模になることもあります。

エントランス・廊下など共用部改修の費用

共用部の改修では、床タイルの張替え、照明器具のLED化、手すりの塗装・補修などが主な内容となります。特にエントランスは来訪者の印象を左右するため、意匠性を高めるリニューアル工事も多く見られます。照明や掲示板の交換、バリアフリー対応の改修なども加えると、費用は100万円〜500万円程度が一般的で、内容によっては1,000万円以上になるケースも存在します。

工事項目別の修繕費用比較表(一覧)

マンションの大規模修繕では、さまざまな工事項目が発生し、それぞれにかかる費用も異なります。各工事の単価や総額の目安を比較しておくことで、見積もり時の判断基準になり、全体のコストバランスも明確になります。ここでは主要な修繕工事項目について、1㎡あたりの単価および中規模マンションを想定した総額の目安を表にまとめました。

工事項目単価の目安(1㎡あたり)総額の目安(中規模マンション想定)
外壁塗装・補修工事5,000円〜10,000円500万〜1,000万円
屋上・バルコニー防水工事3,000円〜9,000円300万〜600万円
給排水設備工事戸単位:20万〜50万円800万〜2,000万円(40戸想定)
共用部改修工事内容により異なる100万〜1,000万円
※上記の金額はあくまで一般的な目安であり、建物の劣化状態や立地条件、工法、仕様グレードによって変動します。見積もり取得時には、内訳や数量根拠を詳しく確認することが重要です。

地域別のマンション大規模修繕の費用相場と価格差の理由

大規模修繕工事にかかる費用は、地域によって大きく異なることがあります。建設資材の価格や人件費の水準、業者の競争状況などが地域差の主な要因です。このセクションでは、都市部と地方における修繕費用の傾向とその背景について詳しく解説します。

都市部(東京・大阪)での修繕費の目安

東京や大阪などの大都市圏では、地価が高く施工業者の人件費や資材調達コストも割高となるため、修繕費も自然と高くなります。特に足場の組み立てや運搬にかかる費用が増えるほか、施工エリアが狭小な場合は養生や搬入の工夫にもコストが発生します。一般的に、1戸あたりの修繕費用は50万〜100万円前後が相場となっており、物件の規模や施工内容によってさらに上下します。

地方都市・郊外エリアとの価格比較

一方、地方都市や郊外エリアでは、地価や人件費が比較的抑えられるため、修繕費用も都市部に比べて安価になる傾向があります。1戸あたりの目安は30万〜70万円程度とされ、特に地元密着型の業者を選定すれば交通費や宿泊費が発生せず、コスト削減にもつながります。ただし、地方では業者数が限られるため、スケジュール調整や選択肢に制約が出る場合もあります。

地域別マンション修繕費用の相場表

以下は、地域別における1戸あたりの大規模修繕費用の目安です。建物の階数や立地条件によっても変動しますので、あくまで参考値としてご活用ください。

地域修繕費用の目安(1戸あたり)
東京・大阪など都市部50万〜100万円
地方都市・郊外30万〜70万円
農村部・山間部25万〜50万円

相場を把握することで、自分たちのマンションが適正な見積もりを得られているか判断する基準となります。

実録!新東亜工業の施工事例|8階建てマンションの大規模修繕工事

築17年の8階建てマンションにおける、管理組合主導による大規模修繕工事の一部始終をご紹介します。
「予算オーバーを避けたい」「融資は極力使いたくない」といった現実的な課題を抱える中で、新東亜工業がどのように提案し、信頼を築きながら工事を完遂したのか──。
理事会への説明から近隣対応、完成後のフォローまで、実際のやり取りを交えてリアルにお伝えします。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

築17年が経過し、管理組合では以前から大規模修繕の検討がされていましたが、資材高騰などにより予算が合わず延期されていた背景があります。「融資は避けたい」「必要な部分に絞って実施したい」といった要望の中、数社に見積り依頼をされていた中で弊社にご相談をいただきました。

