専有部分の小規模修繕とは?工事内容や費用相場・注意点を把握して施工に備えよう

2025/09/26

マンションやアパートなどの建物を維持する上で「小規模修繕」は欠かせないものです。特に居住者が直接使用する空間である「専有部分」における修繕は、日常生活に直結するため、タイミングを誤ると生活の質を大きく下げてしまいます。

専有部分の小規模修繕は、クロスの張り替えや給湯器の交換といった比較的軽微な工事が中心ですが、費用負担の範囲や管理規約との関係を理解していないと、思わぬトラブルに発展することもあります。

本記事では、専有部分の小規模修繕に特化して、基礎知識から事例、費用目安、負担の区分、注意点までを徹底解説します。オーナーや入居者、管理組合にとって役立つ情報を整理し、スムーズな対応のための指針を提供します。

目次

小規模修繕とは?

建物の維持管理には、大規模修繕だけでなく日常的な「小規模修繕」も欠かせません。しかし具体的な目的や大規模修繕との違いをご存じない方も多いでしょう。

ここでは、小規模修繕とはどのようなものなのはを理解するための知識として目的や大規模修繕との違いについて紹介します。

小規模修繕の目的

小規模修繕の目的は、建物の機能や美観を維持し、劣化を早期に食い止めることにあります。例えば壁紙の汚れや剥がれを放置すれば見た目が悪化するだけでなく、下地へのダメージが進行し補修費用が高額になる恐れがあります。

また、給湯器や水回り設備の不具合を早めに修繕することで生活の不便を解消し、同時に事故や漏水などの二次被害を防止できます。小規模修繕は、快適な暮らしを維持するだけでなく、将来の大規模修繕や資産価値の維持にも直結する重要な取り組みです。

大規模修繕との違い

小規模修繕と大規模修繕の大きな違いは「対象範囲」と「工事規模」にあります。小規模修繕は専有部分や一部の劣化箇所に限定して行う部分的な補修であり、短期間かつ数万円〜数十万円規模の工事が中心です。

一方、大規模修繕は建物全体を対象に外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新などを一斉に行うため、工期も数か月に及び、費用も数千万円単位となります。小規模修繕は日常の維持管理、大規模修繕は長期的な建物再生と役割が異なるのです。

実録!新東亜工業の施工事例|8階建てマンションの大規模修繕工事

築17年の8階建てマンションにおける、管理組合主導による大規模修繕工事の一部始終をご紹介します。
「予算オーバーを避けたい」「融資は極力使いたくない」といった現実的な課題を抱える中で、新東亜工業がどのように提案し、信頼を築きながら工事を完遂したのか──。
理事会への説明から近隣対応、完成後のフォローまで、実際のやり取りを交えてリアルにお伝えします。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

築17年が経過し、管理組合では以前から大規模修繕の検討がされていましたが、資材高騰などにより予算が合わず延期されていた背景があります。「融資は避けたい」「必要な部分に絞って実施したい」といった要望の中、数社に見積り依頼をされていた中で弊社にご相談をいただきました。

担当者:お問い合わせありがとうございます。ご予算に合わせて施工範囲を調整することも可能です。弊社は子会社で材料問屋を持っているため、同じ工事でも他社様より価格を抑えるご提案が可能です。
お客様:なるべく費用を抑えたいので、ぜひ現地調査をお願いします。図面などもご用意します。
担当者:ありがとうございます。図面と、屋上に鍵があるようであればご用意をお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前

大規模修繕 施工後

項目 内容
建物種別 分譲マンション(8階建て)
所在地 東京都内(詳細非公開)
工事内容 大規模修繕工事(外壁補修・塗装・防水・シーリング・長尺シート他)
工法 足場設置のうえ全面修繕/ウレタン塗膜防水(密着工法)他
その他特記事項 理事会へのプレゼンあり、工事中の騒音・近隣対策対応あり

工事金額:2,430万円 期間:約2カ月間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、屋上の防水層や外壁のシーリング、タイル目地などに劣化が見られました。既存のアスファルトシート防水はまだ機能していたものの、再施工のタイミングとしては適切であり、ウレタン塗膜防水による上塗りを推奨しました。また、タイルの一部には硬化不良が確認され、慎重な撤去作業が必要な状態でした。

