外壁塗装のDIYは自分でできる?必要な道具や正しい手順から業者依頼すべきケースまで解説
2025/12/17
「外壁塗装を業者に頼むと高額になるから、自分でできないだろうか…」そんな風に考えている方は少なくありません。
確かに、外壁塗装のDIYは不可能ではなく、適切な知識と準備があれば実施できます。
しかし、外壁塗装は専門性の高い作業であり、間違った方法で行うと数年で塗膜が剥がれたり、高所からの転落事故といった深刻なトラブルを招く恐れがあります。
業者に依頼すれば80万円~150万円かかる外壁塗装も、DIYなら30万円~50万円程度に抑えられる可能性があります。
ただし、費用削減のメリットと引き換えに、品質や安全性のリスクを十分に理解しておく必要があります。
この記事では、外壁塗装のDIYに必要な道具・費用・正しい手順から、よくある失敗例と対策まで徹底的に解説します。
DIYに挑戦すべきか、それとも業者に依頼すべきかを判断する材料としてお役立てください。
また本記事の理解を深めるためにも、外壁塗装の定義や役割・費用目安・流れなど基本的な情報を理解しておくことをおすすめします。
外壁塗装とはどのようなものなのかを、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
この記事で分かること
- 外壁塗装のDIYに必要な道具一覧と費用の内訳
- 外壁塗装のDIYを成功させる10工程の正しい手順
- 外壁塗装のDIYのメリット・デメリットと業者依頼との費用比較
- 外壁塗装のDIYでよくある失敗例と失敗を防ぐ3つのポイント
- 外壁塗装のDIYが向いているケースと業者依頼すべきケース
目次
外壁塗装のDIYに必要な道具と費用の内訳
外壁塗装のDIYを始める前に、必要な道具と費用を正確に把握しておくことが重要です。
「思ったより費用がかかってしまった」という失敗を避けるため、まずは全体像を確認しましょう。
外壁塗装のDIYで揃えるべき道具一覧
外壁塗装をDIYで行う場合、工程ごとに適切な道具を揃えることが仕上がりと安全性を左右します。
特に洗浄・下地処理・塗装・安全対策の4工程を意識して準備することが重要です。
高圧洗浄機は外壁の汚れや旧塗膜を除去するために必須で、水圧10MPa前後の家庭用モデルが目安となります。
補修や養生が不十分だと塗膜の耐久性が大きく低下するため、コーキング材やマスキング用品も欠かせません。
また高所作業では安全装備が不可欠で、事故防止の観点からも妥協は禁物です。
主な必要道具一覧
- 高圧洗浄機:2万~5万円
- 補修材・コーキング一式:3,000~1万円
- マスキングテープ・養生シート:3,000~5,000円
- ローラー・刷毛・トレイ類:5,000~1万円
- 安全装備(ヘルメット・安全帯等):1万~3万円
一式を揃えると初期費用は約5万~10万円が目安です。
外壁塗装のDIYの費用相場と内訳(材料費・足場代)
外壁塗装をDIYで行う場合、30坪程度の住宅で総額30万~50万円が一般的な費用相場です。
最大の割合を占めるのは塗料代で、使用する塗料のグレードによって大きく変動します。
次に大きいのが足場代で、安全性確保のため多くのケースで業者依頼が必要になります。
道具や養生材などの初期費用も無視できません。
業者施工より安く済む反面、施工不良や事故のリスクを考慮する必要があります。
DIY費用の内訳(30坪目安)
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 塗料代 | 10万~25万円 |
| 足場代 | 15万~20万円 |
| 道具・材料費 | 5万~10万円 |
| 合計 | 30万~50万円 |
業者依頼(80万~150万円)と比べると安価ですが、安全性と仕上がりの責任はすべて自己負担となります。
外壁塗装のDIYで使う塗料の種類と選び方
DIYにおける外壁塗装では、塗料選びが耐久性と満足度を大きく左右します。
