【個人オーナー様】東京都北区ビル 2面外壁塗装工事+雨漏り補修 費用公開

2025/08/15

工事の全体像とポイント

東京都北区にあるビルにて、雨漏りの補修を目的とした外装リフォーム工事を実施しました。施工期間は約20日間で、調査の結果、外壁からの漏水の可能性が高かったため、的確な補修と防水処理を行うこととなりました。

工事は、まず施工対象となる外壁2面に仮設足場を設置することからスタート。高所作業の安全確保はもちろん、細部にわたる補修・塗装作業の精度を高めるためにも、足場設置は不可欠です。

外壁の下地調査では、複数箇所にひび割れ(クラック)が確認されました。これらは表面的なものでしたが、雨水の侵入リスクがあるため、専用の材料を用いてひとつひとつ丁寧に補修を行いました。その後、塗装やシーリングの密着を高めるため、外壁表面の高圧洗浄を実施。汚れやコケ、旧塗膜の劣化部分をしっかりと洗い流し、施工の下地を整えました。

シーリング工事では、使用箇所に応じて変成シリコンとウレタンノンブリードの2種類を適切に使い分けています。変成シリコンは高い耐候性と密着性があり、外壁の目地やサッシ廻りに最適です。ウレタンノンブリードはブリード現象を抑制し、美観を長く保てるため、外壁の意匠性を損なわない施工が可能です。

塗装工事では、外壁2面と雨樋を対象とし、いずれもシリコン系塗料を使用。外壁は砂骨仕上げと呼ばれる、塗膜に微細な骨材を混ぜて凹凸のある質感を作る工法を採用しました。この仕上げは、塗膜の厚みを確保しながら高い耐久性とデザイン性を両立できるのが特長です。雨樋も同様に耐候性の高いシリコン塗料で仕上げ、紫外線や雨による劣化を防止します。

さらに、1階の犬走り(建物外周のコンクリート舗装部分)では、漏水の疑いがあったため、防水工事を実施しました。採用したのはウレタン塗膜防水の密着工法です。これは、下地にプライマーを塗布した上にウレタン樹脂を直接塗り重ねることで、柔軟性と防水性の高い塗膜を形成する工法です。複雑な形状や狭い場所にも対応でき、密着性が高いため、水の侵入をしっかりと防ぎます。また、排水性を高めるために改修用ドレンも新たに設置し、水の滞留を抑える設計としました。

今回の施工によって、建物内への雨水の侵入は完全に止まり、雨漏りは無事解消されました。お客様にも大変ご満足いただける仕上がりとなりました。

雨漏り再発を防ぐカギはここにある|修繕工事における改修ドレンの重要性

建物の修繕工事において、見落とされがちですが非常に重要な役割を果たすのが「改修ドレン」です。特に雨漏りや防水工事を検討している建物では、排水機能の再構築が不可欠であり、その中心にあるのがこの改修ドレンです。

そもそも「ドレン」とは、屋上やベランダ、バルコニーなどに降った雨水を集めて排水管へ流すための排水口のことを指します。しかし、築年数が経過した建物では、既存のドレン周辺の劣化や、排水経路の詰まり・防水層の破断が原因で、排水不良が雨漏りの直接的な原因になることがあります。

ここで登場するのが「改修ドレン」です。これは既存の排水口にかぶせるようにして設置する専用のドレン部材で、古いドレンを撤去せずに新たな排水ルートを確保できるのが最大の特長です。改修ドレンは、防水層と一体化できるよう設計されており、ウレタン塗膜防水やシート防水との密着性にも優れ、水の侵入リスクを根本から絶ち切ることが可能です。

さらに、改修ドレンの素材には、耐久性・耐食性に優れたステンレスや塩ビ製が使われており、長期間にわたって安定した排水性能を維持できます。また、内部にフィルターやトラップを組み込むことで、ゴミ詰まりや逆流といったトラブルも未然に防ぐことができます。

実際の現場では、防水層だけを更新しても、ドレン部が劣化したままでは再び雨漏りが発生するケースが少なくありません。だからこそ、改修ドレンの設置は、防水工事や修繕工事を「長持ちさせるためのキーポイント」といえます。

工事金額:208万円

仮設足場工事

■参考リンク:仮設工業会認定済足場材

下地補修工事

ひび割れ補修

■参考リンク:コニシ株式会社

洗浄工事

シーリング工事

外壁目地(ALC板間目地)

サッシ廻り

■参考リンク:サンスター株式会社

塗装工事

外壁(ALC)

雨樋

■参考リンク:日本ペイント株式会社

防水工事

1階漏水箇所

屋上・改修ドレン設置

■参考リンク:シーカジャパン株式会社

各種申請手続き

【道路使用】

■参考リンク:赤羽警察署

■参考リンク:警視庁

監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