シート防水の単価相場を解説!工法別費用と見積もりの正しい見方とは?

2026/01/09

屋上やベランダの防水工事を検討する際、「シート防水の単価はどれくらいなのか」と疑問に思う方は多いでしょう。

シート防水は耐久性が高く、メンテナンスの手間が少ない優れた防水工法ですが、工法や材質によって単価が大きく異なります。

塩ビシート防水の機械固定工法なら6,500~7,500円/㎡、密着工法なら6,000~7,000円/㎡、加硫ゴムシート防水なら5,000~6,000円/㎡が相場です。

しかし、シート防水は専門技術を要する工法のため、適正な単価を知らないと、高額な費用を請求されたり、逆に安すぎる見積もりで手抜き工事をされたりするリスクがあります。

本記事では、防水工事の専門知識をもとに、シート防水の単価相場から工法別の特徴、見積書の正しい見方、費用を抑えるポイントまで詳しく解説します。

適正価格でシート防水工事を依頼したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

また「防水工事とは?」や「防水工事の費用」など、基本的な知識について解説して記事も公開しておりますので、本記事の理解をより一層深めるためにも、ぜひ合わせてご覧ください。

この記事で分かること
  • シート防水の単価相場と工法別の価格差
  • 塩ビシート防水と加硫ゴムシート防水の単価の違い
  • 見積書に記載される項目と適正単価の確認方法
  • シート防水の単価が変動する要因
  • 長期的なコストパフォーマンスの考え方
  • シート防水の単価に関するよくある質問

シート防水とは?

