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バルコニー・ベランダの床防水工事を解説|コンクリートは水に弱い?

床防水工事は主にマンションなどでよく導入されています。

床防水工事を行わないと、建物の耐用年数を縮めてしまうことにも繋がるので注意が必要です。

床防水工事と一言で言っても、その工法は複数存在し、どの工法を導入するかによって工期や耐用年数、費用が変動するのです。

今回は床防水工事に導入されている工法について解説していきます。

床防水工事の費用相場や依頼する業者の選び方についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

床防水工事によく導入されている工法は?

床防水工事によく導入されている工法としては、以下の3つが挙げられます。

  • ウレタン塗膜防水
  • シート防水
  • FRP防水

それぞれの工法は違った特徴やメリット・デメリットを持っています。

詳しく解説していきます。

ウレタン塗膜防水

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布し、弾力のあるシームレスな防水層を作る防水工法です。

ウレタン防水は、ウレタン塗膜防水とも呼ばれており、主剤・硬化剤といった2種類の液材を使用するのが一般的です。

ウレタン防水には液状の資材を使用するので、複雑な形状の箇所でも施工できるという特徴があります。

しかし塗料が乾くまでに時間がかかり、天候に施工日程が左右されてしまうというデメリットがあるので注意が必要です。

シート防水

シート防水とは、ゴムシートや塩化ビニル(塩ビ)を既存の防水層の上に貼り付ける防水工事です。

屋上や陸屋根などで採用されることが多く、広範囲の防水対策をする場合にはコストパフォーマンスが良いことで知られています。

ベランダなどの狭い場所でも施工可能ですが、室外機がある場合は塗膜防水を行うことが多いです。

シート防水の耐用年数は10〜15年とウレタン防水よりも長く、メンテナンスの手間がかからないというメリットがあります。

しかし施工難易度が高く、専門業者がそこまで多くないのがデメリットです。

FRP防水

FRP防水とは、ガラス繊維シートと樹脂を重ねていくことで防水層を形成する工法です。

FRPは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic)の略で、浴槽・貯水槽などにも使われるほど硬くて、防水性に優れています。

耐用年数は他の防水工法よりも長く、長い目でみるとコストを抑えることができるというメリットがあります。

しかし費用が他の工法よりも高い、複雑な形状の廊下には対応できないことがあるなどのデメリットもあるので注意が必要です。

床防水工事にかかる費用相場は?

床防水工事にかかる費用は、どんな工法を導入するかによって異なります。

前章で紹介した工法の費用相場や耐用年数を下記にまとめてみました。

工法費用相場(1㎡あたり)耐用年数
ウレタン塗膜防水約4,000〜8,000円10〜15年
シート防水約3,000〜7,500円10〜15年
FRP防水約4,500〜9,000円12〜20年

床防水工事の費用を抑えたいのであれば、ウレタン塗膜防水・シート防水を導入すると良いでしょう。

費用相場は他の工法に比べて高額ですが、FRP防水は耐用年数が長いので、長期的に見ると経済的だと言えます。

どの工法も防水層を長持ちさせるため、5〜6年に1度トップコートの塗り替えを行いましょう。

床防水工事が必要な劣化サイン

床防水工事を行わないと様々なトラブルが予想されます。どのタイミングで床防水工事を行うと良いのでしょうか?

ここでは床防水工事が必要な劣化サインについて解説していきます。主なサインとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 亀裂・ヒビ割れ
  • 色褪せ・摩耗
  • 防水層のよれ・剥がれ
  • 汚れやすくなった

それぞれの劣化サインについて詳しく見ていきましょう。

亀裂・ヒビ割れ

床防水工事が必要な劣化サイン、1つ目は亀裂・ヒビ割れです。

髪の毛くらいの小さな亀裂・ヒビ割れが起きている場合は、表面のトップコートが劣化しているサインです。

表面が劣化しているだけなので直ちに対処する必要はありませんが、小さな劣化から防水層全体の劣化にも繋がるので注意しましょう。

亀裂・ヒビ割れだけでなく、床の防水層の弾力がなくなり、下地が見えてしまっている場合は早急な対処が必要です。

大きな亀裂・ヒビ割れを放置していると、雨漏りに繋がります。

色褪せ・摩耗

床防水工事が必要な劣化サイン、2つ目は色褪せ・摩耗です。

色褪せ・摩耗はトップコートが紫外線などの影響や、人の出入りが多いことが原因で防水層を保護する機能が弱くなっている状態です。

FRP防水の場合、色褪せ・摩耗が起こるとガラス繊維が露出してくるので、わかりやすいでしょう。

危険度はそこまで高くはありませんが、トップコートの塗り直し・防水工事のやり直しを検討する必要があります。

防水層のよれ・剥がれ

床防水工事が必要な劣化サイン、3つ目は防水層のよれ・剥がれです。

これは下地から水分が蒸発する際に逃げ場がなく、防水層の塗膜や防水シートを膨らませてしまっている状態です。

防水層のよれ・剥がれが起こると、床防水工事の際に間違った方法で施工していたり、下地調整が十分でないといった可能性が考えられます。

放置すると外部からの刺激で防水層が割れたり、雨漏りに繋がる可能性があるので注意しましょう。

汚れやすくなった

床防水工事が必要な劣化サイン、4つ目は汚れやすくなる現象です。

廊下に砂・雨水が溜まり、汚れやすくなった場合、防水層の表面が劣化したことによって撥水性が弱まっている可能性があります。

砂・雨水が溜まりやすくなった場合、排水口が詰まっていることも考えられるので、定期的に排水口の掃除を行いながら、床の汚れを観察すると良いでしょう。

床防水工事を行わないとどのようなトラブルが起きる?