価格だけで選ぶと数年で再塗装が必要になり、結果的にコスト増となるケースも少なくありません。
初心者には扱いやすさと耐久性のバランスが重要で、下塗り材との相性も必ず確認する必要があります。
塗料別の特徴比較
| 塗料種類 | 耐用年数 | DIY適性 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アクリル | 5~8年 | × | 安価だが耐久性が低い |
| ウレタン | 8~10年 | △ | 扱いやすいが寿命短め |
| シリコン | 10~15年 | ◎ | バランス良く初心者向け |
| フッ素 | 15~20年 | △ | 高耐久だが高価・難易度高 |
DIY初心者には水性シリコン塗料+専用下塗り材の組み合わせが最も無難です。
下塗りを省くと早期剥離の原因になるため注意しましょう。
外壁塗装のDIYの正しい手順を解説
外壁塗装のDIYを成功させるには、正しい手順を守ることが何より重要です。工程を省略したり、順番を間違えたりすると、塗膜の剥がれや耐久性の低下を招きます。
ここでは、外壁塗装のDIYの正しい手順を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Step1. 外壁塗装のDIYの足場設置
外壁塗装では高所作業が避けられないため、足場の設置は必須です。足場の組み立てには専門知識と資格が必要なため、DIYでも必ず専門業者へ依頼することを強く推奨します。
素人施工による足場倒壊事故は毎年発生しており、重大事故につながる危険性があります。
費用は15万〜20万円程度かかりますが、安全確保のために必要な投資と考えましょう。
依頼時は、設置期間・延長料金・事故時の補償体制を必ず確認してください。
DIYは想定以上に作業が長引くため、余裕を持った契約が重要です。
また、足場設置前には近隣への挨拶も欠かせません。設置・解体時は大きな音が出るため、作業日程と時間帯を事前に伝え、トラブル防止に努めましょう。
Step2. 外壁塗装のDIYの高圧洗浄
足場完成後、最初に行うのが高圧洗浄です。この工程は塗料の密着性を左右する極めて重要な下準備です。
外壁には汚れ、カビ、コケ、チョーキング粉などが付着しており、除去せずに塗装すると早期剥離の原因になります。
家庭用高圧洗浄機(約10MPa)を使い、上から下へ順に洗浄します。
汚れが強い部分はブラシ併用が効果的です。窓枠やサッシの隙間も忘れず洗いましょう。
水の飛散防止のため、養生シートで周囲を保護することが必須です。
外壁材が劣化している場合は水圧を弱め、慎重に作業してください。築年数が古い建物ほど注意が必要です。
Step3. 外壁塗装のDIYの乾燥
高圧洗浄後は、外壁を十分に乾燥させます。最低24時間、理想は48時間以上の乾燥期間を確保しましょう。
水分が残ったまま塗装すると、白濁・密着不良・塗膜剥離の原因になります。
乾燥期間中は天気と湿度に注意が必要です。雨天や湿度80%以上の日、気温5℃以下の環境では乾燥が遅れます。
外壁を手で触り、水気を感じなくなるまで待つことが確実です。
途中で雨が降った場合は、再度乾燥期間を設けましょう。焦りは失敗の元です。
特に梅雨や秋雨時期は、3日以上かかるケースも想定してスケジュールを組むことが重要です。
Step4. 外壁塗装のDIYの下地処理(補修)
乾燥後は下地処理を行います。下地処理は仕上がりと耐久性を決定づける最重要工程です。
まずクラック補修です。幅0.3mm以上のひび割れは補修材で充填し、平滑に整えます。
次にサイディング目地のコーキング補修を行い、劣化部分は打ち替えます。
古いコーキングを撤去し、プライマー塗布後に新材を充填します。
最後に金属部のケレン作業(研磨・サビ取り)を行います。
サビや旧塗膜を除去しないと、塗料が密着せず早期剥離につながります。
