外壁塗装とは?基礎知識から塗料の種類や費用相場・工事の流れなどを解説

2025/12/16

住まいの外壁が色あせてきた、ひび割れが目立つようになった―そんな変化に気づいたとき、多くの方が「外壁塗装って本当に必要なの?」と疑問を抱くのではないでしょうか。

外壁塗装とは、建物の外壁に塗料を塗布して保護膜を形成する工事のことです。単に見た目を美しくするだけではなく、雨風や紫外線といった過酷な自然環境から大切な住まいを守る重要な役割を担っています。

しかし、外壁塗装には様々な種類の塗料があり、費用相場も幅広く、適切な実施時期の判断も難しいものです。さらに色選びで失敗すれば、長年後悔することにもなりかねません。

本記事では、外壁塗装の基本的な知識から、外壁材や塗料の種類、費用相場、適切な時期の見極め方、失敗しない色選びのポイント、さらには助成金の活用方法やDIYの可否まで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。

この記事で分かること

  • 外壁塗装の基本的な定義と3つの重要な役割
  • 外壁材と塗料の種類、それぞれの特徴と耐用年数
  • 坪数別の費用相場と内訳の詳細
  • 外壁塗装を実施すべき適切な時期と劣化サイン
  • 失敗しない色選びのポイントとおしゃれな配色テクニック
  • 工事の流れと各工程の詳細
  • 「外壁塗装はまだするな」の真意と見極め方
  • 助成金制度の種類と申請方法
  • DIYで外壁塗装を行う際のメリット・デメリット
  • 信頼できる業者を選ぶための4つのポイント

目次

外壁塗装とは何か?基本的な定義と役割

外壁塗装について正しく理解するためには、まずその定義と役割を明確に把握することが大切です。多くの方が「ペンキを塗り替える美観工事」と認識していますが、実際にはそれ以上に重要な機能を持っています。

ここでは外壁塗装の基本的な定義と、建物にとって欠かせない役割について詳しく解説します。

外壁塗装とは建物を守る塗料による保護作業

外壁塗装とは、建物の外壁表面に塗料を塗布し、塗膜(とまく)と呼ばれる保護層を形成する工事のことです。

この塗膜は、塗料が乾燥・硬化することで生まれる薄い膜で、建物を外部環境から守る重要な役割を担っています。

一般的には「見た目をきれいにするための工事」という印象を持たれがちですが、実際の目的は外壁材や建物内部を劣化から守るための予防的メンテナンスにあります。

塗膜は紫外線や雨風の影響を日々受けることで徐々に性能が低下し、防水性や保護機能が失われていきます。

これを放置すると、外壁材のひび割れや反り、さらには内部構造材の腐食や雨漏りにつながる恐れがあります。

外壁塗装は、こうした劣化の進行を防ぎ、建物の寿命を延ばすために欠かせない工事なのです。

外壁塗装の3つの重要な役割

外壁塗装には、建物を長く良好な状態で保つために欠かせない、次の3つの重要な役割があります。

見た目の改善だけでなく、性能面・資産面の価値を維持する点が大きな特徴です。

外壁塗装の主な役割

  • 建物を雨風・紫外線から保護する:塗膜が外壁材を覆うことで、紫外線や雨水の影響を軽減し、腐食やカビの発生を防ぎます。
  • 美観を維持・向上させる:色あせや汚れを一新し、住まいの印象を明るく整えます。配色次第でデザイン性も高められます。
  • 資産価値を維持する:定期的な塗装は建物の寿命を延ばし、将来の売却や評価時にも有利に働きます。

このように外壁塗装は、住まいを守り、価値を維持するための重要なメンテナンスと言えます。

外壁塗装の種類|外壁材にはどんな種類がある?

