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屋上防水工事と外壁塗装工事は同時がお得?費用相場・種類・おすすめな理由

屋上防水と外壁塗装を同時にするか迷っている人

屋上防水と外壁塗装を同時にするか迷っている人

屋上防水と外壁塗装は同時がベスト?
外壁と屋上は一緒に塗装工事を行うべき?
外壁と屋上を同時に修繕工事を行うメリットは?
屋上防水と外壁工事を同時にするとお得?

屋上の防水工事と外壁の塗装工事は、建物を維持するために欠かせない工事です。しかし、高額な費用がかかります。

少しでも工事費用を抑えたい、と思いませんか?

屋上の防水工事と外壁の塗装工事は、同時に行うことで工事費用を抑えることができます。この記事では、同時施工が費用削減につながる理由と、各工事の費用相場、依頼先などを解説していきます。ぜひ参考にしてください。

屋上防水工事と外壁塗装工事は同時がおすすめな理由

屋上防水工事と外壁塗装工事は同時に行うのがおすすめです。おすすめの理由は4つです。

雨漏りによる被害が防げる

屋上防水工事と外壁塗装工事を同時に行うことで、建物全体の防水性能が向上し、雨漏りによる被害を効果的に防ぐことができます。

特に、屋上と外壁の接合部に充填されるコーキング材、屋上・ベランダの防水層は劣化すると雨水が侵入しやすくなります。同時施工により隙間なく防水処理が施されるため、長期間にわたって安心して過ごせます。

メンテナンススケジュールが立てやすい

屋上防水工事と外壁塗装工事を同時に行うことで、メンテナンスのスケジュールが一元化され、計画が立てやすくなります。別々に工事を行う場合、それぞれの工事のタイミングを調整する必要があり、手間がかかりますが、同時施工なら一度に済ませることができ、効率的です。

足場費用が削減できる

屋上防水工事と外壁塗装工事を同時に行うことで、足場の設置・撤去費用を一度で済ませることができ、コスト削減につながります。

足場の種類と単価相場、設置・解体にかかる日数は以下のとおりです。

足場の名前単価相場
枠組足場1,000〜1,500円/㎡
単管足場500〜800円/㎡
クサビ緊結式足場(ビケ足場)800〜1,200円/㎡
吊り足場3,500円/㎡〜

マンションの規模帯別の設置・解体にかかる日数は以下のとおりです。

規模設置にかかる平均日数解体にかかる平均日数
小規模マンション(50戸未満)10〜20日間3〜6日間
中規模マンション(50〜100戸未満)15〜30日間5〜10日間
大規模マンション(100戸以上)およそ1ヶ月※状況によるおよそ20日間

別々に工事を行う場合、それぞれの工事で足場を設置する必要があり、費用が二重にかかってしまいます。また、設置や解体にも時間を要します。同時施工ならその分の費用と時間を削減できます。

スムーズにアフターフォローが受けられる

施工後のアフターフォローも一元化され、スムーズに対応してもらえます。万が一、施工後に問題が発生した場合でも、同じ業者に一括して対応してもらえるため、迅速かつ確実に問題を解決することができます。

一方、屋上防水工事と外壁塗装工事を別々の業者に依頼した場合、施工後に雨漏りが発生すると、原因の特定が難航するだけでなく、最悪の場合、業者同士が責任をなすり付け合うことも考えられます。

屋上防水と外壁塗装工事が必要な理由

屋上防水と外壁塗装工事は、建物の耐久性や美観を保つために非常に重要です。以下にその理由を説明します。

屋上防水工事の必要性

雨漏り防止…屋上の防水が不十分だと、雨水が建物内部に浸入し、木材や鉄筋の腐食を引き起こします。これにより、建物の耐久性が低下し、最悪の場合、構造的な問題が発生する可能性があります。

