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マンションの日常メンテナンス「小規模修繕」の基礎知識

マンションを長く快適に住み続けるためには、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。

その中でも、日常的なメンテナンスや修繕を「小規模修繕」といいます。

小規模修繕は、マンションの資産価値を維持するためにも重要なものです。

適切なタイミングで、適切な工事を行うことで、マンションの価値を守ることが可能です。

この記事では、マンションの小規模修繕の概要や、タイミング、判断基準、注意点などについて解説します。

マンションにお住まいの方は、ぜひ参考にしてみてください。

マンション小規模修繕工事の概要

マンションの小規模修繕工事とは、マンションの日常的なメンテナンスや修繕のことです。

具体的には、以下のような工事が挙げられます。

  • 照明器具やエアコンなどの設備の修理
  • 床や壁のひび割れや汚れなどの補修
  • 植栽や外構の整備

ただし、小規模修繕工事には、大規模修繕工事のようなガイドラインがありません。

特に定義づけされていないため、大規模修繕工事と区別して実施するのが基本です。

小規模修繕と大規模修繕の違い

小規模修繕工事と大規模修繕工事の違いは、以下のとおりです。

項目小規模修繕工事大規模修繕工事
修繕規模比較的規模が小さい比較的規模が大きい
工事対象設備や建物の一部建物全体または一部
工事費用比較的安価で済む比較的高額になりやすい
工事の実施周期定期的に実施10年から15年周期で実施

大規模修繕で一気に修理してしまおうと考えるケースが多いですが、劣化内容によってはすぐに補修する必要があります。

大規模修繕を行うタイミングを待っていては劣化がさらにひどくなるため、早めに対処しましょう。

小規模修繕工事のタイミング

小規模修繕工事は、マンションの日常的なメンテナンスや修繕として、定期的に実施する必要があります。

具体的なタイミングとしては、以下の3つが挙げられます。

マンションの機能が低下するとき

マンションの機能が低下するときとは、例えば、照明器具が暗くなったり、エアコンが故障したりした場合です。

このような場合は、マンションの機能性を維持するために、修繕が必要です。

マンションの景観を損なうとき

マンションの景観を損なうときとは、例えば、床や壁にひび割れや汚れができた場合です。

このような場合は、マンションの資産価値を維持するために、修繕が必要です。

大規模修繕工事の前の準備として

大規模修繕工事を行う前に、小規模修繕工事を行うことで、大規模修繕工事の際に発生する費用が抑えられます。

例えば、外壁のひび割れや汚れを小規模修繕工事によって修繕しておけば、大規模修繕工事の際に、外壁塗装の費用が抑えられるなどです。

小規模修繕工事のタイミングは、マンションの状況や管理組合の判断によって異なります。

適切なタイミングで、適切な工事を行うことで、マンションの資産価値を守ることが可能です。

小規模修繕の判断基準の考え方

小規模修繕の判断基準として、機能性、計画性、見栄えと、3つの考え方があります。

機能性による修繕の判断

機能性による修繕とは、マンションの機能を維持するために必要な修繕を行うことです。

具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 照明器具の交換
  • エアコンの修理
  • 給水・排水管の修理
  • 階段や廊下の修理
  • ドアや窓の修理

これらの修繕は、マンションの快適性や安全性を維持するために必要です。

例えば、照明器具が暗いと、室内が暗くなり、安全性が低下します。

また、エアコンが故障していると、冷暖房が効かなくなり、快適性が低下します。

機能性による修繕は、マンションの価値を維持するためにも重要です。

マンションの機能性が低下すると、入居者の満足度が低下し、資産価値も下がってしまいます。

そのため、マンションの機能性が低下している場合は、早めに修繕を行うことが大切です。

計画性による修繕の判断

計画性による修繕とは、マンションの資産価値を維持するために必要な修繕を行うことです。

具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 外壁の補修
  • 屋根の塗装
  • 防水工事
  • 植栽の整備

これらの修繕は、マンションの耐久性を維持するために必要です。

例えば、外壁のひび割れや汚れを放置しておくと、雨水が浸入して、建物の劣化を早めてしまいます。

また、屋根の塗装が剥がれると、雨漏りの原因になります。

計画性による修繕は、マンションの価値を維持するためにも重要です。

マンションの資産価値を維持するためには、定期的に修繕を行う必要があります。

そのため、マンションの状況を把握し、修繕の必要性を判断することが大切です。

見栄えによる修繕の判断

見栄えによる修繕とは、マンションの景観を損なうことを防ぐために必要な修繕を行うことです。

具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 外壁の汚れ落とし
  • 植栽の剪定
  • 共用部分の清掃

