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大規模修繕に確認申請は必要か?国土交通省の判断基準を解説

2026/10/24

「マンションの大規模修繕を計画しているが、確認申請は必要なのだろうか?」「外壁塗装や防水工事でも申請がいるのか、よくわからない……」そのようなご不安を抱えている管理組合の理事の方やビル・マンションオーナーの方は、決して少なくありません。

結論からお伝えすると、一般的なマンションの大規模修繕工事では、確認申請が不要なケースがほとんどです。

ただし、工事の内容や建物の規模によっては申請が必要となる場合もあり、申請を怠ると建築基準法違反となるリスクがあります。

この記事では、国土交通省が定める法的根拠にもとづき、大規模修繕における確認申請の要否を正しく判断するための知識を丁寧にお伝えします。

申請の流れや費用、2025年の建築基準法改正の影響についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

大規模修繕の確認申請とは|国土交通省が定める法的根拠に関するイメージ写真

大規模修繕と確認申請の関係を正しく理解するには、まず「確認申請とは何か」という基本から押さえておく必要があります。

ここでは、国土交通省が定める法的根拠とともに、制度の概要をわかりやすく説明します。

「確認申請」の定義と目的

「確認申請(建築確認申請)」とは、建築工事の着手前に、その計画が建築基準法をはじめとする関連法令に適合しているかを確認検査機関または特定行政庁に審査してもらう手続きのことです。

審査を通過すると「確認済証」が交付され、はじめて着工が認められます。

この制度の目的は、建物の安全性・耐震性・防火性を法的に担保し、居住者や周辺住民の生命・健康・財産を守ることにあります。

新築工事で馴染みのある手続きですが、一定規模以上の修繕工事でも同様に義務が生じる場合があるため、大規模修繕を計画する際も確認が必要です。

注意点

確認申請は着工前に提出するだけでなく、工事完了後に「完了検査」を受け、図面どおりに施工されているかの確認を受けることまで含みます。
また、自治体が定める特定建築物については工事中の「中間検査」が義務付けられているケースもあります。

建築基準法第6条で定められる申請義務

確認申請の義務は、建築基準法第6条第1項に定められています。

同条では、一定規模以上の建築物において「大規模の修繕」または「大規模の模様替え」を行う場合、工事着手前に確認申請を行い、確認済証の交付を受けなければならないと規定されています。

また、建築基準法第2条では「大規模の修繕」と「大規模の模様替え」について次のように定義されています。

用語建築基準法上の定義
大規模の修繕建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕(第2条第14号)
大規模の模様替え建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替え(第2条第15号)

この定義から、「主要構造部」「過半(1/2超)」「修繕・模様替え」という3つのキーワードが確認申請の要否を判断するうえで極めて重要であることがわかります。

詳しくは次項で解説します。なお、建築基準法と大規模修繕の関係についてはこちらの記事も参考にしてください。

大規模修繕で確認申請が必要になる2つの条件

大規模修繕で確認申請が必要になる2つの条件に関するイメージ写真

大規模修繕において確認申請が必要かどうかは、「建物の規模(号別)」と「工事の内容(主要構造部の過半)」という2つの条件を両方満たすかどうかで判断します。

ここでは、それぞれの条件を具体的に解説します。

条件①「1号・新2号建築物」に該当すること

大規模修繕で確認申請が必要になるのは、「1号建築物」と「新2号建築物」に該当する建物です。

建築基準法第6条第1項では、建物を規模や用途によって1号〜3号に区分しています。この区分は、2025年4月施行の法改正で組み替えられました。

現在、大規模の修繕・模様替えで確認申請が必要なのは、1号と新2号の建物です。改正後の区分は以下のとおりです。

区分主な対象大規模修繕時の確認申請
1号建築物共同住宅・病院・ホテルなどの特殊建築物で、その用途の床面積が200㎡を超えるもの必要
新2号建築物1号以外で、2階建て以上または延べ面積が200㎡を超えるもの必要
新3号建築物1号・新2号以外で、平屋かつ延べ面積200㎡以下のもの不要