窯業系サイディング
モルタル
金属サイディング
ALC

外壁塗装を検討する際には、まず自宅の外壁材の種類を把握することが重要です。

外壁材によって適した塗料や塗り替え時期が異なるため、それぞれの特徴と塗り替え時期を理解しておきましょう。

外壁塗装における主な外壁材の種類|窯業系サイディング

窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主原料とした板状の外壁材で、日本の住宅で最も多く採用されている外壁材です。

セメントを成型して作られるため、レンガ調・タイル調・木目調など、デザインのバリエーションが非常に豊富で、住宅の外観イメージを自由に演出できる点が大きな特徴です。

一方で、窯業系サイディングは築10年程度でチョーキング現象(塗膜が粉状になる劣化)が発生しやすく、防水性能が低下し始めます。

劣化を放置すると外壁材自体が水分を吸収しやすくなるため、塗り替え時期の目安は10〜20年程度とされており、定期的な点検が重要です。

外壁塗装における主な外壁材の種類|モルタル

モルタルは、セメントと砂、水を混ぜて作る外壁材で、昔ながらの日本住宅に多く使用されてきた工法です。

板材を張るサイディングとは異なり、職人が現場で塗り上げるため、継ぎ目のない滑らかな仕上がりになる点が魅力です。

しかし、モルタル外壁は乾燥時の収縮や建物の揺れによってひび割れが発生しやすいという弱点があります。

ひび割れを放置すると雨水が内部に浸入し、劣化を早める原因となるため、5〜10年程度での塗り替えが推奨されています。劣化が進行すると補修費用が増える点にも注意が必要です。

外壁塗装における主な外壁材の種類|金属サイディング

金属サイディングは、アルミニウム・鉄・ステンレスなどの金属板を加工した外壁材で、吸水性がほとんどなく、雨や雪、凍害に非常に強いという特徴があります。

水分を吸わないため、寒冷地でも劣化しにくく、耐久性に優れています。

また、軽量で建物への負担が少ないことから、既存外壁の上から施工するカバー工法にも適しています。

ただし、塗膜が劣化すると金属面が露出し、錆が発生しやすく進行が早いため、10〜15年ごとの塗り替えによる保護が欠かせません。

外壁塗装における主な外壁材の種類|ALC

ALC(軽量気泡コンクリート)は、内部に無数の気泡を含む外壁材で、断熱性・耐火性・遮音性・調湿性に優れた高性能外壁として評価されています。

一般住宅だけでなく、商業施設や公共建築物にも広く採用され、主にRC造や鉄骨造の建物で使用されています。

一方で、ALCは非常に吸水しやすい性質を持つため、防水性能の維持が特に重要です。

塗膜が劣化すると内部に水分が浸透し、凍害や強度低下を引き起こす可能性があります。

そのため、塗り替えの目安は約10年ごととされています。

外壁塗装の種類|塗料別の特徴や耐用年数を解説

外壁材の種類を把握したら、次は塗料選びです。外壁塗装に使用される塗料には様々なグレードがあり、それぞれ耐用年数や費用が大きく異なります。

塗料選びは外壁塗装の満足度を左右する重要なポイントです。

ここでは、代表的なアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料・無機塗料の種類と特徴、費用対効果について詳しく解説します。

外壁塗装で使用される塗料の種類と特徴

外壁塗装に使用される塗料には、主成分となる樹脂の種類によって様々なグレードがあります。

塗料の種類主成分特徴・メリット注意点・デメリット
アクリル塗料アクリル樹脂発色が良く施工しやすい
価格が最も安い
耐久性が低く、
現在は使用機会が少ない
ウレタン塗料ウレタン樹脂密着性が高い
複雑な形状にも塗りやすい
シリコン以上の塗料と比べると
耐久性は劣る
シリコン塗料シリコン樹脂耐久性・耐候性・防汚性のバランスが良い
コスパに優れる
フッ素・無機塗料より
耐久性はやや短い
フッ素塗料フッ素樹脂非常に高い耐候性・耐久性
汚れにくい
価格が高め
無機塗料無機物+樹脂紫外線劣化が少ない
耐久性は最高レベル
初期費用が最も高額

これらが主な塗料の種類であり、それぞれ価格や性能、耐久性などが大きく異なります。

外壁塗装の塗料別耐用年数と費用比較表

外壁塗装の塗料選びでは、耐用年数と費用のバランスを考慮することが重要です。

塗料の種類耐用年数単価(1㎡あたり)
アクリル塗料5~8年約1,000~1,500円
ウレタン塗料7~10年約1,800~2,500円
シリコン塗料10~13年約2,500~3,500円
フッ素塗料15~20年約3,500~5,000円
無機塗料20~25年約4,000~5,500円