地味な工程ですが、ここを丁寧に行うことで塗装寿命は大きく変わります。
Step5. 外壁塗装のDIYの養生
塗装前に、塗料が付着してはいけない箇所を養生します。
窓・サッシ・玄関ドア・雨樋・室外機・植栽・地面・隣家境界など、対象は多岐にわたります。
養生は手間に感じますが、後処理の手間やトラブル防止を考えると最も重要な準備作業です。
マスキングテープと養生シートで隙間なく覆い、風で剥がれないよう重ね貼りを意識しましょう。
特に車や隣家への塗料飛散は大きなトラブルになります。「やりすぎ」くらいが丁度良いと考えてください。
マスカー(テープ一体型シート)を使うと作業効率が向上します。
Step6. 外壁塗装のDIYの下塗り
下塗りは、外壁と上塗り塗料を密着させる接着剤の役割を持つ重要工程です。省略すると、どんな塗料でも剥がれます。
下塗り材(シーラー・フィラー)をトレイに入れ、ローラーで上から下へ塗布します。
細部は刷毛を使用しましょう。塗りムラは問題ありませんが、塗り残しは厳禁です。
規定量を守り、吸い込みが激しい箇所は重ね塗りします。
塗装後は24〜48時間乾燥させ、塗料缶の指示を必ず守ってください。
下塗り色は白系が多く、上塗り時の塗り残し確認にも役立ちます。
Step7. 外壁塗装のDIYの中塗り
下塗り乾燥後、中塗りを行います。中塗りと上塗りは同じ塗料を使用し、塗膜厚を確保する役割があります。
塗料を適切に希釈し、ローラーでM字を描くように塗り広げます。
力を入れすぎず、一定方向で塗ることがムラ防止のコツです。細部は先に刷毛で仕上げます。
下塗り色が透けても問題ありません。乾燥時間は24時間以上確保し、湿度・低温時は延長してください。
中塗りは仕上がりの約8割を決める工程です。丁寧さが完成度を左右します。
Step8. 外壁塗装のDIYの上塗り
上塗りは最終仕上げ工程です。中塗り同様に塗りますが、塗りムラ・垂れ防止を最優先します。
ローラーの塗料量を調整し、光の角度を変えながら確認しましょう。
耐久性向上のため、上塗りは2回塗りが推奨されます。
1回目が完全乾燥してから重ね塗りしてください。
早すぎる重ね塗りは剥離原因になります。
塗りすぎは垂れや気泡の原因となるため、適量を意識しましょう。
乾燥時間は24〜48時間以上確保し、季節に応じて調整します。
Step9. 外壁塗装のDIYの養生取り
上塗りが完全乾燥したら、養生を撤去します。テープはゆっくり剥がし、塗膜を傷つけないよう注意しましょう。
塗料が完全硬化していない状態で剥がすと欠けや剥離が起きやすいため、十分な乾燥時間を取ることが重要です。
はみ出しがあれば早めに拭き取り、窓やサッシも細かく確認します。
養生撤去後は全体をチェックし、塗り残し・ムラ・垂れがないか確認しましょう。
この段階なら軽微な修正が可能です。
Step10. 外壁塗装のDIYの足場解体
全工程完了後、足場を解体します。解体も設置同様、必ず専門業者に依頼してください。
自己解体は落下・倒壊リスクが高く危険です。
解体前に、塗装完了・完全乾燥・養生撤去・道具片付けを確認しましょう。
解体時も騒音が出るため、近隣への事前連絡が必要です。
解体後は足場があった部分を含め、外壁全体を最終確認します。
数日間は雨後の染みや剥がれもチェックし、問題があれば早期補修を行いましょう。
外壁塗装のDIYは可能?メリット・デメリットを比較
外壁塗装のDIYには、費用面での大きなメリットがある一方で、見過ごせないデメリットも存在します
ここでは、DIYと業者依頼を比較しながら、それぞれの特徴を詳しく解説します。
外壁塗装のDIYは自分でできるのか
外壁塗装のDIYは実施可能ですが、誰にでも適しているわけではありません。
十分な作業期間を確保できることや、高所作業への耐性、塗装工程を学ぶ意欲が求められます。
特に外壁塗装は失敗時のリスクが大きく、事前の自己判断が重要です。
DIYが可能と判断できる条件
- 2週間〜1か月以上の作業期間を確保できる