シート防水とは、塩化ビニール製や合成ゴム製の防水シートを屋上やベランダの下地に敷設し、雨水や湿気の侵入を防ぐ防水工法です。

工場で製造された均一な厚みのシートを使用するため、施工品質が安定しやすく、広い面積でも短工期で施工できる点が特徴です。

代表的な種類には、耐候性・耐久性に優れる塩ビシート防水と、伸縮性が高く建物の動きに追従しやすい加硫ゴムシート防水があります。

施工方法は、下地の影響を受けにくい機械固定工法と、仕上がりが平滑な密着工法があり、建物条件に応じて選択されます。

耐用年数は10~20年と長く、大手ハウスメーカーの建物にも多く採用されている信頼性の高い防水工法です。

塩ビシート防水の単価と特徴

塩ビシート防水は、塩化ビニール樹脂を主原料とした防水シートを使用する工法で、現在最も普及しているシート防水です。

ここでは、塩ビシート防水の単価と特徴について詳しく解説します。

塩ビシート防水の単価相場

塩ビシート防水の単価相場は、採用する工法によって差がありますが、一般的に6,000~7,500円/㎡が目安です。

ウレタン防水よりやや高額ですが、材料の耐久性と施工精度の高さが価格に反映されています。

特にシート同士の溶着作業は高度な技術が求められ、施工品質が防水性能を大きく左右します。

工法単価相場
機械固定工法約6,500~7,500円/㎡
密着工法(接着)約6,000~7,000円/㎡

施工面積が広いほど作業効率が上がり、㎡単価は下がる傾向があります。

品質重視の屋上防水工事は費用だけでなく、耐久性も含めて検討することが重要です。

塩ビシート防水の単価と耐用年数の関係

塩ビシート防水は初期単価こそ高めですが、耐用年数が15~20年と長いため、長期的にはコストパフォーマンスに優れた防水工法です。

紫外線に強く、ウレタン防水のような定期的なトップコート塗り替えがほぼ不要な点も特徴です。

防水工法耐用年数年間コスト目安
塩ビシート防水15~20年約400~500円/㎡
ウレタン防水8~10年約500~750円/㎡

耐久性を重視するマンション屋上や大規模施設では、長期視点で見て塩ビシート防水を選ぶメリットが大きいといえます。

塩ビシート防水の単価に含まれる工事内容

塩ビシート防水の単価には、シート敷設だけでなく、防水性能を確保するための一連の工程が含まれています。

下地処理から端部処理までが一体となって初めて、高い耐久性が発揮されます。

主な工事内容

  • 高圧洗浄・下地清掃
  • ひび割れ・欠損部の補修
  • 防水シート敷設・固定
  • シート継ぎ目の熱風溶着
  • ドレン・立上り・端末処理

これらの工程が適切に行われていないと、シート防水本来の性能は発揮されません。

見積もりでは、これらが省略されていないか必ず確認することが重要です。

加硫ゴムシート防水の単価と特徴

加硫ゴムシート防水は、合成ゴムを主原料とした防水シートを使用する工法で、初期費用を抑えたい場合に選ばれることが多い工法です。

ここでは、加硫ゴムシート防水の単価と特徴を紹介します。

加硫ゴムシート防水の単価相場

加硫ゴムシート防水の単価相場は5,000~6,000円/㎡で、塩ビシート防水より比較的安価です。

材料費を抑えられるため、初期費用を重視する住宅で採用されやすく、特に木造住宅の屋上や小規模建物で選ばれる傾向があります。

防水工法単価相場
加硫ゴムシート防水約5,000~6,000円/㎡
塩ビシート防水約6,000~7,500円/㎡

加硫ゴムは伸縮性が高く建物の動きに追従しやすい点が特徴で、温度変化や構造の揺れが出やすい建物との相性が良い防水工法といえます。

加硫ゴムシート防水の単価が安い理由

加硫ゴムシート防水が安価な理由は、材料コストと施工条件の違いにあります。

合成ゴムは塩ビ樹脂より原材料費が低く、製造工程も比較的シンプルなため、シート自体の価格を抑えられます。

単価が安い主な理由

  • 原材料(合成ゴム)のコストが低い
  • シート加工工程が比較的簡易
  • 初期施工費を抑えやすい

一方で、紫外線に弱いという弱点があり、トップコートによる保護が必須です。

また、衝撃や鳥害に弱い面もあるため、価格だけでなく設置環境や用途を踏まえた判断が重要です。

加硫ゴムシート防水の単価とメンテナンス費用

加硫ゴムシート防水は初期費用が安い反面、定期的なメンテナンス費用が発生する工法です。

特にトップコートの劣化対策が重要となります。

メンテナンス内容目安費用
トップコート塗り替え約2,000~3,000円/㎡
実施周期5~8年ごと

例えば70㎡の場合、1回のトップコート更新で14万~21万円程度が必要です。

これを怠るとゴムの硬化やひび割れが進行します。

長期的に見ると、20年スパンでは塩ビシート防水の方が総費用を抑えられるケースもあるため、ライフサイクルコストでの比較が欠かせません。

シート防水の単価を工法別に比較

シート防水には主に「機械固定工法」と「密着工法」の2つの施工方法があります。

最適な選択をするためにも、それぞれの単価や特徴を押さえておきましょう。

機械固定工法と密着工法の単価や特徴を比較

以下の表に、機械固定工法と密着工法の単価や特徴をまとめました。

項目機械固定工法密着工法(接着工法)
単価相場約6,500~7,500円/㎡約6,000~7,000円/㎡
施工方法固定金具(ディスク)とビスで下地に固定接着剤で下地に直接貼り付け
下地の影響受けにくい(既存防水層の上から施工可)受けやすい(下地の平滑性が重要)
膨れリスク低い(空気層・絶縁層ができる)やや高い(下地不良で膨れ・剥がれの恐れ)
騒音・振動ややあり(ビス固定作業)少ない
仕上がりややクッション感あり平滑で歩行感が良い
耐用年数15~18年程度12~15年程度
主な用途改修工事・下地不安あり・大型屋上新築・下地良好・美観重視
採用傾向現在最も採用率が高い条件が合えばコスト重視で有効

単価だけでな、仕上がりメンテナンスのしやすさなどを比較したうえで選択することが重要です。

シート防水以外の防水工法と比較

シート防水の単価を他の防水工法と比較することで、それぞれの特性とコストの関係が明確になります。

防水工事の種類単価相場(円/㎡)耐用年数メンテナンス頻度
塩ビシート防水(機械固定工法)約6,500~7,50015~18年程度ほぼ不要
塩ビシート防水(密着工法)約6,000~7,00012~15年程度ほぼ不要
加硫ゴムシート防水約5,000~6,00010~12年程度5~8年ごと
ウレタン防水約5,000~7,5008~10年程度5~8年ごと
FRP防水約6,000~8,50010~12年程度5~7年ごと
アスファルト防水約6,000~9,00015~20年程度5~8年ごと

この表から分かるように、塩ビシート防水は単価と耐用年数のバランスが優れており、メンテナンスの手間も最小限です。

ウレタン防水工事の単価は他の工法と比べると安いものの、耐用年数が短く定期的なメンテナンスが必要なため、長期的にはコストが高くなる傾向があります。

FRP防水の単価について詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。

シート防水の単価を見積書形式で紹介

防水工事の見積もりには、どのような項目が記載され、どれくらいの単価になるのかを具体的に紹介します。

工事を成功に導くためにも、見積書における重要なポイントを押さえておきましょう。

塩ビシート防水(機械固定工法)の見積もりと単価内訳

塩ビシート防水の機械固定工法の見積書には、以下のような項目と単価が記載されます。

【見積書例:施工面積70㎡の場合】

項目数量単価金額
高圧洗浄70㎡250円17,500円
下地補修一式20,000円
入隅鋼板取付20m1,000円20,000円
平場シート防水(機械固定)70㎡6,000円420,000円
立上りシート防水15㎡6,500円97,500円
ドレン改修2箇所10,000円20,000円
廃材処分費一式20,000円
諸経費一式50,000円
合計約665,000円