初期費用だけを見るとグレードの低い塗料が安く感じますが、耐用年数が短いため塗り替え回数が増え、長期的には高くつく可能性があります。

例えば、築後40年間で考えた場合、シリコン塗料なら3~4回の塗り替えが必要ですが、フッ素塗料なら2回程度で済みます。

ライフプランに合わせて、今後何年その住宅に住む予定かを考慮して塗料を選ぶことが賢明です。

外壁塗装の相場とは?坪数別の費用目安

外壁塗装を検討する際、最も気になるのが費用ではないでしょうか。外壁塗装の費用は建物の大きさや塗料の種類によって大きく変動します。

ここでは坪数別の費用相場と、費用の内訳、さらに屋根塗装との同時施工によるメリットについて詳しく解説します。適正価格を知ることで、業者選びの際の判断材料になります。

外壁塗装の費用相場(20坪~60坪)

外壁塗装の費用は、主に建物の大きさ(塗装面積)と使用する塗料の種類によって決まります。

一般的な戸建て住宅における坪数別の費用相場は以下の通りです。

坪数塗装面積費用相場
20坪約80㎡約40~60万円
30坪約120㎡約60~90万円
40坪約160㎡約80~110万円
50坪約200㎡約100~150万円
60坪約240㎡約130~190万円

これらの金額は、一般的なシリコン塗料を使用した場合の目安です。

高グレードの塗料を選択したり、外壁の劣化が激しく下地補修が多く必要な場合は、さらに費用が上がります。

外壁塗装の費用内訳を詳しく解説

外壁塗装の費用は、複数の工程から構成されています。

30坪の住宅を例に、具体的な内訳を見てみましょう。

工程項目費用目安
足場設置・撤去約14~18万円
飛散防止シート約3~4万円
高圧洗浄約2~3万円
養生約3~4万円
下地補修約5~10万円
塗装(下塗り・中塗り・上塗り)約30~45万円
諸経費・管理費約5~8万円
合計約60~90万円

このように、外壁塗装は単に塗料を塗る費用だけではなく、足場や下地処理など様々な工程の費用が含まれています。

特に足場費用は全体の約20~25%を占める大きな項目です。

見積書を受け取った際は、各項目が適切に記載されているか、単価が相場から大きく外れていないかを確認しましょう。

外壁塗装の時期|適切なタイミングの見極め方

外壁塗装を実施する適切なタイミングを見極めることは、建物を長持ちさせるために非常に重要です。早すぎても無駄な出費になり、遅すぎると建物へのダメージが深刻化します。

ここでは築年数による目安、具体的な劣化症状のチェックポイント、そして時期を見逃さないための実践的なアドバイスを紹介します。

外壁塗装の時期の目安(築年数・外壁材別)

