【管理組合様】東京都目黒区マンション 大規模修繕工事 費用公開

2025/08/08

工事の全体像とポイント

東京都目黒区にある地上4階建てのマンションにて、大規模修繕工事を実施しました。施工期間は6月初旬から8月初旬までの約2か月間。入居者様の生活に配慮しながら、安全かつ計画的に工事を進めました。

まず建物全体を覆う仮設足場工事からスタート。修繕作業の安全確保と品質向上には欠かせない工程です。その後、外壁の下地補修工事を行いました。タイル面は劣化した部分を貼り替えと目地補修で対応し、モルタル面はひび割れ補修(Uカット・フィラー刷り込み)、浮き補修、鉄筋爆裂補修、欠損補修といった多角的な処置を行い、構造体を健全な状態に整えました。

次に行ったのがシーリング工事です。タイル面には耐久性に優れる変成シリコン系シーリング材、モルタル面には可塑剤による汚染を防ぐウレタンノンブリード材を採用。部位ごとに最適な材料を選定することで、長期的な防水性能を確保しました。

補修後には外壁全体を高圧洗浄し、長年の汚れや付着物を除去。仕上げ工程の品質を高めるための重要な作業です。

塗装工事では、外壁モルタル面・天井・屋根・階段天井(スチール)・雨樋・エレベーター扉・シャッターBOXなど、金属部を含む多様な部位をシリコン系塗料で施工しました。シリコン塗料は耐候性と防汚性に優れ、美観を長期的に維持できるため、大規模修繕工事では主流の選択肢です。

さらに、防水工事として屋上・バルコニー・ルーフバルコニーには**ウレタン塗膜防水(密着工法)**を採用。密着工法は下地との一体感が高く、複雑な形状にも対応できるため、集合住宅の改修に適しています。床タイル部分については、RCガーデックスを散布し、防水性と耐久性を兼ね備えた仕上がりとしました。

今回の大規模修繕工事は、外壁・防水・鉄部の改修を総合的に行うことで、建物の美観回復と耐久性の強化、資産価値の維持を実現しました。

大規模修繕工事は「見た目を直す」だけではなく、建物の寿命を延ばし、入居者様の安全と快適な暮らしを守るための重要な投資です。

RCガーデックスとは

RCガーデックスは、床面やタイル仕上げの防水・保護に使われる浸透型の防水材です。液状の材料を散布するとコンクリートやタイル目地に浸透し、水の通り道を遮断します。これにより防水性が向上し、劣化防止にもつながります。ウレタン防水やシート防水のように厚みのある層を作らず、既存の床仕上げを活かしながら性能を高められるのが特徴です。

RCガーデックスが使われる場所

主な施工箇所は、バルコニーやルーフバルコニーの床タイル面(目地からの浸水防止)、マンション共用部の床や通路(外観を変えずに防水性を付加)、屋外階段やエントランス周りのタイル(雨水や凍結による劣化防止)などです。タイル仕上げを残しつつ防水性能を強化したい場合に最適です。

RCガーデックスの重要性

タイル床は見た目に優れますが、目地や下地からの浸水リスクがあります。特にルーフバルコニーでは防水層の劣化により漏水やコンクリート中性化、鉄筋腐食などの問題が生じやすくなります。RCガーデックスを散布することで、タイルを壊さずに防水性能を高め、劣化の進行を抑制できます。透明な仕上がりで意匠性を損なわず、定期的な施工で維持管理コストの削減にもつながります。

まとめ

RCガーデックスは、床タイルの美観を保ちながら防水性を強化できる保護材です。特にルーフバルコニーや共用廊下など、美観と防水を両立したい場所に適しています。大規模修繕工事では、ウレタン防水やシート防水と並ぶ有効な選択肢のひとつです。うな浸透型防水材の採用も有効な選択肢となります。

工事金額:1235万円

仮設足場工事

■参考リンク:仮設工業会認定済足場材

下地補修工事

タイル貼替え

目地補修

ひび割れ補修(0.3㎜未満)

ひび割れ補修(0.3㎜以上)

モルタル浮き補修

鉄筋爆裂補修

欠損補修

■参考リンク:コニシ株式会社

シーリング工事

外壁(タイル面)

サッシ廻り(タイル面)

サッシ皿上

ドア廻り

トップライト取合い

■参考リンク:サンスター株式会社

洗浄工事

薬品洗浄

高圧洗浄

塗装工事

外壁

天井(モルタル面)

屋根(コロニアル)

天井(スチール)

雨樋

エレベーター扉

■参考リンク:日本ペイント株式会社

防水工事

バルコニー

タイル床

屋上

ルーフバルコニー

■参考リンク:シーカジャパン株式会社

各種申請手続き

【道路使用】

■参考リンク:碑文谷警察署

■参考リンク:警視庁

監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