これらの修繕は、マンションの美観を維持するために必要です。

例えば、外壁の汚れが目立つと、マンションの印象が悪くなってしまいます。

また、植栽が雑然としていると、マンションが荒れている印象を与えてしまいます。

見栄えによる修繕は、マンションの価値を維持するためにも重要です。

マンションの見栄えが悪いと、入居者の満足度が低下し、資産価値も下がってしまいます。

そのため、マンションの見栄えが悪い場合は、早めに修繕を行うことが大切です。

小規模修繕を行う際の注意点

小規模修繕を行う際には、以下のような注意点があります。

注意点も守り、適切な修繕を行いましょう。

複数の業者から相見積もりを取る

小規模修繕を行う際の注意点として、複数の業者に見積もりを取ることが重要です。

複数の業者に見積もりを取ることで、費用や工事の品質などが比較検討できます。

見積もりを取る際には、以下の点に注意しましょう。

  • 工事内容を明確にする
  • 見積もりの内容を比較する
  • 業者の信頼性を判断する

また、業者の信頼性を判断する際には、業者の所在地や連絡先を確認することで、万が一のトラブルの際に連絡が取れます。

さらに、業者の保証内容を確認することで、万が一のトラブルの際に対応してもらえるかどうかを判断できます。

以上のように、相見積もりを行うことで、適切な業者を選ぶことができ、安心して小規模修繕を行うことが可能となるでしょう。

小規模修繕と大規模修繕は分けて実施するのが基本

小規模修繕工事と大規模修繕工事は、分けて実施するのが基本です。

小規模修繕は、放置すると日常生活に支障をきたす場合があるため、大規模修繕とは別に考えることが大切です。

しかし、小さな傷まですべて修繕するときりがないため、マンションの機能や景観に影響がある場合のみ対応するなど、管理組合で基準を設けておく必要があります。

小規模修繕工事は、日常的なメンテナンスや修繕として、定期的に実施する必要があります。

一方、大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばすために、10~15年周期で実施する必要があるものです。

小規模修繕工事と大規模修繕工事を一緒に実施してしまうと、費用や工事のスケジュールが管理しづらくなるためです。

また、工事を実施する際には、相見積もりを取り、なるべく支出を抑える工夫も行いましょう。

小規模修繕は大規模修繕と切り分けて検討する

小規模修繕と大規模修繕は、それぞれに適した工事内容と費用があるため、分けて検討することが大切です。

小規模修繕は、日常的なメンテナンスや修繕として、日常生活に支障をきたす前に実施する必要があります。

そのため、マンションの機能や景観に影響がある場合のみ対応するなど、管理組合で基準を設けておく必要があります。

大規模修繕は、建物の寿命を延ばすために、10~15年周期で実施する必要があるものです。

外壁や屋根などの大規模な修繕を行うため、費用が高額になります。

小規模修繕と大規模修繕を一緒に実施してしまうと、費用や工事のスケジュールが管理しづらくなるため、それぞれの工事内容と費用をバランスよく検討することが大切です。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 小規模修繕は、日常生活に支障をきたす前に実施する
  • 小規模修繕は、マンションの機能や景観に影響がある場合のみ対応する
  • 大規模修繕は、建物の寿命を延ばすために実施する
  • 大規模修繕は、外壁や屋根などの大規模な修繕を行うため、費用が高額になる

このように、小規模修繕と大規模修繕は、それぞれに適した工事内容と費用があるため、分けて検討することが大切です。

小規模修繕をする上で何を優先するか?

小規模修繕をする上で、何を優先するかは、管理組合で検討する必要があります。

小規模修繕をする上で優先すべきことは、以下の2つです。

安全性

小規模修繕は、日常生活に支障をきたす前に実施することが大切です。

そのため、安全性が確保されていない箇所を優先して修繕する必要があります。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 外壁や屋根のひび割れや剥がれ
  • 階段や廊下の段差や滑り止めの劣化
  • エレベーターやエスカレーターの故障
  • 給水・排水管の漏水

機能性

小規模修繕は、マンションの機能を維持するためにも重要です。

そのため、機能性が低下している箇所を優先して修繕する必要があります。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 照明や換気設備の故障
  • 防犯設備の劣化
  • 共用部分の清掃

また、以下の点も考慮して優先順位を決めるとよいでしょう。

費用

小規模修繕は、費用がかさむと、大規模修繕の費用に充てることができなくなる可能性があります。

そのため、費用も考慮して優先順位を決める必要があります。

入居者の意見

小規模修繕は、入居者の生活に直接影響を与えるものです。

そのため、入居者の意見も考慮して優先順位を決めるとよいでしょう。

具体的には、以下のような方法で入居者の意見を収集することができます。

  • 管理組合の総会や理事会で意見を募集する
  • アンケートやオンライン投票を実施する

このように、小規模修繕をする上では、安全性と機能性を優先し、費用や入居者の意見も考慮して優先順位を決めることが大切です。

まとめ

ここまで、マンション小規模修繕工事の概要、タイミング、判断基準、注意点などについて解説してきました。

マンション小規模修繕工事とは、マンションの日常的なメンテナンスや修繕のことです。

具体的には、以下のような工事が挙げられます。

  • 照明器具やエアコンなどの設備の修理
  • 床や壁のひび割れや汚れなどの補修
  • 植栽や外構の整備

小規模修繕工事は、マンションの日常的なメンテナンスや修繕として、定期的に実施する必要があります。

また、工事を実施する際には、相見積もりを取り、なるべく支出を抑える工夫も行いましょう。

小規模修繕工事の要点は、以下のとおりです。

  • 日常的なメンテナンスや修繕として、定期的に実施する
  • 安全性と機能性を優先する
  • 費用や入居者の意見も考慮する

小規模修繕工事は、マンションの資産価値を維持するために重要なものです。

適切なタイミングで、適切な工事を行うことで、マンションの資産価値を守ることができます。

マンションにて小規模修繕を行う際には、ぜひ参考にしてみてください。

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