外壁塗装を実施すべき時期は、築年数や外壁材の種類によって異なります。

築年数による目安

一般的に、新築から8~10年が最初の外壁塗装を検討するタイミングとされています。

その後は使用した塗料の耐用年数に応じて、10~15年ごとに塗り替えを行うのが理想的です。

外壁材別の塗り替え時期

  • 窯業系サイディング:10~20年ごと
  • モルタル:5~10年ごと
  • 金属サイディング:10~15年ごと
  • ALC:10年ごと

ただし、これらはあくまで目安です。立地環境(海沿い・交通量の多い道路沿いなど)や気候条件によって劣化速度は大きく変わります。

築年数だけで判断せず、実際の劣化症状を確認することが重要です。

外壁塗装が必要なサインと劣化症状チェックリスト

外壁塗装の適切な時期を判断するには、劣化症状を早めに把握することが重要です。

外壁の劣化は見た目だけでなく、防水性や耐久性の低下にも直結します。

以下のチェックリストを参考に、気になる症状がないか確認してみましょう。

劣化症状イメージ状態・特徴放置した場合のリスク
チョーキング現象外壁を手で触ると白い粉が付く状態塗膜の防水性が低下し、
外壁材が劣化しやすくなる
ひび割れ(クラック)外壁表面に亀裂が入っている状態雨水が浸入し、
内部構造の腐食や雨漏りにつながる
塗膜の剥がれ・膨れ塗膜が浮いたり剥がれたりしている外壁を十分に保護できず、
劣化が急速に進行する
カビ・苔・藻の発生緑色・黒色の汚れが付着している外壁が水分を含みやすくなり、
防水性能が低下する
色褪せ新築時より色が薄くなっている塗膜の保護機能が弱まり、
劣化が進行しやすい
シーリング材の劣化目地にひび割れや剥離が見られる雨水浸入の原因となり、
内部劣化や漏水を招く

これらの症状が複数見られる場合は、早めに専門業者へ相談することが大切です。

また、外壁塗装の適切な時期を見逃さないためにも、定期的な点検を心がけましょう。

外壁塗装の色選び|失敗しないカラーコーディネート

外壁の色選びは、今後10年以上その色と付き合うことになる重要な決断です。

色によって住まいの印象は大きく変わり、失敗すると長年後悔することになります。

ここでは色選びの基本ポイントから、おしゃれに見せる配色テクニック、そしてよくある失敗パターンとその対策まで、実践的なアドバイスをお届けします。

外壁塗装の色選びで押さえるべき基本ポイント

外壁塗装の色選びは、住まいの印象や満足度を大きく左右する重要な工程です。塗装後は長期間同じ色と向き合うことになるため、好みだけで決めてしまうと後悔につながることもあります。

特に注意したいのが、色の見え方や周囲との調和、実用面での影響です。

これらを事前に理解しておくことで、失敗のリスクを大きく下げることができます。

  • 面積効果を考慮し、色見本より落ち着いたトーンを選ぶ
  • 周囲の住宅や街並みとの調和を意識する
  • 屋根・雨樋・サッシなど付帯部との相性を確認する
  • 汚れの目立ちやすさも踏まえて色を選ぶ

これらのポイントを総合的に判断することで、見た目の美しさと実用性を兼ね備えた外壁カラーに仕上がります。

事前に施工事例を確認したり、業者のアドバイスを受けることも有効です。

外壁塗装でおしゃれに見せる配色テクニック

外壁塗装をおしゃれに仕上げるためには、単に好きな色を選ぶだけでなく、配色の工夫が欠かせません。色の組み合わせや使い方次第で、同じ建物でも印象は大きく変わります

特に近年は、シンプルながらも洗練された外観を目指す方が増えており、配色テクニックの重要性が高まっています。

  • ツートンカラーで建物に立体感とメリハリを出す
  • 玄関ドアや窓枠にアクセントカラーを取り入れる
  • 木目調や石調デザインと組み合わせて高級感を演出する

これらの手法を取り入れることで、派手すぎず個性のある外観に仕上げることができます。

全体のバランスを意識しながら、色数を抑えることが成功のポイントです。

外壁塗装の工事の流れとは?8つの工程と期間の目安を解説

外壁塗装工事がどのような流れで進むのかを事前に知っておくことで、安心して工事を任せることができます。外壁塗装は単に塗料を塗るだけではなく、複数の重要な工程から成り立っています。

ここでは足場設置から完工までの8つのステップを詳しく解説し、それぞれの工程の重要性と所要期間について説明します。

Step1: 足場の設置

外壁塗装工事の最初の工程は、足場の設置です。

作業員の安全を確保し、ムラのない丁寧な塗装作業を行うために、建物全体を囲むように足場を組み立てます。

高所作業では足場の安定性が仕上がりや事故防止に直結するため、非常に重要な工程です。同時に、塗料や洗浄水が近隣へ飛散しないよう、メッシュシート(飛散防止ネット)も取り付けます。

一般的な戸建住宅であれば、足場設置は半日~1日程度で完了します。設置時は金属音などの騒音が発生するため、工事前に近隣へ挨拶を行い、理解を得ておくことがトラブル防止につながります。