担当者:屋上はアスファルトシート防水ですね。状態は悪くないので、ウレタン塗膜防水の密着工法が適しています。
お客様:それでお願いします。あとベランダは見た目を良くしたいので、長尺シートも検討したいです。
担当者:シートは費用が倍近くかかるので、ウレタンの方が予算には優しいですね。
お客様:でも可能ならシートにしたいので、そちらで見積りお願いします。

施工中のやり取りと配慮

工事期間中は、騒音や近隣への影響を最小限に抑える配慮を行いました。作業工程や騒音の案内は掲示板やホワイトボードで事前に周知し、近隣住民や管理人との連携も徹底。足場設置やメッシュシートの風対策も含め、安全対策も万全に対応しました。また、アスベスト調査も事前に実施し、含有なしを確認済みです。

お客様:日曜に音がしたって苦情が来たのですが…。
担当者:調べたところ、隣の工事のものでした。担当者に周知のお願いはしておきました。
お客様:ありがとうございます。トラブルにならなくてよかったです。

工事中の各工程は写真で丁寧に記録されており、お客様も仕上がりを写真で振り返ることができました。

引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様からは「タイルもまったく違和感がない」「すごく綺麗になった」と高い評価をいただきました。タイルの保管方法や施工写真・保証書を含めた竣工図書の提出も行い、今後のメンテナンスにも役立てていただける内容でお渡ししました。

お客様:どこを張り替えたかわからないくらい自然ですね。
担当者:窯焼きで色を合わせたので、かなり近く再現できています。必要があればいつでもご連絡ください。
お客様:ありがとうございます。次は廊下の床や照明をまとめて検討したいと思います。

今回の工事では、以下のような成果が得られました。

  • ご予算に合わせた柔軟な工事範囲調整
  • 自社施工・材料問屋からの直接仕入れでコストダウンを実現
  • 理事会での丁寧なプレゼンと近隣配慮で信頼を構築
  • 施工中の進捗報告や打ち合わせで透明性を確保
  • 外観と防水性が向上し、物件価値の維持につながった

新東亜工業では、お客様の状況に合わせた提案と対応を徹底しております。

大規模修繕に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

\お問い合わせや工事のお見積もり無料!/

まずはメール・お電話からご相談ください!

小規模修繕と専有部分の基本

まずは小規模修繕と専有部分の関係を整理しておきましょう。共用部分との違いや位置づけを理解していないと、修繕範囲や費用負担をめぐって誤解が生じやすくなります。

ここでは、専有部分における小規模修繕の基本を押さえておきます。

小規模修繕の定義と専有部分の位置づけ

専有部分の小規模修繕では、壁紙の張り替えや床材の補修、キッチンや浴室の部品交換など、日常生活で使用する空間に直結する修繕が中心に行われます。

専有部分の小規模修繕は比較的短期間で済む工事が多く、居住者自身の生活に影響を与えにくいというのが特徴です。

共用部分との違いを理解する重要性

専有部分の修繕を考える際に欠かせないのが「共用部分」との区分です。

廊下やエレベーターといった共用部分は管理組合が対応しますが、室内の内装や設備機器などは専有部分にあたり、居住者やオーナーの責任で修繕する必要があります。専有部分の小規模修繕は、原則として修繕積立金の対象外となる点も大きな違いです。

専有部分と共用部分の違い

区分主な対象箇所修繕の責任者修繕積立金の対象
専有部分室内の内装(壁紙・床)、設備機器(給湯器・エアコン・インターホンなど)各居住者またはオーナー原則対象外(自己負担)
共用部分廊下、エレベーター、外壁、屋上、防水、配管の一部など管理組合修繕積立金で対応

専有部分に限定した小規模修繕の特徴

専有部分の小規模修繕は、劣化の進行を抑えるために早めに対応することがポイントです。

小さな不具合を放置すると水漏れや構造への影響に発展することもあり、結果的に修繕費用が大きく膨らむケースもあります。専有部分の小規模修繕は、快適な居住環境を維持するために欠かせない取り組みなのです。

専有部分で発生しやすい小規模修繕の事例

専有部分の小規模修繕といっても、その対象は幅広く存在します。内装や設備機器、水回りなど、生活に密接した箇所が中心であり、経年劣化や日常的な使用により不具合が発生します。

