一戸建て住宅の防水工事費用相場はいくら?工法別単価から見積もりの見極め方を解説

2023/09/22

一戸建て住宅を所有していると、定期的なメンテナンスが必要になりますが、その中でも特に重要なのが防水工事です。

「業者から防水工事を勧められたけれど、本当に必要なのか」「費用相場がわからず、見積もりが適正かどうか判断できない」「どの工法を選べばいいのか迷っている」このような悩みを抱えている方は少なくありません。

防水工事は建物を雨漏りから守り、住宅の寿命を延ばすために欠かせないメンテナンスです。

しかし、工法や施工箇所によって費用が大きく異なるため、適切な知識を持たずに契約してしまうと、相場より高額な費用を支払ってしまったり、必要な工事が含まれていなかったりするリスクがあります。

本記事では、一戸建て住宅の防水工事費用相場について、工法別の単価から施工箇所ごとの詳細費用、見積もりのチェックポイント、最適な施工時期まで徹底的に解説します。

また「防水工事とは?」や「防水工事の費用」など、基本的な知識について解説して記事も公開しておりますので、本記事の理解をより一層深めるためにも、ぜひ合わせてご覧ください。

この記事で分かること
  • 一戸建て住宅の防水工事費用相場と変動要因
  • ウレタン・FRP・シート・アスファルト防水の工法別単価
  • ベランダ・屋上・外壁の施工箇所別費用内訳
  • 見積もりで必ず確認すべき5つのチェックポイント
  • 防水工事費用を抑える最適な施工時期と劣化症状