Step2:高圧洗浄

足場設置後、高圧洗浄機を使って外壁全体を洗浄します。

長年にわたり付着した汚れ・カビ・苔・排気ガス汚れ・チョーキングの粉などを徹底的に除去することで、塗料が外壁にしっかり密着する状態を整えます。

この工程を省略したり不十分に行うと、塗膜が早期に剥がれる原因になります。

高圧洗浄は外壁だけでなく、軒天や雨樋、場合によっては屋根も同時に行われ、丸1日かかることが一般的です。その後は水分を完全に乾燥させるため、1~2日の乾燥期間を設けます

Step3:下地処理・補修

下地処理・補修は、外壁塗装の品質を左右する最も重要な工程のひとつです。

外壁のひび割れや欠損、シーリング材の劣化などを事前に補修し、塗料が本来の性能を発揮できる状態に整えます。

  • ひび割れ補修:幅の小さいひび割れはシーリング材やフィラーで充填します。幅の大きいひび割れはV字やU字にカットし、樹脂モルタルで補修することで再発を防ぎます。
  • シーリング打ち替え:サイディングの継ぎ目部分の劣化したシーリング材を撤去し、新しいものに打ち替えます。防水性を回復させる重要な作業です。
  • ケレン作業:金属部分に発生したサビや旧塗膜を削り落とし、塗料の密着性を高めます。

下地処理の精度が低いと、どれほど高性能な塗料を使っても長持ちしません。職人の経験と技術が問われる工程です。

Step4:養生

養生とは、塗料を塗らない部分を保護するための作業です。

窓ガラス・サッシ・玄関ドア・エアコン室外機・給湯器・植栽などを、ビニールシートやマスキングテープで丁寧に覆います。

養生が不十分だと塗料のはみ出しや汚れが発生し、仕上がりの美観を損ねてしまいます

特に窓周りや異なる色の境界部分は、養生の精度がそのまま仕上がりの美しさに直結します。プロの施工では、直線が美しく出るよう細部まで丁寧に養生が行われます。

Step5: 下塗り

下塗りは、外壁材と仕上げ塗料を密着させるための重要な工程です。

下塗り塗料にはシーラー・プライマー・フィラーなどがあり、外壁材の種類や劣化状態に応じて適切なものが選定されます。

下塗りは見た目には分かりませんが、塗膜の耐久性や仕上がりを大きく左右します。

この工程を省いたり、塗布量が不足すると、数年で剥がれや浮きが発生する原因になります。長持ちする外壁塗装には、下塗りの丁寧な施工が不可欠です。

Step6:中塗り

下塗りが十分に乾燥した後、仕上げ塗料の1回目である中塗りを行います。

中塗りと上塗りは基本的に同じ塗料を使用し、2回に分けて塗り重ねることで、塗膜に適切な厚みを持たせ、耐久性と防水性を高めます

「3回塗り」とは、下塗り・中塗り・上塗りの3工程を指します。中塗りを省略すると塗膜が薄くなり、耐用年数が大きく短くなります。契約時には必ず3回塗りが含まれているか確認しましょう。

Step7:上塗り

上塗りは仕上げ工程であり、外壁の美観を決定づける作業です。

中塗りが完全に乾燥した後、仕上げ塗料をムラなく均一に塗布します。この工程で、色味や艶感、質感が完成形として現れます

塗りムラや塗り残しがないよう、細部まで丁寧な施工が求められます。

上塗り後は塗膜を安定させるための乾燥時間が必要です。天候にもよりますが、通常は1~2日程度の乾燥期間を確保します。

Step8:点検・足場解体・清掃

塗装が完全に乾燥した後、最終点検を行います。

業者による自主検査で塗り残しや不具合がないかを確認し、その後、施主立会いのもとで最終確認を行います。気になる点があれば、この段階で補修対応を行います。

確認が完了したら養生を撤去し、足場を解体します。最後に敷地周辺を清掃し、完了報告書や保証書を受け取って工事完了となります。

外壁塗装にかかる期間の目安

外壁塗装工事全体の期間は、一般的な30坪程度の住宅で10日~2週間程度が標準です。

屋根塗装も同時に行う場合は、2週間~3週間程度となります。

ただし、天候に大きく左右されます。雨天時は塗装作業ができないため、梅雨時期や台風シーズンは工期が延びる可能性があります。

工事を依頼する際は、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

外壁塗装はまだするな?実施すべきタイミングを見極める

「外壁塗装はまだするな」と言われる背景には、“今は本当に必要な時期なのか”を冷静に見極めるべきという意味があります。外壁塗装は高額な工事であるため、適切なタイミングを誤ると不要な出費につながります。

