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大成パルコンの防水工事の費用相場を調査|業者に頼むのがお得?

地震にも強く、木造住宅の10倍もの強度を持つ大西パルコンの住宅は、耐用年数も長く高い人気があります。

耐用年数は高いですが、やはり建物の安全を守るためにメンテナンスはとても大切です。

しかし大成パルコンの修繕やメンテナンスの情報があまりネット上にもなく、お困りの方も多いのではないでしょうか。

ここでは、大成パルコンの防水工事を検討しているけれど費用が気になる方、どういった工事をどこに頼んだらいいのかお悩みの方に、具体的な実例を交えて大成パルコンの防水工事について解説しています。

パルコンの防水工事の費用|実例まとめ

大成パルコンの大きな特徴が、屋上部分に耐熱ブロックが敷き詰められていることです。

これを剥がしてから防水工事をする必要があり、メーカーである大成建設に防水工事を依頼すると耐熱ブロックの交換をすすめられることもあり、高額になる傾向があるようです。

業者によって、

  • ブロック周りだけ防水工事をする
  • ブロックを剥がし防水工事を行い、ブロックは廃棄
  • ブロックを剥がし防水工事を行い、ブロックを再利用

など、対応が異なるようです。

実例①築30年・費用約220万円

築30年が経過しており、耐熱ブロックの下の屋上やベランダは防水層が剥がれている状態となっていました。

丁寧な補修工事を行った後、ウレタン防水工事を施し、耐熱ブロックは戻さず廃棄しています。

お客様のご要望で外壁塗装には耐熱塗料を使用し仕上げで完了となっています。

(防水工事は大成建設以外の業者が行っています。)

工事内容外壁塗装・ベランダ防水・屋上防水
費用約2,200,000円

実例②築45年・費用約100万円

前回の防水工事から17年経ち、防水層の劣化が見られ始めたという段階で相談があり、防水工事をおこなった例です。

ウレタン防水を施工し、耐熱ブロックは廃棄しています。

ドレン周辺は特に汚れがつきやすく、劣化が激しい状態だったため、特に丁寧に施工を行ってるとのことです。

(防水工事は大成建設以外の業者が行っています。)

工事内容屋上・ベランダ防水
費用約1,000,000円

実例③築15年・費用約400万円

大成建設さんのリフォーム部門に依頼し、再度新しい耐熱ブロックを設置した例です。

屋上の防水工事だけで250万円程度かかっています。

ブロックの撤去に25万円、新設に80万円の費用がかかります。

工事内容外壁塗装・屋上防水
費用約4,000,000円

実例④築10年・費用約170万円

大成建設さんのリフォーム部門が施工した例です。

痛みが少なかったこともあり、屋上の耐熱ブロックはそのままにし、耐熱ブロックの周りから縁までをウレタン防水にて対応しています。

施工範囲が狭くなり、築年数も浅いことから劣化も少なく、ハウスメーカーの施工でも比較的安く抑えられた例です。

工事内容外壁塗装・屋上防水
費用約170万円

パルコンの防水工事の費用相場

費用相場|足場

大成パルコンの住宅では屋上の防水工事に足場不要のため、外壁塗装を行う場合に足場の費用が発生します。

足場設置費用は1㎡あたりおよそ600円〜1,000円程度です。

一般的な一戸建て住宅で15万円〜20万円ほどかかります。

費用相場|屋根

大成パルコンは基本的に陸屋根となっています。

耐熱ブロッックを再利用するのか、廃棄するのか、新設するのかによって価格も大幅に変わります。

  • 耐熱ブロックを新設しない場合にはおおよそ100〜170万円程度
  • 耐熱ブロックを新設する場合250万円前後

耐熱ブロックを新設する場合は基本的に大成建設がリフォームを行うことになります。

大成建設に依頼した場合には、耐熱ブロックを新設するか否かにかかわらず、中間マージンが発生して割高になる傾向があります。

費用相場|外壁

一般的なサイズであれば100万円〜150万円程度の費用がかかります。

現在はウレタン・シリコン・アクリル・フッ素などさまざまな原料の塗料があり、どのグレードの塗料を使用するかで価格には大きな差があります。

予算と耐用年数を照らし合わせて、検討する必要があります。

パルコンのメンテナンス周期

大成パルコンを提供している大成建設では、保証・サポートのプログラムがあります。

保証内容は新築した時期によって少し変わってくるようです。

2010年4月以降に新築の場合

2010年4月以降の大成パルコンの新築物件から導入されたのが、60年安心サポートプログラムです。

まずは新築から55年まで5年間隔で無料点検がついてくることに驚かされます。

初期保証は15年とこれ以前に建てられたものに比べて長くなっており、大成建設の自信がうかがえます。

そのほか充実した有料点検とサポート保証期間の延長で、60年先まで安心して利用できます。

2000年以降に新築の場合

2000年以降、2010年4月以前に建てられた大成パルコン住宅の保証は、10年が初期保証の期間となっています。

その後も新築から20年まで保証を延長することができます。

パルコンの防水工事を頼むなら?

