品川区の大規模修繕工事完全ガイド|費用相場から助成金活用まで徹底解説
2025/08/01
品川区でマンションや建物の大規模修繕工事をお考えの皆様へ。
品川区は東京23区の中でも再開発が進み、海沿いのタワーマンションから住宅街の中低層マンションまで多様な建物が存在します。
それぞれの建物に最適な修繕計画を立てることで、資産価値の維持・向上につながります。助成金を活用すれば最大100万円の補助が受けられるケースもあり、経済的負担を大幅に軽減できます。
適切な時期に適切な工事を実施することで、建物の長寿命化と住環境の改善を実現しましょう。
本記事では、品川区特有の立地環境に合わせた大規模修繕の進め方、最新の費用相場、2025年度に利用できる助成金制度まで、専門家の視点から詳しく解説します。
この記事で分かること
- 品川区における大規模修繕の基本知識と重要性
- 2025年度最新の費用相場と工事項目別の内訳
- 品川区・東京都・国が提供する助成金制度の詳細
- 最適な実施時期と工事の進め方
- 信頼できる業者の選び方とトラブル回避のポイント
- 品川区特有のよくある質問と解決策
目次
品川区における大規模修繕とは?
品川区で建物の長期的な価値を守るためには、計画的な大規模修繕工事が不可欠です。
東京湾に面した立地特性や都心部ならではの環境条件を考慮した修繕計画により、建物の安全性と快適性を維持できます。
大規模修繕の定義と対象工事
大規模修繕工事とは、建物の経年劣化に対応し、機能性・安全性・美観を回復させるための包括的な改修工事です。
一般的に12~15年周期で実施され、建物全体の長寿命化を図ります。
主な対象工事項目
| 工事項目 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 外壁塗装・補修 | ひび割れ補修、塗装、タイル補修 | 防水性確保、美観維持 |
| 屋上防水工事 | 防水層の張り替え、ドレン清掃 | 漏水防止、建物保護 |
| 鉄部塗装 | 階段、手すり、扉などの塗装 | 錆防止、安全性確保 |
| 給排水管更新 | 配管の交換・更新 | 水漏れ防止、衛生環境改善 |
| バルコニー防水 | 防水層の補修・更新 | 漏水防止、劣化抑制 |
| 共用部改修 | エントランス、廊下の改修 | 資産価値向上、快適性向上 |
これらの工事は単独ではなく、建物の状態に応じて複数を組み合わせて実施することで、工期の短縮とコスト削減が可能になります。
特に足場を使用する工事は同時期にまとめることで、足場設置費用(工事費の15~20%程度)を効率化できます。
大規模修繕工事を行うメリット
計画的な大規模修繕工事の実施には、建物所有者と居住者の双方に多くのメリットがあります。
- 建物の資産価値維持・向上:適切な修繕により市場価値の低下を防ぎ、売却時や賃貸時の競争力を維持
- 安全性の確保:外壁の剥落防止、防水性能の回復により、居住者や通行人の安全を守る
- 居住環境の改善:断熱性能向上、防音性能改善により快適な生活空間を実現
- 建物寿命の延長:定期的なメンテナンスで構造躯体の劣化を抑制し、建物の長寿命化を実現
- 経済的負担の分散:計画的な修繕により、突発的な高額修繕を回避し、費用を平準化
- エネルギー効率の向上:断熱改修により冷暖房費を削減し、環境負荷も低減
特に品川区のマンション市場では、適切に修繕されている物件とそうでない物件で、取引価格に10~15%程度の差が出るケースもあります。
長期的な視点で見れば、大規模修繕への投資は確実にリターンを生む重要な施策です。
品川区で大規模修繕工事が重要な理由|立地特性と建物環境
品川区は東京23区の南部に位置し、独特の立地環境が大規模修繕工事の計画に影響を与えます。
| 特性 | 影響 | 必要な対策 |
|---|---|---|
| 臨海部エリア | 塩害による金属部分の腐食促進 | 防錆対策の強化、塗装周期の短縮 |
| 交通の要衝 | 排気ガスによる外壁汚損 | 汚れにくい塗料の選定、定期清掃 |
| 再開発地域 | タワーマンション特有の風圧 | 高強度防水材の使用、定期点検 |
| 住宅密集地 | 近隣への配慮が必要 | 騒音・粉塵対策、工程調整 |
品川区では、五反田・大崎・大井町などの駅周辺で再開発が進み、新旧のマンションが混在しています。
築30年以上の中低層マンションも多く、これらの建物では2回目、3回目の大規模修繕工事が必要な時期を迎えています。
特に東品川・天王洲アイル周辺の臨海エリアでは、海風による塩害対策が重要であり、内陸部とは異なる修繕計画が求められます。