- 高所作業に恐怖心がない
- 塗料・工程・乾燥時間を学ぶ意欲がある
- 体力に自信がある
- 失敗時も自己責任で対応できる
これらを満たせる場合のみ、DIYは現実的な選択肢となります。
一つでも不安がある場合は、無理をせず業者依頼を検討することが安全です。
外壁塗装のDIYのメリット
DIY最大の魅力は、外壁塗装にかかる費用を大幅に抑えられる点です。
業者依頼と比べると、人件費が不要な分、数十万円単位の差が生まれます。
また、作業スケジュールを自分で調整できる点も大きな利点です。
DIYで得られる主なメリット
- 費用を50〜100万円程度削減できる
- 休日や空き時間を使って作業できる
- 塗料や色を自由に選べる
- 家への理解が深まる
- 完成時の達成感が大きい
コスト削減だけでなく、住まいに対する知識や愛着が増す点は、DIYならではの価値といえるでしょう。
外壁塗装のDIYのデメリット
DIYには明確なデメリットも存在します。特に深刻なのが高所作業による事故リスクです。
また、仕上がり品質は経験に左右されやすく、失敗時の修復費用が高額になる点も見逃せません。
DIYで注意すべき主なリスク
- 高所作業による転落事故の危険
- 塗りムラ・早期剥離の可能性
- 作業期間が長引きやすい
- 天候に左右されやすい
- 近隣トラブルを自分で対応する必要がある
これらのリスクを軽視すると、結果的に業者依頼より高くつくケースもあります。
安全と品質を優先した判断が不可欠です。
業者依頼とDIYの費用比較
DIYと業者依頼では、費用構造そのものが異なります。
最大の差は人件費と施工保証の有無です。
金額だけでなく、含まれるサービス内容を理解することが重要です。
費用比較(30坪住宅の目安)
| 項目 | DIY | 業者依頼 |
|---|---|---|
| 足場代 | 15〜20万円 | 15〜25万円 |
| 塗料代 | 10〜25万円 | 15〜30万円 |
| 道具・材料 | 5〜10万円 | 含まれる |
| 人件費 | 0円 | 40〜70万円 |
| 合計 | 30〜50万円 | 80〜150万円 |
DIYは費用面で魅力的ですが、品質保証や安全管理は含まれません。
金額差だけでなく、安心・時間・仕上がりを含めた総合判断が重要です。
外壁塗装のDIYでよくある失敗例と注意点
外壁塗装のDIYで失敗しないためには、よくある失敗パターンを事前に知っておくことが重要です。
ここでは、代表的な失敗例とその対策を解説します。
外壁塗装のDIYでよくある失敗例と対策の一覧
以下に、外壁塗装のDIYで実際に多い失敗例と、その原因・対策を一覧でまとめました。
事前に確認し、同じ失敗を防ぎましょう。
| 失敗例 | 主な原因 | 起こりやすいトラブル・影響 | 有効な対策 |
|---|---|---|---|
| 塗りムラ・色ムラが発生 | ・ローラーや刷毛の使い方が不慣れ ・塗料量や力加減が不均一 ・下塗り不足や乾燥時間不足 | ・色の濃淡が目立つ ・見た目が悪くプロとの差が出る | ・一定の力で一方向に塗る ・M字塗りで均一に広げる ・同じ面は一気に塗り切る |
| 数年で塗膜が剥がれる | ・高圧洗浄不足 ・下地処理(補修・ケレン)省略 ・下塗り省略や乾燥不足 | ・2〜3年で塗膜が剥離 ・再塗装が必要になり費用増 | ・洗浄・下地処理を徹底 ・下塗り・中塗り・上塗りを厳守 ・乾燥時間を守る |
| 養生不足で周囲に飛散 | ・養生範囲が狭い ・養生の固定が甘い ・風のある日の作業 | ・隣家・車・窓への塗料付着 ・賠償・近隣トラブル | ・養生は過剰なくらい実施 ・無風の日に作業 ・事前に近隣へ挨拶 |
| 高所作業で転落事故 | ・足場未設置 ・安全帯・ヘルメット未使用 ・脚立作業・無理な姿勢 | ・転落による重傷 ・死亡事故・取り返しのつかない被害 | ・必ず足場を設置 ・安全装備を着用 ・2人以上で作業 |
