外壁の吹き付け塗装とは?基礎知識とメリット・デメリットを詳しく紹介

2025/07/24

外壁の吹き付け塗装とは、スプレーガンを使って塗料を外壁に霧状に吹き付ける塗装方法です。
従来のローラー塗装に比べ、短時間で均一に塗れるうえ、凹凸のある立体的な仕上がりが得られるのが大きな特徴です。
模様や質感を重視したい方に人気の塗装方法ではあるものの、その概要について詳しくご存じない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、外壁の吹き付け塗装に関する基本的な情報をもとに、その魅力について詳しく紹介します。

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目次

外壁の吹き付け塗装の仕上がりと魅力

吹き付け塗装は、専用の機械を使って塗料を霧状にして外壁に吹き付けることで、凹凸や立体感のある美しい仕上がりを実現できる塗装工法です。
その施工方法には大きく分けて 「エアスプレー方式」 と 「エアレススプレー方式」 の2種類があります。それぞれに特徴があり、用途や仕上がりに応じて使い分けられています。

エアスプレー方式

エアスプレーは圧縮空気を使って塗料を霧状にし、壁面にふんわりと広げる方法です。
粒子が細かく、繊細な模様や滑らかな質感を表現するのに適しています。以下のような特徴があります。

  • 仕上がりが柔らかく美しい
  • 塗布のコントロールがしやすく、模様づけに向いている
  • やや塗料飛散が多く、周囲の養生が重要

住宅の外観にこだわりたい方や、リシン・スタッコなどの意匠仕上げに用いられることが多い方式です。

エアレススプレー方式

エアレススプレーは、空気を使わず高圧ポンプで塗料を押し出すタイプのスプレー塗装です。
粒子がやや粗く、厚みのある仕上がりが特徴です。主な特性は次の通りです。

  • 高粘度の塗料もスムーズに噴霧できる
  • 広範囲の施工が効率的でスピーディー
  • 塗膜が厚くなりやすく、耐久性を高めたい箇所に適する

下塗りや中塗りなど、厚みが必要な工程で使われることも多く、職人の技術次第で非常に美しい立体的な仕上がりが得られます。

吹き付け塗装ならではの魅力

これらのスプレー方式を活用することで、立体的で表情豊かな外観・塗りムラの少ない均一な塗布・ローラーでは表現できない重厚感や意匠性など、吹き付け塗装ならではの仕上がりが得られます。
塗装自体が建物の印象を大きく左右するため、デザイン性を重視する方や個性ある仕上がりを求める方にとって、吹き付け塗装は大きな魅力となる選択肢です。

外壁の吹き付け塗装における代表的な仕上げ

吹き付け塗装は、使用する材料や施工方法によってさまざまな質感・表情をつくり出せます。
ここでは、代表的な3つの仕上げ方法を紹介します。

リシン仕上げ

リシン仕上げは、セメント系の塗料に細かな石骨材(けい砂など)や樹脂を混ぜた材料を、エアスプレーで吹き付ける仕上げ方法です。
表面はザラザラとした細かな凹凸が特徴で、反射の少ないマットな質感を持ちます。
また、吸音性や通気性もあるため、機能面でも一定の評価があります。
色味も落ち着いており、和風建築や落ち着いた外観を好む住宅に向いています。

【メリット】

  • 比較的リーズナブルな価格帯
  • シンプルながら意匠性があり、飽きがこない
  • 施工がスムーズで対応できる職人が多い

【注意点】

  • 表面に汚れがつきやすく、定期的な洗浄や塗り替えが必要

タイル仕上げ(吹き付けタイル)

吹き付けタイルは、塗材を3工程(下塗り・中塗り・上塗り)に分けて厚塗りすることで、タイルのような凹凸感と重厚感のある仕上がりを実現する方法です。
中塗りで骨材入りの塗料を吹き付け、凹凸のある模様を形成します。その上にトップコートを重ねることで、強固で高級感のある塗膜になります。
施工に手間と技術が必要ですが、その分美しい均一性と耐久性を兼ね備えています。