一般的な分譲マンションや賃貸マンションの多くは、この1号建築物に該当します。2階建て以上の事務所ビルや、延べ200㎡以下の2階建てアパートは新2号建築物です。

改正前に4号建築物だった木造2階建て住宅も、新2号建築物に移行しました。一方、延べ200㎡以下の平屋は新3号建築物となり、大規模修繕でも申請は不要です。

つまり、マンションやビルの大半は条件①に当てはまります。申請が必要かどうかは、次に解説する条件②の工事内容で決まります。

参考:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」

条件②「主要構造部の過半」を修繕・模様替えすること

2つ目の条件は、主要構造部の1種類以上について、過半を修繕・模様替えすることです。

建築基準法第2条第14号・第15号で、大規模の修繕・模様替えがこのように定義されているためです。
主要構造部は、同法第2条第5号で次の6つと定められています。

6つの主要構造部
  • 壁
  • 柱
  • 床
  • 梁(はり)
  • 屋根
  • 階段

ただし、構造上重要でない部分は主要構造部に含まれません。

主要構造部含まれない部分の例
壁構造上重要でない間仕切壁
柱間柱、付け柱
床揚げ床、最下階の床
はり小ばり
屋根ひさし
階段局部的な小階段、屋外階段

このように、確認申請の要否は「どの部位に、どこまで手を加えるか」で判断が分かれます。工事内容が主要構造部に及ぶ場合は、次の「過半」の基準もあわせて確認しましょう。

「過半(1/2超)」の正しい判断基準

「過半」は、主要構造部の種類ごとに、工事範囲が全体の1/2を超えるかで判断します。法律上、大規模の修繕は「主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」と定められているためです。

部位ごとの一般的な判定方法は以下のとおりです。

主要構造部判定の基準
壁総面積に対する工事面積
柱・はり総本数に対する工事本数
床・屋根水平投影面積に対する工事面積
階段総数に対する工事箇所数

過半の解釈は自治体によって異なる場合もあります。過半に近い工事を予定している場合は、計画段階で特定行政庁や確認検査機関に相談しましょう。

確認申請が必要かどうかの判断フロー

①1号建築物または新2号建築物に該当する
②主要構造部の1種類以上について、過半の修繕・模様替えを行う→①②両方を満たす場合のみ確認申請が必要。

→ ①②の両方を満たす場合のみ、確認申請が必要

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大規模修繕で確認申請が不要なケースと不要な工事の例

大規模修繕で確認申請が不要なケースと不要な工事の例に関するイメージ写真

確認申請が必要な条件をご理解いただいたところで、反対に「申請が不要なケース」についても整理しておきましょう。

管理組合の方が計画するほとんどの大規模修繕工事は、このカテゴリに当てはまります。

マンションの通常の大規模修繕はなぜほぼ不要なのか

マンションの第1回・第2回目の大規模修繕工事では、確認申請が不要となるケースが圧倒的多数です。

その理由は、一般的な大規模修繕の目的が「原状回復」であり、主要構造部の過半に及ぶ修繕を行うことがほとんどないからです。

例えば外壁の塗装改修は、壁の「仕上げ材」の塗り替えであり、主要構造部である壁の躯体(コンクリート)そのものを1/2超にわたって修繕するわけではありません。

屋上防水工事も同様に、防水層の更新は主要構造部の過半の修繕に該当しないと判断されるのが一般的です。

国土交通省が公表している「マンション改修に関する建築基準関係規定上の手続き」においても、「第2章で示した大規模修繕等の計画修繕に伴う改修工事については、大規模の修繕または模様替えにあたることは少ない」と明示されています。

なお、国土交通省の長期修繕計画ガイドラインについてはこちらの記事も参考になります。

確認申請が不要な工事の具体例

主要構造部に手を加えない工事であれば、確認申請は原則として不要です。

確認申請の対象は、壁や屋根などの主要構造部を過半にわたって修繕・模様替えする工事に限られるためです。表面の仕上げ材や設備だけを更新する工事は、この対象に含まれません。