担当者:お問い合わせありがとうございます。ご予算に合わせて施工範囲を調整することも可能です。弊社は子会社で材料問屋を持っているため、同じ工事でも他社様より価格を抑えるご提案が可能です。
お客様:なるべく費用を抑えたいので、ぜひ現地調査をお願いします。図面などもご用意します。
担当者:ありがとうございます。図面と、屋上に鍵があるようであればご用意をお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前
大規模修繕 施工後
項目 内容
建物種別 分譲マンション(8階建て)
所在地 東京都内(詳細非公開)
工事内容 大規模修繕工事(外壁補修・塗装・防水・シーリング・長尺シート他)
工法 足場設置のうえ全面修繕/ウレタン塗膜防水(密着工法)他
その他特記事項 理事会へのプレゼンあり、工事中の騒音・近隣対策対応あり

工事金額:2,430万円 期間:約2カ月間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、屋上の防水層や外壁のシーリング、タイル目地などに劣化が見られました。既存のアスファルトシート防水はまだ機能していたものの、再施工のタイミングとしては適切であり、ウレタン塗膜防水による上塗りを推奨しました。また、タイルの一部には硬化不良が確認され、慎重な撤去作業が必要な状態でした。

担当者:屋上はアスファルトシート防水ですね。状態は悪くないので、ウレタン塗膜防水の密着工法が適しています。
お客様:それでお願いします。あとベランダは見た目を良くしたいので、長尺シートも検討したいです。
担当者:シートは費用が倍近くかかるので、ウレタンの方が予算には優しいですね。
お客様:でも可能ならシートにしたいので、そちらで見積りお願いします。

施工中のやり取りと配慮

工事期間中は、騒音や近隣への影響を最小限に抑える配慮を行いました。作業工程や騒音の案内は掲示板やホワイトボードで事前に周知し、近隣住民や管理人との連携も徹底。足場設置やメッシュシートの風対策も含め、安全対策も万全に対応しました。また、アスベスト調査も事前に実施し、含有なしを確認済みです。

お客様:日曜に音がしたって苦情が来たのですが…。
担当者:調べたところ、隣の工事のものでした。担当者に周知のお願いはしておきました。
お客様:ありがとうございます。トラブルにならなくてよかったです。

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引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様からは「タイルもまったく違和感がない」「すごく綺麗になった」と高い評価をいただきました。タイルの保管方法や施工写真・保証書を含めた竣工図書の提出も行い、今後のメンテナンスにも役立てていただける内容でお渡ししました。

お客様:どこを張り替えたかわからないくらい自然ですね。
担当者:窯焼きで色を合わせたので、かなり近く再現できています。必要があればいつでもご連絡ください。
お客様:ありがとうございます。次は廊下の床や照明をまとめて検討したいと思います。

今回の工事では、以下のような成果が得られました。

  • ご予算に合わせた柔軟な工事範囲調整
  • 自社施工・材料問屋からの直接仕入れでコストダウンを実現
  • 理事会での丁寧なプレゼンと近隣配慮で信頼を構築
  • 施工中の進捗報告や打ち合わせで透明性を確保
  • 外観と防水性が向上し、物件価値の維持につながった

新東亜工業では、お客様の状況に合わせた提案と対応を徹底しております。大規模修繕に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

マンションの大規模修繕で信頼できる施工業者・設計事務所の選び方

大規模修繕を成功させるためには、設計者と施工業者の選定が極めて重要です。見積もり金額だけにとらわれず、信頼性・実績・対応力を含めた総合的な評価が求められます。この章では、失敗しない業者選びのためのポイントを詳しく紹介します。

設計者選定のポイント|実績・提案力・相性

設計事務所は、工事全体の計画と管理を担う重要な役割を持ちます。過去の大規模修繕の実績が豊富であることはもちろん、管理組合の要望に柔軟に応える提案力、さらには担当者との相性や説明のわかりやすさも大切です。また、第三者性を保ちつつも実現可能な計画を立案できる設計者を選びましょう。

施工業者の見極め方|許可・体制・保証制度

施工業者には建設業許可を持っていることが必須条件です。さらに自社施工か、下請け比率はどうか、現場監督が常駐する体制があるかなども確認しておくべきです。工事後の保証制度やアフターサポート体制も選定の大きな判断材料になります。