外壁塗装のDIYにおける失敗の多くは、技術不足ではなく「工程の省略」「判断の甘さ」「安全対策不足」によって起こります。
正しい手順と十分な準備を行えば防げるものばかりですが、少しでも不安を感じる場合は無理をしないことが大切です。
安全性や仕上がりに不安がある工程は、専門業者に任せる判断も含め、冷静に検討することが後悔しない外壁塗装につながります。
外壁塗装のDIYで失敗しないための3つのポイント
外壁塗装のDIYを成功させるには、作業前の考え方が非常に重要です。
まず1つ目は、工程を省略せず正しい手順を守ることです。
下地処理や乾燥時間を省くと、数年で塗膜剥がれが起こります。
時間がかかっても10工程を順番通り進めることが、長持ちする塗装につながります。
2つ目は、安全対策を最優先することです。足場の設置や安全帯、ヘルメットの着用は必須で、費用削減を理由に省くべきではありません。高所作業の事故は命に直結します。
3つ目は、分からないことは専門家に相談することです。塗料選びや下地処理に迷ったら、ホームセンターや塗装業者の助言を活用しましょう。専門家の一言が、大きな失敗を防ぎます。
外壁塗装のDIYを業者に依頼すべきケースとは
外壁塗装のDIYが可能なケースと、業者に依頼すべきケースを明確にしておくことが重要です。
ここでは、判断基準を具体的に解説します。
外壁塗装のDIYが向いている条件
外壁塗装のDIYは、すべての住宅・すべての人に向いているわけではありません。
一定の条件を満たす場合にのみ、現実的な選択肢となります。
まず建物条件としては、平屋〜2階建てで高さが低いこと、塗装面積が100㎡以下と比較的小さいことが重要です。
外壁材はサイディングやモルタルなど、一般的で補修しやすい素材が適しています。
DIYに向いている主な条件
- 平屋または低層2階建て
- 劣化やひび割れが軽微
- 隣家との距離に余裕がある
- 塗装面積が小さい
また個人条件として、1か月以上の作業時間を確保できること、高所作業への抵抗がないこと、体力に自信があることが必要です。
さらに、失敗した場合に再塗装できる費用的余裕と自己責任の覚悟があるかどうかも、重要な判断基準となります。
外壁塗装のDIYをおすすめできない理由
一方で、DIYを避けるべきケースも明確に存在します。
特に3階建て以上の建物や、凹凸が多い複雑な形状の外壁は、作業難易度と事故リスクが高くなります。
外壁の劣化が進行している場合や、タイル・石材などの特殊素材も、専門技術が必要なためDIYには不向きです。
DIYを避けるべき代表的なケース
- 高所作業に不安がある
- 足場・安全装備の予算が確保できない
- 塗装経験がほぼない
- 近隣との距離が近い
また、週末しか作業できず工期を確保できない場合や、近隣トラブルを避けたい場合も業者依頼が安全です。
無理にDIYを選ぶと、事故・品質不良・再工事で結果的に高くつく可能性がある点は見逃せません。
足場設置だけ業者に依頼する方法もある
「すべてDIYは不安だが、費用は抑えたい」という方には、足場設置のみ業者に依頼する方法があります。
この方法は、安全性とコストのバランスが良い折衷案です。専門業者が組む足場は安定性が高く、転落リスクを大幅に軽減できます。
足場のみ業者依頼するメリット
- 転落事故リスクを大幅に軽減
- 飛散防止ネットで近隣対策が可能
- 作業効率・仕上がりが向上
費用は15万〜20万円程度ですが、事故防止や仕上がり品質を考えると合理的な投資です。
依頼時は設置期間・延長料金・保険加入の有無を必ず確認しましょう。
安全性を確保したうえでDIYを行う選択肢として、非常に現実的な方法といえます。
外壁塗装のDIYに関するよくある質問【FAQ】
外壁塗装のDIYを検討している方から、よく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 外壁塗装をDIYした際の費用目安は?