代表的な工事を、申請が「不要な工事」と「必要になりうる工事」に分けて整理します。

確認申請が不要な工事の例
  • 外壁塗装(塗り替え・塗膜防水の更新)
  • 屋上・ベランダの防水工事(防水層の更新)
  • 外壁タイルの補修・張り替え
  • 外壁の仕上げ材のみの張り替え(サイディングなど)
  • 屋根ふき材のみの交換(野地板などの下地は触らない)
  • 屋根のカバー工法(既存屋根の上に重ね葺き)
  • 室内側からの断熱材の施工
  • 共用廊下・バルコニーの長尺シート張り替え
  • シーリングの打ち替え
  • 鉄部塗装(手すり・階段など
  • 給排水管・電気配線などの設備更新
確認申請が必要になりうる工事の例
  • 柱やはり、壁などの構造体に手を加える耐震補強工事
  • バルコニーの屋内化など、床面積が増える増築
  • エレベーターの新規設置
  • 野地板や垂木などの下地まで含めた、屋根の過半の造り替え
  • 住宅の一部を店舗や事務所に変える用途変更

なお、設備更新でも、配管ルートの変更で床やはりを大きく解体・補強する場合は注意が必要です。
工事範囲が主要構造部に及ぶと、申請が必要になる可能性があります。

一般的なマンションの大規模修繕は、ほとんどが「不要な工事」に当てはまります。ただし、工法や範囲によって判断が変わるため、迷う場合は施工会社や行政に確認しましょう。

工事中に判断が変わるグレーゾーンへの対応

着工時に申請不要でも、工事中に確認申請が必要になるケースがあります。足場を組んで外壁や屋根を開けると、想定外の劣化が見つかることがあるためです。

補修範囲が下地や躯体にまで広がると、主要構造部の過半に達する可能性があります。

たとえば、屋根ふき材の交換だけを予定していたとします。ところが撤去後に野地板や垂木の腐食が判明し、屋根の過半を造り替えることになりました。

この場合は該当部分の工事を一時中断し、確認申請をする必要があります。確認済証の交付を受けるまで、その部分の工事は進められません。

こうした事態を防ぐには、次の3点を着工前に済ませておくことが重要です。

  • 劣化診断で、下地や躯体の状態をできる限り把握しておく
  • 工事範囲を図面と数量で明確にしておく
  • 判断に迷う場合は、特定行政庁や確認検査機関に事前相談しておく

あわせて、工事中に構造の劣化が見つかった場合の対応も、事前に取り決めておきましょう。管理組合や建物オーナーへの説明方法を決めておくと、判断と合意がスムーズに進みます。

2025年建築基準法改正で変わった確認申請のルール

2025年建築基準法改正で変わった確認申請のルールに関するイメージ写真

2025年4月に施行された建築基準法の改正(脱炭素社会実現のための大規模改正)により、確認申請の対象範囲が大きく変わりました。

特に戸建て住宅オーナーの方には直接影響する内容のため、しっかりと確認しておきましょう。

4号特例の縮小と「新2号建築物」の創設

2025年4月の法改正で、木造2階建て住宅などの大規模修繕にも確認申請が必要になりました。

改正前は、木造2階建てなどの小規模な建物は「4号建築物」に区分されていました。4号建築物は「4号特例」により、大規模修繕でも確認申請が不要とされていました。

しかし省エネ性能と構造安全性の審査を強化するため、この特例が大幅に縮小されています。改正前後の主な違いは以下のとおりです。

項目改正前(2025年3月まで)改正後(2025年4月から)
木造2階建て住宅4号建築物:大規模修繕の申請は不要新2号建築物:申請が必要
木造平屋(延べ200㎡超)4号建築物:大規模修繕の申請は不要新2号建築物:申請が必要
木造平屋(延べ200㎡以下)4号建築物:大規模修繕の申請は不要新3号建築物:引き続き申請は不要
構造の審査4号特例により省略新2号は構造・省エネ関連の図書提出が必要
都市計画区域外の建物4号建築物は確認申請の対象外新2号は区域外でも確認申請が必要