一戸建て住宅の防水工事費用相場の全体像

一戸建て住宅の防水工事を検討する際、まず知っておきたいのが全体的な費用相場です。

ここでは防水工事にかかる一般的な費用範囲と、費用が変動する要因、そして防水工事がなぜ必要なのかについて解説します。

一戸建て住宅の防水工事費用相場は15万~40万円が目安

一戸建て住宅の防水工事費用は、15万~40万円前後が一般的な目安です。

この金額は、標準的なベランダや小規模な屋上を想定した場合であり、施工面積や劣化状況によって前後します。

防水工事の㎡単価は1㎡あたり約4,000~8,000円が相場で、例えば20㎡のベランダを施工する場合、工事費は16万~20万円程度になります。

主な付帯工事費の目安
  • 足場設置費:10万~15万円
  • 高圧洗浄費:2万~3万円
  • 下地処理費:3万~5万円

実際の見積もりでは、これらの付帯費用が加算されるため、防水工事費だけでなく総額で判断することが重要です。

表面の単価だけでなく、内訳を必ず確認しましょう。

一戸建て住宅の防水工事費用が変動する3つの要因

一戸建て住宅の防水工事費用は、主に施工面積・劣化状況・防水工法の3点によって大きく変動します。

まず施工面積が広いほど総額は高くなりますが、㎡単価は割安になる傾向があります。

一方、10㎡未満の小規模施工では単価が高くなりやすい点に注意が必要です。

費用が変動する主な要因
  • 施工面積の大小
  • 既存防水層の劣化・雨漏りの有無
  • 選択する防水工法の種類

特に劣化が進行している場合は、下地補修や既存防水層の撤去が必要となり、追加で5万~15万円以上かかることもあります。

また工法選びによっても総額は大きく変わるため、状態に合った選択が重要です。

一戸建て住宅の防水工事が必要な理由とは

一戸建て住宅で防水工事が必要な最大の理由は、雨水の浸入を防ぎ、建物の構造を守るためです。

日本は雨量が多く、紫外線や寒暖差の影響で防水層は年々劣化します。

防水性能が低下すると、雨水が内部へ浸入し、深刻な被害を引き起こします。

防水劣化によって起こる主なリスク
  • 雨漏りによる天井・壁の損傷
  • カビ・ダニの発生による住環境悪化
  • 柱や梁の腐食、鉄筋のサビ

これらが進行すると、修繕費用は数十万円では済まず、数百万円規模になることもあります。

防水工事は単なる修理ではなく、建物の寿命を延ばし、将来の出費を抑えるための重要なメンテナンスです。

一戸建て住宅の防水工事費用相場|工法別の単価一覧

防水工事には主に4つの工法があり、それぞれ特徴と費用が異なります。

ここでは各工法の㎡単価、耐用年数、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

防水工法㎡単価の目安耐用年数の目安主な特徴主な注意点・デメリット
ウレタン防水約5,000~8,000円約10~13年液体状の樹脂を塗布する工法。
複雑な形状にも対応可能で、一戸建てで最も採用されやすい。
密着・メッシュ・通気緩衝の3工法がある
職人の技術で仕上がりに差が出やすい。
乾燥に時間がかかる
FRP防水約6,000~9,000円約10~15年ガラス繊維+樹脂で形成。
高い強度と耐摩耗性があり、人の出入りが多いベランダ向き。
工期が短い
伸縮性が低く、建物の動きでひび割れやすい。
紫外線対策が必要
シート防水約4,000~8,000円約12~15年塩ビ・ゴムシートを貼る工法。
厚みが均一で品質が安定し、施工後すぐ歩行可能
複雑な形状に不向き。
つなぎ目から劣化しやすい
アスファルト防水約5,000~8,000円約15~25年ルーフィングを重ねる工法。
最も耐久性が高く信頼性が高い
煙・臭い・火災リスクあり。
歩行性が低く、居住中住宅のベランダには不向き

一戸建て住宅の防水工事は、工法によって費用・耐用年数・適した施工場所が大きく異なります。

ベランダには柔軟性の高いウレタン防水やFRP防水が向いており、屋上など広い面積にはシート防水やアスファルト防水が適しています。

建物の状態や用途に合った工法を選ぶことが、費用対効果を高めるポイントです。

FRP防水の単価」や「ウレタン防水の通気緩衝工法における単価」「ウレタン防水の密着工法における単価」については、それぞれ詳しく解説している記事を公開しておりますので、合わせてご覧ください。

一戸建て住宅の防水工事費用相場|施工箇所別の詳細

防水工事の費用は、施工する箇所によっても大きく異なります。

ここではベランダ、屋上、外壁の3つの施工箇所について、具体的な費用内訳を解説します。

一戸建て住宅のベランダ防水工事費用相場と内訳

ベランダ防水工事の総額:15万円~40万円(20㎡の場合)

ベランダは一戸建て住宅で最も防水工事が行われる箇所です。

標準的な20㎡のベランダをウレタン防水で施工する場合の費用内訳は以下の通りです。

工事項目数量単価金額
高圧洗浄一式30,000円30,000円
下地処理一式50,000円50,000円
足場設置一式120,000円120,000円
ウレタン防水20㎡8,000円/㎡160,000円
処分費一式20,000円20,000円
合計380,000円

足場設置は2階以上のベランダで必要になることが多く、費用全体の約3割を占めます。

雨漏りが発生していない状態であれば、下地処理費用を抑えられるため、総額は25万円~30万円程度に収まることもあります。

FRP防水を選択する場合は、材料費が高くなるため、総額は18万円~35万円程度になります。

ベランダ防水工事の費用に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

一戸建て住宅の屋上防水工事費用相場と内訳

屋上防水工事の総額:70万円~120万円(100㎡の場合)

屋上がある一戸建て住宅の場合、面積が広いため費用も高額になります。

100㎡の屋上をウレタン防水(通気緩衝工法)で施工する場合の費用内訳は以下の通りです。

工事項目数量単価金額
高圧洗浄100㎡300円/㎡30,000円
下地処理一式50,000円50,000円
足場設置一式130,000円130,000円
ウレタン防水(通気緩衝工法)平場100㎡7,000円/㎡700,000円
ウレタン防水(メッシュ工法)立上り40m5,000円/m200,000円
脱気筒設置2個20,000円/個40,000円
改修用ドレン設置2個25,000円/個50,000円
処分費一式20,000円20,000円
合計1,220,000円

屋上防水では、平場(水平面)だけでなく立上り(壁との接合部)の処理も重要です。

また、内部に溜まった湿気を逃がすための脱気筒の設置や、排水をスムーズにする改修用ドレンの設置が必要になることが多く、これらが費用を押し上げる要因となります。

既存の防水層が劣化していない場合は、密着工法を採用することで費用を抑えられ、総額70万円~90万円程度に収まることもあります。

一戸建て住宅の外壁防水塗装費用相場と内訳

外壁防水塗装の総額:100万円~130万円(延床面積120㎡の場合)

外壁の防水塗装は、一般的な外壁塗装よりも高性能な防水性塗料を使用するため、費用が高めになります。

外壁防水塗装の費用内訳は以下の通りです。

項目摘要単価費用目安
足場設置クサビ足場(養生ネット含む)1,000~1,200円/㎡180,000~250,000円
高圧洗浄水道水150~300円/㎡20,000~40,000円
防水塗装複層弾性6,000~7,000円/㎡700,000~800,000円
コーキング変成シリコン950~1,200円/m100,000~200,000円
合計1,000,000~1,290,000円