品川区の大規模修繕にかかる費用相場
2025年現在、品川区における大規模修繕工事の費用相場は、全国平均と比較してやや高めの傾向にあります。
これは都心部特有の施工条件や人件費の高さが影響しています。
品川区の大規模修繕費用相場(戸数あたり)
| マンション規模 | 戸数 | 1戸あたり費用 | 総工事費目安 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 10~20戸 | 100~130万円 | 1,000~2,600万円 |
| 中規模 | 30~50戸 | 90~120万円 | 2,700~6,000万円 |
| 大規模 | 100戸以上 | 80~110万円 | 8,000万~1.1億円 |
| タワーマンション | 200戸以上 | 100~150万円 | 2億円~ |
工事項目別の費用内訳
| 工事項目 | 費用割合 | 50戸マンション(総額5,000万円の場合) |
|---|---|---|
| 仮設工事(足場等) | 15~20% | 750~1,000万円 |
| 外壁塗装・補修 | 25~30% | 1,250~1,500万円 |
| 防水工事 | 20~25% | 1,000~1,250万円 |
| 鉄部塗装 | 8~12% | 400~600万円 |
| 給排水管工事 | 15~20% | 750~1,000万円 |
| その他・諸経費 | 10~15% | 500~750万円 |
建築資材費の高騰と職人不足による人件費上昇により、2020年比で約15~20%のコスト増加が見られます。
特に鉄骨・塗料・防水材などの価格上昇が顕著です。
品川区では立地条件により搬入経路が限られる場合や、作業時間に制約があるケースも多く、これらが追加コストとなる可能性があります。
早期の計画と複数業者からの見積もり取得により、適正価格での施工が可能になります。
また、助成金制度を活用することで実質的な負担を軽減できるため、次章で詳しくご紹介します。
品川区で利用できる助成金・補助金制度【2025年度】
品川区で大規模修繕工事を実施する際、条件に合致すれば各種助成金・補助金制度を活用できます。
計画段階から制度の適用可能性を確認し、申請準備を進めることで、大幅なコスト削減が可能です。
品川区内の建物に利用できる制度
品川区では独自の助成金制度を設けており、区民やマンション管理組合が利用できます。
| 制度名 | 対象者 | 助成内容 | 上限額 | 申請期間 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅改善工事助成事業 | 区民・マンション管理組合 | 工事費用の10% | 区民20万円/管理組合100万円 | 2025年4月1日~2026年1月30日 |
| 耐震改修工事助成 | 昭和56年5月以前着工の建物 | 工事費用の1/2 | 戸建て300万円/共同住宅450万円 | 通年 |
| 耐震診断助成 | 分譲マンション | 診断費用の1/2 | 1,000㎡以上150万円/未満100万円 | 通年 |
住宅改善工事助成事業では、エコ住宅改修(LED照明、断熱化、遮熱性塗装など)やバリアフリー改修(手すり設置、段差解消など)が対象となります。
マンション管理組合が申請する場合、共用部分の工事に対して最大100万円の助成が受けられるため、大規模修繕工事の一部として活用できます。
ただし、工事着工前の申請が必須であり、予算に達し次第終了となるため、早めの相談と申請が重要です。
東京都・国が提供している制度
品川区の助成金に加えて、東京都や国が実施する補助金制度も併用できる場合があります。
| 制度名 | 実施主体 | 対象工事 | 助成内容 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
| マンション長寿命化促進税制 | 国土交通省 | 長寿命化工事(外壁・防水等) | 固定資産税1/6~1/2減額 | 各自治体 |
| 既存住宅省エネ改修補助 | 東京都 | 断熱改修、高効率設備導入 | 工事費の1/3 | クール・ネット東京 |
| 先進的窓リノベ2025事業 | 国(経済産業省・環境省) | 高断熱窓への改修 | 窓サイズに応じて定額補助 | 登録事業者経由 |
| 子育てグリーン住宅改修 | 国土交通省 | 省エネ改修、子育て対応改修 | 最大50万円/戸 | 登録事業者経由 |
東京都のマンション改良工事助成制度では、築20年以上の分譲マンションを対象に、共用部分の改修工事費の一部を補助しています。
