NHK衛星契約とは?受信料や対象になる人から金額を押さえる方法を紹介
2025/10/29
NHKの受信料には「地上契約」と「衛星契約」の2種類があります。
なかでも、衛星契約は料金が高く設定されているため、「自分は本当に衛星契約が必要なのか?」「知らないうちに契約していたかもしれない」と疑問を持つ方が少なくありません。
NHK衛星契約は、BS放送が受信できる環境にある世帯にのみ義務が発生する仕組みになっています。
この記事では、NHK衛星契約の基礎知識から、必要な人・不要な人の違い、料金・支払い方法、そして誤って契約しているケースの見直し方法までを詳しく解説します。
無駄な受信料を払わずに済むよう、正しい情報を知っておきましょう。
目次
NHKの受信料は「公平な放送」を支えるための制度
NHKは放送法によって設立された公共放送であり、政治的・商業的な影響を受けない中立性を保つことが求められています。
そのため、受信料はNHKの活動を支える重要な資金源です。
受信料は、ニュース番組や教育番組、防災情報の発信など、生活に密接に関わる番組制作に活用されています。
NHKの衛星契約もこの制度の一環であり、衛星放送(BS放送)を受信できる世帯は、地上契約よりも広範囲の番組を視聴できる分、契約区分が異なります。
受信機を設置した時点で契約義務が発生するため、テレビを購入した段階で契約確認を行うことが大切です。
NHKの受信料には2種類ある
NHKの受信料には「地上契約」と「衛星契約」の2つの種類があります。
契約の区分は、家庭のテレビ環境によって異なります。
BS放送を受信できる環境であれば衛星契約、地上波だけを視聴しているなら地上契約になります。
どちらを選ぶべきかを判断するために、それぞれの内容と料金の違いを見ていきましょう。
地上契約の受信料
地上契約は、NHK総合やEテレなど地上デジタル放送だけを視聴できる環境に適用される契約です。
BS放送を受信できない世帯が対象となり、契約区分の中では最も一般的です。
料金は月額1,100円程度(口座・クレジット払い)となっており、年間では約13,000円です。
NHKの地上契約では、国内ニュースや地域情報、教育番組などが視聴できます。
もしBS放送を受信できないテレビのみを設置している場合は、この契約で問題ありません。
衛星契約の受信料
NHKの衛星契約は、BSアンテナやBSチューナーを通じてNHKのBS放送(BS1・BSプレミアムなど)を受信できる場合に必要な契約です。
BS放送ではスポーツ中継やドキュメンタリー、映画など幅広いコンテンツが放送されています。
衛星契約の月額料金は約2,000円(口座・クレカ払い)で、年間では約22,000円ほどと地上契約よりも高く設定されています。
衛星契約を結ぶかどうかは「BSが映るかどうか」が判断基準であり、受信可能な環境にある世帯のみ契約義務が生じます。
受信料の比較表
| 契約種別 | 月額料金(口座・クレカ払い) | 年額料金 | 主な対象世帯 |
|---|---|---|---|
| 地上契約 | 約1,100円 | 約13,000円 | 地デジ専用テレビのみ設置している世帯 |
| 衛星契約 | 約2,000円 | 約22,000円 | BS放送が視聴できる環境の世帯 |
このように、NHK衛星契約は地上契約よりも料金が高い分、受信できるチャンネルや番組の幅が広いのが特徴です。
※料金は目安としての金額を記載しています。正確な料金についてはホームページなどでご確認ください。※
参考元:NHK受信料の窓口「NHKの料金」
衛星契約が必要になるのはどんな場合?
