マンション大規模修繕中は空き巣のリスクが増えるって本当?その理由と防犯対策を徹底解説

2025/07/24

マンションの大規模修繕は、外壁や共用設備の劣化を防ぎ、建物の資産価値を維持・向上させるために欠かせない工事です。
しかし、意外にもこの工事期間中は空き巣被害が増える傾向にあります。

本記事では、マンションの大規模修繕と空き巣の関係性に焦点を当て、なぜリスクが高まるのか、そして被害を未然に防ぐためにできる具体的な対策を、住民・管理組合の両面から詳しく解説します。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼・メール・お電話でお受け致しております

目次

なぜマンション大規模修繕中は空き巣のリスクが高まるのか

マンションの大規模修繕期間中は、通常の生活時よりも空き巣被害が増加する傾向があります。
その背景にはいくつかの具体的な理由が存在し、被害に遭いやすい環境が整ってしまうのです。

足場や養生シートによる「死角」の発生

大規模修繕では建物全体を覆うように足場が組まれ、その周囲に養生シートが張られます。
これにより外部から室内の様子がほぼ見えなくなるため、外からの視線が遮断されます。
通常なら住民や近隣住民・通行人の目によって監視されている窓やベランダが、視界の死角となることで、空き巣にとって格好の侵入場所に変わってしまうのです。
特に低層階の部屋は足場を伝って簡単に接近できるため、足場の存在が空き巣にとって侵入の手段となります。
このような環境下では、侵入に対する警戒心が薄れ、侵入を容易にしてしまうリスクが高まります。

作業員の出入りによる不審者の紛れ込み

修繕工事中は、多数の作業員や関連業者が頻繁にマンションの敷地内や共用部、場合によっては各住戸の近くまで出入りします。
この作業員の多さは、外部から侵入しようとする不審者にとっては絶好のカモとなるケースがあります。
空き巣が工事関係者を装い、作業服やヘルメットを身に着けていれば、住民からの警戒を免れやすく、エントランスやエレベーターの利用も容易になります。
工事車両の搬入出の混雑も、怪しい動きを見抜く目を鈍らせてしまうため、不審者が紛れ込みやすい環境が生まれるのです。

工事の騒音で異変に気づきにくくなる

通常ならガラスが割れる音やドアの開閉音・不審な物音は住民の注意を引き、異変の早期発見につながります。
しかし、大規模修繕中は工事の音が絶えず発生し、これらの物音が騒音に紛れてしまうことが少なくありません。
特に日中の工事作業中は、こうした異常音に気づきにくくなり、空き巣は周囲に警戒されるリスクを大幅に減らして侵入行動を行うことができます。
このため、工事の騒音が不審者にとってカモフラージュとなり、防犯面で大きな盲点となるのです。

このように、大規模修繕中は「視界の死角」「作業員の出入りに紛れ込みやすい環境」「騒音による異変の見逃し」といった複数の要因が重なり、空き巣にとって狙いやすい絶好のタイミングとなります。
だからこそ、住民や管理組合はこれらのリスクを正しく理解し、万全の防犯対策を講じる必要があります。

マンション大規模修繕中に起きやすい空き巣被害とその手口

大規模修繕中の空き巣被害には、いくつかの典型的なパターンがあります。

  • 足場を利用して高層階へ侵入:通常は侵入が難しい中層・高層階も、足場を伝えば簡単に接近できます。
  • ベランダの窓ガラスを破って侵入:死角を突いて、ベランダからガラスを破り、室内へ侵入。
  • 工事関係者を装って堂々と玄関から侵入:作業着姿で堂々と入り、住民の目を欺くケースもあります。

これらの手口を見ると「自分の部屋は高層階だから安心」という認識は非常に危険であることがわかります。
大規模修繕中は、防犯に関する対策を行うことが重要です。

マンションの大規模修繕中にできる空き巣対策

マンションの大規模修繕期間中は空き巣被害のリスクが高まるため、住民一人ひとりが積極的に防犯対策を行うことが不可欠です。
特に以下のような対策は、比較的簡単に取り組めるうえ、即効性があり効果的です。

窓・玄関に補助錠を設置する

補助錠は、通常の鍵に加えてもう一つの鍵を取り付けることで、空き巣の侵入にかかる時間を大幅に増やします。
空き巣は侵入に時間がかかる場所を嫌い、短時間で侵入できる物件を狙う傾向が強いため、補助錠は大きな心理的抑止力となります。特にベランダや勝手口の窓に設置すると効果的です。

