一戸建て防水工事の費用相場を知りたい人
一戸建ての防水工事にかかる費用はいくら?
一戸建ての防水工事の予算はどれくらい?
一戸建ての防水工事の単価・値段は?
一軒家の屋上やベランダに防水工事をやるべき?
家に防水工事は必要?
一戸建てにお住まいの方の中には、お悩みの方がいるのではないでしょうか。
ビルやマンションの屋上のイメージが強い防水工事ですが、戸建住宅であっても大切な工事です。
特に陸屋根や屋上がある一戸建住宅は、定期的な防水工事が建物を寿命を延ばす鍵となります。
こちらの記事では、一戸建て住宅での防水工事に焦点を当てて、費用相場や工事内容などを詳しく解説しています。
業者選びのポイントも紹介していますので、防水工事を検討するにあたって参考にしていただければと思います。
目次
一戸建ての防水工事の費用相場
一戸建てと一言にいっても、屋上や陸屋根のあるなし、ベランダやバルコニーの数など、防水工事が必要な広さには大きな差があります。
そのため一戸建て住宅の防水工事の費用相場は8万円〜55万円と、価格幅が大きくなっています。
同じ面積であったとしても、防水工事にはいくつかの工法があり、耐用年数や価格が違うためどういった方法をとるかによっても、かかる費用は変わってくるでしょう。
一戸建ての定義
一戸建てとは一世帯が生活する独立した住宅を指すことが一般的です。
二世帯住宅など二世帯で生活する場合も一戸建てと考えることもありますが、どちらにしても家族が暮らす住宅です。
混同しやすいものとして、「一軒家」という言葉がありますが、これは一戸建てとの違いは周辺に建物がない住宅に対して使用されます。
また一軒家には家族ではなく、複数の世帯が共同で生活する場合もあり、一戸建てと分けて考えられています。
一戸建て住宅はマンションなどの集合住宅に比べて、設計や生活面での自由度が高く、建物が古くなったとしても土地としての資産価値が残ることが大きな魅力です。
一方で維持・修繕を自身で行う必要があり、防水工事をはじめ、外壁・屋根の塗装などのメンテナンスを家主の判断で行っていくことになります。
<一戸建て・一軒家・集合住宅の違い>
一戸建て | 一棟の独立した住宅 周辺にも住宅が建つことがある 一世帯もしくは二世帯の家族が生活している |
一軒家 | 一棟の独立した住宅 周辺に住宅がない 複数の世帯が生活することがある |
集合住宅 | 1棟の建物を垂直または水平に区画分した住宅 マンション・アパート・長屋などがこれにあたる |
戸建て住宅にも防水工事が必要な理由
戸建て住宅にも本当に防水工事は必要なのでしょうか。
日本は台風や地震などの自然災害の多い国です。
近年では線状降水帯やゲリラ豪雨のような雨の災害も増え、一方で夏には猛烈な日差しが降り注ぎます。
戸建て住宅に限らず、すべての建物はそういった雨や紫外線にさらされ、徐々に劣化してしまうことは避けられません。
外壁・屋根・屋上などは直接それらにさらされる劣化の激しい場所と言えるでしょう。
建物にとって水は天敵です。
水が建物内部に侵入してしまえば、雨漏りが発生するだけでなく、建物の躯体部分を腐らせたり菌やカビを繁殖させたりする原因となり、将来的な建物の寿命を大きく縮めることになってしまいます。
それを防ぐためにも、定期的な防水工事は必要不可欠です。
一戸建て住宅の屋根・屋上に行う防水工事の種類
一戸建て住宅の場合には外壁や屋根を塗装することで、防水効果を高めることもありますが、ここでお話しする防水工事とは、アパート・マンション・ビル・ALC住宅の屋上、ベランダやバルコニー、陸屋根に施す工事を指しています。
外壁・屋根の塗装工事と防水工事は内容が大きく異なるため、リフォーム業界では分けて考えられています。
対応できる業者も違うため注意が必要です。
防水工事には複数の方法があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを理解し、最適な方法を選ぶ必要があります。
防水工事の種類は主に下記の4つです。
防水工事の種類 | 耐用年数 | 費用相場 |
ウレタン防水 | 約10〜13年 | 2,500円〜7,000円/㎡ |
塩化ビシート防水 | 約10〜15年 | 2,100円〜7,500円/㎡ |
FRP防水 | 約10〜15年 | 4,000円〜7,500円/㎡ |