【メリット】

  • 耐候性・耐久性に優れており、長持ちする
  • 均整の取れた重厚な仕上がりは、モダン住宅や高級邸宅に好相性
  • カラー・パターンのバリエーションが豊富

【向いている住宅】

  • シンプルモダンやスタイリッシュな外観を目指す住宅
  • 建築デザインと調和させたい都市型住宅

スタッコ仕上げ

スタッコは、セメントと大理石粉などの骨材を練り込んだ厚付け塗材を使い、立体感のある仕上げを作る伝統的な手法です。
モルタル下地に対し、エアスプレーやコテを使って施工されます。
他の吹き付け仕上げと比べて塗膜が厚く、凹凸が大きいのが特徴です。
塗装というよりも、まるで彫刻のような質感を壁面に与えることができ、装飾性が非常に高い仕上げです。

【メリット】

  • 欧米の住宅を彷彿とさせるクラシカルで格調高い印象
  • 非常に重厚な外観に仕上がる
  • 高い意匠性とともに、遮音性・断熱性の面でも期待できる

【向いている住宅】

  • 南欧風、地中海風、輸入住宅など、個性的なデザイン住宅
  • 外観に強いインパクトを与えたい建物

【注意点】

  • 施工に高い技術が必要で、職人のスキルが仕上がりに直結
  • 重量感があるため、下地の強度や構造との相性確認が必要

このように、吹き付け塗装は素材・技法・意匠のバリエーションが豊富で、住宅のスタイルや施主の好みに応じて多彩な選択が可能です。
見た目のデザインだけでなく、機能性や耐久性を加味した塗装選びが、長く満足できる外観づくりのカギとなります。

外壁の吹き付け塗装にはどんなメリットがある?

吹き付け塗装には、ローラー塗装では得られない多くの利点があります。
ここでは、特に注目すべき3つのメリットを詳しく紹介します。

立体感のある美しい仕上がり

吹き付け塗装の最大の魅力は、独特の凹凸感と高い意匠性を表現できる点です。
塗料を霧状に噴出させることで、微細な粒子が表面に付着し、ランダムかつ自然な凹凸模様を形成します。
リシンやスタッコ、吹き付けタイルなど、仕上げ方法によって異なるテクスチャーを演出できるため、外観に個性や高級感を持たせたい方に最適です。
とくに光の当たり方によって陰影が生まれるため、時間帯や天候によっても表情が変わる外壁に仕上がります。

施工スピードが速い

スプレーガンを使用する吹き付け塗装は、広範囲の外壁を一気に塗装できるため、作業効率が非常に高いのも特徴です。
職人が手でローラーを転がすのと違い、機械による吹き付けは均一かつスピーディーに塗装できます。
特に大きな面積の建物や短工期を求める現場では有利です。
一般的な戸建住宅であれば、外壁のみの塗装で7〜10日ほどで完了するケースもあり、天候さえ良ければスムーズに進行します。
ただし、施工前後の養生作業や塗料準備には丁寧さが求められるため、経験豊富な業者に依頼するのがベストです。

ムラが出にくくキレイに仕上がる

吹き付け塗装は、均一な厚みで塗膜を形成しやすく、細部まで美しい仕上がりが可能です。
凹凸のあるモルタル壁やALCパネルのような下地でも、塗料がしっかりと入り込み、塗りムラや塗り残しが起きにくいでしょう。
サッシ周りや外壁の継ぎ目といった細かな部分にも、塗料がふんわりと広がって届くため、ディテールにまでこだわった美観を実現できます。
また、スプレーによる霧状の塗布は、手塗りに比べて筆圧や方向のブレがなく、どの面でも均一な塗膜厚を確保しやすいという点でも優れています。

実録!新東亜工業の施工事例|4階建てビルの外壁塗装工事

築年数の経過したビルを購入されたオーナー様から、「外壁が劣化しており雨漏りも心配」とのご相談をいただきました。今回は、東京都杉並区にある4階建てビルの外壁塗装・防水工事の一連の流れを、初回のお問い合わせから現地調査、見積提出、契約、施工中のやり取り、そして引き渡しに至るまで、実際の会話を交えながら詳しくご紹介します。「信頼できる業者に任せたい」「予算内でしっかり直したい」という方にとって、参考となるリアルな施工事例です。

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ご相談内容

今回ご相談いただいたのは、築年数の古い4階建てビルを購入されたお客様。購入時点で外壁の傷みが激しく、雨漏りの心配もあるとのことで、外壁塗装と屋上の防水工事をご希望されました。

担当者:お世話になります。新東亜工業の高井です。お問い合わせの件でお電話しました!
お客様:ありがとうございます。今回ビルを購入したんですが、外壁塗装と防水をお願いしたくて…。できるだけ早く見てもらえますか?
担当者:わかりました。では明日の10時はいかがでしょうか?
お客様:はい、大丈夫です。