防犯フィルムを窓ガラスに貼る

防犯フィルムは、ガラスを割る際の破損時間を長引かせる役割を果たします。
空き巣は素早く侵入したいため、割るのに時間がかかる窓は避ける傾向にあります。
防犯フィルムは既存の窓ガラスに簡単に貼れるタイプも多く、コストパフォーマンスも良好です。

室内灯のタイマー設置

留守中でも室内の照明をタイマーで点灯・消灯させることで、在宅しているように見せかけることができます。
空き巣は「誰もいない家」を狙うことが多く、このような見せかけは非常に有効です。
また、夜間の防犯効果も期待でき、玄関周りを明るく保つことで不審者の侵入を抑制します。

防犯カメラの一時設置やレンタル利用

工事期間中は、仮設の防犯カメラを設置したり、レンタルサービスを利用して短期間だけ防犯カメラを設置する方法もあります。
目に見える防犯機器は、空き巣が「見られているかもしれない」と判断し、犯行をためらう抑止力が強いです。映像が記録されることで、万一の際の証拠収集にも役立ちます。

工事関係者との情報共有・連携体制の構築

修繕工事では多くの業者が出入りしますが、不審者の侵入を防ぐためには、工事業者と管理組合・住民との連携が重要です。
業者から「不審な人物を見かけた」といった情報があれば迅速に共有し、早期発見・対応につなげることができます。
また、住民からも「○○号室に知らない人がいる」など気づいたことを報告する仕組み作りが防犯力向上に不可欠です。

このように、多角的な対策を組み合わせることで、大規模修繕中でも空き巣被害のリスクを効果的に減らすことが可能です。
小さな対策でも積み重ねることで、防犯効果は大きく向上します。

実録!新東亜工業の施工事例|8階建てマンションの大規模修繕工事

築17年の8階建てマンションにおける、管理組合主導による大規模修繕工事の一部始終をご紹介します。
「予算オーバーを避けたい」「融資は極力使いたくない」といった現実的な課題を抱える中で、新東亜工業がどのように提案し、信頼を築きながら工事を完遂したのか──。
理事会への説明から近隣対応、完成後のフォローまで、実際のやり取りを交えてリアルにお伝えします。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

築17年が経過し、管理組合では以前から大規模修繕の検討がされていましたが、資材高騰などにより予算が合わず延期されていた背景があります。「融資は避けたい」「必要な部分に絞って実施したい」といった要望の中、数社に見積り依頼をされていた中で弊社にご相談をいただきました。

担当者:お問い合わせありがとうございます。ご予算に合わせて施工範囲を調整することも可能です。弊社は子会社で材料問屋を持っているため、同じ工事でも他社様より価格を抑えるご提案が可能です。
お客様:なるべく費用を抑えたいので、ぜひ現地調査をお願いします。図面などもご用意します。
担当者:ありがとうございます。図面と、屋上に鍵があるようであればご用意をお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前
大規模修繕 施工後
https://shintoakogyo.co.jp/case/posts/69525/
項目 内容
建物種別 分譲マンション(8階建て)
所在地 東京都内(詳細非公開)
工事内容 大規模修繕工事(外壁補修・塗装・防水・シーリング・長尺シート他)
工法 足場設置のうえ全面修繕/ウレタン塗膜防水(密着工法)他
その他特記事項 理事会へのプレゼンあり、工事中の騒音・近隣対策対応あり

工事金額:2,430万円 期間:約2カ月間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、屋上の防水層や外壁のシーリング、タイル目地などに劣化が見られました。既存のアスファルトシート防水はまだ機能していたものの、再施工のタイミングとしては適切であり、ウレタン塗膜防水による上塗りを推奨しました。また、タイルの一部には硬化不良が確認され、慎重な撤去作業が必要な状態でした。

担当者:屋上はアスファルトシート防水ですね。状態は悪くないので、ウレタン塗膜防水の密着工法が適しています。
お客様:それでお願いします。あとベランダは見た目を良くしたいので、長尺シートも検討したいです。
担当者:シートは費用が倍近くかかるので、ウレタンの方が予算には優しいですね。
お客様:でも可能ならシートにしたいので、そちらで見積りお願いします。

施工中のやり取りと配慮

工事期間中は、騒音や近隣への影響を最小限に抑える配慮を行いました。作業工程や騒音の案内は掲示板やホワイトボードで事前に周知し、近隣住民や管理人との連携も徹底。足場設置やメッシュシートの風対策も含め、安全対策も万全に対応しました。また、アスベスト調査も事前に実施し、含有なしを確認済みです。

お客様:日曜に音がしたって苦情が来たのですが…。
担当者:調べたところ、隣の工事のものでした。担当者に周知のお願いはしておきました。
お客様:ありがとうございます。トラブルにならなくてよかったです。

お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!