床防水工事を行わないと以下のようなトラブルが起きる可能性があります。

  • 漏水
  • カビの発生
  • 建物の腐食
  • 耐震性能が弱くなる

床防水工事を行わないと、隙間から雨水が入り込み、漏水が発生します。

特にマンション上階の廊下で漏水が発生した場合、雨水が室内に入り込んで家電製品を故障させるなどの二次被害も考えられます。

漏水が発生すると、建物内部にカビが発生する可能性もあります。

カビは人体の健康状態にも悪影響を与えてしまうので、カビが発生したら迅速な対応が必要です。

カビが発生すると建物が腐食していき、耐震性能も弱くなってしまいます。

建物が脆くなると倒壊の危険性もありますので、漏水が発生した時点で施工会社に床防水工事を依頼するのがおすすめです。

床防水工事を依頼する業者の選び方

床防水工事を行う際は、基本的に業者に依頼することになります。しかし中には悪徳業者も存在しているので、業者選びが非常に重要です。

ここでは床防水工事を依頼する業者の選び方について解説していきます。業者を選ぶ際には、以下のような点に注意しましょう。

  • 相見積もりを取る
  • 担当者の対応で判断する
  • 施工実績に注目する
  • 自社施工をしている業者を選ぶ
  • 悪徳業者に依頼しないことが重要

相見積もりを取る

床防水工事を依頼する業者の選び方、1つ目は相見積もりを取るという方法です。

相見積もりとは複数の施工業者に、同じ工程・工法で見積もりを出してもらい、その内容を比較・検討することです。

相見積もりをすることで、業者同士の価格競争が生まれたり、より良いサービスを受けられる可能性があるというメリットがあります。

この時事前に相場を調べておき、その相場と提示された金額が大きくかけ離れていないかをチェックしましょう。

相場とかけ離れた費用を請求してくる業者には依頼しない方が無難です。

担当者の対応で判断する

床防水工事を依頼する業者の選び方、2つ目は担当者の対応で判断するという方法です。

施工業者に見積もりを依頼すると、電話や対面で担当者が見積書の内容について説明してくれることが多いです。

見積書が詳しく記載されており、担当者が丁寧に説明してくれる業者は、優良業者である可能性が高いです。

事前にしっかりと見積書に目を通し、わからないことがあれば積極的に質問しましょう。

逆に見積書の内容をしっかり説明しない、質問に対する回答が曖昧といった業者に依頼するのはおすすめできません。

何か都合の悪い事情を抱えている可能性があります。

施工実績に注目する

床防水工事を依頼する業者の選び方、3つ目は施工実績に注目するという方法です。

多くの施工業者は、ホームページにこれまで行ってきた施工実績を掲載しています。

施工実績が多い業者の方が、腕の良い職人が在籍している可能性が高く、安心して床防水工事を依頼できます。

特に防水工事の内容・施工箇所が似ているケースがあるかも確認しておくのがおすすめです。

似たようなケースの施工であれば、業者側も経験済みですので失敗しにくいと言えるでしょう。

自社施工をしている業者を選ぶ

床防水工事を依頼する業者の選び方、4つ目は自社施工をしている業者を選ぶという方法です。

自社施工をしている業者に依頼すると、ハウスメーカー・リフォーム会社などと異なり、中間マージンが発生しません。

そのため床防水工事の費用を抑えることができます。

また自社施工を行っている業者は職人と営業の連携が取れているケースが多く、依頼者の希望や要望がスムーズに伝わります。

何かトラブルがあっても迅速に対応してもらえるので安心です。

悪徳業者に依頼しないことが重要

防水工事の施工業者の中には、悪徳業者も多数存在しているので注意が必要です。

悪徳業者に依頼してしまうと、法外な費用を請求されたり、雑な施工をされたりするなどのトラブルに巻き込まれる可能性があります。

以下のような特徴を持つ業者には、依頼しないのが無難です。

  • 飛び込み営業をかけてくる業者
  • モニター商法を勧める業者
  • 必要以上に不安を煽ってくる業者

悪徳業者に依頼してしまわないためにも、複数の業者に相見積もりを取って、じっくりと検討することが重要です。

例年多くの被害報告が上がってきていますので、引っかからないように注意しましょう。

まとめ

今回は床防水工事に導入されている工法について解説してきました。

本記事のまとめ

  • 床防水工事の工法としてはウレタン塗膜防水・シート防水・FRP防水などが挙げられる
  • 工法によって耐用年数・費用相場が異なる
  • 劣化サインを見つけたら床防水工事を検討するのがおすすめ
  • 床防水工事を行わないと建物の寿命を縮めてしまうことにも繋がる
  • 床防水工事を依頼する業者はしっかり検討することが重要

床防水工事で使用される工法としては、ウレタン塗膜防水・シート防水・FRP防水などが挙げられます。

それぞれ違った特徴を持っており、工期・費用相場・耐用年数が異なります。

そのため状況に合った方法で床防水工事を行う必要があるのです。

床防水工事を行う際は、施工業者に依頼しましょう。中には悪徳業者も存在するので十分注意してください。

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