外壁の防水塗装は、ひび割れが多く発生している場合に推奨される工事です。

通常のシリコン塗料による外壁塗装と比較すると、2~3割程度費用が高くなりますが、防水性能が大幅に向上します。

外壁がサイディングの場合は、防水塗装ではなく目地やサッシまわりのコーキング打ち替えとサイディング表面の塗装を行うのが一般的です。

一戸建て住宅の防水工事費用相場|見積もりチェックポイント

防水工事の見積もりを受け取った際、どこをチェックすればよいか分からないという方も多いでしょう。

ここでは見積もりで必ず確認すべきポイントと、費用が相場から外れている場合の注意点について解説します。

一戸建て住宅の防水工事費用見積もりで確認すべき5項目

防水工事の見積もりは金額だけで判断せず、工事内容が適切に盛り込まれているかを確認することが重要です。

特に一戸建て住宅では、下地の状態や工法選定によって耐久性が大きく左右されます。

以下の項目が明確に記載されているかを必ずチェックしましょう。

見積もりで必ず確認すべき項目
  • 下地補修の有無と具体的な補修内容
  • 正確な工法名・メーカー名の記載
  • 保証期間と保証内容
  • 改修ドレン・脱気筒の設置有無
  • 各工程の数量(㎡数)と単価

これらが曖昧な見積もりは、後から追加費用が発生する可能性があります。

「防水工事一式」表記だけの見積もりは避けることが、失敗しないための基本です。

一戸建て住宅の防水工事費用が相場より高い・安い場合の注意点

見積もり金額が相場と大きく異なる場合は、必ず理由を確認する必要があります。

相場より10%以上高い場合は、中間マージンが多く含まれている可能性があり、相場より10%以上安い場合は必要な工程が省かれている恐れがあります。

安すぎる見積もりで注意すべき点
  • 下地処理が含まれていない
  • 足場費用が別途、または未計上
  • 使用材料のグレードが低い
  • 保証が付いていない

特に雨漏りが発生している住宅で、密着工法など不適切な工法を提案されている場合は要注意です。

安さだけで契約すると、再工事が必要になり、結果的に費用が高くつくことがあります。

一戸建て住宅の防水工事費用見積もりの保証内容確認方法

防水工事の保証は、施工会社保証とメーカー保証の2種類があり、それぞれ役割が異なります。

施工会社保証は施工不良による不具合を、メーカー保証は防水材そのものの品質を保証します。

信頼性が高いのは、両方が付くW保証です。

見積もり時に確認すべき保証ポイント
  • 保証期間(一般的に5~10年)
  • 保証範囲と免責事項
  • 工事完了後に保証書が発行されるか
  • 定期点検やメンテナンス条件の有無

保証内容が書面で明記されていない場合や、口頭説明のみの業者は避けるべきです。

保証は万が一の備えとなるため、契約前に必ず詳細まで確認しましょう。

防水工事の見積もりについて、より詳しくしりたい方はこちらの記事をご覧ください。

一戸建て住宅の防水工事費用相場|適切な施工時期

防水工事の費用を抑え、効果を最大化するためには、適切な時期に施工することが重要です。

ここでは費用を抑える施工時期、工事が必要な劣化症状、耐用年数との関係について解説します。

一戸建て住宅の防水工事費用を抑える最適な施工時期

一戸建て住宅の防水工事は、施工時期を見極めることで費用と品質のバランスを最適化できます

防水材は気温や湿度の影響を受けやすく、条件が悪いと乾燥不良や施工不良につながる恐れがあります。

そのため、単に安い時期を選ぶのではなく、仕上がりへの影響も踏まえた判断が重要です。

季節ごとの特徴と費用傾向

季節時期特徴
3~5月気候が安定、繁忙期で費用はやや高め
9~11月施工品質が安定、予約が取りにくい
6~8月閑散期で値引き交渉しやすい
12~2月比較的安価だが天候リスクあり

劣化が軽度であれば、夏や冬の閑散期を選ぶことで10~15%程度のコスト削減が期待できます。

ただし雨漏りなど緊急性が高い場合は、時期を優先せず早期対応を検討すべきです。

一戸建て住宅の防水工事が必要な劣化症状チェックリスト

防水工事が必要かどうかは、築年数だけでなく現在の劣化症状を正しく把握することが重要です。

劣化の進行度によっては、すぐに工事が必要なケースと、しばらく様子を見られるケースがあります。

症状を見逃すと、被害が建物内部まで広がる可能性があります。

劣化症状の緊急度別チェック

緊急度主な症状
雨漏り/大きなひび割れ/広範囲の剥がれ/排水不良
膨れ/ヘアークラック多数/色あせ/雑草発生
チョーキング現象/艶消失/耐用年数超過

特に雨漏りが発生している場合は、構造体への影響が進行している可能性が高いため、早急な専門調査が必要です。

軽度の段階で対処することが、結果的に修繕費用を抑えることにつながります。

一戸建て住宅の防水工事費用と耐用年数の関係

防水工事の検討では、初期費用の安さだけで判断するのは危険です。

耐用年数を考慮せずに工法を選ぶと、短期間で再工事が必要になり、長期的には割高になることもあります。

そのため、年間コストの視点で比較することが重要です。

防水工法別|費用と耐用年数の比較(20㎡想定)

