マンションに住んでいると、雨漏りが起こることがあります。
雨漏りが発生した場合、絶対に放置してはいけません。
雨漏りを放置すると、建物の劣化や家財の損害につながる恐れがあるからです。
しかし、実際に雨漏りが発生したらどう対処してよいのか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではマンションで雨漏りが起こる原因や対処法について解説します。
マンションにお住まいの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
雨漏りを放置するとどうなる?
マンションの構造は、軽量鉄骨や鉄筋コンクリートなどが使われており、雨漏りした場合は建物内部に雨水が染み込み、多大な影響を与えかねません。
マンションの雨漏りを放置すると、以下のようになる可能性があり大変危険です。
建物の劣化が進む
雨水が建物の内部に浸透すると、建物の木材や鉄筋が腐食したり、錆びたりします。
これにより、建物の強度が低下し、耐震性能が低下すると、地震が発生した場合大変危険です。
また、シロアリやカビも発生しやすくなり、建物や家財に被害を与える可能性があります。
入居者の健康に影響する
カビが発生した空気を吸い込むと、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こす可能性があります。
また、雨漏りによって発生した湿気は、カビやダニの繁殖を促進し、健康被害を悪化させる可能性があります。
マンションの資産価値が下がる
雨漏りがあると、マンションの価値が下がる可能性があります。
雨漏りによって建物の劣化が進むと、修理費用が高額になることが予想されます。
また、雨漏りが発生しているマンションは、入居者が敬遠する傾向にあるため、空室率が高くなる可能性が高いです。
マンションの雨漏りは、入居者だけでなく、マンション全体に大きな被害をもたらす可能性があります。
雨漏りを発見したら、早めに管理会社や修繕業者に連絡し、修理を依頼するようにしましょう。
マンションで雨漏りが起こる主な原因
マンションで雨漏りが起こった場合、主な原因は以下のとおりです。
雨漏りが起こってしまったら、早めに修理を依頼するようにしましょう。
雨漏りが続くと、建物の劣化が進行するだけでなく、家具や家電などの損害にもつながる可能性があります。
建物の老朽化
マンションで雨漏りが起こる主な原因は、建物の老朽化による屋根や外壁の劣化、雨樋や排水管の詰まりです。
マンションの屋根や外壁は、雨風や紫外線などの影響を受けやすいため、経年劣化によって防水性が低下し、雨漏りの原因となります。
また、雨といや排水管は、雨水を屋根から排水する役割を果たしており、雨樋や排水管が詰まると雨水が排水できなくなり、建物内部に浸入して雨漏りの発生につながるのです。
マンションのほとんどはコンクリートでできているため、経年劣化によるひび割れや、シーリングの劣化部分から雨水が浸入して雨漏りの原因となります。
雨漏りのリスクを軽減するためには、定期的なメンテナンスが大切です。
屋根や外壁の塗装、雨といや排水管の清掃などのメンテナンスを定期的に行うことで、雨漏りのリスクを軽減できます。
入居者の過失
マンションでは、入居者の過失によって雨漏りが起こるケースも少なくないのが現状です。
入居者の過失による雨漏りには、以下のような原因が考えられます。
- ベランダやバルコニーの排水口の詰まり
- 荷物の置きすぎ
- 植木鉢やプランターの水漏れ
- 窓やサッシの破損
入居者が過失によって雨漏りを起こした場合、原則として修理費用は入居者の負担となります。
そのため、ベランダやバルコニーの管理には十分注意が必要です。
また、ベランダやバルコニーの雨漏りの兆候を早期に発見するために、定期的に点検を行うことも大切です。
施工不良
マンションで雨漏りは、施工不良が原因で発生するケースも少なくありません。
施工不良による雨漏りは、建物の完成後すぐに発見されるケースもあれば、数年経ってから発見されるケースもあります。