「自宅は衛星契約を結ぶ必要があるのだろうか?」と迷う人は多いものです。
NHKの衛星契約は、単にテレビを所有しているだけで自動的に義務が発生するものではありません。
契約が必要になるのは、“NHKのBS放送を実際に受信できる環境にあるかどうか”です。
つまり、テレビや録画機器、アンテナなどの設備によって契約内容が変わります。
ここでは、衛星契約が必要なケース・不要なケース・誤契約を防ぐためのチェックポイントを詳しく見ていきましょう。
衛星放送が視聴できる設備を持っている場合
NHK衛星契約が必要になるのは、BS放送が受信できる環境にあるときです。
次のような条件に当てはまる場合は、衛星契約の対象となります。
- BSアンテナを屋外またはベランダに設置している
- BSチューナー付きのテレビ、または録画機器を使用している
- ケーブルテレビや光回線経由でNHK BS放送が視聴できる
- NHK BS1・BSプレミアム・BS4Kチャンネルの映像が表示される
これらの環境では、NHK BS放送の受信が可能なため、放送法第64条に基づき衛星契約を締結する義務が発生します。
たとえBS放送を積極的に視聴していなくても、「受信できる状態」にあるだけで契約対象とみなされます。
そのため、設備を導入する前に必ず受信状況を確認しておくことが大切です。
参考元:e-GOV法令検索「放送法」
地デジ専用テレビしかない場合は衛星契約は不要
一方で、BSアンテナやチューナーを持たず、地上デジタル放送のみを視聴している場合は、衛星契約の義務はありません。
NHK総合やEテレといった地上波だけが映る環境では「地上契約」で十分です。
また、次のようなケースも衛星契約不要です。
- テレビはあるが、アンテナが設置されていない
- BSチャンネルを選んでも「信号がありません」と表示される
- ケーブルテレビ契約があっても、NHK BSを受信しないプランを選択している
誤って衛星契約を結んでしまうと、年間1万円以上の余分な受信料を払うことになります。
新しいテレビを購入した際や引っ越しのタイミングで、自宅の受信環境を再確認することをおすすめします。
受信料を軽減できる割引制度もある
NHK衛星契約を結ぶ場合でも、条件によっては受信料の割引や免除を受けられる制度が用意されています。
制度を活用することで、年間の負担を大きく軽減できます。
- 学生・単身赴任者の割引制度:一時的な別居世帯として、親元などにすでにNHK契約がある場合は減免が可能。証明書提出で手続き完了。
- 障がい者・生活保護世帯の免除制度:自治体が発行する証明書を提出すれば、地上契約・衛星契約ともに全額免除される場合あり。
- クレジットカード払いや口座振替による割引:自動引き落としで年最大260円の割引を受けられ、支払い忘れも防止できる。
また、年払いを選択することで2か月分相当の割引を受けられるなど、支払い方法を工夫するだけでも節約になります。
生活スタイルや契約内容に合わせて、無理のない支払い方法を選びましょう。
参考元:NHK受信料の窓口「割引の制度」
誤って衛星契約しているケースもある
NHK衛星契約の中には、実際にはBS放送を受信していないにもかかわらず、誤って契約しているケースも見られます。
こうした誤契約は、契約時の説明不足や確認ミスによって発生することが多く、気付かないまま高い受信料を支払っている人もいます。
ここでは、よくある誤契約の原因と、不要な衛星契約を解約・変更する手順について解説します。
集金担当者が環境を確認していないケースも
NHKの集金担当者や委託業者は、契約時に「BS放送が映るかどうか」をその場で確認しない場合があります。
そのため、実際には地デジ専用テレビしかない家庭でも、BSチューナー付きテレビを持っているという理由だけで衛星契約を勧められるケースがあるのです。
よくある誤契約の例としては、以下のようなものがあります。
- BSチューナー付きテレビを購入しただけで自動的に衛星契約にされた
- ケーブルテレビの導入時に、NHK衛星契約がセットで追加されていた
- 集金人の説明を十分に理解せず、衛星契約にサインしてしまった
もし、これらに心当たりがある場合は、すぐに契約内容を確認し、必要に応じて契約変更を申し出ましょう。
衛星契約を解除・変更する手続き
不要な衛星契約を解約・変更するためには、以下の手順を踏む必要があります。
- NHKふれあいセンターに連絡する
衛星放送が受信できないことを伝え、契約変更を希望します。 - 書面で契約変更の申請を行う
申請書はNHKから郵送されるため、必要事項を記入し返送します。 - アンテナ撤去の証明を提出する場合がある
BSアンテナを撤去した場合は、撤去後の写真を証拠として提出します。 - 変更完了通知を受け取る
契約内容の変更が承認されると、確認書が送付されます。
衛星契約を地上契約に変更する場合、翌月からの請求額が減額されることが一般的です。
放置してしまうと、不要な受信料を払い続けることになるため、気づいた時点で早めに対応することが大切です。
またNHKでは、契約解除・変更の際に「視聴環境の証明」を求める場合があります。
BS放送が映らないことを確認できる写真や証明資料を事前に準備しておくと手続きがスムーズです。
NHKの衛星契約に関するよくある質問【FAQ】
NHK衛星契約に関しては、「契約が本当に必要なのか」「解約はできるのか」など、疑問を持つ人が多くいます。
ここでは、よくある質問とその答えをまとめて紹介します。
Q1. NHK衛星契約は必ず結ばなければいけないの?
