ガルバリウム鋼板を用いた外壁のメリットは?注意点やメンテナンスについても解説

2025/07/24

ガルバリウム鋼板は耐久性・耐候性に優れ、近年注目を集める外壁材です。軽量でメンテナンスが簡単なことから、新築やリフォームで選ばれることが増えています。本記事では、ガルバリウム鋼板の特徴やメリット・注意点・種類などを詳しく解説します。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼・メール・お電話でお受け致しております

目次

ガルバリウム鋼板を用いた外壁とは

ガルバリウム鋼板は、建築用外壁材の中でも近年急速に人気が高まっている素材の一つです。金属の強さと耐久性を持ちながら、軽量で扱いやすい特性があり、屋根材としても使われています。まずは、ガルバリウム鋼板の成分や特徴、そして他の外壁材との違いについて詳しく見ていきましょう。

ガルバリウム鋼板の成分と特徴

ガルバリウム鋼板は、主に鋼板の表面に亜鉛・アルミニウム・シリコンを複合的にめっきした鋼板です。具体的には、約55%のアルミニウム、43.4%の亜鉛、1.6%のシリコンという割合でめっきが施されています。この複合めっきにより、以下のような優れた性能が実現しています。

  • 高い耐食性:亜鉛めっきだけの鋼板に比べ、錆びにくく長期間美しい外観を保てます。アルミニウムの耐酸化被膜が腐食を防ぎ、シリコンが耐候性をさらに高めます。
  • 耐熱性・耐候性:太陽光や雨風、酸性雨などの厳しい気象条件にも強く、過酷な環境でも劣化しにくい素材です。
  • 軽量で強度が高い:同じ厚みの鉄鋼材に比べ軽量ながら高い強度を持ち、建物への負担を軽減します。

このように、ガルバリウム鋼板は従来の亜鉛メッキ鋼板の弱点を克服し、耐久性を大幅に向上させた進化版と言えます。

スチールとアルミの長所を兼ね備えた素材

ガルバリウム鋼板は鋼板(スチール)の強度と剛性を持ちながら、アルミニウムの耐食性や軽量性を兼ね備えています。鋼板そのものは非常に強く耐衝撃性に優れていますが、単体では錆びやすく屋外での使用は限定的です。一方、アルミニウムは錆びにくく軽量ですが、強度は鋼板に劣ります。

この両者の良さを融合させたのがガルバリウム鋼板であり「錆びにくさ」と「丈夫さ」を両立しているため、外壁材の理想的な素材として高く評価されています。さらに、軽さゆえに施工性も良く、建築コストの面でもメリットがあります。

他の外壁材との違い

ガルバリウム鋼板外壁は、住宅や商業施設で一般的に使われる他の外壁材、たとえば窯業系サイディングや塗り壁材(モルタルや漆喰)と比較すると、いくつかの明確な違いがあります。

  • 耐久性: ガルバリウム鋼板は金属製であり、サイディングや塗り壁よりも高い耐久性を持ちます。特に錆びにくく長期間劣化しにくいのが大きな特徴です。
  • メンテナンスのしやすさ:塗り壁やサイディングは定期的な塗り替えや目地の補修が必要ですが、ガルバリウム鋼板は表面の塗装やめっきが劣化しない限り、比較的メンテナンス頻度が低いです。
  • デザイン性:サイディングや塗り壁は多彩な質感や色合いが特徴ですが、ガルバリウム鋼板も表面仕上げや形状のバリエーションが豊富で、モダンやインダストリアルな建築デザインにマッチしやすいです。
  • 施工性:軽量なガルバリウム鋼板は施工が比較的スピーディーであり、工期短縮や施工コストの抑制に繋がります。一方で金属特有の熱膨張を考慮した施工が必要です。

これらの特徴を踏まえ、建物の立地環境や設計コンセプト・予算に応じて外壁材を選ぶことが重要です。ガルバリウム鋼板は、耐久性とデザイン性を兼ね備えた先進的な外壁材として、幅広く採用されています。

ガルバリウム鋼板外壁のメリット

ガルバリウム鋼板は、現代建築の外壁材として非常に人気の高い素材です。その理由は、性能面・機能面ともに優れた特性を多く備えているためです。ここでは、ガルバリウム鋼板外壁の主なメリットを具体的に解説します。

錆びにくい

ガルバリウム鋼板の最大の特徴は、なんといってもその耐久性と耐食性の高さです。亜鉛・アルミニウム・シリコンからなる特殊な合金めっきによって、鉄鋼の弱点である「錆びやすさ」を大幅に改善。アルミニウムの酸化皮膜が腐食を防ぎ、亜鉛が傷の自己修復作用を持つため、小さな傷がついても錆が広がりにくいという特徴があります。これにより、20年以上にわたって外観や性能を保つことが可能です。