新東亜に相談する

引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様からは「タイルもまったく違和感がない」「すごく綺麗になった」と高い評価をいただきました。タイルの保管方法や施工写真・保証書を含めた竣工図書の提出も行い、今後のメンテナンスにも役立てていただける内容でお渡ししました。

お客様:どこを張り替えたかわからないくらい自然ですね。
担当者:窯焼きで色を合わせたので、かなり近く再現できています。必要があればいつでもご連絡ください。
お客様:ありがとうございます。次は廊下の床や照明をまとめて検討したいと思います。

今回の工事では、以下のような成果が得られました。

  • ご予算に合わせた柔軟な工事範囲調整
  • 自社施工・材料問屋からの直接仕入れでコストダウンを実現
  • 理事会での丁寧なプレゼンと近隣配慮で信頼を構築
  • 施工中の進捗報告や打ち合わせで透明性を確保
  • 外観と防水性が向上し、物件価値の維持につながった

新東亜工業では、お客様の状況に合わせた提案と対応を徹底しております。大規模修繕に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

マンションの住民と管理組合が取るべき空き巣を防ぐための工夫

空き巣被害からマンション全体を守るためには、住民同士だけでなく管理組合の積極的な関与と協力体制の構築が不可欠です。
防犯は個人任せにせず、マンションコミュニティ全体で取り組む意識が求められます。そのため、以下のような心構えで取り組むことが大切です。

防犯に効果的な具体的な工夫一覧

工夫・対策内容目的・効果ポイント・注意点
工事案内と業者リストの掲示工事業者の顔写真・社名を住民に周知し、業者の出入りを明確化定期的に更新し、掲示場所はエントランスや共用スペースなど見やすい場所に設置することが重要
不審者情報の共有連絡体制の構築不審者や異常を発見した際に即時共有し迅速な対応を促進LINEグループや掲示板・管理会社を通じた情報伝達を活用し、全住民が参加しやすい仕組みを作る
宅配・新聞の一時停止推奨留守中に配達物が溜まることで不在を悟られ、空き巣に狙われるのを防止長期不在が見込まれる場合は、宅配や新聞の一時停止を管理組合が住民に案内し促す
声かけ運動の推進日常的な声かけにより不審者を牽制し、住民間の連帯感も向上「おはようございます」など簡単な挨拶から始め、自然なコミュニケーションを促進
巡回・見回りの実施定期的に管理人や警備員が共用部を巡回し、防犯意識を高める管理会社と連携し、巡回スケジュールを住民にも周知して安心感を提供

防犯力アップのために「声かけ運動」は効果的!

声かけは単なる挨拶以上の意味を持ちます。不審者は声をかけられることを非常に嫌います。
日常の自然なコミュニケーションが、不審者に対する強力な抑止力になるのです。

空き巣対策への意識を高めて大規模修繕を安全に乗り越えるために

大規模修繕中の空き巣リスクはゼロにはできませんが、住民と管理組合が協力し、対策を徹底することで大幅に軽減することが可能です。
以下に、具体的な取り組みを紹介します。

防犯意識の共有が安全の鍵

大規模修繕中の空き巣リスクをゼロにすることは難しいものの、住民同士が互いに注意を払い合う「見守り体制」を築くことで、不審な動きや異変にすぐ気づける環境が生まれます。
日常的な挨拶や顔の認識を通じて、不審者を早期発見し、管理組合への迅速な報告が安心・安全な暮らしの基盤となります。

定期的な情報共有で防犯意識を高める

管理組合は工事の進捗状況や注意すべきポイントを掲示板やメール、回覧で定期的に住民に伝えることが重要です。
タイムリーな情報提供は住民の警戒心を維持し、防犯対策の具体的な実践を促進します。
こうした情報共有は全体の防犯レベルを底上げする効果があります。

防犯対策は資産価値の保護にもつながる

空き巣被害はマンションの治安イメージを損ねるだけでなく、売買や賃貸時の評価にも影響を及ぼします。
防犯意識が高く対策がしっかりしているマンションは、安心して住み続けられる環境としての信頼を得られ、結果的に資産価値の維持・向上につながります。

