
新宿区のマンション防水工事|費用相場・工法・助成金をわかりやすく解説
2025/10/02
新宿区は高層ビル群と住宅街が混在し、築30年以上を経過したマンションも多く存在しています。ゲリラ豪雨や台風、夏の高温多湿といった厳しい気候条件の影響を受けやすく、防水工事は資産価値を守るうえで欠かせません。本記事では、新宿区のマンション防水工事について、代表的な工法や費用相場、助成金制度の活用方法までをわかりやすく解説します。これから工事を検討する管理組合やオーナーの方は参考にしてください。
目次
新宿区のマンションと防水工事の重要性
新宿区は東京都の中心部に位置し、超高層ビル群と住宅街が入り混じる都市です。区内には築浅のタワーマンションから築30年以上の中規模マンションまで幅広い建物が存在します。そのため、防水工事の必要性や内容は建物の築年数や立地環境によって大きく異なります。
特に新宿区はゲリラ豪雨や台風、夏の猛暑といった気候リスクが大きく、屋上やバルコニーなどの防水層にダメージが蓄積しやすい地域です。防水不良を放置すると雨漏りや共用部分の劣化が進行し、住民トラブルや資産価値の低下につながります。
ここでは、新宿区でのマンション防水工事がなぜ重要なのか、その背景を具体的に見ていきましょう。
新宿区におけるマンション防水工事が必要な理由
新宿区は都市部ならではの特徴を持ち、防水工事の必要性が特に高いエリアといえます。
- 気候特性による劣化リスク
新宿区はヒートアイランド現象の影響で夏は高温多湿になりやすく、防水層の膨張やひび割れが生じやすい環境です。加えてゲリラ豪雨や台風時の豪雨で屋上やベランダは大量の雨水を受けます。排水が追いつかないと浸水リスクも高まります。 - 築年数が進んだ物件の増加
1970年代〜90年代に建設されたマンションが多く、既存の防水層が寿命を迎えているケースが目立ちます。経年劣化で防水層が硬化・剥離し、雨漏りが発生しやすい状況にあるのです。 - 放置による資産価値低下
防水不良を放置すると、コンクリートの中性化や鉄筋の腐食が進み、大規模修繕工事の前倒しが必要になります。修繕費が高額化するだけでなく、マンションの資産価値を大きく損なう結果につながります。
新宿区で採用されるマンション防水工事の主な工法と特徴
新宿区で採用される防水工事にはいくつかの工法があり、それぞれに特徴や費用、耐用年数が異なります。区内のマンションは屋上・ルーフバルコニー・共用廊下など施工箇所も多様で、工法選びが非常に重要です。
ウレタン防水
液状のウレタンを塗布し、防水層を形成する工法です。複雑な形状や細部まで施工しやすいため、区内の多様なマンションに広く採用されています。
- 費用相場:1㎡あたり約4,000〜7,000円
- 耐用年数:10〜12年
- メリット:柔軟性が高く、継ぎ目のない仕上がりが可能
シート防水
塩ビやゴムのシートを貼り付けて施工する工法です。屋上や大規模な平面に適しており、耐久性が高いのが特徴です。
- 費用相場:1㎡あたり約5,000〜8,000円
- 耐用年数:12〜15年
- メリット:耐候性に優れ、長期間安定した防水効果が期待できる
FRP防水
ガラス繊維と樹脂を組み合わせて硬化させる工法で、バルコニーや小規模な施工に向いています。
- 費用相場:1㎡あたり約6,000〜9,000円
- 耐用年数:10年前後
- メリット:強度が高く、耐摩耗性に優れる
アスファルト防水
溶解したアスファルトを積層して防水層を作る工法です。歴史が長く、屋上全体の大規模工事に適しています。
- 費用相場:1㎡あたり約6,000〜10,000円
- 耐用年数:15〜20年
- メリット:耐久性に優れ、長期的に安心できる
工法選びの際は、建物の築年数・形状・予算・耐久性を総合的に判断することが大切です。
実録!新東亜工業の施工事例|4階建てマンションの屋上防水工事
今回ご紹介するのは、東京都北区にある4階建てマンションの屋上防水工事の事例です。1階がテナントとなっており、突発的な雨漏りが発生したことから、オーナー様より「すぐに対応してほしい」とのご依頼をいただきました。調査の結果、過去の塗装による不具合が原因と判明し、通気緩衝工法と改修用ドレンを組み合わせた工法で、的確な修繕を実施しました。今回は、その一連の流れをリアルな会話形式でご紹介します。