軽量で建物への負担が少ない

ガルバリウム鋼板は、他の金属系素材や窯業系サイディングと比較して非常に軽量です。建物にかかる荷重が少ないため、耐震性の向上にもつながります。特にリフォームにおいて、既存の構造体への負担を抑えながら施工できる点は大きなメリットです。結果として、建物全体の寿命を延ばす効果も期待できます。

デザイン性の高さ

金属と聞くと無機質で冷たい印象を持たれるかもしれませんが、近年のガルバリウム鋼板はカラーバリエーションや表面仕上げが非常に豊富です。マットな質感から艶あり、木目調や石目調のプリントタイプなども登場しており、和風・洋風・モダン・インダストリアルなど、あらゆる住宅デザインに対応できます。縦張り・横張り・波型などの形状も選べ、個性的な外観を演出できるのも魅力です。

メンテナンスが簡単で長持ち

ガルバリウム鋼板は、長期間にわたって美観と性能を保つことができ、基本的には塗装やコーキングの打ち替えなどの頻度も少なく済みます。定期的な水洗いや軽い点検だけで十分なケースが多く、維持費の面でも優れています。メンテナンスの手間を抑えつつ、住宅全体のランニングコストを低減できるのは、忙しい現代人にとって大きなメリットと言えるでしょう。

断熱性や遮熱性の向上効果

金属素材であるため熱伝導率は高いものの、断熱材との組み合わせや遮熱塗装などの技術により、断熱性・遮熱性を十分に確保することが可能です。特に、遮熱機能を持つ塗膜処理が施された製品を使用すれば、太陽光の熱を反射し、室内の温度上昇を抑制する効果が得られます。夏場の冷房効率を高め、光熱費削減にも貢献します。

ガルバリウム鋼板外壁の注意点

ガルバリウム鋼板は多くの優れた特性を持つ外壁材ですが、万能というわけではありません。採用を検討する際には、メリットだけでなくデメリットや注意点も正しく理解することが重要です。ここでは、ガルバリウム鋼板外壁における主な注意点について詳しく解説します。

初期コストがやや高めの傾向

ガルバリウム鋼板は高性能な外壁材である分、他の素材(窯業系サイディングなど)と比べて初期コストが高めになる傾向があります。特に、施工には専門的な知識や技術が求められるため、熟練の施工業者に依頼する必要があり、その分の人件費も上乗せされる可能性があります。ただし、長期的にはメンテナンス費用が抑えられるため、トータルコストで見れば経済的といえる場合も多いです。

傷がつくと錆びるリスクがあるため施工・扱いに注意

ガルバリウム鋼板は耐食性に優れているとはいえ、表面に深い傷がつくと防錆効果が低下し、錆が発生するリスクが高まります。特に施工時の取り扱いや、強風で飛来物が当たる可能性がある立地では注意が必要です。傷がついた場合は、早めに補修を行うことで錆の進行を防ぐことができます。製品によっては、表面塗膜でさらに保護されているタイプもあるため、選定時にチェックしておくと安心です。

騒音(雨音)が響く場合がある

金属製の外壁であることから、ガルバリウム鋼板は雨が当たったときの音が室内に響きやすいというデメリットもあります。特に屋根や外壁全面をガルバリウム鋼板で仕上げた場合、強い雨の際には「トタン屋根のような音がする」と感じる方もいます。この対策としては、断熱材や吸音材をしっかりと施工することが有効です。最近では遮音性の高い製品も登場しているため、音が気になる方は製品選びにも注意しましょう。

ガルバリウム鋼板外壁の施工ポイント

ガルバリウム鋼板外壁は高耐久でメンテナンス性にも優れた建材ですが、その性能を最大限に引き出すためには、適切な施工が不可欠です。ここでは、ガルバリウム鋼板外壁を導入する際に、押さえておくべき施工のポイントについて解説します。

適切な下地処理の重要性

ガルバリウム鋼板を設置する前には、下地の処理が非常に重要です。下地には、透湿防水シートや通気層の確保・胴縁の取り付けなどが含まれます。これらが不十分だと、結露やカビ、湿気による腐食などの問題が発生する恐れがあります。特に通気層は、湿気を逃し外壁の劣化を防ぐ重要な構造の一つです。高気密・高断熱住宅の場合は、特に注意が必要です。

