外壁タイル工事の流れや費用について。メンテナンスや塗装は必要?
外壁タイルには、建物を守る重要な役割があります。
一般的なサイディングの外壁よりも耐久性が高く、高級感も演出できます。
しかし耐久性が高いとは言っても風雨や排気ガス、紫外線などによって徐々にタイルが剥がれていきます。
そこで必要になるのが「外壁タイル工事」です。
今回の記事では、外壁タイル工事の流れや費用などについて解説していきます。
外壁タイルが劣化により落下すると、歩行者に被害が及び、社会的な責任が問われます。
定期的に外壁タイルのメンテナンスを行うことで建物の寿命を延ばせますし、資産価値を高めることにも繋がりますよ。
外壁タイルはメンテナンスが必要!
「外壁タイルのメンテナンスは不要」と思われているかたもいるようです。
しかしこれは誤りと言えるでしょう。
かつては外壁タイルの下地はモルタル(セメントと砂と水を混ぜたもの)が主流でした。
モルタルは年月が経過すると劣化し、雨水が侵入してきます。
また硬化したモルタルは伸縮性に乏しく、目地に隙間ができたりひび割れたりしやすい傾向にあります。
しかも目地に使われているコーキングは劣化しやすく、数年程度の寿命の場合も多いです。
よってメンテナンスは必要です。
外壁タイルのメンテナンスは、10年に一度は行いましょう。
外壁タイルがメンテナンスフリーと誤解される理由
なぜ外壁タイルはメンテナンスフリーだと誤解されるのでしょうか?
それには次のような理由があります。
耐水性が高い
外壁タイルは防水性能が、かなり高いです。
タイルは吸水率の違いにより1類~3類までに分類されています。
外壁に使われるのは、特に吸水率の低い1類と2類です。
外壁の劣化の多くは、タイルではなくサイディングやモルタルの劣化によるものです。
耐光性が高い
外壁タイルは、太陽の紫外線を浴びても劣化しにい性質を持っています。
外壁タイルは石や砂、土といった、自然界に元々存在する無機物が原料です。
外に転がっている石などは太陽の紫外線を浴びてもビクともしませんよね。
このように外壁タイルには紫外線に強い物質が原料として使われているので、耐光性が高いのです。
耐傷性が高い
外壁タイルは傷にも強いです。
1,200度以上の高温で焼かれてるため、非常に固いのです。
外壁塗装は砂ぼこりでも傷ついたりしますが、外壁タイルはドリルで穴を開けるのも一苦労です。
タイルの種類
タイルの種類にはさまざまありますが、ここでは一般的なタイルの種類をご紹介していきます。
磁器質タイル
1,250℃以上の高温で焼き固められたタイルです。
非常に硬く水をほとんど吸収しません。
透明感のある見た目も特徴です。
磁器質タイルは、外壁タイルとして最も広く使われています。
陶器質タイル
1,000℃以上で焼き固められたタイルです。
ある程度の吸水性があるので、着色も可能です。
多少耐久性は劣るので、内装に使われることが多いです。
ただしガラスコーティングが施された陶器質の施釉(せゆう)タイルなら防水性や防汚性があるので、外壁タイルとして使われることがあります。
石器質タイル
1,200℃前後で焼き固められたタイルです。
磁器タイルほど硬くはなく、表面に加工を施すこともできるので、デザイン性も重視できます。
耐久性は磁器タイルと石器タイルの中間くらいです。
外壁タイル工事の施工費用
外壁タイル工事の施工費用は、1㎡あたり1~4万円が相場です。
もちろんタイルの種類や施工面積、施工業者の違いなどによっても費用は変わります。
外壁タイル工事に関わる費用については、以下を参考にしてみてください。
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また上記以外に仮設足場の設置などが必要な場合は、その分の費用もかかります。
外壁タイル工事の種類
外壁タイル工事には、「湿式工法」と「乾式工法」の2種類があります。
湿式工法
モルタルの下地の上にタイルを貼る工法です。
施工は職人の手作業で行いますので、職人の腕次第で施工クオリティが変わります。
ただしモルタルは乾燥すると硬くなるので、下地やタイルの変形に対応しきれない、というデメリットがあります。