ただし、2025年度の詳細な募集要項については、東京都住宅政策本部への確認が必要です。
国の制度は主に省エネ性能向上に特化しており、断熱改修や高効率設備導入が対象となります。
これらの制度は工事内容や建物条件により適用可否が異なるため、専門家や施工業者と相談しながら最適な組み合わせを検討することをおすすめします。
複数の助成金を併用する場合は、各制度の重複制限を確認する必要があります。
品川区における大規模修繕工事の実施時期・周期
大規模修繕工事の成功には、適切なタイミングでの実施が重要です。
品川区の気候特性と建物の劣化状況を考慮した計画が求められます。
実施時期のタイミング|おすすめの季節
品川区で大規模修繕工事を実施する場合、季節ごとの特性を理解し、最適な時期を選択することで工事品質と工期の確保が可能になります。
| 季節 | 適性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 春(3~5月) | ◎最適 | 気候安定、塗装の乾燥良好 | 業者の予約が集中、費用やや高め |
| 夏(6~8月) | △注意 | 乾燥が早い | 梅雨・台風リスク、居住者の負担大 |
| 秋(9~11月) | ◎最適 | 気候安定、作業効率良好 | 業者の予約が集中 |
| 冬(12~2月) | ○可能 | 比較的空いている、費用交渉の余地 | 塗装の乾燥に時間、気温による制約 |
品川区では春(3~5月)と秋(9~11月)が大規模修繕工事に最も適した時期です。
この時期は降雨が比較的少なく、気温も安定しているため、特に外壁塗装や防水工事の品質確保に有利です。
梅雨時期(6~7月)や台風シーズン(9月)は工期遅延のリスクが高く、避けることが望ましいでしょう。
ただし、春と秋は工事の繁忙期でもあり、施工業者の予約が集中します。
1年以上前からの計画と早期の業者選定が重要です。
大規模修繕工事の周期
マンションの大規模修繕工事は、一般的に12~15年周期で実施されますが、回数を重ねるごとに工事内容と費用が変化します。
| 回数 | 築年数 | 主な工事内容 | 1戸あたり費用目安 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 12~15年 | 外壁塗装、屋上防水、鉄部塗装 | 80~110万円 |
| 2回目 | 24~30年 | 上記+給排水管更新、共用部改修 | 100~150万円 |
| 3回目 | 36~45年 | 全面的改修、設備大幅更新 | 120~180万円 |
1回目の大規模修繕では主に表層部分(外壁・防水・塗装)の補修が中心となりますが、2回目以降は給排水管の更新や共用設備の大幅な改修が必要になり、費用も増加します。
品川区の臨海エリアでは塩害の影響により、内陸部よりも早めの周期(10~12年)での実施が推奨されるケースもあります。
建物の劣化状況は立地環境、施工品質、日常のメンテナンス状況によって大きく異なるため、専門家による定期的な建物診断を実施し、最適な修繕周期を判断することが重要です。
新東亜工業の施工事例|東京都板橋区マンション 大規模修繕工事

今回は、東京都板橋区にあるマンションで実施された大規模修繕工事の実例をご紹介します。
※管理組合さま向けマンション大規模修繕の事例です。
ご相談内容

東京都板橋区に所在するマンションにて、建物の経年劣化が進行しており、資産価値維持および安全確保の観点から「大規模修繕工事」をご検討されてました。
建物全体の機能・意匠両面において改修が必要な状態で、理事会・管理組合さまからのご相談でした。
お客様:建物も経年しましたし、外壁タイルの浮きやひび割れ、屋上防水など気になってます。
担当者:はい、まず現地を調査して、劣化状況と優先順位を整理した上でご提案いたします。
現地調査で判明した劣化症状
担当者:タイル浮きや鉄筋爆裂が多数見られます。落下や浸水リスクを考えると、早期の下地補修と塗装工事が必要です。
お客様:なるほど…。安全面も含めてしっかり直したいと思います。
調査の結果、外壁タイル面においてタイルの浮き・剥離・ひび割れ、モルタル面にも鉄筋爆裂が発生していたほか、屋上防水・バルコニー・庇に至るまで防水・塗装・シーリングの劣化が確認されました。
担当者から管理組合へは、優先的に手を入れるべき箇所と費用対策をご提示しました。
施工中のやり取りと配慮
担当者:来週から外壁塗装に入ります。ご質問やご都合があれば、いつでもお声がけください。
お客様:写真付きで報告してくださるので安心して見れました。