施工不良による雨漏りが発生した場合は、原則として施工業者の責任です。
そのため、雨漏りを発見した場合は早めに施工業者に連絡し、修理を依頼するようにしましょう。
また、施工不良による雨漏りを防ぐために、定期的に建物の点検を行うことが大切です。
点検の際には、屋根や外壁、雨といや排水管、窓やサッシなどの状態をしっかりと確認し、異常がないかを確認しましょう。
雨漏りの修理費用
マンションで雨漏りが起こったときの費用は、雨漏りの原因や箇所、修理方法などによって異なります。
一般的な雨漏り修理費用は、以下のとおりです。
修理内容 | 費用相場 |
屋根の修理 | 約5万〜10万円/坪 |
外壁の修理 | 約5,000〜10,000円/㎡ |
雨といの修理 | 約1万〜3万円/本 |
この修理費用はあくまで目安であり、雨漏りの原因が建物の老朽化による場合は、修理費用が高額になる可能性があります。
また、雨漏りによって建物に大きな被害が発生している場合は、修繕工事が必要となり、さらに費用がかかる可能性があります。
具体的な修繕工事の内容は、以下のとおりです。
修繕内容 | 費用相場 |
コーキングのやり直し | 約2万〜20万円 |
窓などの施工不良による修理 | 約20万円〜 |
建物の経年劣化による修繕 | 約1,000万円以上 |
足場を組んでの修理 | 追加で数十万円 |
床や天井の修理 | 追加で数十万円 |
家具や家電の損害賠償 | 損害額に応じて |
雨漏りを修理する際は、原因に適した工事をすることが重要です。
まずは専門業者に相談をし、どのような工事が必要なのかをしっかりと把握しましょう。
マンションでの雨漏りの損害は誰が支払うのか
マンションでの雨漏りの損害は、その原因によって負担する主体が異なります。
また、分譲マンションと賃貸マンションにおいても、雨漏りの損害を負担する主体は異なります。
オーナー、管理組合が支払う場合
賃貸マンションでは建物の所有者であるオーナーが、分譲マンションでは管理組合が、修繕やメンテナンスを行っています。
そのため、雨漏りの原因が、建物の老朽化や、共有部分の不具合によるものであれば、オーナーおよび管理組合が損害を負担するのが原則です。
共用部分とは、マンションの外壁や屋根、雨とい、エレベーターなど、住戸の区画を超えて共有されている部分を指します。
オーナー、管理組合が支払う場合の具体例は、以下のようなものが挙げられます。
- 屋根や外壁の劣化による雨漏り
- 雨といの詰まりによる雨漏り
- 配管の老朽化による雨漏り
入居者が支払う場合
住戸の専用部分が原因で雨漏りが起こった場合は、入居者が損害を負担するのが原則です。
専用部分とは、住戸の区画内に含まれる部分で、窓やドア、床、天井などを指します。
入居者が支払う場合の具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 住戸内の配管の故障による雨漏り
- 住戸内の給排水設備の故障による雨漏り
- 住戸内の水漏れによる雨漏り
ただし、入居者の過失が認められる場合は、管理組合が損害を負担する場合もあります。
例えば、住戸内で水漏れが発生し、その水が共用部分に浸透して雨漏りを起こした場合は、入居者の過失が認められる可能性があります。
また、雨漏りによって家財が損害を受けた場合は、損害賠償の対象となります。
損害賠償は、損害の程度に応じて、管理組合または入居者のいずれかが負担することになります。
雨漏りが起こった場合は、まずは管理組合に連絡し、原因や責任の所在を調査してもらいましょう。
マンションで雨漏りが起こったときにすべきこと
マンションで雨漏りが起こったときには、以下の手順で対応しましょう。
- 雨漏りの状況を確認する
- 応急処置を行う
- 管理会社や管理組合に連絡する
- 修理費用の負担について確認する
特に、最上階の部屋は、雨漏りのリスクが高いです。
最上階の部屋で雨漏りが起こったら、すぐに対応することが大切です。
雨漏りの状況を確認する
雨漏りしている場所や、雨水がどのように浸入しているかを確認します。