A. 30坪程度の住宅で、外壁塗装をDIYした場合の費用目安は30万〜50万円程度です。
内訳は、塗料代が10万〜25万円、足場代(業者依頼)が15万〜20万円、道具・材料費が5万〜10万円ほどになります。
足場を設置せず作業すれば費用を抑えられますが、転落事故のリスクが高くおすすめできません。
塗料のグレードによって費用は変動し、初回は道具購入の影響で上限に近くなる傾向があります。
Q2. 外壁塗装のDIYは可能ですか?
A. 外壁塗装のDIYは可能ですが、慎重な判断が必要です。
十分な作業時間、高所作業への慣れ、塗装の基礎知識、失敗時に自己責任で対応できる覚悟が求められます。
一方で、転落事故や施工不良による再塗装、近隣トラブルなどのリスクも伴います。
特に3階建て以上や劣化が激しい建物は業者依頼が安全です。
DIYを行う場合でも、足場だけは業者に依頼することを強く推奨します。
Q3. 外壁塗装をDIYする際に必要なものはなんですか?
A. 外壁塗装DIYには、高圧洗浄機、ローラー・刷毛、養生材、コーキング材、研磨道具などの道具と、下塗り材・上塗り塗料・補修材が必要です。
道具代だけで5万〜10万円程度かかります。
特に重要なのが安全装備で、ヘルメット・安全帯・手袋・ゴーグル・マスクは必須です。
長柄ローラーは便利ですが、安全性を考えると足場設置の方が確実です。
Q4. 外壁塗装のDIYに適した季節はありますか?
A. 外壁塗装に適した季節は春(3〜5月)と秋(9〜11月)です。
気温5〜35℃、湿度85%以下で、雨や強風が少ないため塗装に向いています。
梅雨や真夏、真冬、台風シーズンは避けるべきです。
気温や湿度が適切でないと、塗りムラや乾燥不良の原因になります。
作業開始前に天気予報を確認し、1週間以上安定した天候が続く時期を選びましょう。
Q5. 外壁塗装のDIYにかかる期間はどのくらいですか?
A. DIY初心者の場合、30坪程度の住宅で3週間〜1か月程度が目安です。
高圧洗浄、下地処理、塗装、乾燥などを含めると20〜30日ほどかかります。
週末のみ作業する場合は2〜3か月かかることもあります。
雨天や下地劣化による作業増加で工期が延びる点にも注意が必要です。
業者施工と比べ、DIYは約2倍の時間がかかると想定しておきましょう。
まとめ
外壁塗装のDIYは、正しい知識と十分な準備があれば実現可能ですが、安全性・品質・時間の面で多くのリスクを伴います。
費用削減というメリットと、転落事故や塗装失敗のリスクを天秤にかけて、慎重に判断することが重要です。
外壁塗装のDIYにおけるポイント
- 外壁塗装のDIYには30万~50万円の費用と3週間以上の期間が必要
- 10工程すべてを守り下地処理と乾燥時間を絶対に省略しない
- 足場設置と安全装備は必須で転落事故のリスクを最優先で考える
- 塗りムラや早期剥離などの失敗例を事前に学び対策を講じる
- 平屋や小規模建物以外は専門業者への依頼を強く推奨する
この記事で解説した内容を参考に、ご自身の状況に照らし合わせて、DIYに挑戦するか、業者に依頼するか、あるいは足場だけ業者に依頼するかを慎重に判断してください。
費用削減だけを目的にDIYを選択すると、失敗による再塗装や事故による治療費で、結果的に高くつく可能性があることを忘れないでください。
どの選択をするにしても、安全第一で、後悔のない外壁塗装を実現しましょう。