着工後は、足場設置・養生からスタート。居住者の動線確保や騒音・振動・粉塵対策にも配慮しながら工程を進めました。
下地補修(浮きタイル貼替、鉄筋処理・ひび割れ補修)を行った後、外壁塗装・鉄部塗装・防水工事・長尺シート貼付と複数工種を並行実施。
居住者説明会・進捗報告・仕上がり確認なども組み込み、お客様との信頼関係を構築しました。
引き渡し時のご感想
お客様:1,840万円を投じた甲斐がありました。改修して本当に良かったです。
担当者:ありがとうございます。今後も長く安心してお住まい頂けるよう、フォローもさせて頂きます。
完了検査および居住者様向けの説明を実施し、管理組合様より「建物全体が生まれ変わったようだ」「美観・機能ともに満足している」と高評価を頂きました。
今後の維持管理にもつながる体制をご案内し、改修後のアフターフォローについてもご説明しました。
工事の概要|工事金額と期間










| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建物種別 | 中高層マンション(複数階数) |
| 所在地 | 東京都板橋区 |
| 工事内容 | ・外壁塗装・タイル貼替・浮き補修 ・屋上・付帯部防水 ・シーリング工事 ・長尺シート施工 等 |
| 工法 | ・モルタル外壁に砂骨仕上げ塗装 ・塗装部位多数 ・下地補修(タイル浮き・鉄筋爆裂・ひび割れ) ・塩ビシート防水/ウレタン防水等併用 |
| 工事金額 | 1,840 万円 (新東亜工業) |
| 工期 | 約2ヶ月(施工期間) (新東亜工業) |
本工事は、建物規模が大きく、劣化箇所も多岐にわたるという難易度の高い案件でした。にもかかわらず、現地調査での的確な診断、管理組合・居住者への配慮、工程管理・品質管理の徹底により、予定どおりに完成へと導きました。
建物の大規模修繕・外壁塗装・防水工事を検討されている方にとって、参考になる実例と言えるでしょう。

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大規模修繕工事の進め方|準備から完了までの流れ
大規模修繕工事を成功させるには、計画段階から完了まで適切なステップを踏むことが重要です。
全体で約1~2年の期間を要するため、早めの着手が求められます。
Step1.建物調査・劣化診断の実施(1~3ヶ月)
専門家による詳細な建物調査を実施し、劣化状況を正確に把握します。
外壁のひび割れ、タイルの浮き、防水層の劣化、鉄部の錆など、目視・打診・赤外線調査などの方法で診断します。
調査結果を基に修繕の優先順位を決定し、長期修繕計画との整合性を確認します。
この段階で建築士や専門コンサルタントの活用も検討しましょう。
Step2.修繕計画の立案と設計(2~4ヶ月)
劣化診断の結果を基に、具体的な修繕計画を策定します。
工事範囲、工法、使用材料、概算費用、工期などを詳細に検討し、設計図書を作成します。
この段階で助成金制度の適用可能性も確認し、必要な書類準備を開始します。
管理組合内で修繕委員会を設置し、専門的知識を持つ理事や外部専門家の協力を得ることで、より適切な計画立案が可能になります。
Step3.施工業者の選定プロセス(2ヶ月)
複数の施工業者(3~5社程度)から見積もりを取得し、価格だけでなく、施工実績、技術力、保証内容、アフターサービスなどを総合的に評価します。
見積書の内容を詳細に比較検討し、不明点は必ず質問して明確化します。
可能であれば業者の施工現場を見学し、職人の技術レベルや現場管理体制を確認することも有効です。
最終的に管理組合の総会決議を経て、施工業者を決定します。
Step4.住民説明会と合意形成のコツ(1~2ヶ月)
工事開始前に住民説明会を複数回開催し、工事内容、スケジュール、生活への影響、安全対策などを丁寧に説明します。
居住者からの質問や不安に真摯に対応し、理解と協力を得ることが円滑な工事進行の鍵となります。
工事中の緊急連絡体制、苦情受付窓口、定期的な進捗報告の方法なども事前に明確化しておきます。
高齢者や在宅勤務者への配慮も忘れずに行いましょう。
Step5.工事実施期間の注意点(3~6ヶ月)
工事期間中は、定期的な工程会議を開催し、進捗状況や品質を確認します。
居住者への定期的な情報提供(掲示板、回覧板、メール等)により、工事への理解と協力を維持します。
騒音・振動・臭気などへの配慮、安全管理の徹底、近隣への挨拶と配慮も重要です。
予期せぬ劣化や追加工事が必要になった場合は、速やかに管理組合と協議し、対応方針を決定します。
Step6.完了検査と引き渡し
