【個人オーナー様】東京都港区マンション 屋上防水工事+斜壁屋根塗装工事 費用公開
2025/08/26
目次
工事の全体像とポイント
東京都港区のマンションにて、屋上および庇、斜壁屋根を対象とした防水工事を実施しました。施工期間は約1週間。建物の防水性能を高め、同時に熱環境にも配慮した施工内容となっています。
今回の工事では、屋上全体にウレタン塗膜防水(密着工法)を採用し、さらに太陽光の反射率が高い“高反射タイプ”のトップコートを使用することで、防水性能に加え遮熱効果も得られる仕様としました。夏場の屋内温度上昇を抑制し、省エネ効果が期待できる点もポイントです。
屋上の施工工程は、まず高圧洗浄で汚れや埃を徹底的に除去した後、ケレン・清掃を行い、下地を整えます。次に、既存ドレンを撤去し、劣化部分にはシーリング処理による補修を実施。その後、改修用ドレンを取り付け、プライマーを塗布して下地と防水材の密着性を向上させました。入隅部にはシーリング材で丁寧に補強し、ウレタン防水材を2層に分けて塗布。最後に高反射トップコートを施し、防水層を紫外線や熱から保護しています。
さらに、屋上周囲の笠木ジョイント部にはブリッジシールを施工。部材の接合部は動きが発生しやすく、漏水のリスクが高いため、柔軟性のあるシーリング材でしっかりとカバーし、防水層の一体性を確保しました。
庇(ひさし)部分は2箇所あり、こちらもウレタン塗膜防水(密着工法)で施工。屋上同様に、高圧洗浄・ケレン・清掃の後、プライマー塗布、ウレタン1層目・2層目、トップコート仕上げまで、全ての工程を丁寧に行い、耐久性と美観を両立した仕上がりとなりました。
また、斜壁の屋根については塗装仕様で施工を行いました。高圧洗浄とケレン清掃で下地を整えた後、シーラーを塗布し、シリコン塗料を2回塗り重ねることで、耐候性と仕上がりの均一性を実現しています。シリコン塗料は紫外線や酸性雨への耐性が高く、斜面に位置する屋根にも最適な選択です。
屋上を“暑さ”から守る新常識:高反射防水の効果とメリット
屋上防水工事における高反射仕上げの重要性とは?
屋上防水工事では、近年「高反射仕上げ(遮熱仕様)」の採用が増えています。これは、太陽光を反射する特殊なトップコートを防水層の最表面に塗布することで、表面温度の上昇を抑える技術です。特に都市部や日当たりの良い建物において、高反射仕上げは非常に有効で、防水性能を守りつつ、建物全体の熱環境を改善することができます。
高反射仕上げの効果
- 屋上表面の温度上昇を抑制
高反射塗料は、通常の塗料に比べて太陽光の反射率が非常に高く、使う材料にもよりますが条件が揃った場合、最大で屋上表面の温度を10℃〜20℃程度下げる効果があります。これにより、夏場の屋上温度は過酷な環境から一転し、建物内部への熱の伝導を大幅に低減します。 - 空調負荷の軽減と省エネ効果
屋根からの熱侵入が減るため、室内温度の上昇が抑えられ、冷房の使用頻度や設定温度を下げられることで、光熱費の削減につながります。これは、環境配慮やCO₂排出削減の観点からも大きなメリットです。 - 防水層の劣化を抑える
ウレタン防水材や塩ビシートなどの防水層は、高温や紫外線に長時間さらされることで劣化が進行します。高反射仕上げはその温度負荷や紫外線ダメージを軽減し、防水層の寿命延長に寄与します。
どんなときに高反射仕上げが使われる?
- 日照の強い屋上・最上階が住戸や事務所となっている建物
- 冷房効率を上げたいマンションやオフィスビル
- 倉庫や工場など、屋内の温度管理が重要な施設
- ヒートアイランド対策が求められる都市部の建物
- 省エネ改修(ZEHやBELSなど)の一環としての防水層の更新
特に東京都のような都市部では、ヒートアイランド現象の対策として自治体から高反射塗料の使用を推奨されるケースもあり、今後ますます重要性が高まる工法といえるでしょう。
工事金額:55万円
防水工事
笠木ジョイント部ブリッジシール



■参考リンク:サンスター株式会社
屋上


庇


■参考リンク:シーカジャパン株式会社
塗装工事
斜壁屋根


■参考リンク:日本ペイント株式会社
監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