レンガ調の外壁の建物は、見た目がおしゃれで、魅力的で目を引きますね。
色合いや素材のため、温かみのある印象を与え、古くから人気の外壁です。
自宅の壁をレンガ調にされている方もいらっしゃることでしょう。
でも、こんな悩みはないですか?
「レンガ調の外壁にしたけど、メンテナンス方法はどうすればいいの」
「塗装はどうすればいいのかなあ…」
せっかくの素敵なレンガ調の外壁を、塗装やメンテナンス不足で、魅力を損ないたくないですよね。
そこでこの記事では、レンガ調の外壁の種類や、種類ごとのメンテナンス方法について解説します。
メンテナンスの悩みを抱えている方は、ぜひ、参考にしてください。
目次
レンガ調の外壁の種類
レンガ調の外壁には、実は、大きく分けて3種類あります。
- 本物のレンガ
- レンガ調のタイル
- レンガ調のサイディングボード
正しいメンテナンス方法を知るには、まずは、どの種類に当たるのかを確認しなければなりません。
それぞれについて確認していきましょう。
本物のレンガ
レンガとは、粘土をベースに、泥や砂などを混ぜて型に入れて、乾燥して固めたり、素焼きにしたものです。
ヨーロッパでは古くから使われており、耐久性や耐熱・耐火性に優れています。
しかし日本では、耐震性のない建材のため、あまり普及しておらず、施行できる業者も少ないのが現状です。
遺っている歴史的な建物としては「東京駅の丸の内駅舎」が有名です。
現在日本では、レンガ積みの建物はほとんど施工されていません。レンガを貼る工法が多く用いられています。
レンガ調タイル
レンガのような見た目をしていて「ブリックレンガ」ともいわれます。
本物のレンガと同じく粘土が材料なため、見た目は本物のレンガに近く、温かみのある風合いになります。
タイルを外壁に貼り、レンガ風の外壁を作ります。
施工方法には「湿式工法」と「乾式工法」の2つがあります。
本物のレンガよりも軽量で、施工がしやすいのがメリットですが、費用はかかります。
レンガ調サイディングボード
セメントと繊維質を主な原料として作られた、板状の外壁用の板材をサイディングボードと言います。
レンガを積んだようなデザインが再現でき、レンガやタイルよりも軽量で、初心者にも扱いやすいです。価格も安価なため、人気があります。
サイディングの外壁なら、本物のレンガの雰囲気を気軽に楽しめます。
ただ、本物のレンガとは違い、塗装などのひび割れを防ぐメンテナンスが定期的に必要です。
素材別のメンテナンス方法
次に、素材別のメンテナンス方法を、確認していきましょう。
本物のレンガ
本物のレンガは、メンテナンスフリーの素材と言われています。無機質な素材で、紫外線や風雨による劣化がほとんどなく、メンテナンスを頻繁にする必要はありません。
とても耐久性が強いため、歴史的な建造物には100年以上過ぎている建造物も多数あります。
時が経つと色が変化することはありますが、それも味わいとなり、建物に風格や美しさを与えてくれます。
ただ、日本は地震が多いため、レンガが割れたり、崩れたりします。その場合は補修しなければなりません。該当のレンガを外し、補修または交換をします。
本物のレンガの難点はもう一つあります。リフォームが困難なことです。外壁をイメージチェンジをするために、レンガをすべて取り外す作業が必要です。
レンガ調タイル
レンガと同様にタイルも無機質なため、非常に耐久性が高く、経年劣化する心配はないので、定期的なメンテナンスなどは必要ありません。
ただし、湿式工法で貼り付けたタイルの場合には、タイルを固定する目地に使われているシーリング材や下地であるモルタルの部分は、経年劣化します。
下地のモルタルは気温差に弱く、膨張と収縮を繰り返すため、ひび割れを起こします。このモルタルのひび割れがタイルの割れやはがれにつながります。
また、シーリング材も硬化していくため、ひびが入ったり、隙間が生じたりします。
ひび割れを防ぐには定期的なメンテナンスが必要です。外壁の洗浄や目地部分の補修、さらに、シーリング材を追加したり、劣化している場合は替えたりします。。
レンガ調サイディングボード
サイディングの素材はセメントです。セメント自体には防水性がないため、雨が浸み込みやすいです。雨の浸透はサイディングの腐食に繋がります。腐食を防ぐには、塗装でサイディングをコーティングするメンテナンスが必要です。