熱膨張に対応した釘・ビスの使い方

ガルバリウム鋼板は金属製であるため、気温の変化によって膨張・収縮を繰り返します。この特性に対応するためには、施工時に使用する釘やビスの種類や打ち方が非常に重要です。可動性を確保するために、スライド可能な長穴や浮かせた状態で固定する「浮かし釘工法」などの工夫が必要です。

専門業者による施工の必要性

ガルバリウム鋼板の施工には、金属特有の特性を理解した専門知識と技術が必要です。たとえば、板金の継ぎ目の処理・雨仕舞の設計・熱による変形への対応などは、経験のある職人でなければ正確に施工できません。DIYや経験の浅い業者による施工では、見た目は良くても数年で不具合が出るケースもあります。

そのため、実績のある施工業者に依頼し、事前に使用する材料や施工方法について十分に打ち合わせることが重要です。アフターサービスや保証体制のある業者を選ぶと、施工後も安心です。

メンテナンスの基本(定期点検と清掃)

ガルバリウム鋼板外壁はメンテナンス性に優れていますが、まったく手がかからないわけではありません。定期的な点検と簡単な清掃を行うことで、美観と耐久性を長期間保つことができます。年に1〜2回を目安に以下のようなメンテナンスを行うと良いでしょう。

  • 表面の汚れやコケ、排気ガスなどの付着物を水洗いで除去する
  • 接合部やビス周りの浮き・緩みを点検する
  • 錆びや変色、膨れなどの兆候がないか確認する

また、台風や強風の後には飛来物による傷がないかも確認しておくと安心です。

ガルバリウム鋼板外壁の費用相場とコストパフォーマンス

ガルバリウム鋼板外壁は高耐久・高機能で人気がありますが、初期費用が他の外壁材に比べてやや高めという点が気になる方も多いでしょう。ここでは、施工費用の目安・メンテナンス費用との比較、そして長期的なコストメリットについて解説します。

施工費用の目安(㎡単価や全体費用の参考値)

ガルバリウム鋼板外壁の施工費用は、仕様や形状・施工面積・地域や業者によって異なりますが、以下が一般的な目安です。

内容費用の目安
㎡あたりの施工単価約7,000〜12,000円/㎡
30坪住宅の外壁全体費用約100万〜180万円程度

※使用する鋼板の厚みや形状・下地工事の有無・防水処理・施工難易度などによって、価格は前後します。

長期的に見たコストメリット

ガルバリウム鋼板外壁の最大のメリットは、長期間にわたって美観と機能を保てる点です。以下の要素が、トータルコストを抑える要因となります。

  • 塗装の再施工頻度が少なく済む
  • 錆びにくく、張り替えの必要が少ない
  • 耐震性向上による構造負担の軽減(軽量素材)
  • 清掃の手間が少なく外壁の劣化を抑制

長期的に住宅の外観・性能を維持し、資産価値を保つことができるため、初期投資に見合うリターンを期待できます。特にメンテナンス費用やライフサイクルコストを重視する方にとっては、非常に経済的な選択肢といえるでしょう。ガルバリウム鋼板外壁は、一見高価に思えるかもしれませんが、長期の視点から見ると優れたコストパフォーマンスを発揮します。価格だけでなく、耐久性・メンテナンス性を含めた総合的な判断が重要です。

実録!新東亜工業の施工事例|5階建てマンション大規模修繕工事の外壁塗装

埼玉県さいたま市のマンションオーナー様から「そろそろ外壁と屋上防水の修繕を検討したい」とのご相談をいただきました。築年数の経過により外壁や鉄部の劣化が目立ち始めたことがきっかけです。
本記事では、お問い合わせから現地調査、見積説明、契約、打ち合わせ、工事中の様子、そして引き渡しに至るまでの流れを、実際の会話形式でリアルにご紹介します。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。


ご相談内容

マンション全体の劣化が目立ち始めたものの、修繕工事をどこに頼めばよいか分からず困っていたオーナー様から、お電話でご相談いただきました。

担当者:お電話ありがとうございます。新東亜工業でございます。
お客様:マンションの大規模修繕の見積をお願いしたいのですが。
担当者:もちろんです。詳細は担当者より折り返しさせていただきます。

担当者:ご住所と図面の有無を教えていただけますか?
お客様:図面あります。今週木曜日なら立ち合えます。
担当者:では木曜11時に伺います!