まず、築5年程度で明確な劣化症状が見られない場合は、塗膜が十分に機能している可能性が高く、急いで塗装する必要はありません。特に新築時に高耐久塗料が使用されている住宅では、10年前後は問題なく保護性能を維持します。

また注意すべきなのが、不安を煽る悪質な訪問販売業者の存在です。「今すぐ工事しないと危険」といった極端な説明は疑い、必ず複数業者で診断を受けることが重要です。

さらに、自治体の補助金・助成金制度を待つという判断も合理的です。制度には申請時期があるため、少し待つことで費用負担を軽減できる場合もあります。

外壁塗装の助成金とは?利用できる制度を紹介

外壁塗装は高額な工事ですが、条件を満たせば国や自治体から助成金・補助金を受けられる可能性があります。賢く活用することで、経済的負担を大幅に軽減できます。

ここでは利用できる助成金の種類と、申請時の注意点について詳しく解説します。制度を知っているかどうかで数十万円の差が出ることもあります。

外壁塗装で利用できる助成金・補助金の種類

外壁塗装工事に対して、国や自治体から助成金・補助金が出る場合があります。

補助金制度の種類制度の概要補助内容の目安注意点・条件
住宅リフォーム補助金市区町村が住宅の長寿命化やリフォーム促進を目的に実施する制度工事費の10〜20%
上限10〜30万円程度
自治体ごとに条件・予算枠が異なる
年度途中で終了する場合あり
省エネリフォーム補助金遮熱・断熱塗料など省エネ性能向上を目的としたリフォーム向け制度内容により補助額が変動
国・自治体の併用可の場合あり
対象塗料の指定あり
事前申請が必須
長期優良住宅化リフォーム推進事業国交省主導で住宅の長寿命化を目的とした大規模改修向け制度工事費の約1/3
最大100万円程度
事前申請必須
専門家の診断・書類提出が必要

自治体によっては、地域経済活性化や空き家対策の一環として、独自の補助金制度を設けている場合があります。

特に地元業者に依頼することを条件としている制度も多いです。

外壁塗装に関する助成金を申請する手順と注意点

助成金を活用する際の一般的な流れと注意点をまとめます。

申請の基本的な流れ

  1. 自治体のホームページや窓口で制度の有無と条件を確認
  2. 必要書類(見積書・建物図面・写真など)を準備
  3. 工事着工前に申請(事前申請が必須の場合が多い)
  4. 審査・承認
  5. 工事実施
  6. 完了報告と必要書類の提出
  7. 補助金の交付

重要な注意点

  • 工事前に申請が必須:多くの制度では、工事着工前に申請しないと対象外になります
  • 予算枠に限りがある:年度予算が尽きると受付終了となるため、早めの申請が重要です
  • 税金の滞納がないこと:市民税などの滞納がある場合、申請できない自治体が多いです
  • 業者選びに制限がある場合も:地元業者限定など、条件が設けられている場合があります

助成金の活用を検討する際は、まず自治体の窓口や外壁塗装業者に相談し、最新の制度情報を確認することをおすすめします。

外壁塗装のDIYは可能?自分で行う際の注意点

費用を抑えるために「自分で外壁塗装ができないか」と考える方もいるでしょう。

確かにDIYは不可能ではありませんが、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断する必要があります。こ

こではDIYの現実的な可能性と、どのようなケースならプロに任せるべきかを解説します。

外壁塗装をDIYで行うメリットとデメリット

「外壁塗装を自分でできないだろうか?」と考える方もいるでしょう。

確かにDIYでの外壁塗装は不可能ではありませんが、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断する必要があります。

DIYのメリット

  • 人件費が削減できる
  • 自分のペースで作業できる
  • 達成感が得られる

DIYのデメリット

  • 品質の保証がない
  • 高所作業の危険性
  • 時間と労力がかかる
  • 道具や材料の調達が難しい
  • 保証が受けられない

外壁塗装をプロに依頼すべきケースとは?

