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大規模修繕の屋根工事に確認申請は必要?条件や

大規模修繕の屋根工事に確認申請は必要?

屋根の葺き替えは家の大切な外壁を新しくする重要なプロセスですが、ひとつ失敗すると家全体に大きな影響が及びます。

そのため、選択する業者や材料、費用といった多くの要素に頭を悩ませているはずです。

しかし、ご安心ください。

本記事は、あなたの悩みを根本から解決します。

この記事を通して、どのような場合に建築確認申請が必要か、自治体によるルールの違い、さらには「施工業者に直接依頼するのは危険」という点まで、屋根葺き替えに必要なすべての知識が手に入ります。

無駄な出費を防ぎ、法的なトラブルを未然に防ぐための手引きが得られるのです。

最終的には、あなたが安心して最良の選択をする手助けをすることがこの記事の目的です。

この機会にしっかりと情報を得て、賢い選択をしましょう。

屋根工事の建築確認申請が必要な場合・不必要な場合

屋根工事において確認申請が必要かどうかは、工事の規模や性質によって異なります。

通常、主要構造部の半分以上を変更する場合は確認申請が必要とされます。

しかし、自治体や建築物の種類によっては例外もありますので、事前にしっかりと調査をおこないましょう。

確認申請を怠ると罰則もありますので、注意が必要です。

屋根の葺き替えの場合

屋根工事の際、一般的な作業が「葺き替え」です。

しかし、この葺き替えが確認申請の対象か否かは構造と関係があります。

具体的には、瓦やスレートの屋根材とその下にある防水用のルーフィングを変更する場合、多くのケースで確認申請は不要とされます。

これは構造部分に該当しないためです。

次に考慮するべきは「カバー工法」です。

古い屋根を新しい材料で覆うこの方法は、新たな構造部を造らなければ、基本的には確認申請が不要とされます。

ただし、この工法で荷重が増加すると、構造計算が必要となる場合があります。

荷重とは、建築物にかかる重さや力のことです。

この場合、特別な確認申請が求められることもあり、注意が必要です。

タルキや野地板の入れ替えの場合

屋根の葺き替えと同様に重要なのが「野地板」や「タルキ」の入れ替えです。

これらは屋根の下部構造を形成し、耐久性に優れていますが、年数が経つと劣化が進みます。

通常、野地板やタルキの材料が主要構造部に含まれており、主要構造部の部分を半分以上入れ替える場合は確認申請が必要です。

とくに、構造の安全性に関わる重要なポイントなので、法令に照らし合わせる必要があります。

さらに、形状変更を伴う場合には確認申請が必須となるため、注意しましょう。

屋上防水塗装の塗り替えの場合

屋上防水塗装の塗り替えは、多くの場合、確認申請の対象外です。

しかし、塗装作業と一緒に下地の屋根スラブや構造用合板の入れ替えをおこなう場合、1/2を超える範囲であれば確認申請が必要となります。

重要なポイントは、事前調査です。

屋上の瓦やスレートは移動が困難で、下地の状態を確認するのは一筋縄ではいきません。

したがって、単に塗装技術だけでなく、建物全体の健康状態を評価できる専門業者を選ぶべきです。

自治体によってルールが異なる

リフォームにおいて建築確認申請が必要かどうかは、自治体によって大きく異なります。

確認申請が必要なケースと不要なケースがあり、その基準や費用、申請の期間も地域ごとに違いがあります。

対策としては、事前に自治体や民間の確認検査機関に相談することが重要です。

とくに、大規模な修繕を予定している場合、確認申請が必要な状況も多く、確認なしで進めると後で大変な手続きが待っている可能性があります。

4号建物は大規模修繕でも確認申請は不要

大規模修繕と確認申請の関連性について、4号建物は特例で興味深いケースです。

4号建物とは、基本的に一般の2階建て木造住宅や、平屋の鉄骨造で延べ面積が200㎡以下の事務所などを指します。

この種の建物においては、大規模修繕でも確認申請の必要がありません。

しかし、注意が必要な点として、特定の法令に基づく工事で確認申請が必要になる可能性があります。

たとえば、屋根の形状を大きく変える場合や、外観に影響を及ぼす修繕をおこなう場合などです。

確認申請が不要であるとは言え、各種法令に照らし合わせたうえで、確実な手続きを進めることが肝心です。