大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容
お電話にて、オーナー様よりお問い合わせをいただいたのが工事の始まりでした。
お客様:「屋上防水の見積もりをお願いしたいんですが、雨漏りしていて急ぎ対応してほしいです」
担当者:「承知しました。現地を確認した上で、最適な対応をご提案いたします」
急を要するご依頼であったため、受付から担当者への引き継ぎも迅速に対応しました。
工事の概要|工事金額と施工期間
現地調査とヒアリングを経て、防水工事に特化したプランでご契約いただきました。

屋上防水工事 施工前

屋上防水工事 施工後
工事項目 | 内容・概要 |
---|---|
屋上ウレタン防水(通気緩衝工法) | 下地の湿気を逃がしつつウレタン防水層を形成する工法。膨れ防止に有効。 |
改修用ドレン取付 | 排水機能の強化・補修のために既存ドレンを改修用の製品に交換・取付。 |
脱気筒設置 | 下地の湿気や水蒸気を逃がすための筒状の装置。防水層の膨れや浮きを防止。 |
工事金額:105万円
施工期間:8日間
お客様:「他社と比較しても説明が一番丁寧で、工事内容も納得できました。今回は防水工事だけでお願いします」
担当者:「承知しました。今後、外壁のご相談もお待ちしております」
現地調査で判明した劣化症状
屋上には、以前ペンキを塗った履歴があり、密着性に問題があることが判明しました。
担当者:「本来ウレタン防水の上からペンキを塗るのはNGです。今回は通気緩衝工法で絶縁処理をして対応します」
お客様:「そうなんですね…。素人判断でやったのが裏目に出ちゃいました」
担当者:「大丈夫です。改修用ドレンも設置して、雨水が確実に排水されるようにします」
さらに屋上の一部は塩ビシート防水が施されており、異なる素材にも柔軟に対応する必要がありました。
担当者:「上部は塩ビシートの機械固定工法ですね。通気緩衝工法でまとめて対応可能です」
お客様:「なるほど、材料が違っても一体的に工事できるんですね」
施工中のやり取りと配慮
工事初日には電源トラブルが発生したものの、迅速な対応で工期に影響は出ませんでした。
担当者:「電気が使えないので発電機を用意しました。洗浄作業は予定通り進めます」
お客様:「ご対応ありがとうございます。助かります」
防水層のトップコートの色決めも、現場でしっかり打ち合わせを行いました。
担当者:「ブラウン系の色見本はこちらになります」
お客様:「この色でお願いします」
さらに、キーボックス設置・水道電気の使用確認・資材置き場の相談など、細かい点まで丁寧に調整して施工が進みました。
引き渡し時のご感想
最終検査後、オーナー様よりうれしいお声をいただきました。
お客様:「非常に綺麗に仕上がっていて感動しました!また外壁のタイミングでお願いします」
担当者:「そう言っていただけて光栄です。今後ともよろしくお願いいたします」
突発的なトラブルから始まった今回の工事でしたが、早期対応・明確な提案・柔軟な現場運営により、無事お引き渡しとなりました。信頼をいただけたことが、何よりの成果です。
工法別比較表(新宿区マンション防水工事)
工法 | 費用相場(1㎡あたり) | 耐用年数 | 主な適用箇所 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ウレタン防水 | 4,000〜7,000円 | 10〜12年 | 屋上・バルコニー全般 | 複雑な形状に対応可能 |
シート防水 | 5,000〜8,000円 | 12〜15年 | 屋上・大規模平面 | 耐久性が高く長持ち |
FRP防水 | 6,000〜9,000円 | 約10年 | バルコニー・小規模部位 | 強度・耐摩耗性に優れる |
アスファルト防水 | 6,000〜10,000円 | 15〜20年 | 大規模屋上全体 | 長期耐久性が高い |
新宿区における防水工事の費用と工期
新宿区のマンション防水工事は、建物の規模や施工面積、劣化状況によって費用と工期が大きく変わります。特に屋上やバルコニーなど共用部分は工事範囲が広く、工法選択によっても相場が異なります。ここでは目安となる費用と工期を整理します。
