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防水塗装工事とは?施工の種類や方法・塗り替えのタイミングを解説

建物や構造物の防水には、防水塗装が一般的に用いられます。

防水塗装は、特殊な塗料やコーティングを施すことで、水の浸入や漏水を防ぐことが可能です。

この記事では、防水塗装の種類や費用相場、注意点などについて解説していきます。

具体的にどんな工事が行われるのか、費用はどれくらいかかるのか気になる方は是非参考にしてください。

防水塗装とは?

防水塗装は、建物や構造物の表面に特殊な塗料やコーティングを施すことで、水の浸入や漏水を防ぐための施工方法です。

防水塗装にはさまざまな種類があり、屋根や外壁、床などの部位に応じて適切な塗料やコーティングが使用されます。

防水塗装により、建物や構造物の耐久性や防水性を向上させることが可能です。

防水塗装の種類

防水塗装の種類には、一般的にウレタン防水、塩ビシート防水、FRP防水の3種類があります。

それぞれの特徴について解説していきます。

ウレタン防水

ウレタン防水は、ウレタン樹脂を主成分とする塗料やコーティングを使用して行われる防水方法です。

ウレタン樹脂は柔軟性に富み、耐候性や耐久性が高いため、建物や構造物の屋根や外壁、床などの防水に広く利用されています。

ウレタン樹脂は優れた防水性能を持ち、水の浸入や漏水を防ぐことが可能です。

また、耐久性も高く、長期間にわたって効果を発揮します。

ウレタン樹脂は柔軟性に富んでおり、建物の動きや変形に対応することができるので、クラックや隙間などの微細な部分にもしっかりと密着し、水の侵入を防ぎます。

さらに、紫外線や気候の変化に対しても耐性があり、屋外での使用に適しています。

長期間にわたって効果を維持することも可能です。

ウレタン防水は比較的施工が容易であり、塗布や吹き付けなどの方法で行うことができます。

塗料やコーティングの選択肢も豊富で、建物の用途や要件に合わせて適切な製品を選ぶことができます。

塩ビシート防水

塩ビシート防水は、塩化ビニール(PVC)を主成分としたシートを使用して行われる防水方法です。

塩ビシートは、柔軟性がありながらも耐久性が高いところが特徴です。

塩ビシート防水は、屋根や壁、床などの防水が必要な面に施工され、雨水や湿気の浸入を防ぎます。

また、耐候性に優れているため、長期間にわたって効果を発揮します。

FRP防水

FRP(Fiber Reinforced Plastic)防水は、繊維強化プラスチックを使用して行われる防水方法です。

FRPはガラス繊維や炭素繊維などの強化材料をプラスチック樹脂に組み合わせた複合材料であり、その特性を活かして建物や構造物の防水に利用されます。

FRP防水の特徴は、軽量でありながら非常に高い強度と耐久性を持ち合わせているところです。

また、FRPはプラスチック樹脂でできているため、腐食や錆びに対して優れた耐性を持ちます。

特に湿度の高い環境や化学物質の影響を受ける場所での防水に適しています。

さらに、FRPは柔軟な加工性を持っており、建物や構造物の形状に合わせたカスタマイズが可能です。

FRP防水は屋根や外壁、プールなど、さまざまな場所で使用されています。

耐久性や耐候性に優れており、長期間にわたって効果を発揮することが可能です。

防水塗装が必要な理由

防水塗装が必要な理由は、以下の4つが挙げられます。

  • 漏水や浸水の防止
  • 建物の耐久性向上
  • 建物内部の保護
  • 健康と安全の確保

これらの理由によって、建物や構造物において防水塗装は重要な役割を果たします。

漏水や浸水の防止

防水塗装は建物や構造物の表面に施されることで、雨水や地下水などの浸水を防ぎます。

これにより、建物内部の損害や劣化を防止し、快適な居住環境を維持することが可能です。

建物の耐久性向上

水の浸入は建物や構造物に様々な損害を与える可能性があります。

例えば、木材の腐食や金属の錆びなどが挙げられます。

防水塗装により、これらの損害を最小限に抑え、建物の耐久性を向上させることが可能です。

内部の保護

建物や構造物の内部には配管や電気配線などが通っています。

建物内部の配管や電気配線が水によって損傷を受けると、修理や交換が必要です。

防水塗装は、これらの内部部分を水から保護し、長期的なメンテナンスコストを削減する役割を果たします。

健康と安全の確保

建物内部への漏水や浸水によって、カビや菌が発生する可能性があります。

カビや菌の発生は室内環境に悪影響を及ぼし、健康問題を引き起こす可能性が高いです。

防水塗装により、湿気やカビの発生を防止し、健康で安全な居住環境を確保することができます。

防水塗装のタイミング

防水塗装を行うタイミングは、一般的に10年から15年ぐらいが目安です。

建物を雨水から保護する役割をもつ防水層の耐用年数が、10年から15年とされているからです。

ただし、建物の状態や防水塗装に使用した塗料などによってタイミングは変わってきます。

塗装面の色あせやひび割れ、剥がれ、膨れなどの劣化症状が見られた場合は、早急に対応することをおすすめします。

劣化したまま放置しておくと、雨漏りなどの原因になるので注意が必要です。

また、以下のような場合も、防水塗装を行うタイミングと言えるでしょう。

トップコートの塗り替えの場合

トップコートを塗り替える場合も、防水塗装のタイミングとなります。

トップコートとは、防水層の最上層をコーティングする塗装です。

下地となる防水塗料を保護し、さらに防水性を強化する役割があります。

また、トップコートは、5年に1度塗り替えることが推奨されています。

トップコートの塗り替えは、防水層の劣化が少ない状態であることが条件です。