ここでは、代表的な工事内容を紹介します。

専有部分での小規模修繕の事例

修繕区分具体的な事例特徴・ポイント
内装の修繕クロス張替え・床補修・ドア建具調整美観や生活動線に影響。早めの対応で資産価値を維持できる
設備機器の修繕給湯器・エアコン・インターホン生活必需設備。数万円〜数十万円規模の費用が発生するケースが多い
水回りの修繕蛇口・トイレ・浴室パーツ交換トラブルが多発。共用部分への被害拡大を防ぐため迅速な対応が求められる

では、それぞれ項目について詳しくみていきましょう。

内装の修繕

内装の小規模修繕は専有部分で最も身近な事例です。クロスの汚れや剥がれは部屋の印象を大きく左右し、フローリングの傷やドアの不具合は日常生活の快適性に直結します。

早期の補修を行うことで見た目を改善するだけでなく、将来的な劣化の進行を抑える効果もあります。特に賃貸物件では入居者募集にも影響するため、適切なタイミングでの修繕が重要です。

設備機器の修繕

給湯器やエアコン、インターホンなどの設備は生活を支える重要な要素です。これらは経年劣化によって故障しやすく、交換や修理には高額な費用がかかることもあります。

専有部分の小規模修繕として定期的な点検や早めの対応を行うことで、急な故障による生活の不便を防ぎ、長期的なコスト削減につながります。特に給湯器は冬季に故障すると大きな影響が出るため注意が必要です。

水回りの修繕

蛇口の水漏れやトイレの故障、浴室の換気扇やパッキンの劣化などは専有部分で頻発する修繕です。水回りは放置すると共用部分への漏水トラブルに発展する可能性があり、対応が遅れると修繕範囲や費用が拡大するリスクがあります。

専有部分の小規模修繕として早めに対応することで、快適な生活環境を維持できるだけでなく、他住戸や共用部への被害拡大を防ぐことができます。

専有部分の小規模修繕にかかる費用目安

専有部分の小規模修繕にかかる費用は、工事項目や修繕の範囲によって大きく変わります。クロスやフローリングの補修など軽微な工事であれば数千円で済むこともありますが、給湯器やエアコンといった設備交換になると数十万円規模になることもあります。

ここでは修繕内容ごとの費用目安や、修繕積立金との関係、突発的な出費に備えるための工夫を紹介します。

修繕項目ごとの費用相場

専有部分の小規模修繕で多い工事とその費用目安を以下の表にまとめました。

修繕区分主な工事内容費用相場の目安
内装の修繕クロス張替え・フローリング補修数千円〜10万円程度(部屋の広さや材質により変動)
設備機器の修繕給湯器交換・エアコン交換10万円〜30万円前後
水回りの修繕蛇口交換・トイレ部品交換・浴室換気扇数千円〜数万円程度

小さな修繕でも同時に複数発生すれば出費がかさみます。専有部分の小規模修繕は「軽微な工事だから大丈夫」と考えず、日常的に相場感を把握しておくことが重要です。

修繕積立金は使えないケースが多い

分譲マンションでは、修繕積立金は共用部分の修繕のために積み立てられており、専有部分の小規模修繕には使えません。

たとえばクロスの張替えや給湯器の交換は、区分所有者が自らの費用で行う必要があります。修繕積立金で賄えると誤解している人も多いため、事前に管理規約を確認しておくことが大切です。

突発的な出費に備える方法

専有部分の小規模修繕は予測しにくいタイミングで発生するのが特徴です。給湯器やエアコンの故障、水回りのトラブルなどは急を要することが多いため、突発的な出費への備えが欠かせません。

おすすめは「専有部分修繕用の積立」を行うことです。年間数万円を目安に積み立てておけば、急な修繕にも対応しやすくなります。加えて、火災保険や住宅設備保証などを利用すれば、費用の一部を補填できるケースもあります。

専有部分の小規模修繕は誰が費用を負担する?