アスファルト防水 | 約15〜20年 | 5,500円〜8,000円/㎡ |
ウレタン防水
ウレタン防水はリフォームの防水工事で主流の工法です。
液状にしたウレタンを塗り重ねることで防水層を形成する方法です。
一戸建て住宅のバルコニーや陸屋根などにも選ばれることが多い工法のひとつです。
比較的どんな場所にも施工でき、液状のため複雑な形や凹凸のある場所も綺麗に仕上がります。
乾燥させるのにやや時間がかかるので、天候や季節によっては1週間程度みておいた方がいいでしょう。
メンテナンスとしては5年程度を目安にトップコートの塗り替えが必要です。
ウレタン防水には下記の3つの工法があります。
- 密着工法
下地に直接ウレタンを塗布していく方法です。
複雑な形の場所や凹凸のある場所にも施工がしやすいメリットがあります。 - 密着メッシュ工法
メッシュシートを防水層と下地の間にいれた状態で施工します。
勾配がある場所などにも均一に塗布することができます。 - 通気緩衝工法
下地に密着させず通気性のあるシートの上にウレタン樹脂を塗布します。水分を逃すことができるので、水分が多い場所にも施工しやすいのが特徴です。すでに雨漏りが起きてしまった場所にも選択されています。
耐用年数 | 約10〜13年 |
費用相場 | 2,500円〜7,000円/㎡ |
工期 | 1日〜5日 |
工法 | 密着工法 密着メッシュ工法 通気緩衝工法 |
塩化ビシート防水
塩化ビニル製の防水シートを貼り付けて水の侵入を防ぎます。
広さにもよりますが、1日〜4日ほどで施工が可能です。
大型の建物の屋上など広い面積にも比較的安易に施工できますが、基本的には平坦な場所にしか施工できないというデメリットがあります。
さまざまな色・デザインのシートが販売されているため、人の出入りが多い場所や、人目につく場所に選ばれることが多くなっています。
施工後のメンテナンスはほぼ不要ですが、防水層薄く、外的要因により破れたり穴が開いたりすることがあるため、見つけた場合には早めに対応する必要があります。
施工方法は「密着工法」「機械固定工法」の2種類があります。
どちらの工法であっても、職人の高い技術が必要な工法となりますので、業者選びは慎重に行う必要があります。
- 密着工法
専用の接着剤を使用して、下地に直接防水シートを貼り付けて施工します。
下地の影響が大きい工法のため、水分を含んでいたり破損があったりする下地への施工は注意が必要です。 - 機械的固定工法
専用の機械でビスなどを打ち込むことで防水シートを貼り付けます。
下地との防水シートの間に隙間ができ、脱湿することができるため、下地の影響を受けにくいのが特徴です。
耐用年数 | 約10〜15年 |
費用相場 | 2,100円〜7,500円/㎡ |
工期 | 1日〜4日 |
工法 | 密着工法 機械的固定工法 |
FRP防水
FRP防水のFRPとは繊維強化プラスチックの略称です。
液状にしたFRPを塗布することで、高い防水性能が発揮されます。
メリットとしては乾燥までの時間が早く、1日で施工が完了することも少なくありません。
また非常に軽くて頑丈なため、建物への負担が少ないのも特徴の一つです。
デメリットとしては伸縮性がないため、あまり広い場所や木製の場所に施工すると、建物全体の伸び縮みに対応できなくなった防水層に割れが発生してしまうことがあります。
狭い場所にも最適なので、戸建住宅のベランダなどにもよく採用されています。
耐用年数 | 約10〜15年 |
費用相場 | 4,000円〜7,500円/㎡ |
工期 | 1日〜2日 |
工法 | なし |
アスファルト防水
アスファルト防水は、溶かしたアスファルトが染み込んだ合成繊維の不織布と、ルーフィングシートと呼ばれる防水シートを重ねて貼り付けることで強靭な防水層を形成する工法です。
耐用年数が非常に長く、古くから行われてきた信頼できる工法です。
重量があり建物への負担が大きいこと・費用が高いこともあり、一戸建て住宅に施工されることはあまりありません。
一般的にはビルやマンションなど、大型の建物の屋上に対して行われることが多い防水工事です。
施工の方法は「熱工法」「トーチ工法」「常温工法」の3つがあります。
- 熱工法
溶かしたアスファルトを使い、ルーフィングシートを重ねて防水層を形成します。