工事完了後、施工業者立会いのもと、管理組合による完了検査を実施します。
契約内容通りに施工されているか、仕上がりの品質に問題がないかを細かくチェックします。
不具合や手直しが必要な箇所は指摘し、是正を求めます。
すべての確認が完了したら、保証書、竣工図書、メンテナンス資料などを受け取り、正式に引き渡しを受けます。
工事記録は将来の修繕計画の貴重な資料となるため、適切に保管しましょう。
品川区で信頼できる大規模修繕業者の選び方
大規模修繕工事の成否は、施工業者の選定で大きく左右されます。
品川区で実績のある信頼できる業者を選ぶポイントを解説します。
過去の実績と地域対応力
品川区内での施工実績が豊富な業者は、地域特性を理解しており、臨海部の塩害対策や密集地での施工ノウハウを持っています。
過去の施工事例(写真、竣工報告書など)の提示を求め、類似物件での経験を確認しましょう。
可能であれば過去の施工先マンションへの問い合わせや、現地見学により、実際の仕上がり品質や数年後の状態を確認することも有効です。
施工資格・登録情報の確認
信頼できる業者を見極めるため、以下の資格や登録情報を確認しましょう。
- 建設業許可:都道府県知事または国土交通大臣の許可番号を確認
- 建築士事務所登録:設計を行う場合は必須
- マンション改修技能者:国土交通省認定の専門資格
- 防水施工技能士:防水工事の品質を保証する国家資格
- 一級・二級塗装技能士:塗装工事の技術を証明
- ISO認証:品質管理体制の国際規格認証
- 各種メーカー施工認定:使用材料メーカーからの認定
これらの資格保有者が実際に現場で作業に従事するか、下請け業者の体制も含めて確認することが重要です。
また、業者の財務状況や経営の安定性、保険加入状況(賠償責任保険など)も確認しておくと安心です。
見積書の明確性と透明性
適正な見積書は、工事項目ごとに数量・単価・金額が明確に記載されており、使用材料のメーカー名や品番も具体的に示されています。
「一式」表記が多い見積書は、後々のトラブルの原因となるため注意が必要です。
複数業者の見積書を比較する際は、同じ工事内容で比較できるよう、仕様を統一して依頼しましょう。
極端に安い見積もりは、品質や安全面で問題がある可能性があります。
保証制度とアフターサービス
工事完了後の保証内容は業者選定の重要な判断材料です。
一般的に外壁塗装は5~10年、防水工事は5~10年程度の保証が標準的ですが、使用材料や工法により異なります。
保証書の内容(保証範囲、期間、条件、免責事項など)を事前に確認し、書面で明確化しておきましょう。
定期点検の実施、不具合発生時の対応体制、連絡窓口なども確認します。
業者の事業継続性も重要で、万が一廃業した場合の保証継承についても確認しておくと安心です。
品川区の大規模修繕でよくあるトラブルと対策
大規模修繕工事では様々なトラブルが発生する可能性があります。
事前に想定されるリスクと対策を理解し、適切に対応しましょう。
予算オーバー・修繕積立金の不足
工事開始後に予想外の劣化が発見され、追加工事が必要になるケースがあります。
これを防ぐため、事前の劣化診断を丁寧に行い、隠れた劣化も含めて把握することが重要です。
修繕積立金が不足する場合は、一時金の徴収、借入金の検討、工事の分割実施などの対応策があります。
早い段階から管理組合で議論し、合意形成を図ることで、資金面でのトラブルを回避できます。
また、助成金制度を最大限活用することで、実質負担を軽減する工夫も有効です。
工期遅延・引き渡し日の延長
悪天候、予期せぬ劣化の発見、資材調達の遅れなどにより工期が延長されることがあります。
契約時に「雨天予備日」を設定し、多少の遅延は織り込んでおくことが現実的です。
重要なのは、遅延が発生した際の報告体制と対応方針を事前に明確化しておくことです。
工程表を定期的に更新し、居住者へ最新情報を共有することで、不満や不安を最小限に抑えられます。
著しい遅延が業者の責任による場合は、契約書に基づき違約金などの対応を検討します。
近隣トラブル・住民クレーム
工事中の騒音、振動、粉塵、臭気、作業員の態度などが原因で、居住者や近隣住民からクレームが発生することがあります。
これを防ぐため、工事開始前に丁寧な説明を行い、理解と協力を得ることが最も重要です。
作業時間の厳守(一般的に平日8時~18時、土曜は午前中のみなど)、養生の徹底、定期的な清掃、挨拶の励行など、基本的なマナーを業者に徹底させます。
クレーム受付窓口を設置し、速やかに対応する体制を整えることも効果的です。
品川区の大規模修繕工事に関するよくある質問(FAQ)
