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金属屋根の防水・改修工事を解説|寿命が延びる?

金属屋根のメンテナンスについて悩んでいませんか?

金属屋根の経年劣化は避けられない問題ではありますが、適切に防水・改修工事を行っていくことで、寿命を伸ばすことができます。

今回は、そんな金属屋根の防水・改修工事についてを徹底解説していきます。

金属屋根のメンテナンスにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

金属屋根に防水工事が必要な理由

金属屋根は低コストであることから、さまざまな建物で採用されています。

その名の通り金属を材料としている屋根なので、サビの発生や破損は避けることのできない問題です。

しかしながら、劣化してしまった金属屋根を葺き替えるとなると、かなりの費用がかかります。

屋根の改修にかかる費用をできるだけ抑えるためには、屋根を保護して寿命を伸ばすことが有効です。

そもそも屋根は、建物の中でも特に強く雨水や紫外線などの影響を受ける部分です。

金属屋根に対して防水工事を行うことで、雨水による屋根のサビの発生や雨漏りのリスクを予防します。

防水加工によって金属屋根を保護することは、建物全体を雨漏りから守ることにもつながります。

金属屋根に用いられる素材の種類

金属屋根といっても、使用する材料にはいくつかの種類があります。

ここでは、金属屋根に主に用いられる素材について、6種類を詳しく紹介していきます。

メッキ鋼板

金属屋根の中でも最も主流となっている素材が、このメッキ鋼板です。

メッキとは金属素材で覆うことを意味します。

一般的に、鉄を合金で覆ったものが多く流通しています。

鉄はとてもサビやすい素材です。

メッキ鋼板では、表面を他の金属素材で覆うことでそのデメリットをカバーしています。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウムとは、亜鉛とアルミを主成分とした合金です。