塩ビシート防水(密着工法)の見積もりと単価内訳

密着工法の見積書は機械固定工法と似ていますが、固定金具の費用がない分、やや安価になります。

【見積書例:施工面積70㎡の場合】

項目数量単価金額
高圧洗浄70㎡250円17,500円
下地補修一式20,000円
プライマー塗布70㎡400円28,000円
平場シート防水(密着)70㎡5,500円385,000円
立上りシート防水15㎡6,000円90,000円
ドレン改修2箇所10,000円20,000円
廃材処分費一式20,000円
諸経費一式45,000円
合計約625,500円

密着工法では機械固定工法に比べて4~5万円程度安くなることが一般的です。

加硫ゴムシート防水の見積もりと単価内訳

加硫ゴムシート防水の見積書は、塩ビシート防水よりも材料費が安いため、全体的に費用が抑えられます。

【見積書例:施工面積70㎡の場合】

項目数量単価金額
高圧洗浄70㎡250円17,500円
下地補修一式20,000円
プライマー塗布70㎡400円28,000円
平場ゴムシート防水70㎡4,500円315,000円
立上りゴムシート防水15㎡5,000円75,000円
トップコート塗布70㎡700円49,000円
ドレン改修2箇所10,000円20,000円
廃材処分費一式20,000円
諸経費一式40,000円
合計約584,500円