専有部分の小規模修繕では「誰が費用を負担するのか」が最もトラブルになりやすい点です。分譲と賃貸では考え方が異なり、さらに契約書や管理規約によって扱いが変わる場合もあります。

ここでは、ケースごとの費用負担の考え方を整理して解説します。

専有部分の修繕における費用負担の比較表

区分負担者主な対象特記事項
分譲マンション区分所有者壁紙張替え・給湯器交換など専有部分全般修繕積立金は原則使用不可。自己計画と予算準備が必要
賃貸マンションオーナー(経年劣化等)/ 入居者(故意・過失による損傷)内装・設備・水回り等契約書の条項により判断。グレーゾーンは事前確認必須

費用負担トラブルを避けるための契約・規約チェック

専有部分の小規模修繕では、玄関ドアや窓サッシのように専有部分か共用部分か判断が難しい設備もあります。こうしたグレーゾーンはトラブルになりやすいため、管理規約や賃貸契約書を事前に確認しておくことが大切です。

特に玄関ドアの外側や窓枠の一部は建物全体の美観や安全性にも関わるため、共用部分として扱われる場合があります。一方で内側の塗装や建具の調整は専有部分に分類されることが多く、区分が曖昧なまま工事を進めると費用負担の押し付け合いに発展するリスクがあります。

費用負担の範囲を明確に理解しておけば、修繕時のトラブルを未然に防ぐだけでなく、円滑に業者へ依頼できる体制を整えることができます。

専有部分の小規模修繕で注意すべき点

専有部分の小規模修繕は比較的軽微な工事が多いですが、実際には思わぬ落とし穴が潜んでいます。

ここでは専有部分における小規模修繕で注意すべきポイントを、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。

グレーゾーンになる設備

専有部分の小規模修繕では、玄関ドアや窓サッシ、バルコニーといった「専有か共用か判断が難しい設備」が問題になりやすいです。例えば玄関ドアの外側や窓サッシの枠は共用部分扱いとなることが多いですが、内側の塗装や鍵の交換は専有部分とされます。

バルコニーも避難経路を兼ねるため共用扱いになる場合が多い一方で、床面のタイル補修や物干し金具の交換は専有部分として扱われるケースが少なくありません。こうした曖昧な区分は管理規約や過去の判例で扱いが異なるため、工事前に必ず確認することが大切です。

曖昧なまま修繕を行うと、費用負担をめぐるトラブルや管理組合との摩擦を引き起こす恐れがあります。

DIYで対応できる範囲と業者依頼すべき範囲

クロスの小さな剥がれや簡単なパッキン交換など、専有部分の小規模修繕の一部はDIYで対応可能です。近年はホームセンターや通販で修繕キットも手軽に入手できるため、軽度の不具合であれば居住者自身で解決できることもあります。

しかし、給湯器や電気設備、水回りの大きな修繕は専門的な技術と資格が必要になります。DIYで無理に施工すると安全性に問題が生じたり、修繕保証を受けられなくなる恐れがあります。さらに、誤った施工によりかえって劣化を早めたり、共用部分に被害を及ぼすケースも報告されています。

費用を抑える目的でDIYを検討する場合も、作業範囲を慎重に判断し、必要に応じて専門業者に依頼することが重要です。

修繕工事を行う際の管理組合や近隣への配慮

専有部分の小規模修繕であっても、工事による騒音や粉塵、共用部分の利用などが発生する場合があります。そのため、事前に管理組合に届け出を行ったり、工事時間や搬入経路について近隣に配慮することが求められます。

特に集合住宅では上下階や隣戸への影響が大きく、トラブル防止のために事前に工事のお知らせを配布する管理会社もあります。さらに、水回りや配管に関わる工事では共用部分に影響するケースもあるため、管理組合や管理会社との調整を怠らないようにしましょう。

近隣への配慮を欠くとクレームや工事中止のリスクが高まり、結果的に余計な費用や時間がかかることになります。

専有部分の小規模修繕を業者に依頼するメリット

専有部分の小規模修繕はDIYで対応できる場合もありますが、多くのケースでは専門業者に依頼することが安心かつ確実です。
その背景には、以下のようなメリットがあるからだと考えられます。

  • 専門的な診断で根本原因を把握できる
  • 保証付き施工で安心できる
  • 複数見積もりでコスト比較が可能

修繕を成功させ建物の安全性・快適性を確保するためにも、それぞれの利点を把握したうえでDIYとの比較を行い対応を進めましょう。

専門的な診断で根本原因を把握できる

業者に依頼すれば、表面的な不具合だけでなく、内部の劣化や構造上の問題まで正確に診断してもらえます。

例えば水漏れ一つでも、単なるパッキンの劣化ではなく配管そのものの問題である場合があり、専門的な調査によって適切な修繕計画が立てられます。根本原因を把握することで、再発を防ぎ、長期的な修繕コストの削減にもつながります。