新2号建築物は「2階建て以上、または延べ面積200㎡超」の建物です。審査省略が残るのは、「平屋かつ延べ200㎡以下」の新3号建築物に限られます。

なお、RC造や鉄骨造のマンション・ビルは、改正前から申請対象でした。そのため、今回の改正で特に影響を受けるのは、木造2階建ての戸建て住宅やアパートです。

改正後に木造2階建ての大規模リフォームを計画する場合は、申請の要否を必ず確認しましょう。既存の建物には一定の緩和措置もあるため、計画段階で特定行政庁や確認検査機関に相談することが大切です。

参考:国土交通省「建築確認手続の対象見直しに関するリーフレット」
参照:鹿児島県「改正建築基準法・改正建築物省エネ法について」

戸建て住宅オーナーが注意すべきポイント

2025年4月の施行以降、木造2階建て住宅の大規模リフォームを計画する場合は、改正法のもとで確認申請の要否を再確認することが必要です。

特に以下のような工事を検討している場合は注意が求められます。

戸建て住宅で特に注意が必要な工事(2025年改正後)
  • 屋根の全面葺き替え(主要構造部「屋根」の過半にわたる工事)
  • 外壁の全面改修(主要構造部「壁」の過半にわたる工事)
  • 柱・梁・床の大規模な取替え・補強(スケルトンリフォームなど)
  • 再建築不可物件での大規模修繕(接道条件等により別途判断が必要)

なお、一般的なマンションの大規模修繕(外壁塗装・防水工事・シーリング工事など)については、今回の法改正後も確認申請が不要なケースが大半です。

マンション管理組合の方については、従来どおりの判断基準を前提としつつ、耐震補強や増築を伴う場合にのみ個別に確認する姿勢が現実的です。

新東亜工業からのアドバイス

弊社では創業16年・施工実績5,000件以上の経験から、確認申請の要否が曖昧なケースでも事前に行政や確認検査機関との協議をご一緒することが可能です。
「申請が必要かどうか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

不要な工事を提案することなく、お客様の建物に最適な修繕計画をご提案いたします。

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大規模修繕の確認申請の流れ・必要書類・費用と期間

工事費用・見積もりのイメージ

確認申請が必要と判断された場合、具体的にどのような手順で進めるのかを理解しておくことが重要です。

ここでは、申請の流れから費用・期間の目安まで詳しく解説します。

確認申請の手続きの流れ

確認申請は「着工前の申請」から「工事完了後の完了検査」まで、複数の段階にわたります。

管理組合または建物オーナーが申請者(建築主)となり、建築士が申請書類を作成・代行するのが一般的です。

STEP1

工事内容の確定と事前相談

施工会社・設計士と協力して工事内容を確定させ、確認申請が必要かどうかを判断します。不明点は所管の特定行政庁(各自治体の建築課)または指定確認検査機関に事前相談することが重要です。

STEP2

設計図書・申請書類の作成

建築士が確認申請書(第1〜6面)、配置図・平面図・立面図・断面図などの設計図書を作成します。既存建築物の情報(建築年・構造・確認済証の有無など)を整理しておく必要があります。

STEP3

確認申請書の提出・審査

作成した申請書類一式を特定行政庁または指定確認検査機関に提出します。国土交通省の法定期間に関するデータによると、確認済証の交付は提出日から原則最長35日以内とされています(建築物省エネ法の適合判定が必要な場合は最長70日)。

STEP4

確認済証の交付・着工

審査に合格すると「確認済証」が交付されます。確認済証の交付を受けて初めて着工が認められます。審査中に指摘事項がある場合は、是正対応のやり取りが生じるため期間が延びることがあります。

STEP5

中間検査・完了検査

自治体が指定する特定建築物では工事中に「中間検査」が行われます。工事完了後は「完了検査」を受け、図面どおりに施工されているかを確認します。検査に合格すると「検査済証」が交付されます。

必要書類の一覧

確認申請の提出書類は建物の規模や用途によって異なりますが、大規模修繕工事では一般的に以下の書類が求められます。

建物の建築当時の図面が残っていない場合は、現況調査が必要になることもあるため、早めに確認しておくことをお勧めします。

確認申請の主な必要書類
  • 確認申請書(建築基準法施行規則第1条の3に規定する様式)
  • 設計図書(配置図・各階平面図・立面図・断面図など)
  • 既存建築物に関する書類(建築確認済証・検査済証のコピー、建築図面など)
  • 構造計算書(耐震補強を行う場合など)
  • 委任状(建築士が申請を代行する場合)