加硫ゴムシート防水は初期費用が最も安いですが、トップコート塗布が必須で、5~8年後にはトップコートの塗り直しが必要です。

※これらは一般的な単価相場を参考にした例です。実際の費用は建物状態や工事の実施時期など様々な容認で変動します。

シート防水の単価が変わる要因を理解する

実際の工事費用はさまざまな要因によって、大きく変わることもあります。

費用変動にスムーズに対応するためにも、その要因にはどのようなものがあるのか理解しておきましょう。

施工面積でシート防水の単価が変動する理由

シート防水の単価は、施工面積による影響が非常に大きいのが特徴です。

防水工事では、現場管理費や廃材処分費、資材搬入費などの固定費が面積に関係なく発生するため、小面積ほど㎡単価が割高になります。

特に50㎡以下の工事では、これら固定費の比率が高くなり、相場より20~30%程度単価が上がるケースも珍しくありません。

一方、100㎡を超えるような大規模工事では、固定費を広い面積で分散できるため、単価が10~20%程度下がる傾向があります。

見積もりを比較する際は、㎡単価だけでなく施工面積とのバランスを確認することが重要です。

下地状態がシート防水の単価に与える影響

シート防水の単価を左右する大きな要因の一つが、下地の劣化状態です。

既存防水層が健全で、ひび割れや欠損が少ない場合は、下地補修が最小限で済み、標準的な単価で施工可能です。

しかし、下地に広範囲のクラックや欠損、浮きがある場合は補修工事が必要となり、その分コストが上昇します。

例えば、10㎡以上の下地補修が必要な場合、補修費だけで5万~15万円程度かかることもあります。

下地状態は見積額に直結するため、事前の現地調査を省かない業者を選ぶことが重要です。

シート防水の単価を上げる追加工事項目

シート防水では、基本工事に加えて追加工事の有無が総額を大きく左右します。

代表的なのが、パラペット笠木の交換・補修で、劣化が進んでいる場合は1mあたり5,000~10,000円程度が加算されます。

また、雨漏りリスクの高いドレン(排水口)の全面交換は、1箇所あたり30,000~50,000円が目安です。

さらに、既存防水層をすべて撤去する場合は、1,500~3,000円/㎡の追加費用が発生します。

見積書では、これら追加工事が含まれているかを必ず確認しましょう。

シート防水の単価とトータルコストを考える

シート防水の真のコストパフォーマンスを評価するには、初期単価だけでなく、長期的な視点での費用対効果を考える必要があります。

ここでは、シート防水におけるトータルコストの考え方について紹介します。

シート防水の単価と耐用年数から見るコスパ

シート防水のコストパフォーマンスを正しく判断するには、初期単価ではなく耐用年数を踏まえた「年間コスト」で比較することが重要です。

塩ビシート防水(機械固定工法)は単価6,500~7,500円/㎡、耐用年数15~18年で、年間コストは約360~500円/㎡となります。

一方、加硫ゴムシート防水は単価5,000~6,000円/㎡、耐用年数10~12年で、年間コストは約417~600円/㎡です。

この比較から、長期的には塩ビシート防水の方がコスパに優れることが分かります。

短期的な安さだけでなく、使用期間を想定した判断が重要です。

メンテナンス費用を含むシート防水の単価計算

シート防水の総費用を把握するには、メンテナンス費用を含めたトータルコストの算出が欠かせません。

塩ビシート防水は基本的にメンテナンスフリーで、必要なのは定期点検(5,000~10,000円/回)程度です。

70㎡の場合、20年間の総費用は初期費用と点検費を含め約45万~54万円となります。

一方、加硫ゴムシート防水は5~8年ごとにトップコート塗り替えが必要で、20年間で28万~63万円の追加費用が発生します。

結果として、初期単価が安くても総額は大差が出にくい点に注意が必要です。

シート防水の単価と長期的な費用対効果

シート防水の費用対効果を最大化するには、初期単価・耐用年数・管理のしやすさを総合的に判断することが重要です。

建物の使用予定が20年以上であれば、耐久性に優れる塩ビシート防水が有利です。

また、定期的なトップコート更新が不要なため、維持管理の手間と時間的コストを抑えられる点も大きなメリットといえます。

さらに、耐久性の高い防水仕様は建物の資産価値維持にもつながり、売却や賃貸時の評価向上にも寄与します。長期視点での判断が結果的に経済的です。

シート防水の単価に関するよくある質問【FAQ】

シート防水の単価に関して、よくある質問にお答えします。

シート防水の単価は面積によってどれくらい変わりますか?
シート防水の単価は施工面積によって大きく変動します。
30㎡以下の小規模工事では、平米単価が8,000~10,000円/㎡程度になることもあり、50~100㎡の中規模工事では、平米単価は6,000~8,000円/㎡程度に下がります。
100㎡以上の大規模工事では、スケールメリットにより5,500~7,000円/㎡まで抑えられることがあるため、見積もりを比較する際は、同じ施工面積での比較でないと正確な判断ができません。
シート防水の単価には何が含まれていますか?
シート防水の単価には、材料費(防水シート、接着剤、固定金具、プライマーなど)、施工費(職人の人件費)、下地処理費(高圧洗浄、ケレン、清掃)、基本的な下地補修費(軽微なひび割れ補修)などが通常含まれています。
ただし、大規模な下地補修、既存防水層の撤去、ドレンや笠木の交換などは別途費用が発生することが多いです。
見積書を確認する際は、「一式」と記載されている項目の内容を具体的に確認することが重要です。
シート防水の単価が安すぎる業者は危険ですか?
相場より大幅に安い単価を提示する業者には注意が必要です。
相場の20~30%以上安い場合、下地処理を省略する、シートの厚みが薄い、溶着の手間を省いて接着不良が起きる、必要な工程を飛ばして工期を短縮するなどのリスクが考えられます。
適正価格より極端に安い見積もりを受け取った場合は、「どの工程でコストを削減しているのか」を具体的に確認しましょう。
塩ビシートと加硫ゴムシートの単価差はどれくらいですか?
塩ビシート防水と加硫ゴムシート防水の単価差は、1,000~1,500円/㎡程度です。
塩ビシート防水の機械固定工法が6,500~7,500円/㎡に対し、加硫ゴムシート防水は5,000~6,000円/㎡で、70㎡の施工面積で計算すると、初期費用の差は7万~10万円程度になります。
ただし、加硫ゴムシート防水は5~8年ごとにトップコートの塗り直しが必要で、20年間のトータルコストで比較すると、塩ビシート防水の方が経済的になるケースが多いです。
シート防水の単価に消費税は含まれていますか?
見積書に記載されている単価が税込か税抜かは、業者によって異なります。
一般的には税抜価格で記載されていることが多く、最終的な総額に消費税(10%)が加算されます。
例えば、総額50万円の見積もりが税抜表示なら、実際の支払額は55万円になるため、見積もりを比較する際は、すべての業者が税込か税抜かで統一して比較することが重要です。

まとめ

シート防水の単価は工法や材質によって異なり、適正な価格を知ることが失敗しない防水工事の第一歩です。

本記事で解説した内容を振り返り、重要なポイントをまとめます。

  • 塩ビシート防水は6,000~7,500円/㎡で耐用年数15~20年と長期的にコスパが優れている
  • 加硫ゴムシートは5,000~6,000円/㎡と初期費用は安いが定期的なメンテナンスが必要
  • 機械固定工法は密着工法より単価がやや高いが下地の影響を受けにくく改修に適している
  • 見積書の単価だけでなく下地処理や付帯工事の項目も確認することが重要である
  • 単価と耐用年数メンテナンス費用を含めたトータルコストで判断することが賢明である

防水工事を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、単価だけでなく工事内容や保証内容も比較検討することが重要です。

適正な単価で信頼できる業者に依頼することで、長期間にわたって安心できる防水性能を確保できるでしょう。

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