NHKのBS放送が視聴できる環境にある場合は、契約義務があります。
たとえば、BSアンテナを設置していたり、ケーブル経由でBS放送を受信できる状態であれば、視聴していなくても契約が必要です。
逆に、BS放送がまったく映らない環境、アンテナやチューナーが存在しない場合は、衛星契約を結ぶ必要はありません。
自宅のテレビがBSボタンを押しても「信号がありません」と表示される場合は、地上契約のままで問題ありません。
Q2. BSチューナー付きテレビを買っただけでも契約が必要?
いいえ。BSチューナーが内蔵されていても、アンテナやケーブルがなければBS放送を受信できません。
つまり、BSが映らない状態であれば契約の義務は発生しません。
家電量販店などでは「BS対応」と書かれているテレビが多いですが、実際にアンテナがつながっていなければ受信できません。
購入時点では衛星契約の対象にならないため、焦って契約しないよう注意が必要です。
Q3. 衛星契約を解約したいときの手続きは?
NHKふれあいセンターに連絡し、「BS放送が映らない」旨を伝えます。
その後、書面で契約変更を申請し、必要に応じてアンテナ撤去の証明を提出します。
場合によっては、写真や工事業者の撤去証明書が求められることがあります。
電話だけでは完了しないため、書類を返送して正式に変更を確定させましょう。
契約変更が承認されると、翌月からの料金が自動的に地上契約分へ切り替わります。
Q4. 一度衛星契約を結んだら、もう解約できない?
いいえ。BS視聴環境がなくなった場合は、地上契約に変更することが可能です。
変更手続きには、視聴環境がないことを証明する写真や説明が求められる場合がありますが、条件を満たしていれば問題なく承認されます。
また、一時的にアンテナを取り外しただけでは手続きが受理されない場合もあるため、撤去後の状態を明確に記録しておくことが大切です。
変更完了後は、翌月から地上契約料金での支払いに切り替わります。
Q5. 衛星契約の割引・免除制度はある?
学生、単身赴任、障がい者世帯などは割引や免除の対象です。
たとえば、下宿先や寮で生活している学生は「家族割引制度」により受信料が免除されることがあります。
単身赴任の場合も、家族の居住地で契約がある場合には追加契約を免除できるケースがあります。
障がい者世帯や生活保護受給者は、自治体の発行する証明書を提出することで全額免除が認められることもあります。
条件や申請方法はNHK公式サイトに掲載されているので、必ず確認しましょう。
まとめ|NHK衛星契約は「BSが映るかどうか」で判断を
NHK衛星契約が必要かどうかは、実際にBS放送が受信できるかどうかがポイントです。
誤契約や過払いを防ぐためにも、定期的に契約内容を見直しましょう。
要点まとめ
- BSが映る場合のみ衛星契約が必要
- 地デジ専用テレビなら地上契約でOK
- 誤って衛星契約している場合はNHKに相談
- 支払い方法を工夫すれば受信料を節約可能
- 年払い・口座振替で割引を受けられる
NHK衛星契約は、放送法に基づく義務とはいえ、受信環境に応じて正しく契約することが重要です。
不要な契約を続けてしまうと、年間で1万円以上の無駄な支出になることもあります。
まずは自宅の受信環境を確認し、契約内容を見直すところから始めましょう。