防水工法初期費用耐用年数年間コスト
ウレタン(密着)20万円10年2万円
ウレタン(通気)25万円13年約1.9万円
FRP防水28万円12年約2.3万円
シート防水24万円15年約1.6万円
アスファルト防水26万円20年約1.3万円

耐用年数が長い工法ほど、1年あたりの負担は小さくなる傾向があります。

ただし形状や用途による向き不向きもあるため、5~8年ごとのトップコート塗り替えを前提に、専門業者と相談して選ぶことが重要です。

一戸建て住宅の防水工事費用相場に関するよくある質問【FAQ】

ここでは、一戸建て住宅の防水工事費用相場に関するよくある質問について紹介します。

多くの方が疑問に思う内容に丁寧に回答していますので、ぜひご覧ください。

一戸建て住宅の防水工事はDIYでできますか?
トップコートの塗り替えなど簡易的なメンテナンスはDIY可能ですが、防水層を一から作る本格的な防水工事は専門業者に依頼することを強くおすすめします。
防水工事は高度な専門技術が必要で、施工不良があると早期に雨漏りが発生するリスクがあります。
材料や工具を揃える費用を考えると、業者に依頼する方がコストパフォーマンスが良い場合も多いです。
また、業者施工であればメーカー保証が付くため、万が一の際も安心です。
防水工事の見積もりは何社から取るべきですか?
最低でも3社、できれば5社程度から相見積もりを取ることをおすすめします。
複数の見積もりを比較することで、適正価格の範囲が把握でき、提案内容の違いも明確になります。
ただし、価格だけで判断せず、提案内容の詳細さ、保証内容、施工実績、担当者の対応なども総合的に評価してください。
極端に安い見積もりや高い見積もりは理由を確認し、納得できる説明があるかどうかを重視しましょう。
防水工事の補助金や助成金は利用できますか?
自治体によっては、住宅リフォームや省エネ改修の一環として防水工事に補助金が適用される場合があります。
特に雨漏り修繕を伴う防水工事は、住宅の安全性向上を目的とした補助金制度の対象になることがあります。
お住まいの市区町村のホームページや窓口で「住宅改修補助金」「リフォーム助成制度」などを確認してください。
申請には工事前の申請が必要な場合が多いため、契約前に確認することが重要です。
防水工事中は在宅する必要がありますか?
基本的に在宅する必要はありませんが、工事初日と最終日は立ち会いが推奨されます。
初日は施工範囲や注意事項の確認、最終日は仕上がりの確認と今後のメンテナンス方法の説明を受けるためです。
工事中は多少の臭いや音が発生することがありますが、日常生活に大きな支障はありません。
ただし、ベランダは工事期間中使用できなくなるため、洗濯物を干す場所を事前に確保しておきましょう。
築何年で最初の防水工事が必要になりますか?
新築から10年~15年が最初の防水工事の目安となります。
ただし、建物の立地条件(日当たり、風通し)、使用頻度、初期施工の品質によって劣化速度は異なります。
築10年を迎えたら、専門業者による無料点検を受けることをおすすめします。
早期に劣化症状を発見できれば、部分補修で済む場合もあり、大規模な防水工事を先延ばしにできることもあります。
定期的な点検が長期的なコスト削減につながります。

まとめ

一戸建て住宅の防水工事費用相場について、工法別の単価から施工箇所ごとの詳細費用、見積もりのチェックポイント、最適な施工時期まで幅広く解説してきました。

防水工事は建物を長持ちさせるための重要な投資であり、適切な知識を持って業者選びと工法選択を行うことが成功の鍵となります。

一戸建ての防水工事を成功させるためのポイント
  • 一戸建て住宅の防水工事費用相場は15万~40万円、㎡単価は4,000円~8,000円が目安
  • ウレタン・FRP・シート・アスファルト防水の4工法があり、耐用年数と費用が異なる
  • 見積もりでは下地補修、正確な工法名、保証内容、ドレン設置、単価明示を必ず確認する
  • 施工時期は春・秋が最適だが、費用を抑えるなら閑散期の夏・冬も検討価値がある
  • 雨漏りや大きなひび割れなど緊急度の高い劣化症状があれば早急に対処が必要

防水工事の費用は決して安くありませんが、放置すると建物内部の構造体まで被害が及び、修繕費用が何倍にも膨らむ可能性があります。

定期的な点検と適切なタイミングでのメンテナンスが、長期的なコスト削減につながります。

複数の専門業者から見積もりを取り、提案内容を比較検討した上で、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。

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