費用の目安と審査期間

確認申請にかかる費用は、申請先(特定行政庁か民間の指定確認検査機関か)や建物の床面積によって異なります。

一般的には建築確認・中間検査・完了検査それぞれで費用が発生する仕組みです。また、民間の指定確認検査機関への申請は、特定行政庁への申請よりも費用が高くなる傾向がある点も押さえておきましょう。

項目目安
確認申請手数料床面積・申請先によって異なる(自治体窓口で確認を)
建築士の設計監理費用工事費の3〜5%程度が目安(規模・内容による)
審査期間(法定)申請から最長35日以内(省エネ適合判定が必要な場合は最長70日)
計画変更申請申請後に工事内容を変更する場合、別途申請が必要

費用は自治体ごとに定められており、また申請書類の不備や指摘事項への対応によって期間が延びることもあります。

大規模修繕工事の計画段階で施工会社に相談し、確認申請のスケジュールも含めた工程管理を行うことが重要です。

確認申請を怠った場合のリスクと対処法

確認申請を怠った場合のリスクと対処法に関するイメージ写真

確認申請が必要であるにもかかわらず申請を行わずに工事を進めた場合、どのようなリスクが生じるのでしょうか。

「知らなかった」では済まされない重大な結果につながることもあるため、しっかりと把握しておきましょう。

建築基準法違反となる罰則の内容

確認申請が必要な工事を無申請で行うと、建築基準法違反として罰則の対象になります。建築基準法第6条第1項は、建築主に対して着工前の確認申請を義務付けているためです。

これに違反した場合、第99条により「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。マンションの場合、申請義務を負う建築主は管理組合です。

また、特定行政庁は違反工事に対して工事停止命令や是正命令を出すことができます。この命令は建築主だけでなく、工事を請け負った施工会社なども対象になります。

是正の内容によっては、施工済み部分のやり直しや撤去を求められることもあります。

罰則や是正命令のリスクを負うのは、施工会社だけではありません。「業者に任せているから大丈夫」と考えず、建築主として申請の要否を確認しておきましょう。

資産価値・売却・融資への影響

確認申請の違反は、建物の法的な位置づけにも影響を与えます。無申請工事が発覚した場合、建物が「違法建築物」とみなされ、売却や融資の際に著しく不利な状況になることがあります。

特にマンションの場合、区分所有者全員の資産価値に影響する問題となるため、管理組合としての責任は非常に重大です。

工事計画の段階で「確認申請が必要かどうか」を専門家とともに確認し、適切な手続きを踏むことが、長期的な資産価値の維持にもつながります。

工事着工前の確認申請、工事中の適切な管理、完了後の完了検査まで一貫してサポートを受けられる施工会社を選ぶことが大切です。

工事までの流れについても事前にご確認いただくと、全体のスケジュールがつかみやすくなります。

既存不適格物件で大規模修繕をする際の注意点

既存不適格の建物で確認申請が必要な工事をする場合、現行の基準への適合を求められる可能性があります。

既存不適格とは、建築時は適法だったものの、その後の法改正で現行基準に合わなくなった建物です。
建築当初から法令に違反している「違法建築」とは異なり、そのまま使い続けても違法にはなりません。

ただし、大規模の修繕・模様替えを行うと、原則として現行基準が適用されることになります。

区分状態大規模修繕時の扱い
既存不適格建築時は適法、法改正後に基準と不一致原則として現行基準への適合が求められる(緩和措置あり)
違法建築建築当初から法令に違反是正が前提となり、工事が進められない場合もある

どの規定が緩和の対象になるかは、建物の状況や工事内容によって異なります。

築年数が古い建物で大規模修繕を計画する場合は、まず既存不適格に当たるかを確認しましょう。そのうえで、設計段階から建築士や確認検査機関に相談して進めることが大切です。

国土交通省が定める大規模修繕の確認申請でよくある質問(FAQ)