耐震性の維持…雨水の浸入による腐食は、建物の耐震性にも影響を与えます。適切な防水工事を行うことで、建物の安全性を確保できます。

外壁塗装工事の必要性

美観の維持…外壁の塗装は、建物の外観を美しく保つために重要です。塗装が劣化すると、建物が古びて見えるだけでなく、周囲の景観にも悪影響を与えます。

防水機能の強化…外壁のひび割れやコーキング材の劣化は、雨水の浸入を招きます。これにより、内部の木材や断熱材が湿気を含み、カビやシロアリの発生原因となります。

建物の寿命延長…定期的な外壁塗装は、建物の寿命を延ばす効果があります。塗装によって外壁材が保護され、劣化を防ぐことができます

屋上防水工事の種類・費用相場

屋上に施す防水工事は、床面に防水層を形成する工事がメインです。

防水層には様々な種類があり、種類ごとに特徴や工法、費用は異なります。以下は防水工事の種類・耐用年数・工法・費用をまとめた表です。

防水工事の種類耐用年数工法の種類単価相場
ウレタン防水10~12年密着工法約4,000円〜5,500円/㎡
メッシュ工法約3,500円〜5,000円/㎡
通気緩衝工法約5,000円〜6,500円/㎡
塩ビシート防水10~15年機械固定工法約4,500円〜6,000円/㎡
密着工法約4,500円〜6,000円/㎡
FRP防水8~10年密着工法約6,000円〜9,000円/㎡
アスファルト防水15~20年トーチ工法約5,000円〜8,000円/㎡
熱工法約3,000円〜5,000円/㎡
冷工法約3,000円〜5,500円/㎡

防水層を形成する工事以外にも、笠木やパラペットのメンテナンス工事がありますが、ここでは防水層を取り上げます。

以下では、各防水層のメリットとデメリットに焦点を当て、工法や費用などを詳しく解説していきます。

ウレタン防水

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。ウレタン塗膜防水とも呼ばれ、主に屋上やベランダなどで使用されます。

費用相場は1平方メートルあたり約6,000円〜8,500円で、耐用年数は10〜12年程度です。

ウレタン防水のメリットは、複雑な形状の場所にもシームレスに施工できること、伸縮性が高く、地震などの揺れにも強いことです。また、比較的低コストで施工が可能です。

一方で、ウレタン防水にはデメリットもあります。紫外線に弱く、定期的なトップコートの塗り替えが必要です。また、職人の技術によって仕上がりに差が出ることがあります。

ウレタン防水には、密着工法・密着メッシュ工法・通気緩衝工法の3種類の工法があり、施工場所や下地の状態に応じて選ばれます。

  • 密着工法…ウレタン樹脂を下地に直接塗布して防水層を形成する方法です。下地にプライマーを塗布し、その上にウレタン樹脂を数回重ね塗りします。最後にトップコートを塗布して仕上げます。この工法は施工が比較的簡単で、コストも抑えられるのが特徴です。
  • 密着メッシュ工法…密着工法にメッシュシートを加えたものです。プライマーを塗布した下地にメッシュシートを貼り、その上からウレタン樹脂を塗布します。メッシュシートが防水層の強度を高め、地震などの揺れにも強くなります。
  • 通気緩衝工法…下地と防水層の間に通気緩衝シートを挟む方法です。このシートと脱気筒を設置することで、下地に含まれる水分や湿気を逃がし、防水層の膨れやひび割れを防ぎます。特に既存の防水層が劣化している場合や、下地に水分が多く含まれている場合に適しています。

塩ビシート防水

塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂(PVC)製のシートを使用した防水工法です。シートを接着剤や機械で貼り付け、防水層を形成します。

費用相場は1平方メートルあたり約4,000円〜7,000円で、耐用年数は10〜15年程度です。

塩ビシート防水は主にビルやマンションの屋上に施工されます。耐久性が高く、メンテナンスが少なくて済むのが特徴で、乾燥を待つ必要がないため、工期が短く済みます。施工範囲が広い場所に適しており、長い耐用年数と低いメンテナンスコストを考慮すると、コストパフォーマンスに優れた防水材だと言えます。

しかし、 塩ビシート防水はシートを貼り付ける工法のため、障害物が多い場所や複雑な形状の場所への施工は不向きです。また、シートの継ぎ目が多くなると、その部分から水が入り込むリスクが高まります。さらに、継ぎ目は劣化しやすいため、定期的な点検は必要です。

塩ビシート防水には、密着工法・機械式固定工法の2種類の工法があり、施工場所や下地の状態に応じて選ばれます。

  • 密着工法…接着剤を用いて塩ビシートを下地に直接貼り付けて防水層を形成する方法です。下地にプライマーを塗布し、その上に塩ビシートを貼り付けます。最後にシームテープで継ぎ目を処理して仕上げます。この工法は施工が比較的簡単で、コストも抑えられるのが特徴です。しかし、下地の影響を受けやすいため、下地が湿っている場合や不安定な場合は施工は避けるべきです。
  • 機械式固定工法…下地と防水層の間に通気緩衝シートを挟み、固定ディスクやビスを用いて下地に固定する方法です。場合によっては脱気筒を設置することもあります。この工法は下地に含まれる水分や湿気を逃がし、防水層の膨れやひび割れを防ぐ仕組みが特徴です。特に既存の防水層が劣化している場合や、下地に水分が多く含まれている場合に適しています。ただ、施工時にビスを打ち込むので、騒音と振動が発生するため、注意が必要です。