品川区特有の環境や条件に関連する、大規模修繕工事についてよくある質問にお答えします。
Q. 臨海エリアのマンションは修繕周期を短くすべきですか?
はい、東品川や天王洲アイル周辺など臨海エリアのマンションでは、海風による塩害の影響を受けやすいため、一般的な12~15年周期よりも短い10~12年周期での修繕が推奨されます。
特に鉄部の錆や塗装の劣化が早く進行するため、定期的な点検と早めの対応が資産価値維持につながります。
防錆性能の高い塗料の選定や、定期的な洗浄メンテナンスも効果的です。
Q. 助成金申請は個人でもできますか、それとも管理組合が必要ですか?
品川区の住宅改善工事助成事業は、区民個人とマンション管理組合の両方が申請可能です。
ただし、マンション共用部分の工事については管理組合からの申請が必要です。
個人申請の場合は上限20万円、管理組合申請の場合は上限100万円と助成額が異なります。
耐震改修助成など一部の制度は管理組合のみが対象となる場合もあるため、事前に品川区の担当窓口で確認することをおすすめします。
Q. 工事中も普通に生活できますか?仮住まいは必要ですか?
ほとんどの大規模修繕工事では、居住しながらの施工が可能です。
仮住まいは基本的に不要ですが、期間中は以下の制約があります。
バルコニーの使用制限(洗濯物干し不可など)、窓の開閉制限、騒音・振動、作業員の視線、駐車場の一部使用制限などです。
特に在宅勤務をされている方や、小さなお子様、高齢者がいる家庭では、一時的に別の場所で過ごすことを検討される場合もあります。
工程表を事前に確認し、生活への影響が大きい期間を把握しておくことで、計画的に対応できます。
まとめ
品川区での大規模修繕工事は、立地特性を理解した計画と、助成金制度の活用により、建物の資産価値を守りながらコストを抑えることが可能です。
- 臨海エリアでは塩害対策が重要、修繕周期を10~12年に短縮することも検討
- 2025年度の費用相場は1戸あたり80~150万円、早期計画でコスト削減が可能
- 品川区の住宅改善工事助成(最大100万円)や耐震改修助成など複数の制度を活用
- 春(3~5月)と秋(9~11月)が最適な施工時期、1年以上前からの計画が重要
- 業者選定では実績・資格・保証内容を総合的に評価し、複数社から見積もり取得
- 住民説明会を丁寧に実施し、合意形成とトラブル予防に注力
- 工事完了後の保証内容と定期点検体制を確認し、長期的な維持管理計画を策定
適切な時期に適切な修繕工事を実施することで、建物は50年、70年と長く安全に使い続けることができます。
品川区の多様な建物環境に対応した修繕計画により、快適な住環境と資産価値の維持を実現しましょう。
不明な点や具体的な相談は、品川区建築課や専門業者に早めに問い合わせることをおすすめします。
東京都品川区で大規模修繕工事を対応しているエリア
私たちは品川区全域で大規模修繕工事に対応しており、地域特性を理解した最適な施工を提供しています。臨海部から内陸部まで、それぞれのエリアに適した工法と材料で、確かな品質をお届けします。
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地域に根ざした実績と信頼で、皆様の大切な建物をお守りします。