施工時に独特の臭い、煙が発生することから近隣への配慮が必要となります。 - トーチ工法
シートに染み込んだアスファルトをトーチバーナーを使って溶かすことで、ルーフィングシートと接着させ施工させます。臭いや熱も少なく、熱工法に変わって選ばれることが多くなっています。 - 常温工法
名前の通り、改良されたシートを使って熱を使用せずに接着させます。
安全な施工が実現しますが、熱工法やバーナー工法と比べると接着性が劣ります。
耐用年数 | 約15〜20年 |
費用相場 | 5,500円〜8,000円/㎡ |
工期 | 3週間程度 |
工法 | 熱工法 トーチ工法 常温工法 |
防水工事の費用相場|工法別
戸建てなどの家屋に施す防水工事は、ウレタン防水・シート防水・FRP防水が多いです。
防水工事の値段は工事の種類・工法・資材によって変わります。
以下の表はウレタン防水・シート防水・FRP防水の工法別にまとめた費用相場です。
防水工事の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法) | 約5,500~6,500円/㎡ | 13~15年程度 |
ウレタン防水密着工法 | 約4,500~5,500円/㎡ | 2~5年程度 |
塩ビシート防水機械的固定工法 | 約5,500~7,500円/㎡ | 15年~20年程度 |
塩ビシート防水密着工法 | 約4,000~5,000円/㎡ | 10年~15年程度 |
ゴムシート防水 | 約4,000~5,000円/㎡ | 10年~15年程度 |
FRP防水 | 約5,000~7,000円/㎡ | 10~15年程度 |
一戸建て住宅のベランダ防水工事の費用
一戸建ての防水工事を検討されている方の中には、ベランダの施工を検討しているという方が多いのではないでしょうか。
一般的なベランダの防水工事には、ウレタン防水やFRP防水が選ばれる場合が多く、費用は1㎡あたり2,500円〜7,000円程度が相場です。
どういったグレードの資材や塗料を使用するかによって費用が大きく変わってきます。
また防水工事に伴い、下地の補修や洗浄、既存防水層の撤去などの費用がかかる可能性が高く、全体としては8万円〜15万円程度かかるのが一般的です。
下地の状態が悪い場合やドレンが破損している場合など、費用がさらに高くなってしまう場合もありますので、相見積もりをとって相場の価格を確認してから依頼するといいでしょう。
広めのバルコニーではシート防水を選択される場合もあります。
シート防水であれば2,100円〜7,500円/㎡の防水工事にプラスして、既存シートの撤去などの費用がかかってきます。
一戸建て住宅の屋根・屋上防水工事の費用
陸屋根や屋上はスペースを有効に活用でき、デザイン製にも優れていることから、一戸建ての住宅にも採用されることが増えています。
屋上や陸屋根の防水機能は、非常に重要なため、防水工事を検討されている方も多いのではないでしょうか。
屋上の防水工事にかかる値段は、施工方法によって変わってきます。
例えば50㎡程度の屋上の場合、下記の通り15万円〜40万円ほどかかるのが一般的です。
工法 | 費用相場 | 耐用年数 |
ウレタン防水 | 20〜35万円 | 約10〜13年 |
FRP防水 | 30〜40万円 | 約10〜15年 |
シート防水 | 15万円〜30万円 | 約12〜15年 |
屋上・屋根を防水加工する際の注意点
屋上や屋根の防水工事を検討する場合、間違いやすいのが依頼先です。
雨漏りや屋根の破損が見つかり防水工事を検討する場合には、防水工事業者ではなく屋根修理の業者に依頼しなければなりません。
防水工事業者は防水工事に関しては知識が豊富ですが、雨漏り等への対応は難しい場合も少なくありません。
すでに損傷がみられたり、雨漏りがあったりする場合には、屋根の構造に詳しい屋根修理業者にまずは修繕を依頼しましょう。
中には両方に対応している業者もありますが、一般的には修繕をした上で改めて防水工事業者に施工を依頼することになります。
防水工事が必要な時期
ここまでお話しした通り、防水効果は年々下がっていきます。
どのタイミングで防水工事を行うのが最適なのでしょうか。
劣化症状が出ているとき
明らかな劣化が見られる場合には、早急に防水工事を検討することをおすすめします。
下記のような症状を見つけた場合には、かなり防水性のが下がっていることが予想されます。