住民と管理組合が協力して築く安心のコミュニティ

住民と管理組合が協力し、防犯意識を高め続けることが大規模修繕を安全に乗り切る最大の武器です。
お互いを思いやるコミュニティづくりが、マンション全体の安心と資産価値の向上に直結します。

空き巣以外にも対策が必要?大規模修繕期間中における過ごし方のポイント

大規模修繕は建物のメンテナンスだけでなく、住民の生活にも一定の影響を及ぼします。
そのため、快適に過ごすための工夫も大切です。

  • 騒音対策とスケジュールの把握:工事の騒音は避けられないものですが、作業時間や工程を事前に管理組合から案内してもらい、騒音の多い時間帯を把握しておくことで、家事や在宅ワークの調整がしやすくなります。
  • 換気・埃対策:工事に伴う埃や粉塵は健康に影響を与えることもあるため、窓を開けるタイミングを工事スケジュールに合わせるなど工夫しましょう。空気清浄機の活用も効果的です。
  • 共用部の利用制限への理解と協力:一時的に共用部の使用制限がある場合もあります。安全面を考慮した制限ですので、住民同士で協力し、ルールを守ることがトラブル回避につながります。
  • 外出やレジャーの計画:騒音や工事の不便さを避けるために、期間中は外出や旅行を計画するのも一つの方法です。家族でリフレッシュし、快適な生活環境が戻るまでの期間を有意義に過ごしましょう。
  • コミュニケーションの機会として活用:工事期間は住民同士のコミュニケーションの機会としても捉えられます。工事説明会や懇親会に積極的に参加し、顔見知りを増やすことで、安心感も高まります。

マンション大規模修繕中の空き巣被害に関するよくある質問(FAQ)

大規模修繕中は居住者にとって普段と異なる環境になるため、不便さを感じる場面も少なくありません。
よくある質問では、工事中の防犯対策をはじめ、生活面での疑問や注意点をまとめています。
日常をスムーズに送るためのヒントとして、ぜひご活用ください。

Q1. 大規模修繕中の防犯対策は住民個人でもできますか?
A. はい。補助錠や防犯フィルム・タイマー付き照明など、個人でもできる対策は多数あります。

Q2. 管理組合はどのような防犯対応を取るべきですか?
A. 工事業者との情報共有・掲示物の活用・防犯カメラの設置・住民との連絡体制の整備などが重要です。

Q3. 空き巣はどの時間帯に侵入するケースが多いですか?
A. 一般的には昼間の不在時間帯が多く、工事の騒音があると異変に気づきにくくなります。

Q4. 修繕工事中に防犯カメラを増設するのは効果がありますか?
A. 非常に有効です。目に見える防犯設備は、犯行の抑止力になるだけでなく、記録にも役立ちます。

Q5. 空き巣被害に遭った場合はどうすればよいですか?
A. すぐに警察に通報し、管理会社と管理組合にも報告。写真や状況を記録し、保険会社への連絡も忘れずに行いましょう。

Q6. 工事期間中に外泊しても大丈夫?
A. 問題はありませんが、施錠確認と郵便物の取り扱いにはご注意ください。長期不在にする場合は管理組合や管理会社に一報入れておくと安心です。

Q7. 工事中に窓を開けても大丈夫ですか?
A. 基本的に換気は可能ですが、工事の内容によっては粉塵や塗料のにおいが入ってくることがあります。スケジュールを確認し、換気のタイミングに注意しましょう。また、不在時は締め忘れないよう出かける前にチェックすることも重要です。

空き巣対策を徹底することがマンション大規模修繕の成功につながる|まとめ

マンションの大規模修繕は、建物の耐久性や資産価値を守るために欠かせない重要な工事です。
しかしその一方で、足場や養生シートによる死角の発生や作業員の頻繁な出入り、工事中の騒音などによって、空き巣被害のリスクが高まる期間でもあります。
だからこそ、住民一人ひとりが玄関や窓の施錠・防犯フィルムや補助錠の設置・室内灯のタイマー利用といった基本的な対策を徹底することが不可欠です。
また、管理組合と住民が連携して工事関係者の情報共有や不審者の報告体制を整えることも、防犯力向上につながります。

決して「自分の家は大丈夫」と過信せず、小さな工夫と協力を積み重ねることで、安心・安全な暮らしを守り抜きましょう。