保証付き施工で安心できる

専門業者が行う修繕工事には、通常保証が付与されます。これにより工事後に不具合が再発した際も無償で対応してもらえるケースが多く、長期的な安心につながります。

DIYや未経験者による施工では得られない大きなメリットです。保証期間中は不具合が起きても追加費用の心配がなく、入居者やオーナー双方にとって安心感を得られます。

複数見積もりでコスト比較が可能

修繕内容に応じて複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで適正価格を把握できます。相場からかけ離れた高額な費用を避けられるだけでなく、業者ごとの施工方法や保証内容を比較することで、最適な選択が可能になります。

さらに、工期や施工体制、アフターサービスまで含めて確認できるため、コストパフォーマンスの高い依頼先を選ぶことができます。

専有部分の小規模修繕に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、専有部分の小規模修繕に関するよくある質問を紹介します。

施工をスムーズに行うための助けとなる知識をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Q1.専有部分の小規模修繕でも管理組合に届け出は必要?

A.小規模な工事でも共用部分に影響が及ぶ可能性がある場合は、管理組合への届け出が必要です。

例えばバルコニーでの修繕や配管に関わる工事は共用部分と密接に関わるため、事前申請を求められることがあります。規約を確認し、必要に応じて届け出を行いましょう。

Q2.修繕積立金は専有部分の工事に使える?

A.原則として修繕積立金は共用部分の維持管理に使用されるものであり、専有部分の修繕には使えません。

壁紙や給湯器などの修繕は各所有者や入居者が自己負担で行う必要があります。誤解を避けるためにも、管理規約の確認が重要です。

Q3.賃貸で入居者が壊した設備は誰が直す?

A.経年劣化や通常使用による損耗はオーナーが負担するのが一般的ですが、入居者の故意や過失による破損は入居者負担となります。

契約書に細かく定められているケースが多いため、入居前に必ず確認しておくことが大切です。

Q4.専有部分でも共用と扱われる代表的なケースは?

A.玄関ドアの外側、窓サッシ、バルコニーの床や手すりは専有部分に見えても共用部分として扱われることが多いです。

これらは建物全体の美観や安全に関わるため、管理組合が修繕を行うのが一般的です。ただし内側の塗装や鍵の交換は専有部分に含まれるケースがあります。

Q5.専有部分の小規模修繕をDIYでやっても問題ない?

A.軽微な修繕であればDIYでも問題ありませんが、設備機器や水回りなどは資格や専門知識が必要な場合があります。

誤った施工は安全性を損なうだけでなく、保証対象外になるリスクもあるため、無理に行わず専門業者に依頼することをおすすめします。

Q6.専有部分の修繕を怠ると将来の大規模修繕に影響する?

A.専有部分の修繕を怠ると劣化が進行し、共用部分にまで影響が及ぶことがあります。

例えば水漏れを放置すると下階や共用配管に被害を与えることがあり、その場合は大規模修繕の際に余計な負担が発生します。早めの小規模修繕は、大規模修繕の円滑な実施にもつながります。

専有部分の小規模修繕は早めに対処を|まとめ

専有部分の小規模修繕は、居住者やオーナーが主体的に対応すべき重要な取り組みです。日常的な劣化や軽微な不具合を見逃さずに対処することで、生活の快適性を維持できるだけでなく、建物全体の健全性を長く保つことにもつながります。

DIYで対応できる範囲もありますが、根本原因の把握や長期的な安心を考えると専門業者に依頼するのが望ましいケースも多くあります。専門的な知識や経験を持つ業者であれば、表面的な補修だけでなく内部の潜在的な劣化を見抜き、再発防止につながる工事を行うことが可能です。

また、業者依頼には施工保証が付くことが多く、将来的に不具合が再発した場合も安心して対応できます。費用負担や規約の確認を怠らず、早めの対応を心掛けることで資産価値を守り、将来的な大規模修繕にも良い影響を与えることができ、結果として長期的に見ればコスト削減にもつながるのです。