【個人オーナー様】東京都新宿区ビル 漏水対策工事 費用公開

2025/09/09

工事の全体像とポイント

本工事では、まず外壁のひび割れ(クラック)補修を行いました。通常は足場を設置して作業を行うケースが多いですが、今回は建物の構造や周辺環境を考慮し、ロープアクセス(無足場工法)によるシーリング処理を採用。高所作業に特化した専門スタッフがロープで外壁にアクセスし、安全かつ確実にひび割れ部分を補修しました。この工法は、コストを抑えながらも迅速な対応が可能な点が大きなメリットです。

次に、高圧洗浄機を使用して外壁や防水施工面の汚れを徹底除去。この洗浄工程は、防水材の密着性を高めるために欠かせない重要な前処理であり、仕上がりの品質に直結する作業です。

防水工事の対象となったのは、5階および6階部分のルーフバルコニーです。今回は、防水層の耐久性と安定性を高めるため、ウレタン塗膜防水の「通気緩衝工法」を採用しています。この工法は、防水材の下に通気層を設けることで、下地内部にこもる湿気や水分を効率的に排出できる構造となっており、防水層の膨れや剥離を防止するうえで非常に有効です。特に、内部からの湿気が雨漏りの要因となりやすい箇所では、信頼性の高い防水対策として選ばれることが多い工法です。

足場が組めない現場の最適解:ロープ作業の特徴と費用比較

足場が組めない現場での“ロープ作業”とは?

都市部の狭小地や接道条件が厳しい建物では、仮設足場の設置が難しい場合があります。そんな現場で活躍するのが「ロープアクセス工法(無足場工法)」です。高所作業専門の作業員が建物の上部からロープで下降しながら作業を行う方法で、近年では日本でも外壁補修や漏水対策などに多く採用されています。

ロープ作業のメリット

・足場が不要なため、狭小地や建物が密集したエリアでも施工が可能です。

・仮設資材や組み立て作業が不要なため、足場に比べて工事全体のコストを抑えることができます(特に小規模工事では経済的)。

・足場の設置・撤去が不要なため、着工までのスピードが早く、短期間での工事にも適しています。

・道路使用許可や近隣調整が最小限で済み、第三者への影響が少ないのも大きな利点です。

ロープ作業のデメリット

・作業範囲や作業内容には制限があり、大規模な補修や重量物の取り扱いには不向きです。

・高所作業には専門的な資格と訓練が必要で、安全管理の徹底が求められます。

・同時作業ができる人員が限られるため、工事の進行に時間がかかる場合があります。

費用面の比較(足場 vs ロープ作業)

足場は安全性・作業効率ともに高く、広範囲な工事や長期工事に適していますが、設置と撤去にかかるコストは高く、小規模工事では割高になりがちです。一方、ロープ作業は仮設費が不要で、必要最低限の人員と装備で対応できるため、短期間・部分補修などには最適です。

まとめ

ロープ作業は、「足場を組めない」「コストを抑えたい」「短期間で施工したい」などの条件が重なる現場で非常に効果的な工法です。ただし、すべての工事に適しているわけではないため、現地調査や施工内容の見極めが重要です。

工事金額:98万円

下地補修工事

ひび割れ補修(ロープアクセス工法)

■参考リンク:コニシ株式会社

防水工事

5階ルーフバルコニー

6階ルーフバルコニー

■参考リンク:シーカジャパン株式会社

笠木ジョイント部ブリッジシール

■参考リンク:サンスター株式会社

監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄

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