外壁塗装でも人気があるのはシリコン塗料です。
塗り替えを検討していると必ず情報が出てきますよね。
ですが、塗料なのにシリコン?ってなりませんか。
ほかの塗料と比べると、シリコンは少し違うイメージや違和感も覚えるかもしれません。
そこでシリコン塗料の特徴やデメリット、ほかの塗料と比較して価格相場も解説します。
外壁塗装を考えている際には、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
シリコン塗料とは?
シリコン塗料は、屋根や外壁塗装でメジャーな塗料となりました。
価格と耐久性のバランスがよく、選択しやすい塗料となったからです。
シリコン塗料の特徴をあげてみましょう。
- 主成分としてシリコンを配合している
- シリコン自身の耐熱性が高いことで600℃近くまで耐える
- 強度を発生しやすく揮発性を持つ
この特徴の中で大きな影響を与えているのがシリコン自身で、外壁塗装として塗料のメリットにもデメリットに繋がります。
そのため、シリコンの配合量ということが大きな注目ポイントになるでしょう。
シリコン塗料のメリット
まずはシリコン塗料のメリットからみていきましょう。
メリット①耐久年数が長い
現在主流となっている塗料に比べると、シリコン塗料は耐久性が長い特徴を持っています。
他の塗料との耐久性比較条件としては、同じ技術を持つ職人が同じ立地条件の外壁に塗った場合です。
単純に塗料として持つ耐久性の違いとみてください。
外壁塗装に用いる主な塗料4種類|耐久年数を比較
外壁塗装に用いる主な塗料4種類の耐久年数を以下の表にまとめて比較してみました。
塗料の種類 | 耐用年数 |
シリコン塗料 | 7~10年 |
ウレタン塗料 | 5~7年 |
アクリル塗料 | 3~5年 |
フッ素塗料 | 10~15年 |
以前主流だったアクリル塗料に比べると、シリコン塗料は倍近い耐用年数を発揮します。
アクリルよりも耐久性が高いウレタン塗料と比較しても、ライフサイクルが長いのがわかるでしょう。
フッ素塗料など最新型の高機能塗料と比べると耐久年数は劣りますが、価格帯も全く違う点に注意が必要です。
メリット②外壁が汚れにくくなる
シリコン塗料の特徴として、セルフクリーニング効果を持ちます。
シリコンの親水性が影響しますが、汚れとの間に雨水がしみこみ、浮き上がらせることで洗い流すのです。
汚れにくいことは、不純物による劣化も抑えられます。
メリット③コストパフォーマンが高い
シリコン塗料を外壁塗装に使うメリットとして、コストパフォーマンスの高さは外せません。
もっと高機能な塗料はありますが、どれも価格帯が上がります。
外壁塗装の場合、小さな家でも足場代を含めかなりの費用負担になるでしょう。
ですが、安価な塗料を使うとライフサイクルが短く、何度も塗装しなければいけません。
そのたびに足場代などを負担することになり、余計な出費がかさむのです。
一般的に住宅のライフサイクルが30年程度といわれるようになりました。
アクリルを使うと、長く見積もっても5回以上外壁塗装の塗り替えが必要です。
シリコン塗料なら、半分以下の2回で済みます。
足場などの付帯費用を考えれば、シリコン塗料の価格はバランスがいい塗料なのです。
メリット④カラーが豊富&光沢・ツヤがある仕上がり
これまでシリコン塗料は数多く作られてきました。
それだけ多くの需要があったことも意味します。
カラーが豊富に揃っているのも、数多くのニーズに答えた結果であり、シリコンの特性を生かし光沢やツヤのある仕上がりが特徴です。
シリコン塗料のデメリット
どんな優れた塗料でも、必ずデメリットがあります。
ポイントはこのデメリットを吸収できるかです。
デメリット①ひび割れしやすい
シリコンは強度を発生しやすい塗料です。
硬いということは粘り強さが低く、割れてしまうことが出てきます。
メリットの裏返しになるため、建築条件や構造を踏まえて使用することが大切です。
デメリット②フッ素塗料よりも耐久性が低い
フッ素と比較すると、シリコン塗料の耐久性は劣ります。
これは一般的に販売されているシリコン塗料での比較です。
実はシリコン塗料といっても性能は一律ではありません。
性能を左右しているのはシリコンの含有量にあるからです。
どの程度の割合にするかで、塗料としての性能が変わってしまうのです。
フッ素は非常に高い耐久性を示す塗料ですが、同程度の性能を持つシリコン塗料も出てきました。
ですので、すべてのシリコン塗料のデメリットというわけではありません。
デメリット③重ね塗りに向かない
シリコンは撥水性があります。
硬化すると表面が平滑になり、水をはじくのです。
これを撥水性能と呼びます。
撥水性能が高いことにより、水性塗料を重ね塗りしようとするとはじかれる可能性が高まります。
つまり、重ね塗りするには向かない塗料なのです。