マンション修繕工事の相見積もり活用法

必ず複数社から見積もりを取得し、価格だけでなく内容・対応の誠実さも比較しましょう。書類が丁寧で明確か、提案内容が建物に適しているかなども重要な評価軸となります。設計監理方式・責任施工方式など発注方式によっても、費用構成が異なるため注意が必要です。

マンション大規模修繕の施工段階で注意すべきポイント

工事が始まると、多くの業者が関わり、様々な作業が並行して進行します。このフェーズでのトラブルや遅延を防ぐためには、安全・進捗・コミュニケーションの3点に特に注意を払うことが重要です。

工事期間中の安全管理|事故・落下防止策

居住者の安全確保は最優先です。足場周辺の立ち入り制限、落下物防止ネットの設置、作業員への安全教育など、施工会社と連携しながら対策を徹底しましょう。また、火災や感電などのリスクがある作業では、適切な監視体制も必要です。

施工の進捗管理と報告体制の整備

スケジュール通りに進んでいるか、天候や資材納入遅れで変更が発生していないかを、週次・月次で確認します。設計者・施工業者と管理組合で定期的な進捗会議を開き、記録を残すことがトラブル防止につながります。

近隣住民や入居者への配慮と説明責任

騒音・振動・臭気など、工事に伴う生活環境への影響を最小限に抑える努力が求められます。事前説明会や掲示物、ポスティングで周知徹底し、苦情対応にも迅速に対応できる体制を整えておきましょう。

マンションの大規模修繕の引き渡し後のアフターメンテナンスと保証対応

大規模修繕工事が完了した後も、建物の維持管理は続きます。工事の品質を長期にわたって保つためにも、引き渡し時の確認やアフターケアの体制が重要です。

完成検査と引き渡し手続きの流れ

工事完了後には、設計者・管理組合・施工業者立ち会いのもと、完成検査を実施します。設計図面や仕様書に沿っているか、修繕項目に漏れがないかをチェックし、不備があれば是正工事を行います。その後、完了報告書や保証書類の引き渡しを経て、正式に工事完了となります。

施工完了後の保証内容と期間チェック

工事項目ごとに保証期間が設定されているのが一般的です。たとえば、防水工事は10年、塗装は5〜7年などが目安となります。保証対象の範囲や免責事項も必ず確認しておき、万一の不具合に備えて連絡体制を明確にしておくと安心です。

定期点検とアフターケアで資産価値を維持

引き渡し後1年・2年などで定期点検が設定されていることが多く、施工会社や管理会社と連携して実施します。小さなひび割れや不具合を早期に発見・修繕することで、長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。

よくある質問|大規模修繕費用・工期・保証に関するFAQ

この章では、実際に管理組合や区分所有者から寄せられることの多い質問とその回答を紹介します。

工事期間はどれくらい?住みながらでも大丈夫?

一般的に3ヶ月〜6ヶ月程度が目安です。多くの工事は共用部分で行われるため、住みながらでも実施可能ですが、騒音・足場設置・一時的な立ち入り制限などの影響はあります。

修繕費用はどれくらいかかる?目安と変動要因

中規模マンションでは総額で5,000万〜1億円程度、大型物件では1億円を超えるケースもあります。建物の劣化状況、工事項目、立地、業者選定などで大きく変動します。

保証期間中の修理は無料?保証の範囲は?

基本的に保証対象であれば無償で対応されます。ただし、天災や使用者起因の損傷などは対象外となることが多く、契約時に保証内容をしっかり確認することが重要です。

大規模修繕の費用を抑えて、納得の修繕計画を立てよう|まとめ

マンションの大規模修繕は、一度きりの大きな出費ではなく、建物全体の寿命と資産価値を守るための重要な取り組みです。修繕費用の相場や内訳を理解し、地域差や業者選びにも注意しながら、納得感のある修繕計画を立てることが成功への鍵となります。

適正な費用と内容で施工してもらうためには、複数社からの見積もり取得、信頼できる設計者と業者選び、施工中・引き渡し後の管理体制まで一貫して丁寧に対応することが求められます。住民の協力と理解を得ながら、安全でスムーズな工事を目指しましょう。