防水層に剥がれやひび割れなどの劣化症状が現れているときは、補修した上で防水層を形成し直す必要があります。

防水層の塗り替えの場合

防水塗装の塗り替えは、施工からおよそ10年以上経過したときに行われます。

10年以上経過していると、防水機能が損なわれるからです。

また、防水層に剥がれや浮きなど、何らかの劣化症状が見えた場合は、補修した上で防水層を塗り替える必要があります。

その時に防水塗装を同時に行うのが、ベストなタイミングと言えるでしょう。

防水塗装の費用相場

防水塗装の種類別に費用相場を表にまとめました。

防水塗装の種類費用相場
ウレタン防水約3,500円〜7,500円/㎡
FRP防水約4,000円〜8,000円/㎡
塩ビシート防水約4,000円〜7,000円/㎡

防水塗装の費用は、施工する場所や施工面積、依頼する業者によって変わってきます。

防水塗装の費用を安く抑えるコツ

防水塗装の費用を安く抑えるコツがいくつかあります。

  • 早期の対応
  • 適切な塗料の選択
  • DIYで行う
  • 複数の業者から相見積もりを取る
  • 長期的な視野を持つ

以上のコツについて、下記で詳しく解説していきます。

早期の対応

建物の防水塗装を早期に行うことで、劣化や損傷を未然に防ぐことが可能です。

定期的なメンテナンスを行い、劣化が進まないうちに対処することで、大規模な修繕や交換を回避することができます。

適切な塗料の選択

防水塗装には、さまざまな種類の塗料があります。

建物の状態や使用環境に合わせて、適切な塗料を選択することで、コストを抑えることができます。

DIYで行う

防水塗装は、DIYで行うことができます。

ただし、建物の高所や大規模な面積を扱う場合は専門業者に依頼することが安全で確実です。

無理のない範囲でDIYを行うなら工事費用は安くなるでしょう。

複数業者から相見積もりを取る

複数の業者から相見積もりを取ることで、価格や内容を比較することができます。

また、業者によってはキャンペーンや割引などを実施している場合もあるため、お得な情報を探すことも大切です。

長期的な視野を持つ

防水塗装は建物の耐久性や快適性を維持するために必要なメンテナンスです。

長期的な視野で見て、コストパフォーマンスに優れた施工業者を選ぶことが大切です。

防水塗装をDIYで行うのは難しい

防水塗装をDIYで行うことは可能ですが、いくつかの問題点があります。

まず、建物の屋根や外壁など、防水塗装を施す場所が高所にある場合があります。

高所作業は危険を伴うため、専門的な知識や技術、装備が必要です。

また、建物の種類や使用環境によって適した塗料や道具を選択する知識や経験が必要です。

もし塗料や道具を誤った取り扱い方をした場合は、塗装効果に悪影響を与えることがあります。

防水塗装は、非常に高度な技術が必要であり、均一な厚みで塗布することが重要です。

また、塗料の密着性や耐久性を高めるために、下地処理やプライマーの施工が必要な場合があり、これらの施工技術は専門的な知識や経験が必要です。

DIYで行う場合には難易度が高くなります。

以上のような理由から、防水塗装をDIYで行うことは簡単ではなく、専門業者に依頼することが推奨されます。

防水塗装の注意点

防水塗装には、以下のような注意点があります。

  • 下地処理の重要性
  • 適切な塗料の選択
  • 塗布時の気象条件
  • 施工技術の確認
  • 定期的なメンテナンス

これらの注意点を十分に理解して、適切に防水塗装を行うことが重要です。

下地処理の重要性

防水塗装を行う前に、建物の表面を適切に下地処理する必要があります。

下地処理が不十分だと、塗料の密着性が低下し、塗装効果が損なわれることがあります。

下地処理は、汚れや腐食物質を除去し、表面を平滑に整えることが目的である重要な工程です。

適切な塗料の選択

建物の種類や使用環境に合わせて、適切な塗料を選択することが重要です。

塗料の選択が不適切であると、塗装効果が低下し、耐久性が低下することがあります。

塗布時の気象条件

防水塗装を行う際には、気象条件に注意する必要があります。

天気が悪い日や高温多湿の日は、塗料の乾燥時間が長くなるため、施工効率が低下することがあります。

また、雨天時には塗料が乾きにくく、施工中の安全性も低くなることから塗装作業を行わないのが賢明です。

施工技術の確認

防水塗装を行う業者を選ぶ際には、施工技術の確認が必要です。

施工技術が不十分だと、塗装効果が低下し、塗料の劣化や剥離などの問題が発生することがあります。

定期的なメンテナンス

防水塗装は、定期的なメンテナンスを行うことで耐久性を維持することが必要です。

メンテナンスを怠ると、劣化が進行し、再度の防水塗装が必要になることがあります。

まとめ

ここまで、防水塗装工事の種類や費用相場などについて解説してきました。

防水塗装の種類としては、ウレタン防水とFRP防水が一般的です。

防水塗装が必要な理由は、漏水や浸水の防止、建物の耐久性向上、建物内部の保護、健康と安全の確保です。

これらの理由によって、防水塗装は重要な役割を果たします。

防水塗装のタイミングは一般的に10年から15年ほどが目安ですが、建物の状態や劣化症状によって異なります。

また、ひび割れなどの劣化症状が見られた場合は早急な対応が必要です。

防水塗装の費用を抑えるコツとしては、早期の対応、適切な塗料の選択、DIYで行う、複数の業者から相見積もりを取る、長期的な視野を持つことが挙げられます。

防水塗装を十分に理解して、適切な施工を行いましょう。

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