内装工事も同時進行中とのことで、外装の工事を急ぎたいという背景がありました。

工事の概要|施工内容と条件

ビル外壁塗装 施工前
ビル外壁塗装 施工後

工事内容は以下のとおりです。

項目 内容
建物種別 商業ビル(4階建て)
所在地 東京都杉並区
工事内容 外壁塗装、防水工事、下地補修
工法 塩ビシート機械固定+ウレタン密着工法
特記事項 内装工事との同時進行、工期短縮の要望あり

工事金額:510万円
工期:約2か月

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、外壁の塗膜剥離、タイルの浮き・クラック、屋上防水層の劣化など深刻な症状が確認されました。特に屋上の防水状態は悪く、既存塗料も不適切で、全面改修が必要と判断されました。

担当者:この壁、塗膜がガッツリ剥がれていて、打診しても浮きが多いですね。
お客様:うわ、本当だ。こんなに音が違うんですね…。
担当者:屋上は塩ビシートとウレタンのハイブリッド工法でいきましょう。外壁もタイルの張り替えが必要です。
お客様:予算内に収まるようにお願いします。

施工中のやり取りと配慮

足場組立後、下地調査で塗膜の劣化が想定以上に進行していたことが発覚。雨漏りリスクの高い箇所を優先的に補修し、予算内で最善の施工を進行しました。屋上扉の塗膜厚により開閉しづらくなるといったトラブルも、事前説明と調整によりスムーズに対応。

担当者:塗装の厚みで屋上扉が開きづらくなっています。調整して対応しますのでご安心ください。
お客様:事前に聞いていたので大丈夫です。開くようにお願いします。
担当者:了解です。あとは防水工事に入りますね。

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引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様ご自身でも現地を確認され、「外壁も屋上もきれいに仕上がっていて安心した」との嬉しいお言葉をいただきました。鍵の返却や保証書の送付などもスムーズに完了しました。

お客様:すごくきれいになってました!ドアもちゃんと開くようになっていて安心しました。
担当者:ありがとうございます。保証書などは後日郵送させていただきますね。
お客様:はい。ありがとうございました。本当に良かったです。

本工事では、築古ビルの劣化箇所を的確に調査・把握し、限られた予算内で最大限の品質を確保しました。特に屋上のハイブリッド防水工法と外壁タイルの下地補修により、建物全体の防水性と美観が向上。お客様との綿密なやり取りにより、信頼関係を築きながら安心して任せていただける工事を実現しました。

外壁の吹き付け塗装で注意すべき点とは?

吹き付け塗装には多くのメリットがある一方で、施工時に特有の注意点や制約もあります。
事前に理解しておくことで、失敗やトラブルを未然に防ぐことができます。

塗料のロスが多い

吹き付け塗装は、塗料を霧状にして壁に吹き付けるため、どうしても空気中に舞い上がってしまう塗料(オーバースプレー)が発生します。
これにより、塗布面に届く前に風などで周囲に飛んでしまう塗料が一定量出てしまうのです。一般的に使用塗料の約20〜30%が飛散によるロスになるとも言われており、ローラー塗装よりも材料費が高くつく可能性があります。
さらに、風が強い日などは作業が中断されることも多く、スケジュールにも影響が出る場合があります。

【対策のポイント】

  • 塗料の特性や使用量を正確に見積もる施工業者の選定が重要
  • 飛散を抑えるためのノズル調整や風対策を適切に行う職人の技術力も求められます

養生作業が大変

吹き付け塗装は塗料が広範囲に拡散されるため、建物周辺の設備や植栽、車両などを汚さないための「養生作業」が不可欠です。
養生が不十分だと、窓やサッシ、玄関ドア、植木やフェンス、近隣住宅の外壁や車まで汚してしまうリスクがあります。
また、養生の範囲が広くなるため、準備や片付けに時間と労力がかかり、その分の人件費や工期も増えることがあります。

【対策のポイント】

  • 「吹き付け塗装に慣れている業者」を選び、養生実績や過去のトラブル対応などを確認しておく
  • 養生範囲や使用資材(飛散防止ネットやマスカーなど)の内容を見積書に明記してもらうと安心です