パルコンの防水工事を検討した際に、依頼が可能なのは主に下記の3つです。

それぞれにメリットとデメリットがありますので、よく理解した上で依頼を検討しましょう。

ハウスメーカー(大成建設ハウジング)

まずあがられるのは、ハウスメーカーである大成建設ハウジングです。

大成建設はリフォーム部門があり、防水工事にも対応しています。

特に大成パルコンは大成建設独自のブランドなので、特徴でもある耐熱ブロックを一新したいと考えた場合には大成建設ハウジングに依頼するしかありません。

建物の構造も知り尽くしているハウスメーカーなので、施工技術や工法などは最も信頼できる施工業者です。

ただほとんどの場合は下請け業者が実際の工事を行います。

中間マージンが発生するため費用は高額になります。

リフォーム業者・塗装業者

費用面が最も安く抑えられるのが、リフォーム会社・塗装業者などです。

大成パルコンに対応できるかどうか、高い技術を持っているかなど、工事の品質にはムラがあります。

防水工事の中でも対応できない工法があることも少なくなく、その場合にはその業者が可能な塗膜防水などをすすめられる場合もあるでしょう。

協会加盟業者

大手のハウスメーカーのリフォームなどを手掛ける協会加盟業者であれば、技術や経験も豊富で、中間マージンがない分費用を抑えることができます。

ただそういった業者は多くないため、依頼が難しいことがあります。

パルコンの防水工事を業者に頼む場合に見るべきポイント

一般的に大成パルコンのようなハウスメーカーが手がけた建物の防水工事は、難易度が高いと言われています。

特に屋上部分に関しては高い技術と経験が必要です。

どういった点で見極めればいいのでしょうか。

ポイント①塩ビシートを機械固定する工法技術を持っているか

防水工事にはさまざまな方法がありますが、「シート工法における機械固定の技術があるかどうか」がひとつの目安となります。

この方法は接着剤を使わず、固定ディスク盤をビスで固定し、防水シートを貼り付ける方法です。

高い技術と経験が必要な工法になります。

このような高い技術がなければハウスメーカーの防水工事は難しいでしょう。

ポイント②笠木の脱着ができるか

笠木とはパラペットの上部を覆う金属のことを指します。

実はこの部分の腐食や破損が、雨漏りの原因となっていることが少なくありません。

雨漏り原因の30パーセント程度といえばその多さがご理解いただけるでしょうか。

防水工事では笠木の着脱が必要となる場合がありますが、ハウスメーカーによって唐木の取り外し方法が違うため、知識のない業者では難しい場合があります。

十分な経験がなければ失敗しやすい工程のため、唐木の取り扱いに慣れているかは事前に確認しておいた方がいいでしょう。

ポイント③ドレン(排水溝)改修工事ができるか

笠木と並んで雨漏りの原因となりやすいのが、ドレンと呼ばれる排水溝周りです。

金属製の格子がはめられ、ゴミが詰まるのを防いでいます。

ドレン周りは金属部分の劣化や周辺の防水層の接続部分など、破損が起こりやすく、施工には繊細な作業が必要となります。

施工方法に限らず、ドレン周りも丁寧な仕事で施工できる業者であれば、大成パルコンの防水工事も安心して任せられるでしょう。

防水工事を業者に頼む際の注意点

防水工事をハウスメーカーである大成建設以外へ依頼する場合、どういった点に注意したらいいのでしょうか。

大成建設の独自の技術で建設されている大成パルコンは、いわゆる町の工務店や塗装業者では施工が難しいこともあるので、注意してください。

特に笠木やドレン部分については、ハウスメーカーと同等のレベルでの工事は難しい可能性があります。

ただ中には同じようなパルコンの防水工事を多数手がけている業者もああります。

そういった業者であれば、パルコンについても精通している可能性が高く満足な防水工事が叶うでしょう。

業者に直接問い合わせてみるのもいいですが、近年では業者のホームページなどで実績などを確認できる場合がほとんどです。

依頼前に施工事例を探して確認してみるようにしましょう。

まとめ

大成パルコンの防水工事についてまとめると、

  • 大成パルコンの特徴のひとつでもある屋上の耐熱ブロックを新設するか、廃棄または再利用するかで、費用に大きな開きがある
  • ハウスメーカーである大成建設に依頼し、耐熱ブロックを新しくした場合には250万円以上かかる場合がある
  • 一般的な防水工事業者に依頼した場合には、100万円程度で施工できる場合がある
  • ハウスメーカーである大成建設に依頼すると、防水工事業者に依頼するよりも割高になるが、技術や経験は確かなので失敗やトラブルは少ない
  • ハウスメーカー以外の業者に依頼する場合には、塩ビシートの固定技術や、唐木・ドレン周りの扱いなど、高い技術を持っているかを確認してから依頼する
  • パルコンの防水工事を業者に依頼する場合には、パルコンの施工実績があるかを確認する

となります。

耐久年数が長く人気の高いパルコンの住宅ですが、適切なメンテナンスで安全に快適に暮らすことが可能になります。

費用面や信頼度など、あらゆる角度から検討し、満足のいく防水工事を行ってください。

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