このようにして、後々のトラブルを未然に防げます。

建築基準法上の大規模修繕と模様替えの定義について

ここでは、建築基準法上の大規模修繕と模様替えの定義について解説します。

大規模の修繕とは

大規模な修繕とは、主要構造部を半分以上手がける工事のことです。

この定義からもわかるように、大規模な修繕では基本的に建築確認申請が必須になります。

とくに、大きなスケールでの屋根の葺き替えや柱の強化などが該当します。

大規模の模様替えとは

大規模の模様替えとは、建物の機能や性能を向上させるための改修工事です。

原状回復ではなく、新たな価値を付与する点が特徴です。

このタイプの工事も、規模が大きければ確認申請が必要になります。

主要構造部・過半とは

「主要構造部」は、建物を構成する壁、柱、床、屋根、階段などを指します。

これらのうち1つ以上を半分以上修繕または模様替えすることが「過半」とされます。

過半の工事をおこなう場合、確認申請が必要です。

大規模修繕の注意すべき工事

大規模修繕の際に注意すべき工事は次のとおりです。

  • 増築に該当しないか
  • マンションは屋根以外の確認申請もチェック
  • 外壁の大規模修繕について
  • 施工業者に直接依頼は危険

増築に該当しないか

大規模修繕に際し、意外に見落とされがちなのが増築に該当するかどうかのチェックです。

屋根やバルコニーの改修だけでなく、それが増築に繋がるリスクも常に評価しなければなりません。

とくに、小屋裏を物置として活用する場面でよく見られるのが、「天井高1.4m以下なら確認申請不要」という誤解です。

水平投影面積(水平面に投影した面積のこと)が床面積の半分以上に達すると、実は床面積にカウントされます。

結果として、確認申請が必要となる場合があるのです。

さらに、建物が準防火地域や防火地域に位置する場合、面積に関係なく確認申請が必要です。

逆にそのような特別な地域外であれば、10㎡以上の増築で申請が必須となります。

マンションは屋根以外の確認申請もチェック

マンションの大規模修繕では、屋根工事だけでなく、さまざまな視点で確認申請の必要性を検証すべきです。

たとえば、エレベーターの入れ替えや共用スペースの増設など、他の大きな改修が併行される場合、それらにも独自の確認申請が要される場合があります。

これは「関連法令」に基づく要件で、それぞれの工事に特有の規定が適用されるためです。

実際には、こうした付帯する工事が確認申請必要とされるか否かは、主要構造部への影響度や工事規模により変わります。

計画段階で、屋根工事以外の各工事にも目を向け、必要な確認申請をリストアップすることで、予期せぬトラブルや遅延を防げます。

この段階で専門家と協力し、全体の工事計画をしっかりと立案することが成功の鍵となります。

外壁の大規模修繕について

外壁の修繕は、屋根工事と並行しておこなわれるケースが多くあります。

とくに、この工事は主要構造部に影響を与える可能性があるため、確認申請が必須です。

さらに、耐火性や防火性などの特性を持つ外壁材の選定は、法令で定められた基準に照らし合わせる必要があります。

これにより、安全性が高まります。

塗装業者が一社で対応する場合、効率よく作業が進み、住人や近隣への影響も軽減されます。

外壁の大規模修繕はコストや作業期間に大きく影響が出るため、慎重な計画と法的な確認が不可欠です。

施工業者に直接依頼は危険

大規模修繕では、法令遵守が重要なポイントです。

しかし、建築主が施工業者に直接依頼するケースでは、法的なチェックが欠ける危険が高まります。

一般的に、施工業者は建築や修繕の「技術面」でのプロですが、法令チェックは通常、リフォーム業者や建築士が担当します。

法令チェックが不十分な場合、違法建築のリスクが高まるうえ、後から改修や解体が必要になる可能性も出てきます。

このようなリスクを避けるため、法令遵守が確認できる専門家を通じて業者を手配する方法が安全です。

施工業者に直接依頼するケースは、近隣やインターネットで見つけた業者に手軽に依頼する形が多いですが、後々のトラブルを避けるためにも、適切な法的手続きと専門家の介在が必要です。

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