職人の技術に仕上がりが左右される

吹き付け塗装は、見た目以上に繊細な技術が要求される塗装工法です。
特に、スプレーの吹き付け距離・角度・スピード・重ね回数など、細かな作業の積み重ねで仕上がりが決まります。
経験が浅い職人やスキルが不足していると、ムラやダレ(塗料が垂れる)・均一でない模様が発生し、見栄えが悪くなるリスクがあります。
また、吹き付け後の塗料の厚みが不均一だと、耐久性や防水性にも差が出るため、仕上がりの美観だけでなく品質にも影響します。

【対策のポイント】

  • 施工事例の写真を見せてもらい、技術力の確認を行うこと
  • 「自社施工」の業者であれば職人の顔が見えるため、技術や品質に対する責任感が強い傾向にあります
  • 担当者に「どの職人が担当するのか」まで確認すると、より安心できます

デメリットを把握すれことが満足度の高い施工につながる

吹き付け塗装は美しくスピーディーで、意匠性の高い塗装工法ですが、裏を返せばそれだけ施工精度や現場管理が問われる塗装法でもあります。
そのため、「安さ」だけで選ばず、総合的な提案力・管理体制・実績を持った信頼できる業者選びが重要です。
しっかりとした準備と判断をもって臨めば、吹き付け塗装の魅力を最大限に引き出せるでしょう。

吹き付け塗装に適したケースと向かないケース

吹き付け塗装は、高い意匠性と施工スピードを兼ね備えた塗装工法ですが、すべての外壁に最適というわけではありません。
建物の素材やデザイン、施主の目的によって、向き・不向きがあります。
ここでは、吹き付け塗装がおすすめなケースと避けた方がよいケースを詳しく解説します。

吹き付け塗装がおすすめなケース

重厚感や模様のある仕上がりを好む方

吹き付け塗装は、スプレーによって塗料を均一かつ立体的に吹き付けることで、凹凸のある豊かな表情や模様を演出できる点が魅力です。
そのため、高級感のある外観や独自性を出したい方に最適です。リシン仕上げやスタッコ仕上げ、吹き付けタイルなど、質感のバリエーションが豊富なため、外観デザインにこだわりたい住宅にぴったりです。

施工期間を短縮したい方

吹き付け塗装は、ローラー塗装に比べて広範囲を短時間で塗装できるため、工期の短縮が可能です。
特に「天候の変化に左右されやすい時期に工事をしたい」「外壁工事中の生活ストレスを減らしたい」といった方にとっては大きなメリットになります。
スプレーによる塗装は、作業に慣れた職人であれば1日で数十㎡を一気に塗装することも可能です。

モルタルやALCなど、凹凸を活かせる外壁材を使用している

吹き付け塗装は、下地にある程度の吸着性と凹凸がある素材と相性が良いとされています。
たとえば、ルタル外壁やALCパネル(軽量気泡コンクリート)などは、塗料がしっかり密着しやすく、吹き付けた際の模様もきれいに出やすいため、適した素材といえます。
これらの素材は、模様を際立たせることで質感が引き立つため、吹き付け塗装のメリットを存分に活かすことができます。

吹き付け塗装が向かないケース

デザイン性の高いサイディング外壁には不向き

近年主流となっている窯業系サイディングや金属サイディング外壁は、もともと意匠性の高いデザイン(レンガ調・木目調など)が施されていることが多く、吹き付け塗装によってそれを塗りつぶしてしまう可能性があります。
吹き付け塗装による模様や凹凸が加わることで、既存の美しいパターンが損なわれる場合があるため注意が必要です。
また、サイディングの種類によっては、表面がツルツルしており塗料が密着しにくいケースもあるため、施工後の耐久性にも影響を及ぼす可能性があります。

【判断のポイント】

  • 既存のサイディングの模様を残したい場合は、透明なクリア塗装やローラー塗装の方が適しています。
  • 意匠性よりも機能性や仕上がりの均一性を重視する場合のみ、吹き付け塗装を検討すると良いでしょう。

吹き付け塗装の「適材適所」を見極めることが重要

吹き付け塗装の魅力を最大限に引き出すには、「素材」「デザイン意図」「目的」に応じた適切な判断が欠かせません。

  • 見た目の重厚感やスピード感を求めるなら吹き付け塗装
  • 現在の外壁デザインを活かしたい、塗料の飛散を抑えたいならローラー塗装やクリア塗装

このように、ご自宅の外壁素材や理想の仕上がりイメージに応じて、最適な工法を選ぶことが、後悔のないリフォームにつながります。

吹き付け塗装とローラー塗装の違い

外壁塗装には大きく分けて「吹き付け塗装」と「ローラー塗装」の2種類があり、それぞれの特徴を理解した上で選ぶことが大切です。
ここでは両者の違いやメリット・デメリットを比較しながら、最適な塗装方法の選び方を解説します。