よってタイルが剥離しやすい傾向にあります。
乾式工法
モルタルを使わずに下地に接着剤で貼り付ける工法です。
弾性接着剤が使われるので、下地やタイルの伸縮にも追従します。
タイルが剥離しにくい工法と言えるでしょう。
施工期間も短くリーズナブルなので、現在は乾式工法が主流です。
外壁タイル工事の流れ
外壁タイル工事は、次のような流れで行われます。(工事内容によって変化あり)
- 打診調査
- はがし作業
- 樹脂の注入
- タイルの交換
1、打診調査
タイルが浮いていないか、まずは打診でチェックします。
ひび割れなどがある箇所に、カラーテープなどでマーキングをします。
2、はがし作業
1か所のタイルに不具合が生じていると、周囲にも不具合が起こっている場合が多いです。
剥離の恐れがある箇所をダイヤモンドカッターやノミ、タガネなどではがしていきます。
3、樹脂の注入
浮きがあるタイルは目地に穴を開け、樹脂を注入して固めて補修します。
浮いている箇所を撤去し、下地のモルタルを補強してから貼り付ける場合もあります。
4、タイルの交換
タイルが欠損している箇所や、亀裂が発生しているタイルは撤去し、新たにタイルを貼り直します。
全てのタイルを貼り替えることも可能ですが、一般的には必要な部分のみを貼り替えます。
先ほども触れたように、タイルが剥がれたのが一か所であっても、その周囲のタイルの剥がれやすくなっているケースが多いので、剥がれたタイルの周囲全てをメンテナンスすることもあります。
以上が一般的な外壁タイルの工事方法です。
外壁タイルのQ&A
ここでは外壁タイルに関して、良くある疑問や質問に答えてきたいと思います。
外壁タイルに塗装は必要?
基本的に、外壁タイルに塗装は必要ありません。
タイルはかなり頑丈なので、劣化や変色などは起こりにくいです。
塗装も行えないわけではありませんがコストが高くなってしまうでしょう。
外壁タイルは耐用年数が40年以上あるので、タイルよりも耐用年数が短い塗料を塗る意味はあまりありません。
また一度タイルに塗装を施してしまうと、元のタイルの質感に戻すのは不可能です。
無色透明で光沢のあるクリア塗装もできますが、あくまでも美観のみの塗装ですので、塗装をする際は慎重に検討することをおすすめします。
外壁タイル工事はDIYできる?
外壁タイルの貼り替えは、部分的であっても自分で行うのは避けましょう。
モルタルの下地作りには経験を積んだプロの技が必要です。
また目地のコーキングも正しい知識や技術がないと、十分に耐久性を発揮できません。
万が一タイルが剥がれて落下すると事故の危険性もありますから、DIYはせずにプロの施工業者に任せることをおすすめします。
外壁タイル工事は業者選びも大切
外壁タイル工事は施工業者選びも大切です。
以下の方法で業者を選ぶと、業者選びを失敗しにくくなるでしょう。
相見積もりを取る
見積もり無料の施工業者が多いので、まずは複数の業者に見積もりを出してもらい、それぞれの見積書を比較検討しましょう。
見積もりの際は、遠慮せず業者に色々と質問してみてください。
対応が悪いと感じたら、その業者は避けたほうが良いかもしれません。
アフターフォローをチェックする
万が一施工後にトラブルが起こった場合に備えて、アフターフォローがしっかりしている業者を選びましょう。
工事に不具合があった場合の連絡先なども控えておくと安心ですね。
施工実績を調べる
ずさんな施工をする悪徳業者も存在します。
費用の安さだけで選んではいけません。
過去の施工実績や評判を調べてみることをおすすめします。
過去に何らかのトラブルを起こしている業者は避けたほうが良いでしょう。
まとめ
外壁タイルは耐久性があり、重厚感のあるデザイン性も魅力です。
ただし劣化すると事故につながる恐れがあるので、定期的なメンテナンスは必要です。
外壁タイル工事を行う場合、信頼できる施工業者を見つけることが重要ですので、まずは相見積もりを必ず行いましょう。
相見積もりを取ることで、費用を抑えることにも繋がりますよ。
アフターフォローもしっかりしている優良業者を見つけて、ぜひ満足のいく外壁タイル工事を行なってみてくださいね。