【個人オーナー様】東京都杉並区ビル 屋上防水工事 費用公開
2025/10/07
工事の全体像とポイント
この工事は、築年数の経過に伴い劣化が進んでいたビルの屋上および塔屋に対して行った防水性能の強化、ならびに鉄部の美観と耐久性の向上を目的とした、総合的な外装改修工事です。施工期間は15日間で、安全かつ効率的に各工程を進めました。
防水工事では、屋上と塔屋の両方に通気緩衝工法を採用しました。これは、防水層と下地の間に通気層(通気シート)を設け、内部の湿気を外へ逃がすことで、膨れや剥離などの防水トラブルを防ぐ工法です。下地に湿気が残っている状態でも安定した施工が可能なため、特に既存の防水層が老朽化している現場や、コンクリートの含水率が高い場合に最適とされています。
さらに、今回の工事では屋上笠木部(屋上の外周にある立ち上がり部分の上部)にもブリッジシールの施工をしました。
このブリッジシールとは、既存の笠木継ぎ目(ジョイント)や取り合い部分に対して、耐久性のあるシーリング材を橋をかけるように施工する方法です。通常のシーリングでは、継ぎ目の動きに追従しきれず、ひび割れや剥離が生じることがありますが、ブリッジシールではシーリング材を厚めに“被せる”ように充填・形成することで、部材の伸縮に柔軟に対応し、長期的な防水性を確保します。
笠木部は、雨水の侵入経路になりやすい弱点部位の一つです。特に、金属製やモルタル製の笠木は、継ぎ目・ビス周り・立ち上がりの端部などからの漏水リスクが高く、ここを適切に処理することで屋上全体の防水性能が格段に向上します。
加えて、鉄部塗装工事では、屋上に設置されていた鉄骨階段および鉄扉を対象に、下地処理(ケレン作業)後、錆止め+シリコン塗料2回塗りという仕様で施工しました。シリコン塗料は、紫外線や雨風に強く、色あせや剥がれが起きにくいため、屋外の鉄部に非常に適しています。
工事金額:225万円
防水工事
屋上




塔屋



■参考リンク:シーカジャパン株式会社
塗装工事
鉄骨階段


鉄扉


■参考リンク:日本ペイント株式会社
監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