また、雨漏りによって家財が濡れていないか、被害が拡大していないかを確認しましょう。
応急処置を行う
雨漏りによって家財が濡れないように、ブルーシートやバケツなどで簡易的な応急処置を行います。
また、雨水がさらに浸入しないように、雨といの詰まりを解消したり、コーキングの補修などを行ってみましょう。
マンションの管理会社、管理組合に連絡する
雨漏りの被害が大きい場合は、賃貸マンションの場合は管理会社、分譲マンションの場合は管理組合に連絡し、修理を依頼しましょう。
管理会社および管理組合は、雨漏りの原因や責任の所在を調査し、修理の費用を負担するかどうかを判断します。
修理費用の負担について確認する
修理費用は、賃貸マンションの場合はオーナーや管理会社、分譲マンションの場合は管理組合が負担するのが原則です。
ただし、入居者の過失が認められる場合は、入居者が修理費用を負担する場合があります。
修理費用の負担について、管理会社や管理組合に確認しましょう。
また、雨漏りによって家財が損害を受けた場合は、損害賠償の対象となります。
損害賠償については、マンションオーナー、管理組合、または入居者のいずれかが負担するかどうかを、管理会社や管理組合と相談しましょう。
雨漏りは、建物や家財に大きな被害を与える可能性があります。
雨漏りを発見したら、早めに適切な対応を行いましょう。
また、雨漏りの原因が自分によるものであった場合、火災保険で保証される可能性があります。
契約書に記載されている、保証内容を確認することが重要です。
雨漏りはどんな業者に依頼をすればいいのか
雨漏りの修理は、専門的な知識や技術が必要です。
雨漏り修理の場合、以下の業者に依頼しましょう。
- 屋根工事専門業者
- 外壁工事専門業者
- リフォーム会社
また、雨漏りの修理を依頼する際は、以下の点に注意が必要です。
雨漏りの原因をしっかり調査してくれる業者を選ぶ
雨漏りの修理を依頼する際には、雨漏りの原因をしっかりと調査してくれる業者を選ぶことが大切です。
雨漏りの原因は、屋根や外壁の劣化、水道管の破損、配管の不具合など、さまざまなものがあります。
雨漏りの原因を特定できなければ、適切な修理を行うことができず、雨漏りが再発する可能性があります。
複数の業者から見積もりを取る
雨漏りの修理は、同じ修理内容でも業者によって費用が異なる場合があります。
そのため、複数の業者から見積もりを取ることで、適正な費用で修理が依頼できます。
複数の業者から見積もりを取ることを「相見積もり」といい、少なくとも3社以上から相見積もりを取るとよいでしょう。
保証が付いている業者を選ぶ
修理後において、再発してしまった場合の保証がある業者を選ぶと安心です。
契約する場合は、保証やアフターフォローが充実している業者を選びましょう。
マンションで雨漏りを起こさないための対処方法
マンションで雨漏りを起こさないために、定期的なメンテナンスが必要です。
具体的なメンテナンス方法と目安になる周期は、以下のとおりです。
- 外壁塗装:10年〜15年に一度の周期での塗り替えが目安
- 雨といの点検:2年〜3年程度が目安
- コーキングの補修:5年〜10年の周期で行うのが目安
- 配管の点検:年に1〜2回が目安
ただし、水漏れや排水管の詰まりなどの異常を発見したら、すぐに対処しましょう。
マンションの外壁や屋根、雨といなどの定期的なメンテナンスを行うことで、雨漏りのリスクが低減できます。
まとめ
ここまで、マンションの雨漏り修理費用について解説してきました。
この記事の要点は、以下のとおりです。
- マンションで雨漏りが起こった場合、放置せずにすぐに対処することが大切
- 雨漏りの原因や責任者によって、修理費用や補償内容が異なるため、事前に確認しておく
- 雨漏りが発生したら、状況を確認し管理組合に連絡する
- 雨漏り修理を依頼する場合、複数の専門業者から相見積もりを取る
- 日頃から定期的な点検やメンテナンスを心がけることで、雨漏りを予防できる
もし、みなさんが住んでいるマンションで雨漏りが発生したら、まず落ち着いて対処しましょう。
具体的な対処方法について、この記事が参考になれば幸いです。