すぐに専門家に相談するようにしましょう。
- 防水層のひび割れ
- 水が溜まっている
- 雑草が生えている
- 防水層やトップコートの色褪せ
- 剥がれ・破れ
- 防水層の膨れ
補修周期
防水工事には一般的な耐用年数があります。
それをもとに、次回の防水工事の時期を計画しておくというのもいいでしょう。
上記に挙げたような劣化が目視できなかったとしても、確実に劣化が進んでいることは間違いないため、早めのメンテナンスで大規模な工事をさけることができ、結果として建物寿命を伸ばすことに繋がります。
戸建て(家屋)の防水工事|施工実例一部
東京都豊島区N様邸|屋上防水工事
工事内容
屋上防水(ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法))
東京都新宿区K様邸|屋上防水工事
工事内容
屋上防水(ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法))
東京都江戸川区N様邸|屋上防水工事
工事内容
屋上防水(ウレタン防水密着工法)
東京都豊島区S様邸|防水工事
工事内容
- 屋上防水(ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法))
- バルコニー(ウレタン防水密着工法)
- 庇(ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法))
東京都杉並区Y様邸|防水工事
工事内容
- 屋上防水(ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法))
- バルコニー(ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法))
一戸建て防水工事の業者を選ぶコツ
防水工事は専門的な知識が必要で、工務店や塗装会社などが簡単にできるものではありません。
失敗を防ぐためにも、優良な業者を選定することが大切です。
一戸建て住宅の防水工事において、業者を選ぶ際には下記のような点に注意して検討すると良いでしょう。
- 地元での評判がいい
- 一戸建て住宅の防水工事の実績が豊富
- 点検や事前調査を入念にしてくれる
- 価格が妥当
あまりに安すぎる業者は、手抜き工事を行う可能性もありますので注意が必要です。
一戸建ての防水工事は、施工範囲が狭く大型の機器が使用できなかったり、近隣住民への配慮が必要だったりするため、大型のビルやマンションの工事とは別の心配りが必要となるでしょう。
実績確認の際には、一戸建て住宅の防水工事実績を確認しておくと安心です。
防水工事でよくある質問
Q
防水工事の種類にはどんなものがありますか?
A
主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。
Q
防水工事の費用はどのくらいかかりますか?
A
工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。
Q
工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。
Q
工事中の生活にどんな影響がありますか?
A
騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。
Q
防水工事のタイミングはいつが良いですか?
A
一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。
まとめ
一戸建てにおける防水工事についてまとめると、
- 一戸建ての防水工事の費用相場は23〜55万円程度
- ベランダだけの場合は、8万円〜15万円程度
- 屋上のみの場合は、15〜40万円程度
- 一戸建ての防水工事は、建物を水から守るために必要不可欠
- 劣化を確認した場合には早急に行う必要がある
- 耐用年数に応じて計画的に防水工事を行なっていくと、早めのメンテナンスで建物寿命を伸ばせる
となります。
マンションやビルの屋上に行うものだと思われていることが多い防水工事ですが、一戸建て住宅においてもとても重要な工事となります。
定期的な防水工事で大切な住宅を水から防ぐようにしましょう。