2階建て以上の住宅では高所作業が避けられず、転落事故のリスクが高いため、安全面からも外壁塗装は専門業者に任せるべきです。

また、ひび割れが多い、塗膜が大きく剥がれているなど劣化が進行している外壁は、下地処理に高度な知識と技術が求められます。素人による不十分な補修は、かえって劣化を早める原因にもなります。

さらに、10年以上の耐久性を確保し長く住み続けたい場合は、施工品質や保証体制が整ったプロの施工が重要です。

外壁塗装は工程も多く時間がかかるため、忙しく十分な作業時間を確保できない方にとっても、業者依頼が現実的な選択と言えるでしょう。

結論として、DIYは1階部分の一部分や物置など、小規模な範囲に限定し、住宅全体の外壁塗装はプロに依頼するのが賢明です。

外壁塗装を依頼する業者の選び方

外壁塗装の成功は、業者選びにかかっていると言っても過言ではありません。

同じ工事内容でも、業者によって仕上がりの質や耐久性、アフターフォローに大きな差が出ます。

ここでは信頼できる業者を見極めるための4つの重要なチェックポイントを詳しく解説します。適切な業者選びが、満足のいく外壁塗装への第一歩です。

施工事例や評判を必ずチェック

外壁塗装業者を選ぶ際、まず確認すべきなのが施工実績と第三者からの評価です。

公式ホームページには、過去の施工事例が写真付きで掲載されていることが多く、自宅と似た建物規模や外壁材の実績があるかを確認することが重要です。

特に、施工前・施工中・施工後の工程写真が揃っている業者は、工事内容を隠さず公開している点で信頼性が高いといえます。

また、Googleマップの口コミや専門サイト、SNSなどで実際の利用者の声を確認することも欠かせません。

チェックしたい評価ポイント

  • 対応の丁寧さや説明の分かりやすさ
  • 仕上がりへの満足度
  • 工事後のフォロー対応

さらに、地域に根ざして長年営業している業者は、地元での評判が仕事に直結するため、誠実な対応をしているケースが多く安心材料になります。

相見積もりで比較を行う

外壁塗装では、必ず2~3社から相見積もりを取ることが基本です。

1社だけの見積もりでは、その金額や内容が適正かどうか判断できません。相見積もりを行うことで、価格だけでなく提案内容や施工方針の違いも見えてきます

相見積もりの主なメリット

  • 適正価格の把握ができる
  • 各社の工事内容や考え方を比較できる
  • 極端に高額・安価な業者を見抜ける

見積もり依頼時は、すべての業者に同じ条件を伝えることが重要です。

また、現地調査を丁寧に行わず、写真や電話だけで見積もりを出す業者は注意が必要です。

極端に安い見積もりは、手抜き工事や後からの追加請求につながるリスクがあるため、価格だけで判断しない姿勢が大切です。

見積もりが詳しくわかりやすいか

見積書の内容は、その業者の誠実さを判断する重要な指標です。信頼できる業者ほど、工事項目を細かく分けて分かりやすく記載しています。

一方で「外壁塗装一式」といった曖昧な表記しかない見積書は、工事内容が不透明でトラブルの原因になりやすいため避けるべきです。

見積書に記載されるべき主な項目

  • 足場設置費用(㎡単価・数量)
  • 高圧洗浄・養生費用
  • 下地処理・補修内容の詳細
  • 下塗り・中塗り・上塗りの工程別費用
  • 使用塗料の商品名・メーカー名
  • 塗装面積・諸経費の内訳