向かないというだけで絶対にできないわけではありません。
下地処理の方法や技術によっても違いが出る部分です。
デメリット④モルタル外壁と相性が悪い
シリコン塗料はモルタル外壁と相性がよくありません。
理由は硬くてひびが入りやすい点と似ていますが、弾性力が低いことが問題です。
もうひとつが低粘性にあります。
粘性が低いことでモルタル外壁に吸い込まれやすいからです。
これらのデメリットは、下地処理の仕方で変わります。
下地がしっかりとしていればデメリットになりにくいため、モルタル外壁にシリコン塗料が使えないというわけではありません。
シリコン塗料の塗装がおすすめな部位
シリコン塗料での塗装がおすすめな部位を紹介します。
外壁
シリコン塗料が最も相性のいい部位になるのが外壁です。
汚れがつきにくいセルフクリーニング効果が防汚性能に繋がります。
外壁は汚れが目立つとすぐにわかることからも、シリコン塗料はおすすめです。
屋根
屋根もシリコン塗料が使われてきました。
ただし、外壁よりも日光が直接当たるなど自然環境の脅威にさらされるのが屋根です。
それだけ劣化が早まることからも、高機能なシリコン塗料を使う方がいいでしょう。
外壁以上に塗り替えに手間がかかり付帯費用が高まるからです。
付帯部
外壁塗装にシリコン塗料を使うのなら、付帯部も同じように塗装するのがおすすめです。
仮に違う塗料を使うと、ライフサイクルが変わります。
一部だけ劣化が進むといったことも考えられるため、同じ塗料を使う方が安全だからです。
シリコン塗料の単価・費用相場
シリコン塗料の単価や費用相場を見ていきましょう。
比較の条件として外壁のみの工事で、工事費として外壁塗装を完了させるための洗浄や足場代などを含み、外壁面積は75~90㎡あたりの戸建てを想定しています。
塗料の種類 | ㎡単価 | 1軒あたりの工事費用相場(75~90㎡)※外壁のみ |
シリコン塗料 | 1,800~2,000円 | 80~90万円 |
ウレタン塗料 | 1,500~1,700円 | 70~75万円 |
アクリル塗料 | 1,000~1200円 | 60~70万円 |
フッ素塗料 | 3,500~4,500円 | 95~110万円 |
シリコン塗装がおすすめな人
外壁塗装でシリコン塗料の利用がおすすめな人とおすすめできない人がいます。
それぞれの条件を出してみました。
おすすめな人 | おすすめできない人 |
・外壁塗装のコストパフォーマンスを重視・10年以上は住む予定がある・光沢を重視したい | ・外壁面積が大きな住宅・さらに塗り替え回数を抑えたい・外壁塗装の寿命が来る前に売却の予定がある |
この中でも大きなポイントは、シリコン塗料のライフサイクルです。
7~10年の再塗装のサイクルが基本となることからも、長く住まない住宅なら、もっと安い塗料でもいいでしょう。
面積も大きくなると、少し割高になりますが、フッ素などの高機能塗料を使うほうがお得感が出てきます。
塗り替えの回数は、建物の耐久性や使用用途と併せて考えなければいけません。
マンションなど高層階があり、外壁塗装も足場も手間がかかるような場合には、塗り替え回数を抑える方が付帯費用は下がります。
外壁塗装を業者に依頼する際のポイント
外壁塗装はDIYでは難しい部分が多いものです。
専門業者に依頼する方が安全で確実な選択になるでしょう。
業者選びのポイントは、これまで培ってきた経験です。
塗料の性能が高くても、施工精度が低いと性能を発揮できません。
7~10年持つのがシリコン塗料の特徴ともいえますが、下地処理が甘くなればもっと早く寿命が来ます。
塗ってすぐは分かりませんが、長期的に見ると大きな差がつくからです。
経験は過去の実績などでもわかりますし、さらに地元企業なら天候などの特徴もわかるでしょう。
外壁塗装工事は気象条件などにも左右されやすいからです。
相見積もりを取って比較してみることでも違いが見えてきます。
まとめ
この記事のまとめです。
- 屋根や外壁塗装の塗料としてメジャーな材料で、費用と性能のバランスがいい
- セルフクリーニング効果があり光沢のある仕上がりになる
- コストパフォーマンスや10年以上は住み続ける人に向いている
シリコン塗料は、外壁塗装とてもスタンダードなものとして定着しつつあります。
優れた性能も持っていますが、大事なことは施工精度にかかっているのはいうまでもありません。
特に職人が塗って仕上げるのが外壁塗装です。
経験と実績が大きな影響を与えるは理解しておかなければいけないポイントになります。
外壁塗装は、大事なマイホームを一番外側で守る盾です。
役割から考えても、安かろう悪かろうではすみません。
シリコン塗料はライフサイクルと費用とのバランスに優れています。
この特徴を生かすためにも、経験豊富な当社にご相談ください。