ガルバリウムに鉄でメッキ加工したものを、ガルバリウム鋼板と呼びます。

このガルバリウム鋼板に耐久性能が認められたことで、金属屋根が急激に普及していきました。

トタン

トタンとは亜鉛でメッキ加工を行った鋼板のことで、亜鉛メッキ鋼板とも呼ばれます。

30年ほど前には金属屋根の素材として主流だったトタンですが、サビに弱いため塗装によるメンテナンスが欠かせません。

そのため、他の素材が普及してきた現在ではあまり用いられていない素材です。

サビが発生しやすいだけではなく、発生した部分からすぐに拡大していってしまうこともデメリットです。

銅板

銅板は、耐久性が高いことが特徴です。

銅には柔軟性があるため加工がしやすく、比較的さまざまな形状の屋根に対応できます。

新しい銅板は赤褐色ですが、時間が経つにつれて青緑を含んだ色へと変化していきます。

この色の変化は建物の外観にも影響するため、好みがわかれる要素であると言えるでしょう。

銅は高品質な素材であり、他の素材に比べても費用がかかることが多いです。

ステンレス

ステンレス最大の特徴は、サビにくいことです。

湿気や塩分にも強いため、海岸近くの建物にも適しています。

強度と耐久性に優れているため、比較的メンテナンスが簡単な屋根素材です。

表面の光沢も特徴のひとつで、建物が洗練された印象になります。

チタン

チタンは耐久性に優れている上、とても軽量な素材です。

サビにくいだけではなく熱膨張が少ないため、温度変化による影響にも強いです。

強度が高く寿命も長いですがその分効果な素材であるため、比較的費用が高くなるでしょう。

金属屋根の張り方の種類

金属屋根の張り方は、施工場所によっても異なります。

ここでは、戸建て住宅の場合と工場・倉庫の場合の2つについて詳しく紹介していきます。

戸建て住宅の場合

戸建て住宅の金属屋根では、

  • 横葺き
  • 縦葺き

の2種類があります。

金属屋根は、屋根の傾きに沿って張る縦張りと地面に対して水平に張る横張りの2パターンの張り方で施工していきます。

横葺きは屋根の面が多い複雑な形状の屋根に適していて、断熱材や長期保証などの付加価値が高いです。

縦葺きは1〜2面のシンプルな屋根に適していて、横葺きに比べて工事費用が安いことが特徴です。

工場・倉庫の場合

工場や倉庫には、折板と呼ばれる金属屋根を用います。

折板屋根は全て縦葺きで、屋根を張る際はクレーンを使用して持ち上げます。

折板屋根は、断面が富士山のような形をしていることが特徴です。

折板屋根とは

折板屋根は主に大型の工場や倉庫に用いられる、金属板を折り曲げて造られた屋根のことです。

工場や倉庫以外にも、自転車置き場や車庫などに用いられることもあります。

折板屋根に使用される金属素材は多岐に渡り、

  • ガルバリウム鋼板
  • 亜鉛メッキ鋼板
  • 塩ビ鋼板

などさまざまです。

折板屋根の寿命は35〜40年ほどで、長持ちさせるためには定期的な塗装などのメンテナンスが必要となります。

継ぎ目が少ないため、雨漏りのリスクが少ないこともメリットです。

金属屋根の防水工事

屋根は雨水の影響を受けやすいため、屋根材や建物全体を守るためにも防水工事は欠かせません。

金属屋根についても同様で、屋根の老朽化や雨漏り、それによる建物全体や内部設備への悪影響を予防するためにも、定期的な防水工事や屋根のメンテナンスが必要です。

ここでは、金属屋根の防水工事について3つの工事方法を解説していきます。

葺き替え工事

葺き替え工事は、劣化した既存屋根材を撤去して新しい屋根材を設置する、大規模な屋根のリフォーム工事です。

屋根材の経年劣化は避けらないため、寿命を迎えた屋根材は撤去して新しいものに交換します。

材料費や施工費の他にも、撤去や廃材処理のための費用がかかります。

手間やコストのかかる工事ですが、既存屋根材が劣化してきた場合には建物を守るためにも必要な工事です。

カバー工法

カバー工法は、既存屋根材を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねる工事です。

既存屋根材の劣化が激しい場合には施工することができませんが、撤去にかかる手間や費用が必要ないため、工期が短く工事費用も抑えることができます。

ただし、カバー工法はあくまで応急処置的に行う工事なので、これから先も長く使用する予定の建物に対しては適していないと言えるでしょう。

防水塗装工法

防水塗装工法とは、既存屋根材に防水塗料を塗布してコーティングする工事です。

既存屋根材はしっかりと高圧洗浄し、屋根材に傷みや損傷があれば補修するなど下地を整えてから防水塗料でコーティングします。

新しい屋根材や既存屋根材の撤去も必要ないため、1番手軽に行える防水工事です。

屋根材の劣化が激しい場合には、防水塗装方法では対応できないことがあります。

金属屋根の防水工事の費用相場

金属屋根の防水工事を検討している場合、やはり費用がどのくらいかかるのかが気になるポイントですよね。

今回は、金属屋根の防水工事にかかる費用の相場をまとめたので、以下の表を参考にしてください。

防水工事名費用相場
葺き替え工事約5,000円〜20,000円/㎡
カバー工法屋根平米×11,000円
防水塗装工法約1,800~4,500円/㎡

1番大規模な工事となる葺き替え工事はやはり費用も高く、手軽な防水塗装工事は費用も安くなります。

しかし工事内容は既存屋根材の状態によって決める必要があるため、費用だけで決めることのないように注意してくださいね。

防水工事が必要なタイミング

屋根に劣化症状が現れたら、防水工事が必要となります。

ここでは、防水工事が必要なタイミングの目安を5つ紹介します。

新築または前回の改修から10年以上経過している

屋根材や環境などにもよりますが、一般的に10年ほどが経過すると防水性能が低下してきます。

そのため、新築または前回の改修から10年以上が経過している場合、メンテナンスを検討するべきだと言えるでしょう。

定期的にメンテナンスや点検を行っておけば、大規模な工事は必要ないことも多いです。

ほとんどメンテナンスがされていない

屋根のメンテナンスをほとんど行わないまま放置していれば、当然屋根材や防水層は劣化していきます。

サビやカビ、苔などが発生することも多く、建物の美観も損なわれます。

このよう状態の場合は屋根や防水層の状態をチェックし、適切な工事を行う必要があるでしょう。

状態のチェックは必ず専門業者に依頼してくださいね。

表面の塗装に色褪せや剥がれが発生している

屋根表面の色褪せや剥がれは、屋根を保護する塗膜の役割が損なわれているサインです。

屋根材を保護するためにも、メンテナンスを検討しましょう。

塗装の耐用年数は、使用する塗料によっても異なります。

前回使用した塗料や工事時期がわかれば、次のメンテナンス時期の目安にしてください。

サビやひび割れなどの傷みが目立つ

屋根材のサビやひび割れなどの傷みは、劣化症状のひとつです。

目立つほどの傷みがある場合はかなり劣化が進行しているので、できるだけ早く工事を行うといいでしょう。

特に屋根材のひび割れは、雨漏りの直接的な原因となります。

雨漏りが発生している

すでに雨漏りが発生している場合は、屋根材の劣化や損傷が激しい状態です。

雨漏りを放置していると、屋根だけではなく建物全体に悪影響を及ぼすので、早急に工事を行って対応してください。

金属屋根の防水性能を長持ちさせるコツ

金属屋根の防水性能を長持ちさせるためには、定期的に点検とメンテナンスを行うことがポイントです。

金属屋根の寿命は、メンテナンス次第で大きく変わります。

定期的に劣化症状がないか点検し、必要に応じて塗装などのメンテナンスを行うようにしましょう。

屋根はなかなか目に入らない部分で、点検を行っていないと劣化症状に気づかないため、放置してしまい重大な劣化症状になってしまうことも多いです。

劣化症状の早期発見のためにも、定期点検は1年に一度を目安に行うと安心です。

点検とメンテナンスは、屋根工事の実績のある専門業者に依頼してくださいね。

まとめ

金属屋根は軽量で低コストなどメリットが多く、さまざまな建物に採用されています。

屋根は建物の中でも雨水の影響を受けやすいため、防水工事が重要です。

防水機能を維持し金属屋根を長持ちさせるためには、定期点検やメンテナンスが欠かせないポイントです。

今回の記事を参考に、正しくメンテナンスを行ってくださいね。

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