不明点を質問した際に、専門用語を噛み砕いて説明してくれる業者は、信頼できる可能性が高いといえます。

工事後のフォロー体制や保証内容が充分か

外壁塗装は施工して終わりではなく、その後の保証や点検体制も非常に重要です。

万が一、塗膜の剥がれや不具合が発生した際に、迅速に対応してもらえるかどうかは、業者選びの大きな判断基準になります。

確認すべき保証内容

  • 保証期間(一般的に5~10年)
  • 保証対象(剥がれ・膨れ・著しい変色など)
  • 保証条件(定期点検の有無)
  • 書面での保証書発行

また、1年後・3年後といった節目に無料点検を行ってくれる業者は、施工後の責任を重視している証拠です。
加えて、施工保証(業者)と製品保証(塗料メーカー)の両方が付いているかも確認しましょう。保証内容が充実している業者ほど、自社の施工品質に自信を持っているといえます。

外壁塗装なら新東亜工業におまかせ!

ひび割れ、カビ・コケ、チョーキング(白亜化)…これらは外壁塗装のメンテナンスが必要な時期のサインです。

重大な問題が起こる前に塗り替えを行うことで、建物の寿命を延ばすことができます。早めの塗り替えは長期的な視点で「投資」とも言えます。

新東亜工業では、自社施工による適正価格と職人の技が光る上質な仕上がりの外壁塗装を提供しております。

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外壁塗装に関するよくある質問【FAQ】

外壁塗装については、「どのくらい放置すると危険なのか」「色選びで失敗しないためには?」「一番長持ちする素材は?」など、多くの疑問を持つ方が少なくありません。

ここでは、外壁塗装を検討する際によく寄せられる質問を取り上げ、判断の目安となるポイントをわかりやすく解説します。

外壁塗装を20年以上しないとどうなる?

外壁塗装を20年以上行わない場合、塗膜の防水性や保護機能はほぼ失われ、外壁材が直接雨風や紫外線の影響を受ける状態になります。

その結果、ひび割れや反り、剥がれが進行し、内部へ雨水が浸入するリスクが高まります。

木部の腐食や鉄部の錆、断熱材の劣化につながることもあり、最終的には外壁塗装では済まず、外壁材の張り替えなど高額な修繕が必要になるケースも少なくありません。

結果として、早期に塗装を行うよりも大きな費用負担が発生する可能性があります。

外壁の色でやめたほうがいい色はありますか?

一概に「絶対に避けるべき色」はありませんが、注意が必要な色は存在します。

真っ白や真っ黒などの極端な色は、汚れや色あせが目立ちやすく、経年変化による印象の差が出やすい傾向があります。

また、原色に近い赤や青、黄色などは周囲の景観から浮きやすく、将来的に飽きてしまうケースも少なくありません。

外壁色は長期間付き合うもののため、落ち着いた中間色や周囲と調和しやすい色を選ぶことが、後悔を防ぐポイントとなります。

外壁で一番長持ちするのはなんですか?

外壁塗装において最も長持ちしやすいのは、無機塗料やフッ素塗料を使用した塗装です。

特に無機塗料は紫外線による劣化が起こりにくく、耐久性や防汚性に非常に優れています。

また、外壁材そのものではタイル外壁やALCなども耐久性が高い部類に入ります。

ただし、どれほど高性能な材料を使っても、施工品質が低ければ本来の性能は発揮されません。

長持ちさせるには、材料選びと同時に信頼できる業者選定が不可欠です。

まとめ

外壁塗装について、その基本から実践的な知識まで詳しく解説してきました。

最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

外壁塗装の重要ポイント

  • 外壁塗装は建物を保護し、寿命を延ばす重要なメンテナンス
  • 外壁材と塗料の適切な選択が、長期的なコスト削減につながる
  • 費用は工夫次第で抑えられ、補助金活用も有効
  • 劣化サインを早期発見し、適切な時期に施工することが重要
  • 色選びと業者選定を慎重に行うことで失敗を防ぐ

外壁塗装は高額な投資ですが、適切な時期に実施することで、将来的に大規模な修繕が必要になるリスクを大幅に減らすことができます。

定期的な点検と適切なタイミングでのメンテナンスが、住まいの健康寿命を大きく延ばします。

不明な点があれば、複数の信頼できる業者に相談し、納得のいく説明を受けた上で工事を進めましょう。

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