工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前
大規模修繕 施工後
外壁塗装工事 施工前
外壁塗装工事 施工後
 
項目 内容
建物種別 鉄筋コンクリート造 5階建てマンション
所在地 埼玉県さいたま市
工事内容 外壁塗装、屋上・バルコニー防水、鉄部塗装、下地補修、シーリング打替え
工法 ウレタン防水(密着工法)、外壁塗装(シリコン3回塗り)
その他特記事項 駐車場・資材置き場の敷地内使用、居住者への事前周知徹底

工事金額:1,210万円
工期:58日間


現地調査で判明した劣化症状

外壁タイルの目地や鉄部のサビ、屋上防水層の浮きなど、各所に経年劣化が見られました。

担当者:屋上のひび割れが多く、既存のアスファルト層の状態も良くありません。
お客様:予算があるのでウレタン防水でお願いします。
担当者:ウレタンは安価ですが、施工保証は難しいです。ご希望に沿って見積を2種類お出ししますね。


担当者:玄関枠や鉄部はすべて塗装。外壁目地のシーリング幅が広く、材料費がかさむ原因です。
お客様:費用のこともあるので、教えてもらえてよかったです。


施工中のやり取りと配慮

施工中は定期的な中間報告を実施し、オーナー様のご不在時でも進捗が分かるよう対応。また、住人対応やトラブル未然防止にも注力しました。

担当者:下地補修の数量が多めでしたが、サービスで対応します。
お客様:ありがとうございます。追加がないのは安心です。
担当者:バルコニーに設置されていたアンテナは、住人に説明して移動済みです。
お客様:ありがとうございます。塗装の色もイメージ通りでした!

お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!

新東亜に相談する

引き渡し時のご感想

工事完了後、オーナー様ご自身でも仕上がりを確認され、大変ご満足いただけました。

担当者:足場解体も終わり、完工となります。
お客様:仕事帰りに確認しました。とても綺麗になっていて嬉しいです。
担当者:保証書や報告書は郵送いたします。鍵の返却もご自宅へお届けします。
お客様:本当にありがとうございました。また何かあれば相談します。

本工事では、以下のポイントを徹底しました。

  • 図面+現地調査に基づく透明性のある見積提示
  • 劣化症状に応じた下地補修と高耐久の3回塗り仕上げ
  • 居住者対応や追加費用の事前通知を徹底
  • 工事後の書類対応・フォロー体制完備

外壁塗装を含む大規模修繕は、建物の資産価値を守るために欠かせない工事です。新東亜工業では、オーナー様のご要望を丁寧に伺いながら、安心してお任せいただける体制を整えております。

よくある質問(FAQ)

ガルバリウム鋼板外壁に関して多く寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。導入を検討する際にお役立てください。

Q1. ガルバリウム鋼板の外壁はどれくらいの寿命がありますか?

A. 一般的には、約25年〜35年程度とされています。適切な施工と定期的なメンテナンスを行えば、さらに長持ちする可能性もあります。

Q2. メンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?

A. 基本的には、年に1〜2回の点検・清掃がおすすめです。特別なメンテナンスは10年~15年ごとに補修やビスの点検を行う程度で済むため、他の外壁材と比べてメンテナンスの手間が少ないのが特徴です。

Q3. 色あせや変色は起こりますか?

A. 長期間紫外線にさらされることで、多少の色あせや艶引けは起こり得ます。ただし、塗装技術の向上により、耐候性の高い塗膜処理が施された製品では変色のリスクが軽減されています。色あせが気になる場合は再塗装も可能です。

Q4. 施工後の保証はありますか?

A. 多くの専門業者では、製品保証および施工保証が用意されています。保証内容や年数は業者ごとに異なるため、契約時に詳細を確認することが重要です。

Q5. ガルバリウム鋼板の外壁は火に強いですか?

A. はい、金属素材であるため燃えにくく、安全性が高い外壁材です。ただし、外壁材の耐火性能は他の建材や構造との組み合わせにも影響されるため、建築基準法や地域の防火規制に適合した設計・施工が重要です。

Q6. 海の近くの住宅でもガルバリウム鋼板は使えますか?

A. 海沿いの環境では、塩害による腐食のリスクがあるため注意が必要です。ただし、耐塩害仕様の製品を選ぶことで対策が可能な場合があります。

ガルバリウム鋼板は外壁材として効果的|まとめ

ガルバリウム鋼板外壁は、耐久性・防錆性・デザイン性に優れた外壁材であり、現代の住宅に広く採用されています。軽量で建物への負担が少なく、長期にわたって美観を保ちやすいため、コストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。

施工は専門業者に依頼し、定期的な点検・清掃などのメンテナンスを行うことで、その性能を十分に発揮できます。家づくりやリフォームを検討する際は、ぜひ外壁材の候補としてガルバリウム鋼板を加えてみてください。