塗装の効果は10年ほどで薄れます。塗装による塗膜は、紫外線が当たることで変質したり、雨風で少しずつはがれ落ちたりするからです。
しかし、定期的に外壁を塗装することで、表面の防水性を保つことができます。
次の章で、レンガ調のサイディングの3つの塗装方法を紹介します。
レンガ風のサイディングの塗装方法
サイディングの塗装は、防水性を高めるための加工なので、防水性や耐久性の高い塗料を選ぶのがおすすめです。。
レンガ風のサイディングの場合は、レンガのデザインを生かした塗装方法が良い方法になります。
おすすめの塗装方法を3つ紹介します。
クリア塗装
クリア塗装は、無色透明な塗料を塗る施工なので、レンガ調の色合いやデザインを損ないません。。
UV効果の高い透明な塗料を使えば、紫外線による劣化を防ぐことができます。
メリット | デメリット |
・現在のデザインや色合いがそのまま残せる ・塗料によってはUV効果が期待できる ・つや出し効果がある(光沢の強い塗料を使うことで) ・外壁の保護機能がある ・通常塗装の3回塗りと比べて、2回で済むため工期の短縮が図れる ・コケやカビが生えにくい | ・傷があったり、色褪せなどがあり劣化している場合には、隠すことができず透けて見えてしまう |
外観のデザインを保ち、つや出しを期待する人におすすめ。
クリア塗装が可能な建物は、劣化が少ない、または新築から7〜8年程度までです。クリア塗装でメンテナンスをしたい方は、早めに業者に相談しましょう。
塗りつぶし(1色塗り)塗装
レンガ調の部分と、それ以外の目地の部分を同じ色で塗りつぶします。
メリット | デメリット |
・劣化が進んでしまった外壁でも塗装できる ・傷を補修した跡なども、上から色を塗ることで見えなくなる ・1色に塗りつぶすことで、デザインがシンプルに | ・レンガ調やタイル調の色合いや風合いがなくなってしまう |
一般的な外壁塗装と同じ3回塗りの工程なので、劣化が進んでいて、クリア塗装ができない場合でも対応可能です。
塗りつぶし(2色塗り)塗装
レンガの部分と、目地の部分を分けて2色で塗り分ける方法です。
レンガ調の特徴である立体感を残し生かしたまま、高級な仕上がりになります。
メリット | デメリット |
・劣化の進んでしまった外壁にも施工できる ・耐候性が高くなる ・家全体のイメージが変えられる | ・一般的な3回塗りよりも多い、5回塗りになるため、工期と費用がかかる ・頻繁にはデザインを変えられない |
クリア塗装ができない場合や、レンガのデザインは残し、目地の部分だけ変えたいという方におすすめの塗装方法です。
レンガ調外壁を塗装する際の費用相場
レンガ調の外壁を塗装する際の、費用相場を確認しましょう。
タイルの場合の費用相場
費用相場は次のようになります。
工事内容 | 費用相場(/㎡) | 工事内容詳細 |
打ち増し | 500〜800円/㎡ | タイルの目地を追加 |
打ち替え | 800〜1200円/㎡ | 一度はがして目地を新しくする |
モルタルの左官工事 | 1000〜2000円/㎡ | |
タイルの貼り直し | 500円〜1000円/枚※タイル材 |
劣化状況によってかかる費用が変わってきます。
サイディングボードの場合の費用相場
一般的な外壁塗装の費用の相場は80〜140万円程度ですが、レンガ調に塗装工事する場合(2色塗りつぶし)には、通常の費用相場に、15万から20万ほど追加料金がかかります。
レンガ調外壁の塗装は自分でもできる?
「自分で塗装やってみたいけど…」
DIY好きな方はそう思われるでしょう。
レンガ調の外壁の塗装は、もちろん、DIYすることは可能です。
レンガの風合いを施したり、保ちたい場合には「ローラー」を使うのがおすすめです。
短毛のローラーで塗ると、レンガ調の風合いを出せますよ。
ただ、レンガの風合いを損なわずに、しかも、防水効果や、その後のメンテナンスなどを考慮して行わなければならず、高い技術が必要となるでしょう。
まとめ
レンガ調の外壁には定期的にメンテナンスが必要です。
傷みや色褪せなどが気になるときは、DIYで補修することも可能ですが、見た目の美しさを保ち、外壁を長持ちさせるためには、専門業者にメンテナンスの依頼をするのがおすすめです。メンテナンスの方法や工程、費用など、自分にあった専門業者を選びましょう。