FRP防水

FRP防水とは、ガラス繊維で強化されたプラスチック(FRP)を使用した防水工法です。FRPシートを施工箇所に敷き、その上にポリエステル樹脂を塗布して防水層を形成します。FRP防水は高い防水性と耐久性を持ち、特にベランダや屋上などの施工に適しています。

費用相場は1平方メートルあたり約6,000円〜9,000円で、耐用年数は8~10年程度です。

メリットとしては、軽量で建物に負担をかけにくく、工期が短いことが挙げられます。また、耐薬品性や耐候性にも優れており、複雑な形状にも対応可能です。一方で、施工費用が他の防水工法に比べて高く、施工直後には独特の刺激臭がある点がデメリットです。また、紫外線に弱いので、防水効果を持続させるためには定期的なトップコートの塗り替えが必要です。

アスファルト防水

アスファルト防水は、アスファルトを主成分とした防水材を使用する工法です。特に屋上や地下室、橋梁などの大型構造物で広く採用されています。

費用相場は1平方メートルあたり約5,500〜8,500円で、耐用年数は15~20年程度です。

アスファルト防水には、高い防水性能と耐久性があり、コストパフォーマンスに優れた防水材だと言えます。また、多くの施工実績があり信頼性も高いです。一方で、施工時には臭いや煙が発生し、特に熱工法では火災リスクが伴います。工期が長くなる場合もあります。アスファルト防水は優れた性能を持つ一方で、施工時の注意が重要です。

アスファルト防水には、常温工法、トーチ工法、熱工法の3種類があります。

  • 常温工法…加熱せずに施工する方法で、冷アスファルトや冷アスファルトシートを使用します。施工が簡単で安全性は高いですが、密着性や耐久性がやや劣ることがあります。
  • トーチ工法…バーナーでアスファルトシートの裏面を加熱し、施工面に貼り付ける方法です。強力な密着性と耐久性を持ちますが、高温の火炎を扱うため安全対策が必要です。
  • 熱工法…アスファルトを高温で溶かし、施工面に塗布する方法です。強固でシームレスな防水層を形成できますが、施工には高温のアスファルトを扱うため、安全対策が重要です。

外壁塗装工事の種類・費用相場

外壁工事は、家の美観を保つだけでなく、防水性能を向上させるためにも重要です。外壁が劣化すると、雨水が内部に浸入し、建物の構造にダメージを与える可能性があります。外壁にひび割れなどの損傷が認められる場合、塗装工事に加えて損傷部分の補修工事も必要になります。補修工事を行わずに塗装工事を行ってしまうと、仕上がりが悪くなるだけでなく、塗装工事で形成された塗膜が剥がれやすくなるからです。

外壁に行う工事の種類は以下のとおりです。

工事名内容費用相場工期特徴
塗装工事既存の外壁や屋根を専用の塗料で塗り替える工事約80~120万円約1~2週間比較的費用が安く、外観を一新できますが、劣化が進んでいる場合は他の工事が必要になることもあります
重ね張り工事(カバー工法)既存の外壁の上から新しい外壁材を張る工事約100~150万円約2~3週間外壁の見た目を新しくすることができ、工期も比較的短いです
張り替え工事既存の外壁材を撤去し、新しい外壁材を張る工事約150~200万円約3~4週間費用と工期が最もかかりますが、外壁の劣化が深刻な場合に適しています
補修工事部分的な劣化を補修する工事例えば、コーキングの打ち替えやひび割れの補修など。約10~50万円数日~1週間部分的な修繕で済むため、費用と工期が短いです

外壁の防水性を向上させる塗装工事で使用する塗料の種類は以下のようなものがあります。

防水塗装耐用年数特徴
アクリル塗料約3~5年工事が比較的安く済むつやと発色性がある
ウレタン塗料約6~8年工事が比較的安く済む密着性と防水性に優れている
シリコン系塗料約11~13年値段と効果のバランスが良い住宅などによく使われているウレタン塗料と大差ない値段密着性・伸縮性に弱い
フッ素系塗料約11~15年最高品質の塗料塗膜の寿命が長い塗膜が硬い分、ひび割れしやすい耐水性・耐熱性・防水性・防カビ性に優れている

塗装工事を含む外壁工事の内容と費用は、使用する外壁材の種類や施工範囲によって異なります。外壁にタイルが使用されている場合、費用相場は1㎡あたり1~4万円です。外壁塗装工事の詳しい費用を知りたい方は、業者に見積もりを依頼しましょう。

屋上防水工事と外壁塗装工事はどこに依頼すればいい?