項目吹き付け塗装ローラー塗装
工具スプレーガン(機械)ローラー
塗料飛散多い少ない
スピード早い遅い
養生手間がかかる通常
職人数少ない(高スキル必要)多い(技術的ハードル低め)

外壁の吹き付け塗装による影響と施工時の注意点

吹き付け塗装は美しく効率的な工法ですが、施工中には周囲環境や住環境に影響が出る可能性があるため、事前の準備と配慮が重要です。
主な注意点を詳しく解説します。

塗料の飛散リスクと養生の重要性

吹き付け塗装では、塗料を霧状に噴霧するため、塗料が風に乗って近隣の住宅や車、植栽に飛散してしまうリスクがあります。
たとえ風が弱くても微細な飛散が起こるため、建物の窓や換気口、車のボディ、玄関ポーチなどはしっかりと養生で覆う必要があります。
養生が不十分だと、後の清掃や補修に余計な時間・費用がかかり、近隣トラブルにもつながる恐れがあり注意しましょう。

【対策例】

  • 飛散防止ネットや養生シートの徹底使用
  • 周辺住民への事前説明と作業日程の共有
  • 風向きや天候条件を考慮し、飛散が拡大しやすい日は作業を見合わせる

臭気の発生と室内換気への影響

使用する塗料には揮発性の有機化合物(VOC)が含まれており、施工中は特有の臭気が発生することがあります。
この臭気が室内に入り込むと、換気を制限せざるを得ない場合や、においに敏感な方が体調不良を感じる可能性もあります。
特に気密性の高い現代住宅では、窓やドアを開けられない期間が長引くこともあるため、換気計画を事前に立てておくことが大切です。

【対策例】

  • 低VOCや水性塗料の使用検討
  • 臭気発生を抑えるための作業時間の工夫(早朝や夕方の作業回避など)
  • 周辺住民への臭気発生の事前説明

機械音(スプレーガンの動作音)への配慮

吹き付け塗装で使用するスプレーガンや圧縮機は、動作時に一定の騒音が発生します。
この機械音が、近隣の住民の生活に影響を与えることもあるため、音対策や作業時間の配慮が必要です。
夜間作業や早朝作業は避けるなど、周囲に配慮したスケジュール管理が求められます。

【対策例】

  • 騒音対策用の機材使用や防音カバーの活用
  • 事前に近隣へ作業日時を告知し、理解を得る
  • 短時間で効率的に作業を行い、工期をなるべく短くする

よくある質問(FAQ)

Q1. 吹き付け塗装はどんな外壁材に向いていますか?
A. モルタルやALCパネルのように、表面に凹凸や模様を活かしたい外壁材に最適です。
意匠性の高いサイディング外壁にはあまり向きません。

Q2. 吹き付け塗装とローラー塗装の違いは?
A. 吹き付けは立体的で細やかな仕上がりが可能です。
一方ローラー塗装は飛散が少なく、養生の手間が少ないのが特徴です。

Q3. 工事期間はどれくらい?
A. 外壁のみで約7〜10日、屋根も含む場合は10〜14日程度が目安です。
天候や建物の状態によって変動します。

Q4. 近隣への配慮は必要?
A. はい。塗料飛散を防ぐためにしっかりした養生と、作業スケジュールの調整など配慮が必要です。

Q5. 吹き付け塗装の費用は?
A. 一般的な戸建て(40坪・シリコン塗料使用)で約90〜120万円が目安です。ただし、使用塗料や状態により異なります。

外壁の吹き付け塗装でより美しい仕上がりを目指す|まとめ

吹き付け塗装は、短期間で広範囲を美しく仕上げられる点が大きな魅力で、特にモルタルやALCなど凹凸のある外壁に適しています。
しかし、塗料の飛散や職人の技術に仕上がりが左右されるため、施工業者選びが重要です。
実績豊富で自社施工の業者を選び、事前説明や施工事例の確認をしっかり行いましょう。
また、中間マージンが発生しない直接契約の業者ならコストも抑えられる可能性があります。

建物の材質や希望する仕上がりを踏まえ、最適な塗装方法を選ぶことで、満足度の高い外壁塗装を実現できます。