- 屋上防水工事:100㎡規模で60〜80万円前後
- バルコニー防水:1戸あたり10〜20万円程度
- 工期の目安:
- 部分補修なら1〜3日程度
- 屋上やバルコニー全面改修の場合は1〜2週間程度
部分的な補修に比べ、全面改修は初期費用がかかるものの長期的に見れば再施工までのスパンを延ばせるため、トータルコストの削減につながります。
マンション防水工事で新宿区で利用できる補助金・助成金
防水工事の費用負担を軽減するには、東京都や新宿区の補助制度を賢く活用することが重要です。ここでは代表的な制度を紹介します。
- 東京都の省エネ改修補助
屋上防水と断熱改修を組み合わせる工事が対象。工事費の1/3程度を補助(上限あり)。特に屋上断熱と一体的に行う防水工事で適用されやすいのが特徴です。 - 新宿区の耐震改修助成
耐震補強工事と同時に実施する防水工事が補助対象となる場合があります。建物の耐震性を高める工事と組み合わせることで、資産価値維持に加えて費用負担を軽減できます。 - 注意点
補助制度は年度ごとに条件や枠が変更されます。必ず「申請は着工前に行う」ことが原則であり、申請を忘れると補助が受けられないため注意が必要です。
参考・引用:東京都マンションポータルサイト
新宿区でマンション防水工事業者を選ぶ際のポイント
新宿区での防水工事を成功させるには、信頼できる業者選びが不可欠です。施工品質やアフターサポートが不十分だと、数年で不具合が再発してしまうケースもあります。業者を選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。
- 地域実績を確認
新宿区内での施工経験があるかどうかは重要です。地域特性を理解している業者は、適切な工法選択や近隣対応に優れています。 - 相見積もりを取る
2〜3社から見積もりを取り、工事内容や単価を比較することで適正価格を見極められます。極端に安い見積もりは手抜き工事のリスクがあるため注意が必要です。 - 保証とアフターサービス
防水工事は施工後の維持管理が重要です。10年以上の保証があるか、定期点検や不具合対応が明記されているかを必ず確認しましょう。
新宿区でマンション防水工事を検討する際のよくある質問(FAQ)
新宿区でマンション防水工事を検討する際に、多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1:防水工事は何年ごとに必要ですか?
A:一般的に10〜15年ごとが目安です。ただし新宿区の気候環境や建物条件によっては早めの改修が必要になる場合もあります。
Q2:工事中は住民は普段どおり生活できますか?
A:室内工事はほとんどなく、共用部分の施工が中心のため、日常生活に大きな支障はありません。ただし足場の設置や一時的な騒音・振動は発生します。
Q3:雨漏りが発生してからでも工事は間に合いますか?
A:部分補修で対応可能ですが、根本的な解決には全面改修が必要なケースもあります。雨漏り発生前の予防的施工が理想的です。
Q4:新宿区の補助金は誰でも利用できますか?
A:すべての工事が対象ではなく、省エネや耐震改修とセットになった工事が条件です。対象条件を事前に確認しましょう。
Q5:工事費用は管理組合と区分所有者どちらが負担しますか?
A:屋上や外壁、バルコニー床など共用部分は管理組合の負担、専有部分に関しては各区分所有者の負担となります。
Q6:業者選びで失敗しないためのコツは?
A:相見積もりの取得、施工実績の確認、保証内容の比較が不可欠です。特に新宿区での施工実績がある業者を選ぶと安心です。
新宿区のマンション防水工事についてのまとめ
新宿区はマンションが多く立地し、気候条件や築年数の関係から防水工事の需要が非常に高いエリアです。工法ごとの特徴や費用相場を把握し、補助金制度を活用することで費用負担を抑えながら計画的に工事を進められます。
また、防水工事は施工後の保証や点検体制が重要です。信頼できる業者を選び、長期的に安心できる住環境を維持しましょう。結果として、資産価値の維持・向上にも大きな効果をもたらします。