屋上防水工事と外壁塗装工事を同時に行う場合、どこに依頼すれば良いのか悩んでしまいますよね。 工事を検討している方の中には、防水工事業者と塗装業者のどちらに依頼すれば良いのか迷われている方もいるのではないでしょうか?

防水工事業者と塗装業者の違いは以下のとおりです。


防水工事業者塗装業者
防水工事
得意

不得意
塗装工事
得意

得意
雨漏り修理
得意

不得意

このように防水工事業者と塗装工事の得意分野は異なります。

外壁の塗装工事のみの場合は「塗装業者」がおすすめですが、屋上と外壁の工事を一緒に行うなら「防水工事業者」がおすすめです。

なぜなら、屋上の防水層は「防水工事業者」しか作れないからです。

塗装業者の中には防水工事を請け負うところもありますが、その多くは防水工事専門の業者に委託しています。請求金額は、仲介手数料が上乗せされるので相場よりも高くなります。

防水工事業者に直接依頼すると、この仲介手数料が発生しないため、工事費用を抑えることができます。

屋上防水工事・外壁塗装工事の業者選びのポイント

屋上防水工事と外壁塗装工事を成功させるには、業者選びも重要です。

以下のポイントを抑えて、慎重に業者を選びましょう。

  • 施工実績の確認…業者の過去の施工実績を確認し、同様の工事を行った経験があるかをチェックします。特に、屋上防水工事の実績が豊富な業者を選ぶと安心です。
  • 見積もりの比較…複数の業者から見積もりを取り、価格や内容を比較します。見積もりの内訳が詳細に記載されているかも確認しましょう。
  • 資格保有者の在籍…防水施工技能士などの資格を持つ職人が在籍している業者を選ぶと、技術力が高いことが期待できます。
  • アフターサービスの確認…工事後の保証やアフターサービスが充実しているかを確認します。施工後のトラブルに迅速に対応してくれる業者を選ぶと安心です。
  • 口コミや評判…実際に工事を依頼した人の口コミや評判を参考にすると、信頼できる業者を見つけやすくなります。
  • 現地調査の実施…現地調査をしっかり行い、具体的な工事内容や費用を説明してくれる業者を選びましょう。

屋上防水工事・外壁塗装工事はDIYできる?

屋上防水工事と外壁塗装工事はDIYで行うことも可能ですが、DIYは避けるべきです。

屋上防水工事は専門性が高く、DIYで行うのは難しいです。特に、適切な施工ができないと雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。

外壁塗装工事に関しても同様です。塗装工事は簡単そうに見えますが、塗料の厚みを均一にする技術が求められます。

屋上防水工事と外壁塗装工事をDIYで行うデメリットを以下にまとめました。

  • 専門的な技術と知識が必要
  • 施工不良のリスクが高い
  • 高所作業があるため、事故が起こるリスクがある
  • 道具を揃えるのにコストがかかる
  • 施工後に雨漏りなどのトラブルが起きた場合、アフターフォローが受けられず、余計コストがかかる

DIYは自分のペースで作業が進めることができ、コストも抑えられる、というメリットがありますが、上記のようなリスクがあります。

屋上防水工事と外壁塗装工事は業者に任せるのが懸命です。

まとめ

屋上防水工事と外壁塗装工事の同時施工について解説してきました。以下はこの記事のまとめです。

  • 屋上防水工事と外壁塗装工事は同時に行うおすすめな理由は、雨漏りによる被害が防げる、メンテナンススケジュールが立てやすい、足場費用が削減できる、スムーズにアフターフォローが受けられる
  • 屋上防水工事は、雨漏り防止になる上、建物の安全性を確保するためにも重要
  • 外壁塗装工事は、建物の外観を美しく保ち、外壁の防水機能を強化して建物の寿命を延ばす
  • 屋上防水工事の費用は防水層の種類によって異なる
  • 外壁塗装工事の費用は、外壁材の種類、劣化・損傷具合、施工範囲によって異なる
  • 屋上防水工事と外壁塗装工事を同時に行う場合は、防水工事業者に依頼する
  • 業者は、施工実績・資格保有の有無・アフターサービス・現地調査の有無・口コミ評判を確認し、見積もりを比較して決める。
  • 屋上防水工事と外壁塗装工事のDIYは避ける

建物の安全性と資産価値を守るために、屋上防水工事と外壁塗装工事は欠かせません。同時施工を検討することで、費用を抑えつつ、効率的にメンテナンスを行うことができます。ぜひ、専門業者に相談して、最適なプランを見つけてください。

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