
【個人様】東京都町田市戸建て 外壁塗装+防水工事 費用公開
2025/08/01
目次
工事の全体像とポイント
東京都町田市にある戸建て住宅にて、外壁塗装と防水工事を実施しました。
築年数の経過により、外壁の色あせやシーリングのひび割れ、屋上防水層の劣化が進んでいたため、建物全体の保護性能を高める目的で改修を行いました。施工期間は約1か月です。
まず、安全で効率的な施工のために仮設足場を設置し、外壁や屋根の細部まで丁寧に作業できる環境を整えました。
続いて、既存のシーリングを撤去し、新たにウレタンノンブリード材と変成シリコン材を使用して打ち替えを実施。
これにより、防水性・耐候性・美観を長期的に維持できる仕様としました。
下地が整った後は、高圧洗浄で外壁や屋根、付帯部の汚れや旧塗膜をしっかりと除去し、塗料の密着性を確保。
外壁には高耐久型シリコン塗料を採用し、紫外線や雨風による劣化を防ぎながら、落ち着いた艶感のある仕上がりを実現しました。
屋根のコロニアル材にも同様にシリコン塗料を使用し、防水性と耐久性を向上。
また、天井部分には湿気を逃がす通気型塗料を使用し、カビの発生を抑える快適な環境を維持します。
庇・破風・雨樋・水切り・シャッターBOXといった付帯部もすべて塗装を行い、建物全体が新築時のような統一感ある外観に生まれ変わりました。
さらに、屋上とバルコニーには**FRP防水(繊維強化プラスチック防水)**を施工。
FRP防水は軽量で耐久性が高く、強靭な防水層を形成できることから、戸建て住宅の防水工事では特に人気の高い工法です。
下地調整後、ガラスマットを積層し、トップコートで仕上げることで、耐候性・防水性・美観を兼ね備えた仕上がりになりました。
FRP防水の施工内容とメリット・デメリット|長持ちする防水工事のポイント
FRP防水(エフアールピーぼうすい)とは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic)」を用いた防水工法で、住宅の屋上やバルコニー、ベランダなどで広く採用されている防水技術です。プラスチック樹脂にガラス繊維(ガラスマット)を組み合わせることで、軽量ながら非常に高い強度と耐久性を発揮します。戸建て住宅における防水工事の中でも、耐摩耗性・施工スピード・メンテナンス性のバランスが良いことから、近年特に人気の高い防水工法です。
FRP防水の施工内容
FRP防水は、下地処理から仕上げまでの工程を正確に行うことで、性能が最大限に発揮されます。
まず、施工箇所の既存防水層や汚れを除去し、凹凸やクラックを補修して平滑な下地を作ります。次に、専用プライマー(下塗り材)を塗布し、下地と防水層の密着性を高めます。その上にガラスマットを敷き込み、ポリエステル樹脂を塗布して積層します。これにより防水層に厚みと強度が生まれ、衝撃や摩耗に強い構造が完成します。最後にトップコート(保護塗料)を塗布し、紫外線や風雨による劣化を防ぎ、美しい仕上がりを長期間保ちます。
FRP防水のメリット
FRP防水の最大のメリットは、耐久性と強度の高さです。塗膜防水でありながら硬質な仕上がりとなるため、歩行による摩耗に強く、ベランダや屋上などの人が頻繁に通る場所にも最適です。さらに軽量で施工期間が短く、1日で硬化が完了するため、天候の影響を受けにくくスピーディーな工事が可能です。
継ぎ目がなく、雨水の侵入経路が一切ないため、完全防水構造を実現できるのも特長です。また、定期的にトップコートを塗り替えることで長期間にわたり防水性能を維持でき、10年以上の耐用年数も十分に確保できます。見た目にも美しく、カラーや質感の調整も可能なため、デザイン性を重視する住宅にも向いています。
FRP防水のデメリット
一方で、FRP防水は硬質であるがゆえに、建物の動きや振動に対してはやや弱い面があります。木造住宅など、構造体が伸縮しやすい建物では、温度変化や地震などでひび割れが生じる可能性があります。また、施工時に使用する樹脂には特有の刺激臭があるため、換気の配慮が必要です。
さらに、FRP防水は職人の技術力に大きく左右される工法です。樹脂の塗布量や積層厚、硬化時間の管理を誤ると、剥離やひび割れを引き起こすことがあるため、材料特性を熟知した専門業者による施工が欠かせません。
FRP防水の重要性
FRP防水は、単なる「防水工事」ではなく、建物を長期間守るための“耐久構造の再構築”といえます。屋上やバルコニーは、雨水・紫外線・温度差といった外的要因の影響を最も受けやすい箇所です。防水層が劣化すると、雨漏りや内部腐食、断熱材の損傷につながり、建物の寿命を大きく縮めてしまいます。
定期的なメンテナンスとトップコートの更新により、防水層の機能を長く維持できるため、結果として大規模な修繕費用を抑えることができます。まさに、FRP防水は「見えない場所で建物を支える最後の砦」といえるのです。
まとめ
FRP防水は、軽量・高耐久・高強度を兼ね備えた非常に優秀な防水工法です。施工精度が求められる一方で、正しく施工すれば長期的に安心して住まいを守ることができます。
屋上やバルコニーのひび割れ・雨漏りが気になる場合は、早めの点検とメンテナンスが重要です。
工事金額:174万円
仮設足場工事



■参考リンク:仮設工業会認定済足場材
シーリング工事
外壁(サイディング目地)


サッシ廻り


ドア廻り


■参考リンク:サンスター株式会社
洗浄工事





塗装工事
外壁(サイディング)


屋根(コロニアル)



天井(ボード)


庇天端


雨樋


水切り


破風


■参考リンク:日本ペイント株式会社
防水工事
屋上








■参考リンク:前田工繊産資株式会社
監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