手のひらの上のクエスチョンマーク

マンションの大規模修繕では、工事内容によっては国土交通省の基準や建築基準法に基づく「確認申請」が必要になるケースがあります。

しかし、管理組合や修繕委員会の多くは建築の専門家ではないため、「どんな工事で申請が必要なのか」「申請は誰が行うのか」など疑問を抱くことも少なくありません。

ここでは、大規模修繕の確認申請に関して管理組合からよく寄せられる質問をまとめました。

外壁塗装だけなら確認申請は不要ですか?
はい、一般的な外壁塗装(塗り替え)は「主要構造部の過半の修繕・模様替え」には該当しないため、確認申請は不要です。
外壁の仕上げ材を塗り替える行為は、躯体(コンクリートなど)への大規模な手入れではなく、主要構造部の修繕には当たらないと判断されます。
ただし、外壁材を全面的に張り替えるような場合には、判断が変わることもあるため、施工会社や行政に事前確認することをお勧めします。
屋上防水工事でも確認申請は必要ですか?
屋上の防水層を更新するだけの工事であれば、主要構造部である「屋根」の過半の修繕には当たらないため、確認申請は一般的に不要です。
しかし、屋根の全面的な葺き替えや構造に影響する改修を伴う場合は、確認申請が必要となる可能性があります。
工事内容によって判断が異なるため、詳細は施工会社や特定行政庁にご確認ください。
確認申請後に工事内容を変更することはできますか?
確認申請後に工事計画を変更することは可能です。ただし、変更が生じる箇所への着工前に「計画変更の申請」または「軽微な変更届」を提出する必要があります。
変更内容や規模によって提出書類が異なり、計画変更の審査が完了するまでは着工できないため、工期が延びる可能性があります。
やむを得ない変更が生じた場合は速やかに施工会社・設計士に連絡し、適切な対応をとることが重要です。
2025年の法改正でマンションの大規模修繕への影響はありますか?
一般的なRCマンションの大規模修繕(外壁塗装・防水工事・シーリング工事など)については、2025年4月の建築基準法改正後も確認申請が不要なケースが大半です。
今回の改正が主に影響するのは、従来「4号建築物」として申請不要だった木造2階建て住宅(新2号建築物)です。
マンションの場合は、耐震補強工事や増築を伴う工事に限って個別に確認申請の要否を確認することをお勧めします。
確認申請は自分で提出できますか?
建築主本人が申請することは制度上可能ですが、申請書類には設計図書の作成が必要であり、専門的な知識が求められます。
実務上は建築士が申請を代行するケースがほとんどです。
申請書類に不備があると審査期間が延び、工事の着工が遅れることになるため、建築士や施工会社に代行を依頼するのが確実です。

まとめ|国土交通省が定める大規模修繕の確認申請について

まとめ|国土交通省が定める大規模修繕の確認申請についてに関するイメージ写真

大規模修繕における確認申請の要否について、この記事では国土交通省が定める法的根拠をもとに詳しく解説しました。

最後に要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 確認申請は建築基準法第6条に基づく法的手続きで、大規模修繕でも一定条件を満たす場合に義務が生じる
  • 申請が必要となる条件は①「1号〜3号建築物」 ②「主要構造部の過半を修繕・模様替えする工事」であることの両方を満たす場合
  • 一般的なマンションの大規模修繕は、ほとんどのケースで確認申請は不要
  • 耐震補強・増築・エレベーター新設・屋根の全面葺き替えなどでは確認申請が必要となりうる
  • 2025年4月の建築基準法改正により、木造2階建て住宅(新2号建築物)の大規模リフォームでは確認申請が必要になった
  • 無申請での工事は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となるリスクがあり、資産価値にも影響する
  • 判断に迷う場合は、着工前に特定行政庁・指定確認検査機関または施工会社に必ず相談を

「自分のマンションや建物では確認申請が必要なのか」「大規模修繕の計画をどこから始めればよいのか」といったご不安やご疑問は、専門知識を持つ施工会社へ早めにご相談いただくことが最善の対処法です。

新東亜工業は創業16年・施工実績5,000件以上、元請け施工で中間マージンゼロを実現しており、確認申請の要否判断のサポートから工事完了まで誠実に対応いたします。

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